立命館アジア太平洋大学(APU)にお邪魔してきました(APハウス編)

2019年6月12日

自宅から通えない生徒は、基本的に1年間、こちらの学内の寮で1年間過ごします。寮は一人部屋と二人部屋が選択でき、二人部屋は海外からの留学生と同室になります。同室といっても間に両方からカギがかかる仕切りがあって、寝るときやお出かけするとき、もちろんお着換えの時などは閉めておくことができます。最初は英語でしかコミュニケーションが取れませんが、留学生の日本語能力も上がってきますので、最後は日本語も使えるようになってきます。1人部屋にはトイレと洗面所がありますが、二人部屋にはそれが無い代わりに本棚が広くなっています。キッチンとお風呂は共同。当番制でお片づけをすることになっていますが、留学生の中には、家事は使用人がやってくれている、といった豊かなご家庭の出身者もいて、ともかく自分で使った後を自分で片付ける、という文化からご理解いただく、という局面も少なからずあるようです。

エアコンや冷蔵庫などひとまず必要な設備は整っていますので、最小限の衣類などの荷物だけで一人暮らしを始めることができます。電気の消し忘れを防ぐ意味もあって、部屋の鍵を壁の鍵穴に差し込むと、部屋の電気が点くようになっています。

フロアによって男子、女子に分かれています。大学全体では先に書いたように国内学生:留学生=はほぼ1:1ですが、自宅通学の国内学生もいますので、寮では4:6、つまり国内学生の方がマイノリティとなります。したがって共用部分には英語による掲示物が目に付きます。

自炊はできますが、食材はどうするのかといえば、学内の生協は結構充実しており、寮の中にも小さな生協の売店がありますので、ひとまず困ることはありません。その生協の店舗でレジを打っているのはヒジャブ(イスラム圏の女性が頭にかぶる布)を身に着けた女子学生ですし、宗教上の理由で食品に制約がある学生のために、牛肉が入っていない、豚肉が入っていない、などのお弁当や、製造過程で全くお酒を使わない醤油、ハングルしか書いていないカップ麺など、ここに来ただけで世界の広さを感じることができます。もちろん少し慣れてくると、休みの日には近所のスーパーや、バスで山を下りて買い物にも出かけるそうです。(山を下りることを「下界に行く」と彼らは言います)

さて、寮の話に戻りますが、このように共有部分には畳の部屋(ここで一緒に勉強するのが楽しみだったそうです)や卓球、ビリヤードなど一緒に楽しめる部屋もあり、寮を出た2年生以降でも、そのころに仲良くなった留学生と一緒に勉強(日本語の朗読練習に付き合う代わりに英語で書いたレポートの添削をしてもらう等)するようになるようです。因みに(RA=レジデント・アシスタント)という1年生の寮での生活サポートを希望すれば2年になっても寮に住むことができます。もちろんお給料も出ます。(続く)