8大学を合計してみました

2017年4月14日 金曜日

関関同立と産近甲龍のランキングを紹介しましたが、それならその二つを足したらどうなるの、というお声も頂戴しましたので作ってみました。 8大学をそれぞれ色分けすると見にくくなりますので、関関同立と産近甲龍を2色に塗り分けてみました。

やはり進学に強い学校が並びます。1位は文理学科併設の公立トップ校の一つ四條畷高校ですが、2位から4位まで私立が並んでいます。700以上の合格数、さすがです。そのあとも石山、生野、茨木、と公立のトップグループが並んでいます。そのあと、草津東、東大津、三島、池田、泉陽といった、高校入試の難易度では、2番手以下の学校が続きます。三島と泉陽はともに学校行事が充実しており、部活の加入率が高いなど、のびのびと生徒が自主的に活動しているイメージが強い学校ですが、近年大学進学にも力を入れており、現役での合格数も向上しています。こちらも卒業者数で除して学校規模補正を加えてみました。

御覧のように、やはり近畿外からのランクインはありませんでした。通学が困難な距離からの志願者は全国的に減少しているといわれますが、特に私立大学の場合は学費の問題も含めてその影響が強く出ているのでしょう。

高校入試の難易度ゾーン別にみてみましょう。占有率125%以上の50校の入試難易度(開成公開テスト基準偏差値)と占有率を散布図にしてみました。高校募集を行っていない学校は推定値、複数学科がある学校は定員が多い方のコースの偏差値を代表値としています。 縦軸が難易度となりますので、同じゾーンで右に行くほど関西8大学に強い学校ということになります。ただし、上位ゾーンでは国公立大志願者層も増えますので、左に位置していることが、大学入試に弱いという意味にはなりません。あくまでも関西のトップ私大受験に強いのかどうかの判断材料として御覧ください。とはいえ、これらの学校は占有率が125%以上とそもそも高めの集団ですので、いずれも難関私大に強い高校だといえるでしょう。

 

産近甲龍につよい高校

2017年4月13日 木曜日

今日は産近甲龍の合格者数の合計数でのランキングを作ってみました。ベスト50です(50位と51位が同数ですので、51校です。)

(数値は週刊朝日を参考にしています。空欄は高校からのアンケートで無回答という意味ですので、ゼロでない可能性もありますが、集計上一応ゼロとして集計しています。)

東大津、草津東、桃山学院の3校が抜きんでています。ただし東大津と草津東は京都産業大と龍谷大の割合が高いのに対し、桃山学院は近畿大学だけで240名合格しており、大半を占めています。近畿大学だけでランキングを作ると、1位は桃山学院、2位は泉陽、3位は清風、4位は清教学園、5位は初芝富田林と2位の泉陽以外は私立高校が並んでいます。募集定員のうち理系が占める割合が高く、難易度も上がっているため私立の進学校の優位性が表れているということでしょうか。

しかし、公立高校も健闘しています。昨日と同じように卒業者数で割って、学校規模による有利不利を補正してみました。

この補正を加えると、1位から7位まで公立高校が並びます。1位の草津東は体育科もあり、サッカーも全国レベルという学校ですが、大学受験に関しては推薦制度の利用を勧めないなど、私立の進学校のような方針をとっているようです。2位の東大津は部活も盛んな学校ですが、レベルが高い教材を使用し、高1から大学入試を意識した内容で授業が進められています。公立としては規模が小さい八日市高校や槻の木高校も上位にランクインしています。槻の木高校は単位制普通科の進学校として、14年前に作られた学校です。(正確には旧高槻南高校と旧島上高校を統合し、旧島上高校の校舎に設置)2学期制(半年で単位を認定できる)というメリットを生かして機動的なカリキュラムが組まれています。2学期制といっても前期、後期にそれぞれ3回、つまり年間6回の定期テストがあり、長期休暇でも受験対策の補習授業が組まれ、先生も生徒もとても忙しい学校なのですが、国公立大学への合格者数も伸ばしており、進学校として立派な実績を上げています。

この、槻の木高校と八日市高校、ともにこの春の高校入試に関してはなぜか低倍率となりました。(槻の木高校は1.03倍、八日市高校はまさかの0.99倍)御覧のような進学実績をたたき出している高校ですので、狙い目だといえるでしょう。

