2023年12月27日
各大学についてここで推薦系の入試の志願状況や合格状況を紹介してきましたが、確定数が判明した近畿圏の20大学について、志願状況だけをまとめてみました。
2020年度の出願数を1として、この5年間どのような推移であったのかを、出願数の規模別に5大学ずつ分けて紹介します。
【2024年度出願2500未満の5大学】
比較的規模の小さいこの5校についてです。昨年度入試で一般選抜による入学者が1割ほどだった京都外国語大学は一人が複数回出願可能な公募型推薦ではなく、指定校や総合型選抜へのシフトが考えられます。同じ動きが大阪商業大学や京都の大谷大学にもみられます。
【出願2500~5000件の5大学】
今年から公募制推薦を大きくリニューアルした甲南大学が2020年度比3.19倍という異常値となっていますので、縦軸の目盛りが先のグラフと大きく異なります。
教育系、医療系で定評のある畿央大学は2020年度比で0.57と、こちらも一人1出願の入試にシフトしている状況が考えられますが、全体的に教育系の志願者が減少しているのも影響しているのかもしれません。この規模では、甲南と畿央以外の3大学はいずれも2020年度比7割以上と公募系の入試が機能しているようです。(つづく)
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2023年12月26日
このブログをお読みの大学受験生の皆さん。そう、そこのあなた。喜んでください。あなたはラッキーです。近畿大学の公募制推薦が終わり、合格者も確定した今だからこそお伝えできる情報を入手しました。近畿大学を一般選抜で受験するなら知っておいた方が良い情報をこっそりお教えします。
【文系】
まず、学部単位でいえば、国際学部と法学部が一般選抜でねらい目となりそうです。国際学部の公募スタンダード方式で、グローバル専攻は合格最低得点率が65%と低くなっています(例えば文学部の英語英米文学専攻は78.5%)。法学部も合格最低得点率が69%(昨年74%)と低くなっています。
また、経営学部の中では会計学科とキャリア・マネジメント学科が経営学科や商学科に比べて低く、経済学部の中では国際経済学科と総合経済政策学科が経済学科に比べて5%ほど合否ラインが低くなっていました。
文芸学部の中では文化デザイン学科、総合社会学部の中では環境・まちづくり系専攻が心理系よりも4%低くなっていました。
これらの学部や学科、専攻を一般選抜の早目の日程で加えておくことをお勧めします。
【理系】
学部単位では、東大阪ではないのですが、生物理工学部、工学部、産業理工学部が例年通り合格点は低めとなっていました。和歌山の生物理工学部では人間環境デザイン工学科や食品安全工学科、生物工学科、遺伝子工学科の合格最低得点率が4割を下回っており、たとえ1教科で大きく失点しても合格できそうなラインとなっています。和歌山なら大阪から通学圏内です。
東大阪の理工学部の中では、理学科の化学コース、応用科学科、社会環境工学科、エネルギー物質学科がねらい目です。
奈良の農学部の中では農業生産科学科、生物機能科学科の合格ラインは低くなっており、公募でも55%ほど得点できれば合格できたようです。因みに水産学科は7割近くの得点が必要だったようです。近大マグロは高嶺の花子さんです。
もちろん興味・関心のない分野への受験を無理に勧めているわけではありません。但し、学問というのは幅広く、隣接分野なら研究対象が多少異なっても、その手法や習得できるアカデミックな知識では重なる部分もあります。学部内併願を考える場合の参考にしてもらえればと思います。
ところで、この「狙い目情報」ですが、世間に行き渡りすぎると競争相手が増えてしまって序列が変わるかもしれません。仲の良いお友達だけにこっそりと知らせる程度にしておいてください。

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2023年12月25日
昨夜ルドルフ達&サンタ様御一行が通過したと思いますが、屋根に穴を開けられる等は御座いませんでしたでしょうか。
それはさておき、いよいよベスト3の発表です。
いずれも3か年平均で募集定員を充足している3大学となります。
第3位 京都女子大学
新しい建物が完成し、学習環境も抜群。2023年度にはデータサイエンス学部を立ち上げるなど、伝統に甘えることなく改革にも取り組んでいます。女子大には珍しい法学部も安定した入学者がいることで3位となっています。
第2位 同志社女子大学
この大学も3年間募集定員を割ったことがありません。看護学部と薬学部は他大学同様定員充足しているのですが、表象文化、現代社会、生活科学、学芸(音楽学科も含む)いずれも多くの受験生を集めており、隙がありません。
第1位 梅花女子大学
その昔から英語教育で知られていた梅花女子大学ですが、国際英語に加えて、情報メディアや日本文化の各学科も人気、他大学が苦戦している教育系でも「心理こども学部」と心理を頭に持ってきてイメージアップ、もちろん看護保健学部も好調、というわけで、3か年平均では第1位となりました。毎年梅田で行われる「うめコレ」という大規模な中高大合同の募集イベントやテレビCMなど生徒募集に対する姿勢の違いが感じられます。
11位以下について今回は公表をひかえますが、コロナ禍で逆風を受けた国際系や全体的に人気薄の教育系、教養系の学部のみの大学は募集的に厳しいところもありました。今後の社会状況によっては順位が変動し、今回紹介できなかった大学をご紹介することもできると思います。今後の動きに注視したいと思います。
