2016年4月22日
「大学ランキング2017」(AERAムック)に公認会計士の合格者数ランキングが掲載されていました。
先に紹介した一級建築士よりも大学ごとの差が小さいように見えますが、大学の順位はあまり変化が無いようです。

2015年度のランキングです。(大学ランキング2017 AERAムック)より。
堂々の一位は慶應義塾大。何と41年連続で1位だそうです。もちろん慶應義塾大学商学部には会計研究室という、日商簿記試験や会計士試験の過去問を配布したり添削したりする付属機関があるそうですが、それ以上にダブルスクールしている生徒も多いそうです。また「公認会計士三田会」というOB組織まであって就職などでも有利なのだそうです。
旧三商大(現在の一橋大、大阪市立大、神戸大)はかつてこの分野の試験に強かったのですが、今ではベスト10には神戸大しか入っておらず、私立大学が8枠を占めている事から、公認会計士試験は人数と組織力が勝負だということがわかります。

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2016年4月21日
「大学ランキング2017」(AERAムック)に一級建築士の合格者数ランキングが掲載されていました。
大学の規模が違うのに人数で競い合うのは不合理なような気がしますが、ともかく人数によるランキングです。

2015年度のランキングです。(大学ランキング2017 AERAムック)より。
堂々の一位は240人定員の大きな建築学科を持つ日本大学です。その建築学科のホームページに、「建築学科は1920年の創設以来、わが国の建築教育の歴史の中で「私学の雄」としてゆるぎない伝統と実績を重ねてきました。教授陣には、構造、設計、計画、環境など幅広い分野のスペシャリストをそろえ、他大学に例を見ない充実した体制の中で建築の専門知識を学びながら、後世に残る「ものづくり」の楽しさや喜びを体感できる教育を行っています。」とうたっているように、組織的に建築士の資格取得を目指した教育が行われているようです。
2位の東京理科大学、さすが日本最古の私学(東京物理学校、東京物理学講習所時代も含む)だけあって長い歴史の中で何故そうなったのかわかりませんが、工学部と理工学部の両方に建築学部があります。従ってこの人数は両方の学部(キャンパスも別の場所)の合計数ですので大きく見えます。
さて、関西の有名私大である関関同立ですが、このランキングに入っていません。実は関西大が11位(45名)立命館大が45位(21名)とありますが、同志社大と関西学院大はランキングに入っていません。これは単に建築学を専門に扱う学科が無いからです。
10位の京都工芸繊維大学にも建築学部や建築学科はありませんが、工芸科学部の中の造型科学域というところでデザインや建築を学ぶ定員110人のコースがあります。名前が「建築」とか「設計」とついていないのでわかりにくいのですが、ご覧のように多くの人が一級建築士の試験に合格しています。建築士を目指す人はこういったランキングも参考に大学を選んでみては如何でしょうか。

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2016年4月20日
「大学ランキング2017」(AERAムック)に国家公務員の合格者数ランキングが掲載されていました。
その中で、高級官僚の候補生といわれる「国家公務員総合職」(実質はかつて「国家一種」と呼ばれていた試験)の合格者ランキングです。昨年度の平均倍率も13.2倍でした。採用試験の最難関といえるでしょう。

やはり、入試で多くの科目が課されている旧帝国大学系が圧倒的に強いです。ベスト10のうち、5大学が旧帝国大学に占められており、ベスト15まで広げて見ると、7つの旧帝国大学がすべて入っています。理系の大学もランクインしているのは、工学や化学、生物などの専門分野別に合計200名弱の合格枠があるからです。それにしても東京大学は強いです。1,367人の合格者のうち約三分の一が東大生という計算になります。
さらにその中で最難関といわれる外務省総合職のランキングを見てみましょう。

ここまで来ると、法律や政治の知識や能力と圧倒的な語学力が要求されます。そう思ってこのランキングを見ると、国立は2次試験の、私立は一般入試の英語の長文が特に長くて難しい大学が占めているようです。おそらくこのレベルの試験になると、大学で1~2年程度試験勉強した程度では通用せず、それまでに身に付けていた能力も総動員することになるのではないでしょうか。

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2016年4月19日
4月24日(日曜日)に京都、メルパルク京都で「KYOTO私立中学校フェア」という合同説明会が開催されます。京都の24校の私立中学が集うイベントで、各学校30分ずつの説明会の時間が設けられています。
このような合同説明会ではブース形式で質疑応答する形式が多いのですが、共通部分や学校の特色などはまず学校側から説明していただいた方がわかりやすいと思います。また、最初から各学校で行われる入試説明会に回るより効率的だともいえます。
ひとまず4月のこの説明会に参加したうえで志望校の候補を絞り込み、その後の各学校で行われる説明会で個別の事情や不明な点を質問するという使い分けがお勧めです。
KYOTO私立中学校フェア案内