 

関関同立に強い高校

2017年4月12日 水曜日

今回は関関同立の合格者数の合計数でのランキングを作ってみました。250名以上の実績のある上位53校です。

(数値は週刊朝日を参考にしています。関西学院大のみ実人数での発表で、他の3大学については合格回数の合計数です。)

この数値ですと、大規模校の方が有利になりますので、卒業者数で割った「占有率」でランキングを作ってみました。こちらは上位50位までです。

一人で2合格以上するために、上位の方では100%を超える数値となっています。もちろん、このランキングの上位に位置していない学校には、国公立大学をメインに考えていて関関同立受験をしない生徒が多い学校も含まれていますから、学校の受験学力の優劣を表すものではありません。しかし、このランキングに入っている学校は少なくとも難関大学を目指す生徒が集まっている進学校だといえるでしょう。

学校選びの御参考になさってください。

 

4年制大学は6年間?

2017年4月10日 月曜日

朝起きたら昼だった。昼飯食っていたら友達に会ったので遊びに行った。気が付いたら留年していた。というだらしない大学生の話ではなくて、大学院含めて6年かかるのが標準になりつつあるという話です。

 

大学院への進学率ベストテンを紹介します。

(大学ランキング2017 朝日新聞社刊 の数値を参考にしています。)

 

ご覧のように、理学部では、なんと東京大では90%以上が大学院に進学しています。2位の北海道大学をはじめとして、いずれも研究環境に恵まれた国立大学が並びます。10位の千葉大でも72%と、4年で卒業して就職する方が少数派となっています。

工学・理工学部系で並べてみると、もっと割合は高くなります。工学部は機械メーカーなど製造業に就職する率が高い分野ですが、企業は即戦力を求めて、大学院と共同研究を行い、そのまま大学院生を採用するというケースもあります。理系は大学院に行く率が高いといわれますが、その通りだといえるでしょう。

では、景気の改善による就職状況が改善している文系ではどうでしょうか。いままで最も大学院進学率が低かった、経営・経済・商学系もまとめてみました。

確かに、理学部や工学部より低いのは確かですが、それでもベスト4は1割を超えています。大手企業への就職率や公務員試験合格率が高い大阪経済法科大でも13.8%と高い割合になっています。

それでは、まだ学問分野としての歴史が浅い学際系ではどうでしょうか。

学際系といっても都市環境やシステムデザイン、生命系は理系に分類されると思いますが、文系に分類される東京大の教養や京都大総合人間など、大学院進学が企業への就職と結びつかない分野でも結構高い割合で大学院に進学しています。

さて、ここで、学費の話です。大学院の学費は学部と同じ、つまり国公立でも2年間で100万円以上必要となり、一人暮らしをしている場合は生活費も含めて2年間で400万近い出費となります。もちろん私立大学は学費が国公立よりはるかに高額なところが多いですから、その分費用がかかります。(但し、京都女子大のように、半額になる大学もあります。)分野による差はありますが、研究者になるのであれば、博士前期課程(修士課程)の2年間に加えて博士後期課程(博士課程)の3年間が標準的な在籍期間となりますので、合計5年間ですとかなりの金額になる計算です。しかし、実は大学院生は実験助手やTA(ティーチング・アシスタント)など学部学生を教える先生のお手伝いや、資料整理といった大学内でのアルバイトや各種給付型の奨学金など様々な援助もありますので、負担を最低限に(場合によっては黒字化?)することは可能です。

大学選びの時には4年間と考えずに、大学院に進学することも想定して選ぶという考え方も必要でしょう。

 

大阪大学2017年度合格者数 高校別実績比較②

2017年4月5日 水曜日

さて、それでは今年学年占有率が10%を超えた13校の過去4年間の推移を見てみましょう。

御覧のように、北野高校が2年連続で伸ばし、2年連続で首位だった茨木高校を抜いてトップとなっています。また、昨年度少し後退した長田高校も今回伸ばして占有率を15%台に乗せています。(前日の表もご参照ください)しかし、全体的にみると、北野高校以外は合格者数55~40名付近に集まってきており、いずれの高校も熾烈な争いになっていることがわかります。

