大学「定員厳格化」を考える②

2017年5月30日

大学を定員充足率で縛る「文科省の2本目の縄」は学部新設の許認可に関するものです。

こちらは「4年間の平均」である上に、数値も私学助成より厳しくなっています。世の中のニーズの変化に応じて大学は学部の再編や新設を行う必要がありますが、今永田町で話題になっているように、学部を新しく作るというのは大変難しい手続きが必要なようです。その認可基準のひとつとして定員充足率も加わったわけですから、実は大学にとってこちらが大きな縛りとなっているわけです。京都産業大学も獣医学部の新設を考えていたという話も報道されていましたが、今後新たな学部展開の予定がある大学は定員を厳格に守る必要があります。逆に言えば、今回それを守り切った関関同立の4大学も何か新学部構想があるのかもしれません。

近畿大学、今年度入試では昨年比1.11倍の合格者を出しました。国際学部も含めて14学部を擁する今となっては学部を増設する必要も無い、さらに15万人を超える志願者が納める受験料だけで数十億円になる近畿大学にとっては、補助金よりも授業料収入の方がおいしい、となれば・・・・・・。

後はご想像にお任せしますが、次年度入試の動向に注目が必要でしょう。