2021年12月22日
12月17日、滋賀県教育委員会から滋賀県立中学校3校の出願者数が発表されました。12月16日が出願締め切り日(郵送の場合は15日の消印有効)でしたので、これが確定値となります。昨年は出願したが受検(入学試「験」ではなく適性「検」査なので受「検」と表記します)しなかったのは守山中の4名だけでしたので、出願数はほぼ受検者数となります。
3校併せての出願数は、2013年の933名をピークにここ数年減少傾向となっていましたが、ついに600名を割り込み過去最低となりました。特にかつては6倍を超える超狭き門だった守山が初めて4倍を下回る3.88倍となっています。(それでも4倍近い狭き門ではありますが・・・)
通学範囲が広い県立の中学校ですから、コロナ禍の影響で交通機関を使って通学するのを避け、徒歩通学できる地元の中学校を選択した小学生が増えたのかもしれません。とはいえ、受検生の皆さん、出願数が減少しても、合否は抽選ではなく学力で決まります。1月15日の入試に向けて頑張りましょう。
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2021年12月21日
一応昨日でこの公募推薦シリーズを終えるつもりでしたが、近畿大学と追手門学院大学の結果が入ってきたので、追加で紹介しておきます。
【近畿大学】
東大阪の10学部+医学部だけでグラフ化してみました。
まず、今年学科から学部に昇格した「情報学部」、なんと24.33倍!!! 大変なことになっています。今年は情報系の学部を志願する人が増えていますが、その分学部新設や定員増が行われているので心配ないよ、と思っていたのに、近畿大学の情報学部に対する期待感からでしょうか、いい意味でそれを裏切ってくれました。経営学部も7.84倍。昨年は5.84倍まで下がり、お得感が出たためでしょう、一気に反発です。国際も含めて2倍を割った学部はありませんでした。さすが近畿大学!
【追手門学院大学】
昨年13倍を超えた心理学部、反動で落ち着きましたが、それでも7.71倍。今年も受験生には厳しいです。一方、新設の文学部も4.34倍となかなかの人気です。心理、社会に続いて3番目の狭き門となっています。実は人気の地域創造が今回では最低倍率となりましたがそれでも2.37倍。以前狙い目として紹介した経済学部も2.46倍と落ち着きました。とはいえ追手門学院大学も近畿大学同様2倍を割った学部は皆無だったのでした。
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2021年12月20日
【関西外国語大学】
関西外大の志願者数は、コロナ禍の影響もあって、2年連続前年比15%前後の減少(2020年度を1とすると2022年度は0.71)と続落しています。その結果、いずれの学科でも志願倍率が低下しています。つまり航空業界、観光業界への就職に強い関西外大はコロナ禍の影響をまともに受けてしまったわけですが、語学のスキルを軸に、幅広い異文化理解の教育リソースは大変魅力ですので、今年は超狙い目だといえるのではないでしょうか。
【武庫川女子大学】
日本最大の女子大学である武庫川女子大学の状況も見てみましょう。短期大学を除く10学部の出願数は2020年度10,309件→2021年度8,238件(20%減)→7,874件(4.1%減)と連続して減少しています。2021年度の激減から食物栄養や教育のように反発して上昇した学部もありますが、看護や薬といった難易度の高い学部でも倍率が低下しています。募集人数としては少ないのですが、音楽の倍率が最も低くなっています。実はこの傾向はその他の音楽系の大学や学部でも見られており、演奏の機会が少なくなったコロナ禍の影響がここにも表れているのかもしれません。
というわけで、いくつかの大学の公募推薦入試の状況を見てきましたが、全体的には今年の公募推薦入試は多くの合格者が出たという意味で、それほど厳しい戦いではなかったといえるでしょう。しかし合格者数が増えても複数の大学に合格した人が増えただけなら入学者は増えないわけですから、まだまだ一般入試の枠には余裕のある大学もあると思います。
また、追加の情報が入りましたらここで紹介したいと思います。
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2021年12月17日
【摂南大学】
摂南大学は日程が二つあるのですが、今回紹介するのは結果が判明しているA日程のみです。まず、志願者数は2020年度16,111件→2021年度14,389件→2022年度14,101件と2年連続減少していますが、合格者数は4,951件→6,295件→8,313件と大幅に増加しています。その結果平均倍率は3.25倍→2.29倍→1.70倍と大幅に低下しています。
その中でも経営学部は3.66倍、安定の看護も3.30倍と高い倍率を付けましたが、農は1.09倍と、龍谷と同じく最も倍率の低い学部となりました。農学部といえば環境や食と直結する専門分野ですが、人は必ず食事はしますので、受験生の皆さん、狙い目ですよ。
【神戸学院大学】
