埼玉県の男女別学の県立高校に対し、県の第三者機関が早期に共学化するべしとの勧告を出したというニュースを見ました。近畿圏では和歌山の海南市立海南下津高校(2024年3月閉校)以外の公立高校はすべて共学となっていますので、埼玉や千葉に、今もなお男子校、女子校の公立名門校が残っているのは不思議な感じがします(GHQによる戦後処理に関し西日本と東日本で差があったことも一つの理由ですが、その歴史はここでは割愛します)。
一方私立に関しては、近畿圏でも男女別学の学校が少なくありません。しかし、共学化する動きは続いています。
さて、大学も例外ではなく、女子短期大学が4年制大学に昇格するタイミングで共学化する流れもありましたが、最近では神戸親和大学や鹿児島純心大学のように4年制の女子大学が共学化するケースもみられます。
そこで、女子大の生徒募集状況は本当に厳しいのか?という疑問を感じたので、強い味方、旺文社の「大学の真の実力情報公開BOOK」で全国69の女子大のデータを調べ、地域別に集計してみました。

各地域の各年度、上から「入学定員」「入学者数」「充足率」の順に並べ、2018年からのデータを作ってみました。2018年の中国・四国はデータが揃っていませんでしたので率は出していません。
まず、全国の数値をみると、充足率が次第に下がってきているのがわかります。特に2023年度入試では、平均充足率が86.1%と厳しい状況となっています。
薄く緑色でセルを塗っているところは全国平均を下回っている地域です。このようにみると、首都圏は下がってきているとはいえ、まだ充足率90%を維持していますが、それ以外の地域は軒並み平均以下となっています。
というわけで、冒頭のニュースに絡めて考えると、首都圏は公立も含めて男女別学の高校が多いので女子大への入学者数の減少は緩やかで、その他の地域の高校は共学校が支配的なので女子大がピンチになっている、という仮説も成り立ちます。
というわけで、首都圏の女子大関係者の皆さん、埼玉県に男女別学を無くさないように陳情に行きましょう。