2017年5月9日
大阪のキリスト教系の学校合同の説明会で、ブース形式の進路指導や各学校の生徒によるパフォーマンスが行われます。実はこのイベントが始まったのは2010年、ある意味でライバル関係である私立中学・高校が合同の説明会を始めた時期でもあります。

キリスト教系の学校が集まるという事で、過去にはシスターによる講演やゴスペルコンサートなど、キリスト教に因んだイベントが行われました。キリスト教思想という共通部分がわかりやすい企画だったと思います。一方キリスト教という共通部分があっても、その思想の学校教育への生かし方や、教育方針は当然学校によって異なります。このフェアではその違いを比較することができるというメリットもあります。

今では昨日報告した「女子中学フェア」のような合同説明会も珍しくなくなり、受験生やその保護者にとっては、その違いを手軽に比較する機会が増えたといえるでしょう。

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2017年5月8日
その昔は、私立の中学、高校といえば、男子校・女子校が大半で、共学の方が少なかったものですが、今や逆に大半が共学校に移行しています。中学校でも女子校が次第に共学化され、女子校は人気が無いのかな、と思われそうですが、いやいやそんなことはございませんよ、というお話です。
4月30日に行われた「女子中フェア」の様子です。新阪急ホテルの1フロアを全部使ったイベントです。まず、「学校紹介パフォーマンス」を見に行きました。入るのにも長蛇の列です。中では各学校が音楽やチアリーディング、空手、新体操など元気いっぱいのパフォーマンスを見せてくれますが、それに加えて制服の紹介や学校生活の紹介などを生徒たちが行います。満席の会場からも思わず拍手が沸き起こります。

さて、学校の個別相談ブースと生徒との交流コーナーは・・・・うわぁ、人が多い。小学生女子と保護者で渦巻いています。こんなに女子中に対する関心が高いとは驚きでした。

交流コーナーでも現役の生徒さんたちが小学生と一緒にアクセサリーを楽しそうに作ったりしていました。(写真は城南学園の交流コーナー)
これらの学校は9月の「開成進学フェア」にも参加していただけるようですので、そちらでも詳しく学校の様子を聞くことができます。また、さらにそれぞれの学校の相談会やオープンスクールも開催されるようですので、今回参加できなかった女子小学生と保護者の皆さんは、学校ホームページなどで調べて参加してみてはいかがでしょうか。
http://joshichu-fair.net/jyoshichu_fair_2017.pdf

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2017年5月2日
入学式、始業式を経て、高校もようやく落ち着いてきたこの時期ですが、残念ながら5月6月は最初に中退者が出てくる時期でもあります。年間で最も多いのは年度替わりの3月だそうですが、これは留年が決定した、他の学校に変わるために単位だけでも確保しておきたい、という理由のようです。
さて、大阪府立高校の中退率に関する資料を手に入れましたので、グラフ化してみました。どのように変化しているのか見てみましょう。
残念ながら大阪府は全国に比べて高校を中途退学する率が高いといわれています。しかし、大阪府立高校については2007年(平成19年)の2.9%をピークに一気に下がっています。
その理由は何でしょうか。大阪府の橋下知事による教育改革の効果でしょうか。
そこで、大阪府の教育に関する大きな変更を書き込んでみました。橋下府政が始まったのと中退率が急落している時期が同じなので、改革の成果と思われがちですが、実はその前の学区統合の効果だと考えられます。学区が統合されることで、より個々人のニーズに合った学校を選ぶことができるようになったという事でしょうか。
ところで、中途退学の理由の一つに、学習面でついていけない、というのがあります。確かに英語ひとつ例にとっても、高校の英語教科書は一気に冊数も増え、内容も高度になっていますので、その科目が不得意な生徒にとっては辛いと感じることでしょう。
大阪府は中学校での基礎学力に不安のある生徒に対してそのフォローを目的とした「エンパワーメントスクール」という制度を作り、一部の学校を指定しました。その効果でしょうか、その時期からも中退率が下がっています。今では学区が撤廃されていますので、広い範囲からその学校を選ぶことができるようになり、ここ15年で中退率は最低水準まで下がっています。
と、ここまでこの文章を読んでいる方、では大阪の高校教育は良くなっているのだなぁと感じられたと思いますが、2013年の私立も含んだ大阪府全体としては2.4%とまだ全国最悪レベルなのだそうです。府立高校の中退率は下がりましたが、私立高校の中退率は約3.8%と推計されます。実は2011年に拡充された私立の授業料無償化によって、従来は格安な公立高校を選んでいた経済的に厳しい環境の子どもも私立高校に進むことができるようになりました。そのような背景から経済的な理由での中退者が私学に移っているとも考えられます。
中退といえば、勉強に対する意欲を失って学校に行かなくなるという、本人に理由があるかのような古いイメージを持っている人もいますが、意欲を失わせたのは社会だともいえますし、意欲があっても通えなくなる生徒をひとりでも減らすのが社会の責任だといえます。学校はもちろん、私たち学習塾も含めて地域全体で子どもが学びたくなるような環境を提供することや、私学に対する助成や経済的な扶助システムの拡充が求められるところです。