神戸学院大学の出願数の推移ですが、2020年度6,667件→2021年度5,724件(14%減)→5,312件(7.1%減)と2年連続減少、それに対し合格数は1,557件→1,875件→2,717件と増加し、結果的に倍率は2.46→3.05→1.96と他大学とは少し違う動きが見られます。特に2021年度入試で7.85倍となった経営と隣接分野の経済は、今年はその揺り戻しでしょうか、大きく志願者が減っています。また、他大学では人気の法が、今回の結果では低い倍率となっていますので、一般入試での狙い目になるのではないでしょうか。(続く)
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2021年12月16日
最後の大学入試センター試験が行われた2020年度入試では、制度変更を嫌った受験生による「超安全志向」、コロナ禍の影響を受けた2021年度入試では、先行き不透明感から「早期決着」と大学入試の世界では2年連続で安全志向が続きました。そこで、今年はどうなるのだろう、という話になるのですが、9月以降のコロナ禍の鎮静化も手伝って、難関大学の秋のオープンキャンパスや説明会が大盛況と、強気の出願が増えるのでは、との説もあります。ところで、近畿圏では「産近甲龍」と呼ばれる規模の大きな大学群を中心に、公募推薦(学校推薦型選抜 公募制)が行われましたが、その結果をいくつか紹介してみたいと思います。
【京都産業大学】
京都産業大学の公募制推薦の出願数は、2020年度13,079件→2021年度12,154件(7%減)→2022年度12,332件(1.5%増)と推移しているのに対し、合格者数は2020年度2,523件→2021年度2,981件(18%増)、2022年度3,993件(34%増)と早めの入試で積極的に合格通知を出す傾向が見られます。その結果平均倍率は2020年度の5.18倍から2022年度の3.09倍まで低下しています。とはいえ、就職状況と研究実績で定評のある京都産業大学ですから、どの学部も2倍を下回ることはありません。
【龍谷大学】
龍谷大学の公募制推薦の出願数は、2020年度15,671件→2021年度17,644件(13%増)→2022年度20,350件(15%増)と続伸しています。それに対して、合格者数は2020年度2,885件→2021年度3,886件(35%増)、2022年度5,115件(32%増)とそれ以上の伸びを記録しています。その結果平均倍率(短期大学部除く)は2020年度の5.47倍から2022年度の3.98倍まで緩やかに低下しています。但しほとんどの大学で志願動向がマイナスとなっている「国際」が3.68倍と高止まり、「経営」では何と8.56倍という高倍率を維持するなど、龍谷大学の勢いを感じます。一方理系の2学部では志願者減がそのまま倍率低下につながった形です。(続く)
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2021年12月15日
東京都教育委員会は令和4年度東京都立高等学校入学者選抜においては、都立高校186校のうち、20校でインターネットを活用した出願を実施する、と発表しました。
(導入する20校[50音順]=足立、足立西、五日市、江戸川、清瀬、工芸、小松川、駒場、小山台、第五商業、立川、豊島、練馬、晴海総合、福生、松が谷、三田、目黒、雪谷、若葉総合)
全国的に公立高校の出願に関しては中学校で作ってもらった調査書や紙の願書を持って、指定された期間に受験校まで提出しに行く、という昔ながらの方式なのですが、一方で大学入試や私立中学校入試ではもはや「web出願」「ネット出願」と呼ばれるインターネットを利用した出願が一般的になっています。ネット環境や情報機器では氏名や地名などで入力できない文字があるなど、「紙出願」の方が、優れている部分もありますが、インターネット出願をすでに導入している学校では、入学許可後に学籍簿を作成するため、正式な表記の文字を提出してもらう対応をするなど、その欠点を補うノウハウも蓄積されてきました。それよりも志願者が実際に学校まで出向かなくても良い、24時間出願可能、受験料もカード決済、受験票もおうちでプリントアウト、など出願する側はもちろん、それを処理する学校側も事務的な負担も一気に下がるというのは大きなメリットだと思います。
今回はまだ、試験的な導入ですが、今後さらにこのような動きは広がっていくことでしょう。
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2021年12月14日
2年前に茨木市の総持寺駅から徒歩圏内に移転した追手門学院中学校・高等学校は、同じ法人のプログラミングロボットによる実践で有名な追手門大手前とまた異なった最新の教育が魅力ですが、2022年度からは高等学校に従来の「表現コミュニケーションコース」に代えて「創造コース」という探究学習をさらに強化したコースを設置します。そちらの入試は英数国の3教科に加えて特色入試というのを行うのですが、そこに「TW入試」と書いてあります。なんじゃ、こりゃ。
そこで、調べてみると、TWとはチームワークの略で、グループワークを行って共同発表し、その振り返りを提出、という90分ほどの試験となっています。
