東京都 公立高校 志望予定調査

2021年1月19日 火曜日

東京都教育委員会から、2021年度入試における、公立高校の志望予定者調査が発表されました。東京の公立高校は男女別に定員が設けられていますので、男女別の倍率が発表されているのですが、男女ともトップは三田高校。旧制高等女学校をルーツに持つこの学校は1950年から共学化、2007年からは進学指導「推進」校(「重点」校ではない)にも指定され、早慶上智ICU126名、GMARCH352名など、大学進学実績でも輝かしい実績を上げています。69人の管弦楽団(弦楽部+吹奏楽部の一部)は2019年の全日本オーケストラフェスタにも出演、公立なのに屋内温水プールも完備などと部活動も設備も充実。そりゃぁ人気もでるでしょうよ、といった学校です。もちろん、4年間連続東京大学10名以上合格の戸山高校や昨年度北海道大学13名など、難関国公立の合格実績を誇る青山高校(因みにどちらにも管弦楽団がある・・・)なども安定した人気です。これら進学指導重点校についてはこの時点での希望者数より、実際の出願が増える傾向がありますので、注意が必要でしょう。(以下は東京都教育委員会のホームページhttps://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/admission/high_school/application/release20210107_01.htmlの配布資料(2)より抜粋)

付属(附属)校からの内部進学ランキング②

2021年1月13日 水曜日

 それでは、付属校からの入学者が全体のどの程度を占めているのかを示したランキングも作ってみました。すると、1位は人数では2位だった東海大学。3割以上が付属校の出身となっています。2位は日本大学、3位が創価大学。都内から少し離れた八王子の駅からバスで20分の丘の上の広々としたキャンパスを持つこの大学の付属校は創価高校(東京都小平市)と関西創価高校(大阪府交野市)の2校のみですが、この2校からで入学者の4分の1を占めるというのは驚きです。

4位の慶應義塾について、付属校の名称が独特なので、慶應義塾のホームページからの図を借りてきました。

 湘南藤沢は実質中高6年一貫(高校からの一般外部募集は20名)ですが、それ以外は3年区切りで学校を卒業、入学する形になります。とはいえ、慶應義塾女子は慶應義塾三田キャンパス、慶應義塾中等部の隣ですし、普通部と高等学校は同じ日吉駅をはさんで反対側ですので、実質的にはそのまま進級、といった感じになるのでしょう。

このランキングの上位の大学を目指すのならば、高校から(もしくは中学校から)入学しておくのがお勧め、となりそうです。しかし、今の人気ぶりを見ていると、付属校でなくても、大学系列の高校・中学校はさらに増えていくことでしょう。

付属(附属)校からの内部進学ランキング①

2021年1月12日 火曜日

ここ近年人気の大学付属(附属)校について調べてみました。(国立大学に併設されている学校は「附属」で統一されていますが、私立では近畿大学「附属」や龍谷大学「付属」平安など、2通りの表記があります。ここではまとめて「付属校」と表記します)元データはAERAムック「大学ランキング2021」朝日新聞社 から取っています。数値は2019年度入学者数を元にしています。

 付属校からの入学者ランキング全国1位はやはり、日本最大の大学、日本大学です。なんと年間4233名というのは大阪の標準的な府立高校(1学年320名)の13校分にあたります。しかし、実は日本大学の附属校は全国に25校もあるのです。日本大学恐るべし。1校平均165名が入学した計算になります。

 2位は2254名の東海大学。こちらも北海道から熊本まで全国に14校の付属高を持っています。(うち3校は別法人)1校平均161名が東海大学に入学している計算になります。こちらもかなりの占有率ですね。

 3位は1535名の早稲田大学。早稲田の附属高は2校、系属校は5校(附属・系属の表記は早稲田のホームページに倣っています)の7校からの数字です。そのうち練馬の早稲田大学高等学院からの進学者は例年460名以上と卒業生のほぼ全員が早稲田大学に進学しています。7校平均でも219名と圧倒的な占有率ですね。(続く)

履正社高等学校 S類奨学金制度

2020年12月24日 木曜日

大阪府豊中市の履正社高等学校は、2021年度入学生から、思い切った奨学金制度を導入すると発表しました。 簡単に言いますと、入試で上位25位に入れば、授業料+施設設備費を合わせた年間64万円が無料になるという制度です。公的支援金を受け取っている場合はその分は減らされますが、いずれにしても生徒が負担する学費は無くなります。 成績不振や素行不良がなければ原則3年間運用される、と明記されていますので、公的支援が無いご家庭の場合は学校から192万円プレゼントという豪華なキャンペーンとなっています。腕に自信のある受験生は是非チャレンジしてみましょう。

【コロナ対応】大阪の私立高校入試 面接中止の動きあり

2020年12月22日 火曜日

残念なことに新型コロナウイルス感染症(covid-19)の感染拡大が止まりません。これから迎える入試にも影響が出てきました。特に多くの受験生が集まる高校入試では、使用する教室数を増やして受験生の密度を下げる、特別講義室や体育館といった広い部屋を試験場に転用する、といった学校もあるようですが、面接試験を見直す学校も出てきました。