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2016年4月18日
大阪府高石市にあります羽衣学園にお邪魔してきました。JR阪和線東羽衣駅、南海羽衣駅から徒歩4~5分ほどで到着です。
中学校から羽衣国際大学までが隣接して建っています。今中学校が使っている建物は、元は短期大学として使われていたものだそうで、教室の広さが普通の中学や高校と違いゆとりのあるつくりとなっています。

元々女子高でしたが、共学化して4年目、今では高校でも男子は4割ほど、中学では男女がほぼ半々となっていますので、男子が入学しても女子に圧倒される心配はありません。
まだ、全学年の授業が開始していない時期でしたが、校内のいたるところで部活にいそしむ生徒の元気な声が聞こえてきます。
体育館をのぞいてみました。1Fでは卓球部が練習している横でバトン部が、さらにその隣ではダンス部が、そして2Fの広い空間ではなんとバレー部とバスケ部が同時に練習しています。ここでは体育館をお互いに譲り合って順番に使うという不便はなさそうです。

テニスコートはなんと6面。硬式と軟式が3面ずつ使って練習しています。そしてそこには顧問の先生が何人も・・・。まるでテニススクールのようになっています。
そして全国レベルで有名なのはホッケー部。また別のグランドを使って練習しています。創部3年目には男子ホッケー部も女子の先輩の活躍に刺激を受けたのでしょうか、すでにインターハイ出場を達成しています。一段高くなった講堂の入り口では吹奏楽部の金管楽器が外向いて気持ちよさそうにパート練習しています。小柄なホルン女子、なかなか上手です。

その他、ダンス部や水泳部、ソフトテニス、ソフトボールなど全国レベルの強豪チーム揃い、そう思ってみれば真剣にみんな練習に取り組んでいます。多くの生徒が部活に参加しているようです。

これほどスポーツなどに取り組んでいる一方、新しく建てられた校舎は電子黒板や複数のプロジェクターを備えた最新鋭のICT教室があり、アクティブラーニングを中心とした最新の教育活動も行われています。

スパルタ方式ではなく生徒を生き生きとさせて力を発揮させる女子教育の伝統が、さらにいい形で共学になっても受け継がれている、そういった学校でした。

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2016年4月15日
大阪の女子中学校15校が集まって4月29日に開かれるこのイベントがゴールデンウィークに開催されるのは今年で4年目だそうですが、大人気のイベントです。会場は大阪梅田の新阪急ホテルです。

午前10時から開催となっていますが、昨年は10時に会場にたどり着いた人は入場制限がかかってしばらく待たされる状態だったそうです。10時の開場から入場したい場合は受付開始の9時30分までには到着しておいた方が良さそうです。
学校毎の相談コーナーに加えて、今の在校生による交流コーナーや、別室でのパフォーマンスを披露してくれるコーナーも設けています。学校の生徒達による楽器演奏やダンスの披露など、生き生きとした在校生たちの姿を見ることもできます。

これから受験を迎える小学生のお嬢さんがいらっしゃるご家庭は一度足を運ばれることをお勧めします。(詳細は下のリンクをご参照ください。)
http://joshichu-fair.net/

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2016年4月14日
元々は京都の御所の東側にあった、どちらかといえば地味な学校だった立命館大学ですが、35年前に衣笠キャンパスに全面移転、その後氷室、滋賀県の草津市、さらに大阪府茨木市と拡大を続け、今や入学定員が7000人以上、受験者も9万人以上といったマンモス大学になっています。その附属高校も立命館中学・高校1校の時代が長かったのですが、いまや附属校だけで4校となりました。(その他立命館に推薦入学できるコースを設けている係属校もあります。)その附属校のうち、3校が合同で説明会を行うという案内をいただきました。
立命館附属中高合同学校説明会_相談会_案内
大学附属の高校というのは、進学できる大学が決まっているため、その違いが分かりにくいものですが、このように合同で説明会をしていただけると、その特色を比較することができ、よいのではないかと思います。
ちなみに今回の説明会に参加しない残り一つの附属高校は、「立命館慶祥中学・高校」です。この学校は北海道江別市にありますので、今回の説明会には参加していただけないというわけです。

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2016年4月13日
今年も近畿大学の受験者数が日本一となりました。これで3年連続となり、今年度も合計16万3833件の出願があったそうです。近畿大学は文系学部と理系学部の定員がほとんど同じなので、理系の人気が上がっても、文系の人気が上がっても、全体的な人数変動は少ない大学だといわれていますが、今年度は昨年度から比べて国際学部の新設効果もあって文系学部の受験者数が114.6%と1万1千人以上増えており、理系の96.1%、つまり4%弱の減少(人数で3000人ほど)を余裕でカバーして過去最高を更新しています。女子の割合も30%を越え、文系学部の割合が多い関関同立と並ぶ数字になっています。
そこで、近畿大学東大阪キャンパスの状況を見てきました。