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2023年12月22日
今日は6位から4位です。
6位は千里金蘭大学。こちらも2023年の学部改編で生活科学部が教育学部と栄養学部に分離され、受験生にとって内容がわかりやすくなった影響でしょうか、入学者も昨年より14%増加しました。やはり学部名って大事ですね。
5位は日本最大の女子大武庫川女子大学です。募集定員も12学部合計2380名とマンモス級。今年から設置の社会情報学部も定員充足と調子が良いのですが、レベルを下げるわけにはいかない薬学部は受験者が多いにもかかわらず高いラインを維持して入学者を絞っており、しかも2024年度入試では定員を半減させます。しかし、文系理系取り交ぜて12学部もありますので安定感は抜群です。
4位は甲南女子大学。2021年度に開設した医療栄養学部は募集順調、看護リハビリテーション学部と併せて安定材料となりました。国際学部は開設が2021年度と、コロナ禍の影響をもろに受けるタイミングになってしまいましたが、今後の発展に期待です。他大学が苦戦している文学部は2年前に国際系を分離しても定員充足しているので、今年の入試に期待です。(週明けに続く&メリークリスマス)
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2023年12月21日
近畿圏には17の女子大学がありますが、それらの募集状況について調べてみました。定員と入学者数を旺文社の「大学の真の実力 情報公開BOOK」の各年度版を用いてまとめてみました。
ただ並べただけでは面白くないので、入学者数÷定員で充足率を求め、その過去3年平均でランキング形式にしてみました。
まず、10位から7位
10位の神戸女子大学は看護と2022年から設置した心理は常に定員超過しているのですが、文学部が募集定員の半分程度となっています。学部の定員変更は簡単ではないと思いますが文学部の定員を他に振り分けるか、学部改編が望まれます。
9位は京都光華女子。企業とのコラボや外部への情報発信も盛んな大学ですが、2024年度から看護福祉リハビリテーション学部の立ち上げに合せて現在新校舎建築中。現在の健康科学部と併せて医療系へのシフトが進んでいます。
8位は大阪樟蔭女子大学。東大阪にありますが、広範囲からの入学者を集めるなどブランド力の高さでしょうか、学部系統としては他大学では苦戦の学芸学部でも募集が成功しています。但し児童教育学部は、教育系不人気の全体状況を受けて、昨年も定員の半分以下の入学数となりました。
7位は神戸女学院大学。これも阪神間でブランド力が高い大学です。文学部、人間科学部、音楽学部の3学部なのですが、音楽学部は定員40名という規模ですので、実質文学部と人間科学部の入学者数で全体のランキングに影響が出ます。2017年には定員の120%の入学者がいたのですが、ここ3年はこのような状況です。こちらも国際学部と心理学部を新設予定となっていますので、今年の状況が楽しみです。(続く)
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2023年12月20日
佛教大学の公募制推薦の状況についても紹介しましたが、そうなれば設置学部や偏差値帯が被る、同じ京都の京都橘大学も気になってきました。
そこで、最初に佛教大学の時と同じように過去の一般選抜の状況分析からしていきます。すると、佛教大学よりも学部間の合格最低得点率の差は小さいのですが、2023年度には合格最低得点率と倍率の相関係数が高くなっています。つまり同じように出願数が増えれば合否ラインが上がる傾向が強いことになります。従って過去の合否ライン以上の得点が取れれば今年も合格する、と言い切れない大学だ、ということになります。
昨年度学部昇格した「総合心理」はその話題性もあって5倍近い倍率となり、合格最低得点率も7割近くと一気に最難関グループ入りしました。
さて、今年の公募制推薦の状況ですが、昨年度の勢いはなく、全学合計で出願は639件も減っています。一方で佛教大学の増加数が756件でしたから、京都橘の減少分の一部が佛教大学に流入したと考えられます。 しかし、最も減少数が大きいのが実は工学部。情報工学科と建築デザイン学科という人気の2学科を設置しているのですが、その人気故、例えばベネッセの偏差値一覧では大和大や京都先端科学大よりも高くなっており大阪工業大に迫るラインとなっています。これらの模試の判定を見た受験生に敬遠されたのかも知れません。また、工学部に限らず、ご覧のように志願者が減っても合格者がほぼ変わらない、若しくは絞り込んでいる募集単位も多くなっていますので、一般選抜に向けてチャンスが広がりそうです。
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2023年12月19日
資格系の分野にも強いイメージのある佛教大学ですが、入試に関しては、募集単位による難易度の差が大きい大学です。これは専門分野によって人気、不人気の差が大きいということではなく、志願者数と募集定員の需給関係で決まっていると思います。
2022年度入試と2023年度入試の一般選抜による合格最低得点率と実質倍率を分散図に表すと、相関係数が結構高くなっていますので、倍率が上がれば合格最低点が上がる傾向が強く、募集単位ごとの受験生の学力層はあまり変わらない、ということになります。