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2017年5月1日
文部科学省の「学校基本調査」によりますと、東京の高校を卒業した者のうち、大学進学者の65.7%が東京の大学に進学するそうです。それに比べると大阪の場合は56.3%と低くなっていますが、それは京都や兵庫の大学にも進学しているためです。旧帝国大学を例にとっても首都圏には東京大学しかありませんが、関西圏には京都大学、大阪大学と二つもありますので、府県をまたいでの流動性が高く、実は関西圏から外に出る割合はそれほど高くありません。
このように関西圏には東京の大学を目指している高校生は多くは無いのですが、「早慶上理」と呼ばれる最難関レベルの学校群や、法学部で有名な中央大学、神道や哲学・史学が学べる國學院大學、医学部・海洋学部もある東海大学など、東京には特色のある大学も多くあります。

今回これらの大学合同の説明会が大阪で開催されます。自分にとって魅力のある大学が見つかるかもしれません。申し込みは不要とのことですので、6月17日(土)梅田に出かけて見てはいかがでしょうか。

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2017年4月28日
ご近所の会社からご案内をいただきました。高校生向けの進学説明会です。

(画像をクリックするとPDFが開きます。)
最近大学合同の説明会もよく開かれるようになってきましたが、こちらはテーマ別の説明会となっています。
特に5月9日(火)の説明会は、今人気の医療関係や栄養、心理など、人にかかわる分野の学部やコースがウリの大学が集まるようです。5月14日(日)は専門学校まで呼んで女子向けの説明会となっています。5月9日(火)は平日ですが、18:30までやっているようです。他の2日程は日曜日の昼からです。興味のある高校生はぜひ一度参加してみてはいかがでしょうか。

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2017年4月27日
近年、私立中学校入試では受験科目を減らす、または選択を増やして受験生の負担を減らすという傾向にありますが、来年度から大阪府高槻市の大阪青凌中学校は、従来の算国2教科入試から理科・社会を含めた4教科入試に変更するという情報が入りました。

判定は4教科300点と算国2教科を300点満点に換算した両方の点数で合否を判定するそうですので、理科・社会が足を引っ張るという事はなさそうですが、逆に理科・社会が得意な生徒にとっては朗報でしょう。
作文と面接や英語だけの入試など、小学生としての学力を何で測っているのかわかりにくい入試に比べると、学力充実にもこだわっている学校の姿勢がはっきり示されていると思います。
すでに学力別編成による少人数授業によって、学力伸長に定評のある大阪青凌中学校ですが、2020年の移転に向けて内部充実も進んでいるようです。
御覧のように、この学校も移転が計画されているようです。またそちらの続報も入れば、お知らせいたします。

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2017年4月26日
昨年発表されていた追手門学院中学校・高等学校の移転に関してですが、次第に具体的な内容が明らかになってきました。

まず、これは以前発表された内容ですが、場所はJR京都線(東海道線)の茨木・摂津富田間に新設される新駅から徒歩12分、その昔大型トラックがひっきりなしに出入りしていた東芝の冷蔵庫工場跡地です。JRの新駅設置工事は既に始まっています。ここに大学の一部と一緒に追手門学院中・高が2019年に引っ越してくるというわけです。
ここからが新ネタです。
移転によってスクールバスが必要なくなる、というだけではありません。設備も最新の学びに対応する仕様を予定しているようです。まず、教室が個別の箱の形式ではなく、前の廊下と空間がつながっているオープンタイプです。また、その広い廊下は自由に使える「ラーニングスペース」にもなります。可動式の壁を取り払うと大講義室にもなるという仕様です。普通は1か所にまとめられている図書館も、4つのフロアにそれぞれ配置された「メディアライブラリー」という形態になります。学年や目的に応じて必要な情報は違いますので、それぞれに応じた情報だけを集めておくと、検索性も良い、という発想です。
さすが、大学まで併設している中学校・高校です。このようにこれからの学び(学習形態)を研究して実際の設備に生かしていくというのは、特に公立の学校ではなかなか実現させるのは難しいでしょう。
また、土曜日に使わない大学の設備も利用して、アクティブ・ラーニングなどに利用することも想定されているようです。今の小5が入学する年には移転は完了しています。これらの充実した学習環境が迎えてくれることでしょう。

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2017年4月25日
平安女学院中学校・高等学校は、京都御苑(御所)の烏丸通を挟んですぐ西側、京都府庁や警察署、ホテルや放送局、能楽堂など非常に文化度の高い場所に位置しています。京都の旧市街は美しい街並みや大文字山などの眺望がいたるところで可能であるなど、伝統的な景観が維持されている素晴らしい街ですが、これは美観地区として建物の高さ制限はもちろんの事、外壁のデザインや屋根の形・色まで厳しく規制されているためです。この規制は一般的には良い話なのですが、学校にとっては校舎の建て替えが簡単にできないという事につながっています。同志社大学や立命館大学が市外や府外にキャンパスを分離しているのも、この厳しい規制が影響しているといわれています。