このTW入試、中学校入試でも一部の日程に取り入れられることになったのですが、中学受験の小学生が共同レポートを作成して発表するのは大変そうだなぁ、と思っていたところ、学校側からサンプル問題が送られてきました。
サンプル問題によると・・・
①3人でチームを組む
②協力しながら「ミッション」に取り組む
というものです。学校側が示したミッションの例は「レゴで一番高いタワーを作成せよ!」というものですが、どのような形を目指して、どのような役割分担で作成するのか、という打ち合わせがポイントとなりそうです。
③完成後、振り返り
ここで他のチームの作品を見ながら個人で振り返りを行い、紙に書きます。次にチームで振り返りの話し合いを行います。
④今度はチームを変えて2回戦
5分間の作戦会議ののち、5分間制限でより高いタワーを作ります。
⑤完成後、振り返り
終わったら、次はチームで話し合いをして、最後に個人で振り返りながら紙に書きます。
入試という緊張感のある中で、初めて出会う受験生と共にチームワークを行うというのはどんなものかわからなかったのですが、今回の例では、普通の小学生でも抵抗なく取り組める内容を想定しているという事がよくわかりました。当日はどのような「ミッション」が待っているのか、受験生の皆さん、お楽しみに。
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2021年12月13日
高野山大学と聞くと、あの和歌山の高野山の上、標高800メートル以上にある大学かぁ、通学は不可能だな、と思っている皆様、実は教育学科は大阪府河内長野市にあるのですよ。正確には協定校である大阪千代田短期大学(ちよたん)のキャンパスを間借りして開講しています。最寄りの千代田駅まで、南海難波駅から29分ですから大阪市内からでも通学できます。(駅から大学まではスクールバスで12分です)
さて、その教育学科からこのようなご案内を頂きました。何と入試成績上位者にはこのような手厚い優遇制度があります。しかも複数回チャレンジが可能な制度となっています。教員志望の方、利用してみては如何でしょうか。
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2021年12月10日
いよいよ近畿圏の私立中学校入試が 1か月後と迫ってまいりましたが、7月22日から11月23日の間に行われた134件のプレテストの動員数を元に全体状況を占ってみたいと思います。
この134件のうち、今年の動員数がわかっている学校が109件、そのうち昨年の動員数が判明しているのが103件ですので、この103件の数値を比較してみました。(数値はエデュケーショナルネットワーク様の資料と当社独自の調査を元にしています)
まず、昨年のこの103件の合計延べ動員数21,063名に対して、今年は20,711名。昨年は「おうち受験」を行った学校も多かったので同一条件とは言いにくいのですが、1.7%減の微減となっています。昨年よりも動員が多くなったのは51件で、この中で最も伸びが大きかったのが近畿大学付属の「学校実施」で、昨年よりも191人増えています。但し「おうち受験」の方は184件マイナスでしたので、トータルでは7名増といったところです。純増で大きかったのは関西大学北陽の111名増、常翔啓光学園の70名増、滝川の50名増、初芝立命館の45名増と続きます。新規開校の大阪国際中学校は10月に154名、11月に146名と合計で延べ300名を動員しています。次年度から共学化の大阪信愛は7名増と今のところそれほど大きな動きにはなっていません。
コロナ禍の影響による経済状況の悪化が中学入試に悪影響が出るという説と、休校期間中の対応が、公立よりも私立学校の方が充実していたので、私立中学志願者が増えるという説がこの業界では話されていますが、結論から申し上げますと今のところ「かわらない」と判断できるのではないでしょうか。ここ数週間鎮静化が見られる新型コロナウイルス感染症が今後拡大することなく、無事に入試が行えるように祈っております。
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2021年12月9日
次はMARCHランキングです。10%以上にランクインしているのはご覧の9校となっています。なんと2位は女子校である甲南女子です。立教大学に3年間で23人というのは関西最多となっています。甲南女子はキリスト教系でもないのに・・・。逆にキリスト教系の洛星がそれとは関係のない中央大学に強いという、これまた不思議です。(またの機会に、もう少し掘ってきます)一方、公立高校のランクインは大阪教育大学附属池田のみ。公立高校から首都圏の私立大学というのはまだ少数派であるようです。首都圏大学のキャンパスライフを夢見ている中学受験生、高校受験生は今回紹介した学校がお勧めとなります。受験校選定の参考にしてみてください。
ところで今年の大学入試では関西からの首都圏受験が回復するのでしょうか。2022年度入試でのランキングもどうなるのか楽しみです。
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