大学入学共通テスト2022を解いてみた③

2022年1月20日

開成教育グループには「フリーステップ教育技術研究所」という教務に関する運営支援部署がありまして、共通テストもそこのベテランスタッフたちが解いて平均点予測を出しているのですが、どうも最近大学入試センターの発表より英語は低めに外し、国語は高めに外す事が多いそうです。今の現役受験生は「一昔の受験生」より全体的に英語力が向上しており、国語力は低下しているという事なのでしょうか。そういえば英語に関しては4技能の習得向けの新たな教材や、ICT機器の活用などが進んでいますが、国語はあまり進化していないのかもしれません。ということで、今回は国語を解いてみます。

第1問 論説文

「食べる」という事に関する哲学的な素材文が2種類あり、それをまとめた「メモ」を穴埋めするという形式です。素材文の対比とその目的を読み取る必要がありますが、選択肢が微妙で難易度は高めだったと思われます。「人間に食べられた豚肉(あなた)」という設定、奇妙過ぎて気が散ります。

第2問 小説

これも素材文をまとめた「ノート」を穴埋めする形式です。時系列で記述されている小説ですので設問に対する着目点が絞りやすく、設問も消去法で絞り込めるオーソドックスな選択肢でできています。個人的に小説が得意なので、そう感じただけかもしれませんが、やや易しいと感じました。

第3問 古文

「増鏡」と「とはずかたり」

古文全体で8題中、古語、古典文法が4題(配点は22/50)とセンター試験と近いバランスですが、設問の後半が、この2つの素材文を鑑賞した教師と生徒3人の会話文を穴埋めする形式になっています。発言者が本文のどこに着目したのかを考えるものですが、本文が読み取れていなければ結局解けないようになっています。妹に恋心を抱く兄という気持ち悪い設定を我慢する必要がありますが、難易度はセンター試験と変わらず、例年通りでしょう。

第4問 漢文

序文の付いた七言律詩です。序文の返り点を補う問題は少し時間が必要ですが、韻文は形式が整っていて読みやすくて個人的に好きです。ところで、随筆的な漢文には夢か幻かみたいな不思議なお話、よく出てくるのですが、ここに東洋的な神秘さを感じている私は変な人でしょうか。

それはさておき国語全体としては昨年117.51点だった平均点が10点ほど下がるという予測を各予備校が行っています。冒頭の話ではありませんが、私が例年並みだと思ったら、難化しているっていう事なのかもしれません。

というわけで、国語を解いた後なので思わず長文になってしまったブログなのでした。