大阪府豊中市の大商学園からのお知らせの一部です。

こちらは大阪市住吉区の浪速高等学校からのお知らせの一部です。

いずれも、2日目に予定されていた面接試験を中止するというわけです。面接そのものの場面では、感染リスクはさほど高くないと思われますが、待合室や友人の帰宅待ちなど、密になる可能性は否定できないので思い切ったと考えられます。

大阪市東淀川区の大阪高校は、昼食の時間帯はマスクを外す=感染リスクが上がる、と考えたのでしょう、2日目の面接試験を取りやめ、代わりに学科試験を2日間に分けそれぞれ午前中のみで行う、という方針です。

今後の状況によっては、さらに面接を中止・縮小する学校も出てくるかもしれません。学校のホームページは定期的にチェックするようにしましょう。

大阪府立高校 2021年度入試を占う(旧4学区)

2020年12月18日 金曜日

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【旧4学区】 こちらは人気の泉陽・和泉・鳳での1クラス減が目を引きます。佐野・登美丘・久米田・高石も1クラス減ですので、府立の中での逃げ場がありません。私立専願となるのか、高倍率となるのか、いずれにしても 地域の私立への流出となると思います。 今後は中学校との懇談の結果、希望調査が発表されていきますが、今回名前を出した学校については注意深く見ていくようにしましょう。

今年はコロナ禍の影響で出題範囲に変更があるため、過去問がそのまま使えないなど試験準備にも気を遣うところですが、学校によっては高い競争率になることも考えられます。このようなご時世ですので特に、この冬休みにはお出かけをせずに頑張っていただきたいと思います。

大阪府立高校 2021年度入試を占う(旧3学区)

2020年12月17日 木曜日

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【旧3学区】こちらも旧2学区同様、上位校での定員減がありません。但し、昨年も厳しい戦いだった高津、生野に関しては緩和されるわけではありません。また、昨年も倍率の高かった 夕陽丘~河南・阿倍野といった人気校も1クラス減。ここはかなり厳しい戦いが予想されます。昨年は1次での定員割れが5校ありましたので、そちらへの流入にもつながるのではないでしょうか。 (続く)

大阪府立高校 2021年度入試を占う(旧2学区)

2020年12月16日 水曜日

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【旧2学区】 こちらは一転304名減と、旧1学区の半分以下のインパクトとなっています。文理学科の2校も維持、寝屋川と牧野が1クラス減ですが、昨年の倍率からすると、それほど極端なことにはならないと思われます。但し枚方~香里丘の4校が並んで1クラス減ですので、ここは逃げ場が無く、私立への流入が予想されるゾーンとなります。それ以外の学校は昨年通り落ち着いた倍率になるのではないでしょうか。(続く)

大阪府立高校 2021年度入試を占う(旧1学区)

2020年12月15日 火曜日

そろそろ、今年の中3生も年末の個人懇談の季節になってきたかと思います。今回は大阪府の公立高校に関してその材料となるデータを見ていただきます。 大阪府教育委員会は各公立高校の募集定員を発表していますが、地域ごとにその変化と予測を見ていきたいと思います。 大阪府では現在学区は廃止されて府下1区となっていますが、実際には通学の関連で、旧学区の範囲での学校選びが一般的だと思います。 そこで、旧学区別に一般入試の募集が行われる学校を選び出して、まとめてみました。 2020の倍率というのは1次のみの倍率ですので、実際には2次募集で定員充足している学校もありますが、一応今回は1次試験のみを対象とし、このまま掲載します。

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【旧1学区】 合計で募集定員717名減と大阪府下で最大幅となっています。北野1クラス減も大きな話題ですが、池田~山田のゾーンで一律1クラス減となっていますので、その影響は周辺の私立高校に及ぶことになると思います。今年英語をC問題からB問題に変えた三島も高倍率になる可能性が高いです。一方昨年もある程度の倍率だった刀根山~豊島のゾーンも1クラス減。厳しい戦いが予想されます。 (つづく)

埼玉県高校別 難関国立大学合格率 ランキング

2020年12月10日 木曜日

昨日に引き続き、埼玉県の高校ごとの難関国公立大学ランキングも作ってみました。元データは同じく、「サンデー毎日増刊 大学入試全記録2020年度版」国立の国立難関10大学(旧帝国大学7校+一橋+東工+神戸)の合格者数を卒業生数で割った【率】についてのランキングです。

東京は10大学【率】が5%以上の学校が53校ありましたが、埼玉県では9校。そんなに差がありますかね、と思ってよく見ると、埼玉県の方が1つの学校の人数が多いというのも影響しているようです。1位は県立浦和。1895年創立以来125年間男子校です。東大合格者数の平成以来の累積で1000名を超え、全国の公立高校では1位だそうです。 2位は同じ県立でも共学校の大宮高校。10年前に進学指導重点推進校になり、完全男女共学(それまでは男子クラス、女子クラス、共学クラスが混在)になってから東大合格者数が伸びたという学校です。3位は県立川越。こちらも男子校です。因みに音楽部(男声合唱)やクラシックギター、弦楽合奏、など音楽系の部活が全国大会レベル、その他有名な部活多数、といった元気いっぱいの学校です。SSHに指定されるなど理系にも強いので北海道大や東北大に進学しているのですね。5位の春日部高校も同じくSSH指定の男子校です。 というわけで、埼玉県の進学校は、県立であっても特徴があって、学校生活も楽しそうだなぁ、というお話でした。