それはさておき、今年の佛教大学の公募制推薦では全学合計で志願者が756件増と大きな伸びになっています。公募制推薦だけでも最大6回受験できる日程、会場も11都市に設置、出願基準を無くすなど、受験しやすい制度を追求した結果だと思います。
合格者数について、文学部は志願者増に応じて合格も増えていますが、社会学部では、志願者が650増えたのに、合格数は275減少という、受験生にとっては極めて厳しい結果となりました。もう一度上の相関図のグラフを見ていただきたいのですが、例年文系学部の中でも合格ラインが上位に属する社会学部の2学科が、昨年まさかの倍率低下で合格最低得点率が5割を下回ったため、「狙い目だ!」との情報が流れたのでしょうか。つまり隔年現象というわけで、今年は一番社会学部が狭き門となりました。
一方で社会的にはまだまだ人材が求められている社会福祉に関しては志願者が減少しています。こちらは一般選抜でも狙い目となりそうですね。
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2023年12月18日
今年も人気の大阪工業大学の公募制推薦の合格者数も判明しました。公募制推薦の出願数は昨年よりも328件減少していますが、これは今年から女子特別推薦入試を新設し、普通科高校特別推薦入試の対象学科も広げたので、そちらに受験生が分散したためです。この表は学部ごとの合計値ですが、実際には学科ごとの募集ですので、一般選抜でねらい目となる学科の情報を手に入れましたので、ここでこっそり㊙情報をお教えします。
【工学部のおすすめ】
その1=電気電子システム工学科
合格最低点では隔年現象が起きる学科なのですが、今年は低めとなりました。一般入試で多くの合格を出す予定とのことで、「電子情報システム工学科」ではなく、こちらがお勧めです。
その2=応用化学科
こちらもスタンダート方式で高学力層が少なく、合格を絞り込んだ募集単位となります。従ってまだお席が空いている状態(一般募集による入学者43名確保予定)となっております。
その3=環境工学科
こちらも同様にまだ入学定員の3分の1にあたる25名分のお席が空いている状況です。SDGsに関心のある皆様、いかがでしょうか。最先端の環境システムを学ぶことができます。因みに合格最低点も低い募集単位となっていますので、他学科との併願もお勧めです。
【ロボティクス&デザイン工学部のおすすめ】
システムデザイン工学科
ヒトが画像や感覚を認識するとき、どのような処理を行っているのか、などヒトと機械を結びつける最先端の研究が行われている専門分野なのですが、少し地味に見えるのでしょうか、人気のこの学部の中で、ここだけ比較的志願者が少なくなっています。一般募集でも多くの合格者を出す見込みとのことですので、お勧めとしておきます。
【情報科学部のおすすめ】
ネットワークデザイン学科
どこの企業でもネットワークセキュリティーやサーバー管理ができる人材というのは大変重宝されるものですが、そのような人材育成をしてくれる学科です。しかしなぜか今回の公募では合格最低点も落ち着いており、まだまだお席が30ほど余っている状況とのことです。
因みに、一般選抜のお勧め日程はB日程。そのココロは、関大と同志社の理系と日程が重なっているからです。
理系の受験生の参考になれば幸いです。
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2023年12月15日
9月に行われた弊社主催の「開成進学フェア」にてプログラミングロボットの体験コーナーで人気を集めていた追手門学院大手前中高ですが、学校のHPではその他部活動の活躍も数多く公開されている元気な学校です。
さて、そろそろ中3生は受験する高校を決めなければいけない時期ですが、追手門学院大手前高校では追加の説明会を開催していただけるようです。
平日夕方ということで、ちょっと間に合うかなぁと心配な皆さんのために、オンラインでの配信も用意されているようです。さすがです。
というわけで、申し込みは学校HPからどうぞ。
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2023年12月14日
昨年大きく出願数を減らした桃山学院大学ですが、今年もさらに出願者数を減らしています。しかし合格者を絞り込み、実質倍率は上昇させました。年内に多くの合格者を確保しようとする大学が増えている中で、あえて一般選抜で多くの学生を確保しようという作戦でしょうか。
学部ごとの増減をみてみると、文系で最難関の経営と社会が逆の動きになっています。経営は185名の志願者減に対して13名昨年よりも多くの合格を出していますが、社会は大きく合格者を絞り込んで、厳しい入試となりました。社会学部は過去2年間で多くの合格者を出していますので、定員管理の観点から絞り込みをかけたのかもしれません。
大阪あべのキャンパスに設置され、2023年度から学部昇格したビジネスデザインは次第に認知されてきたのでしょうか、実質倍率も上昇してきました。こちらは一般選抜でも注意が必要ですね。
というわけで、一般選抜では社会とビジネスデザインに要注意。それ以外は昨年並みの合格最低点を目標にするとよいでしょう。
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