さて、この平安女学院の、室町通りに面した建物も、今の耐震基準を満たしていないため、立て替えなければいけないことになったのですが、立て替えるとなると景観面への配慮を考えると何かと大変です。そこで、耐震補強工事を行うことにしたのですが、これまた工事期間が長くなると周辺環境に悪影響が出ます。そこで、学校は短い工期で一気に補強工事を行うために、全生徒を「疎開」させる思い切った方法を取りました。昨年の2学期から中学は廃校になった京都市立西陣小学校へ、高校は同じく廃校になった今熊野小学校で授業を行ったそうです。それらの小学校は一度廃校になり使われていなかった設備ですので、修理や清掃、引っ越し往復など先生方のご苦労も大変だったと思うのですが、校長先生からは、「それぞれの地域の方に温かく受け入れていただくなど良い経験ができました。」と、とても前向きなコメントがいただけました。地域との交流や、中学と高校が分離したため、初めて行われた中学校単独の文化祭も生徒にとっては良い経験になったことでしょう。

また、耐震補強のついでに内装も新調し、さらにクラブボックスの「クインビー館」をリニューアルするなど今まで以上に教育環境が整ったようです。今ではこの環境で生徒たちは再び中高一緒に学んでいます。
オープンスクールなどできれいな学校を見る機会があれば、先生方、在校生はもちろんの事、そのほかの方も含めて多くの方の支援の賜物であることを意識しながら見なければいけないなぁ、と思うお話でした
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2017年4月24日
私立高校に入学するには様々な費用がかかります。まず、入学前から受験をしなければいけませんので「考査料(受験料)」が必要です。合格して入学するには「入学金」が必要です。併せて「施設費(設備費)」が別途負担になる場合もあります。それ以外にも制服や教科書代が必要になりますが、そこは今回除いておきます。
兵庫県の私立高校48校の、入学金の平均は292,500円ですが、先ほどの費用をプラスした「入学時費用」の平均は429,760円となります。
入学時にはそれに加えて1年分の年間費用が必要になります。これも「授業料」(平均379,269円)以外に毎年「施設費(設備費)」や「寮費」(全寮制の学校のみ)「育友会費」「生徒会費」などが付け加わり、平均で498,514円が必要になります。この合計順に兵庫県の学校を並べてみました。(普通科かもっとも定員の多いコースを基本としています。)

(平成26年度実績。平成27年度以降の実際の費用については各校の募集要項等でご確認ください。)
1位の「生野学園」は全寮制の学校ですので別格ですが、それを除くと実は「灘高校」が最も高額になっています。9割近くが旧帝国大学や国立の医学部に進学しますので、そこで元が取れるような気もしますが、平均金額より2割以上高額になっています。それ以下「小林聖心」、「関西学院」と続きます。
以前このブログでも紹介した、「神戸学院大学附属高校」は新たに建築した校舎も魅力的なのですが、費用は平均程度に抑えられています。(48校中19位)。
高級住宅街の中にそびえたつ「芦屋学園」は実は平均よりも15万円ほど安く、48校中43位とお安くなっています。多くの学校で年10万円ほどの負担金が必要なスクールバスも無料とのことですので、とてもリーズナブルな学校だといえるでしょう。
一応定価(?)で最安値は「三田松聖高校」です。広大な敷地に公認50mプールや人工芝のテニスコート、本格的な体育館など設備も充実しており、部活動も盛んな学校です。入学金も150,000円、初年度費用合計も605,900円と兵庫県の平均の65%と、大変お得になっています。
学校は実際に通う生徒の適性や目的で選ぶべきものですので、安い方がお得、というものでもありませんが、迷った時にはこれらのデータも参考にしてみてはいかがでしょうか。

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2017年4月21日
神戸須磨区の「神戸国際中学校・高等学校」は中学校で70名、高校からは15名募集という、かわいいサイズの私立女子校です。
名前が似ていますが、高校野球で有名な「神戸国際大学附属高校」とは関係がありません。
さて、「神戸国際」は制服を着ていく義務がありません。行事や式典の時には決まったブレザーを着ることになっていますが、それ以外の日は私服で登下校しています。
実はこの学校、さまざまな英語のスピーチコンテストに出場し、多数受賞しています。ネイティブの先生による、少人数を生かした授業が効果を発揮しているようです。
その成果として、大学進学実績でもとんでもないことになっています。今年は東京大学の推薦入試に合格した生徒もいるそうです。これも英語のプレゼンテーションで非常に高い評価を得たので合格につながったとのことです。
阪大1名など東大以外の国公立に10名、慶応1名、同志社4名、関西学院14名。また、獣医学部に2名、歯学部に5名、薬学部に4名など、英語力やプレゼン能力だけでは合格できない大学への実績が公表されています。
この数字だけですとその凄さが伝わらないと思いますが、実はこの年の卒業生数が46名とのことで、半数以上がこれらの学校に進学しているという驚異の割合になっています。
大きな学校で競い合う方が向いているお子さんもいると思いますが、落ち着いた環境で丁寧に育ててくれる学校もあるのだなと思わされるお話でした。


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