今年から後期入試がなくなった大阪大学ですが、逆に「世界適塾入試」という特殊な推薦入試を始めています。東大や京大の推薦入試と同じように広い範囲から志願者が集まることから、一つの高校から大量合格するのも難しくなるかもしれません。阪大への合格を勝ち取るには高校入学後も幅広い学習が必要となるでしょう。

 

大阪大学2017年度合格者数 高校別実績比較①

2017年4月4日 火曜日

昨日から実質新年度が始まりました。各学校も新たな入学生を迎え、少し落ち着いた時期を迎えます。

さて、大阪大学の高校ごとの合格者数も次第に明らかになってきました。まず、合格者数を卒業生数で割った「占有率」でのランキングを見てみましょう。

 

統計上の誤差を避けるため、2017年度入試で合格者の実人数が20名以上の37校だけを取り上げています。学校名の後ろに★印が付いているのは公立の高校です。

トップの大阪府立北野高校をはじめとして、公立高校の躍進が目立ちます。トップ10校の中に、公立が7校ランクインしており、近畿各地域のトップ校の名前が並んでいます。

このランキングだけを見ると、中高一貫の進学校である私立高校の割合が低いように見えますが、国公立の医学部や京大・東大といったさらに難易度の高い大学へも分散していますので、この指標だけで学校の教育力を測ることはできません。とはいえ、公立高校同士で考えると、高校入試の難易度との相関があるようです。


(続く)

 

日本一大きな女子大

2017年4月3日 月曜日

日本最大の大学は、66,298人の学生を擁する日本大学ですが、今回は女子大の学生数ランキングです。(こちらのランキングの数値は「大学ランキング2017」(AERAムック 朝日新聞)を参考にしています。)

御覧のように1位、3位、5位は近畿圏の学校です。このうち1位の武庫川女子は兵庫県西宮市、甲子園球場の近くに広大な複数のキャンパスがある大学です。学部は文学部、健康・スポーツ科学部、生活環境学部、音楽学部、薬学部、看護学部の6学部で8,439名(2016年5月時点)が学んでいます。ランキングではこの数値で表示していますが、実はさらに短期大学部があり、その中には7つの学科が設置されていて、1,538名が学んでいますので、実質1万人規模の大学となっています。女子大といえば文系の小規模な大学が多いのですが、ここの文学部の中には教育学科や心理学科が、生活環境学部の中には食物栄養学科や建築学科もあるなど、薬学部や看護学部も含めて資格が取得できる専門分野が多いのも特徴です。
それだけに根強い支持があり、広い範囲から受験生を集めていますが、やはり女子大ですので、一人暮らしを前提とした遠隔地からの受験生は少なく、8割が近畿圏からの受験生となっています。


少子化の影響から出願者数が減少傾向の大学が多い中で、武庫川女子大は2013年には出願者数が2万人を突破し、今年2017年には23,515人と過去最高の志願者数を記録しました。
近畿圏に限っても、2年連続で2万人超となっています。武庫川女子大恐るべし。
1月にこのコーナーで紹介したふりかけなど、食品企業とのコラボや建築学科の近隣の駅や工場の庭園のデザインなど外部発信が多い大学でもあります。元気な女子が大学を飛び出して地域も元気にしています。
これだけの規模の大学ですから、食堂やカフェも充実しています。70席のイートインがあるファミリーマートやドリンクバー併設のマクドナルドなどここの学生しか利用できない特別な商業施設もあります。
女子大はちょっと・・・と思っている女子の皆さん、一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。
因みに男子の皆さん、残念ながら学部には入学できませんが、武庫川女子大の大学院は男女共学です。実際に卒業した男子によると学外で学生証を見せたときや、就職時の面接で好奇の目で見られたとの事ですが、専門分野によっては選択肢の一つに加えるのもよいのではないでしょうか。

近畿大学 「アカデミックシアター」内覧会②

2017年3月31日 金曜日

この施設のもう一つの目玉は24時間使える自習室です。スマートフォンを使って自分の好みの座席を予約して、学生証と兼用のICカードを入り口にかざして入室するというシステムです。1Fは終日女性専用、2Fは男女共用ですが、夜間22:00以降は男子専用にするそうです。もちろん夜間に入館するにはICカードが必要で、防犯カメラも付いていますのでセキュリティーも万全です。