よくパンフレットにも載っている西門です。午後の授業中の時間帯に撮影しましたのでそれほど多くの人は通っていませんが、午前中は有名神社の初もうでみたいな状況でした。
門を入って左手に進むと、英語村「e-cube」という建物があります。カフェみたいになっていますが、この中は日本語禁止ゾーンです。入口にもネイティブの先生が居て、趣旨説明しています。


中庭です。ここも多くの学生が一休みしています。

新しくできた国際学部の建物に入ってみました。
新しくて気持ちいいです。

もっと奥の方にある「情報処理教育棟 KUDOS(キューダス)」です。パソコンを自由に借りられる施設です。しかしここも人がいっぱい。向かい側の総合社会学部の建物は人が多すぎて入ることをあきらめました。

薬学部の建物です。壁面のガラス張りの大きさをお伝えするために、文芸学部の4回生に立ってもらっています。

この中にも自習室があって皆さん静かに自習しています。

現在キャンパス内では工事が行われており、400億円の総工費で図書館や24時間営業の自習室などを整備するのだそうです。マグロやナマズといった水産系や農学系が話題となり、理系が元気なイメージですが、文系も含めて全体的に活気あふれるキャンパスでした。

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2016年4月12日
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読売新聞 3月30日
◇市議会 16年度予算可決
大阪市議会は29日、政令市で初となる5歳児の教育費無償化を盛り込んだ2016年度一般会計当初予算案(1兆6509億円)などを可決し、閉会した。無償化は4月の導入が正式に決まった。
5歳児の教育費無償化は、吉村市長が掲げる目玉政策。市内の幼稚園や認可保育所に通う約2万人を対象に、幼稚園の保育料について公立で全額、私立では年30万8000円を上限に無償とする。保育所は幼稚園の保育料相当額にあたる5~6割を減額する。
http://www.yomiuri.co.jp/local/osaka/news/20160329-OYTNT50339.html
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大阪市では5歳児教育を無償化する予算案を3月末に可決しました。幼稚園の保育料については公立で全額、私立では年30万8千円を上限に無償とする。保育所は幼稚園の保育料相当額に当たる5~6割を減額する、としています。政府も5歳児教育無償化を検討していますが、財源の問題から年収制限を設ける見込みですので、大阪市の制度はそれよりも踏み込んだ内容となっています。
大阪市の吉村市長によりますと、アメリカ、ドイツでは5歳から教育費が無償で、イギリスは3歳から、フランスでは2歳からと、先進国の中で最も遅れているとの指摘です。しかし、保育園整備の問題など育児関連予算に加えて、さらに育児関連の費用が予算化されることに財政上のバランスを問題視する声もあり、他の自治体が追従するかどうかは不透明です。従って地域によって子育てにかかる費用に差が生じるという新たな問題も生じそうです。

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2016年4月11日
文部科学省の諮問機関である「学校の情報化に関する懇談会」が4月8日にそれまでの議論をまとめた中間発表を行いました。
論点を簡単にまとめると以下のようになります。
急速な情報化の進展により、コンピュータやスマートフォンを利用したインターネットの活用が進んでいる。が、さらにAI(人工知能)やIoT(情報機器以外のものまでインターネット接続されること)、ビッグデータなどにより人間生活が質的に変化する。
このような社会の変化に子どもは受け身で対処するのではなく、主体的に向き合っていく必要がある。このような能力は教科ごとの学習ではなく、教科横断的な視点での学習が必要である。そこで、情報活用能力が必要である。
また、学校のICT(情報通信技術)化は民間企業に比べて遅れているため、教員の時間的・精神的余裕を確保するためにも、校務の情報化が有効である。
さらに、地域や大学・民間との連携にもICTは有効に利用できる。
今後は、「生徒一人一台コンピュータ環境」と「堅牢な校務支援システム」を前提とした「スマートスクール構想」構築のための実証研究を行う。
というものです。しかし、コンピュータの購入の金銭的負担や教員の研修など、現実的に解決しなければいけない問題も多いと思います。従って、公立の学校の「スマートスクール」化がどのように進むのか、また、既に「スマートスクール」化による差別化をしている私立の学校がどの部分で優位性を確保するのかなど、教育環境に与える影響は少なくないと思います。

文部科学省HP(http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/
__icsFiles/afieldfile/2016/04/08/1369540_01_1.pdf)より

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