 

自習室の向かいには軽食を取るなどのリフレッシュルームがありますが、椅子がありません。居心地の良いソファーなどがあれば、寝てしまいそうですが、休憩時は立ったままというシステムでお勉強の効率は上がりそうです。

こちらは24時間営業ではありませんが、この施設にはカフェも2か所設けられていました。近畿大学の学内喫茶といえば雰囲気満点の「青い鳥」ですが、今風のカフェで、短時間にリフレッシュというスタイルも良いかも知れません。

 

語学学習のための書籍やDVDが納められた「インターナショナルスタディーエリア」には英語版の漫画もありました。学生に使ってもらうための工夫が徹底しています。

 

オープンキャンパスなどで近畿大学を訪れるとき、可能ならこの施設の見学もお勧めします。

 

近畿大学 「アカデミックシアター」内覧会①

2017年3月30日 木曜日

3月29日、近畿大学の新たな施設である「アカデミックシアター」の内覧会に行ってきました。大学敷地内に4棟からなる施設と、その間をつなぐ低層の建物の計5棟からできています。

 

中央の「5号館」は図書館としての機能もありますが、その配架の方法が非常に特徴的です。背中には一般的な日本十進分類法によるラベルもありますが、その上のピンク色のラベルが近大独自の分類で、33のテーマに分けてまとめられています。例えば情報・通信・ICTというテーマでは工学(通信工学)、心理学(認知論)、社会学(ネットと現代社会)、伝記(IT企業創設者)、経済学(IT企業に関するもの)と、従来の分類なら異なった場所に置かれるものが、一か所にまとめられているといった感じです。実学をウリにした近畿大学の姿勢が表れています。

 

2階には漫画も多く配架されています。しかし、その並べ方も作者名ではなく、ジャンルごとになっていて探しやすくなっています。同じフロアに「キャリアフィールド」と呼ばれる学生の就職を支援する部署がありますが、その前には「島耕作」のシリーズが並べられており、ビジネスの心構えを勉強しましょうということになっているようです。(続く)

 

大学と歩留まり率②

2017年3月28日 火曜日

では、逆に国公立大学の歩留まり率を見てみましょう。国公立は第一志望にしている受験生が多いため、合格者のほとんどが入学をすると思われていますが、実際には違います。

地方の国公立に合格しても、都市部の私立大学に入学する、または潔く(?)浪人するというケースも増えています。

2015年の歩留り率が7割以下の国公立大学を挙げてみました。ご覧のように大都市圏から離れた公立大学がほとんどです。行くつもりがないのなら、その地域の高校生にお席を空けておいて欲しいものです。

一方歩留まり率が高い大学も挙げてみましょう。

面白いことに、京大・東大を抑えて100%となっているのは東京藝術大学。要するに第一志望率が100%だったともいえます。日本最古の芸術大学である京都市立芸術大学も99%と驚異的な数値になっています。今は京都市の旧市街から離れたところに立地していますが、京都駅近くに移転するという計画も進んでいますので、そうなれば広い範囲から学生を集めることでしょう。

東大に合格したのに手続しなかった生徒が2015年度で12名、2016年度でも15名います。さすがに理科Ⅲ類(主に医学部進学)は手続き率100%ですが、2016年度の理科Ⅱ類(主に理学系学部に進学)では8名も合格の権利を放棄しています。

医科大学も歩留まり率が高くなっています。これは私立大学の医学部の学費がとても高価であるため、医学部志望の一般家庭の受験生は第一志望が国公立となるからでしょう。

鹿児島県の鹿屋体育大学や徳島県の鳴門教育大学も目的が明確な大学ですが、それぞれの進路への希望が明確な、つまり第一志望としてその大学を受験する割合が高いという事でしょう。

国公立の場合では、歩留まり率は直接第一志望率を表しますので、特徴のある専門分野をもつ大学か、難関大学が上位に来ることになります。国公立の場合はセンター試験の結果によって第一志望でない大学を受験する場合も多いと思いますが、合格したのに入学しないということにならないように、これから国公立志望の受験生は、まずはセンター試験対策を頑張りましょう。