追手門学院大学の「アサーティブ入試」

2017年7月6日 木曜日

最近の大学入試も変わってきました。学力的な優劣と、社会に出てからの活躍度には関係が無いといわれつつ、就職では難関大学出身者が有利であるなど、悩ましい現状があります。公務員試験対策講座や面接練習など、就職対策を手厚く行っている大学もありますが、採用された後にそこで活躍できる力が付いているかどうかは個人次第でしょう。

 

そこで追手門大学は面白いことを考えました。2015年から始まった、「アサーティブ入試」です。まずは「アサーティブ」って何?

(追手門大学HPより)

入試情報室にもこの入試に関する問い合わせが増えてきました。受験生にとってもこの育成型の入試が大学の好感度を上げており、一般入試でも志願者が増えています。年々この入試方法の知名度も上がってきているようです。

 

具体的には次のような流れになります。

 

(追手門大学 HPより)

まずは入試前のガイダンスに参加して、概要説明を聞きます。

さらに、個別面談で、大学で学ぶ意義を「一緒に」!考えてくれます。

次にMANABOSSというインターネット学習システムで、スマホやタブレットで学習を進めていきます。

そして、そこで学習したことが定着しているかどうかを試す「基礎学力テスト」が行われます。

合格後は、さらに社会と自分のつながりを考えさせるような課題が用意されており、入学に備える、というわけです。基礎学力テストがどの程度の内容かは、MANABOSSに参加してみればわかることだそうですので、まずはエントリーしてみましょう。要はやる気です。

これから活躍していく人材をいかに見出していくのかも大学入試の役割の一つですが、入試というのはAOや推薦入試では今までの活動歴や高校の成績を、一般学力選抜でも今までに得た知識や技能で判断するという点で、いずれも「過去」で合否を判断しています。

それに対し追手門大学の「アサーティブ入試」は、その学ぶ意味を確認させグループディスカッションで考えさせ、後日その熱意が「基礎学力テスト」で測られますから「未来」を判定材料にする革新的な考え方だといえるでしょう。

受験生一人ひとりにかける時間や手間も大変だと思いますが、この入試で入学した学生が社会で活躍するのが楽しみです。

 

 

大阪大学のオープンキャンパス

2017年6月30日 金曜日

一昔前は、生徒募集に関して国公立大学というものは私立大学と違い、写真が1枚もない白黒の「募集要項」という愛想の無い冊子が用意されているだけで、大学の授業内容は入学後に配布されるシラバスを見て、初めて知るという状態でしたが、今ではカラフルなパンフレットはもちろんの事、研究内容や設備の紹介などの広報誌も用意されていて、どのような分野が学習・研究できる大学なのかがわかりやすくなってきました。さらに、私立大学並みに(以上に?)オープンキャンパスも充実してきました。

今日は、その一つ、大阪大学のオープンキャンパスのお知らせです。

 

(大阪大学 広報誌 「NewsLetter No.76 」より転載)

ご覧のように、学部ごとに日程も場所も異なります。事前の参加申し込みが必要ですが、申し込みをしていてもメイン会場に入れずに映像中継の部屋に誘導される場合もありますので、当日は早めに。

内容は、学部の全体説明に加えて、体験講義や研究室訪問などのイベントが用意されています。特に外国語学部は専攻言語ごとに、教員によるその言語についての紹介や学生によるスピーチ、さらに学生やその言語を母語とする留学生も加わっての交流など、プチ異文化体験ができるようです。

配布される資料も学部独自のもので、資料を入れて渡してくれるバッグも学部ごとに異なっていたりします。つまり、オープンキャンパスは、大学本部ではなく学部単位で企画・運営されているようです。工学部と基礎工学部で迷っているなど、阪大には行きたいけど、学部選びで迷っている、という受験生は、日程が許せば複数学部のオープンキャンパスに参加してみてはいかがでしょうか。

オープンキャンパスが終わったら、食堂にも行ってみましょう。阪大の食堂は、カフェテリア形式のところと、レストラン形式のところがあります。カフェテリア形式の方がお安いのですが、豊中にはカレー専門店やカフェがあったりします。吹田の医学部付属病院の14Fにはリーガロイヤルホテル直営のレストランがあります。太陽の塔を眺めながらのランチはお味も雰囲気も抜群なのですが、ここをはじめとして、医学部近くの食堂の出入口には白衣をかけておくためのコーナーがあります。吊るされている多くの白衣・・・、ちょっとリアルなのでした。

http://www.osaka-u.ac.jp/ja/admissions/guidance

 

 

「関西8大学大研究」開催されます

2017年6月26日 月曜日

来る7月9日 開成教育グループ主催 「関西8大学大研究」が開催されます。

 


(画像をクリックするとPDFが開きます。)
立命館大・近畿大・関西大・同志社大・関西学院大・龍谷大・京都産業大・甲南大(2016年度学部学生数順)の入試担当者が一堂に会する大イベントです。各大学の魅力や特長を講演会形式で説明していただきます。また、大学ごとの個別相談ブースもございます。

それに加えて開成教育グループからは入試問題の解説や併願パターンの紹介に関する講演会や在学生との相談コーナーも実施いたします。

高校生の皆さんは、以下のリンクから申し込みをしてください。

http://www.kaisei-group.co.jp/freestep/event/800
(既に定員に達し、申込を終了している講演もございます。どうぞお早めにお申し込みください。)

【高校の先生方への業務連絡です】

HPには告知がありませんが、当日午前10時30分より、2時間弱の進路指導担当者向けの講演会を開催いたします。

今年も1600名以上の合格数を出した、開成教育グループ生の併願状況や受験回数などのデータを示しながら、進路指導のお役に立てるようなお話を差し上げたいと考えています。

期末テスト後のお忙しい時期だとは思いますが、ご臨席賜りますようお願い申し上げます。

(事前に申し込みを頂けますと助かります。チラシに記載の電話番号、または今までに連絡をさせていただいた学校様はFaxやメールでも結構です。ご連絡お待ちしております。)

第39回 私立大学展(私立大学進学説明会)のご案内

2017年6月23日 金曜日

5月11日にもお知らせしましたが、近畿を中心に65大学が集まる「私立大学展」が開催されます。(主催=京阪神私立大学入試広報懇談会)

既に2日程が終わり、25日の京都日程のみ残すことになりました。

6月25日(日) 12:00~16:00 みやこめっせ(京都勧業館 第3展示場)

開成教育グループからは「大学の選び方・受験勉強の方法をお教えします。」という受験支援コーナーで個別相談ブースを担当することになっています。JR京都駅八条口、阪急烏丸(地下鉄四条)と会場を結ぶ送迎バスも運行されるようです。詳細はHPでご確認ください。大学選びや出願方法、勉強方法でお悩みの高校生、大歓迎です。お会いできることを楽しみにしております。

( ↓ 私立大学展のHPはこちらです。)

http://www.shinro-ouen.jp/index.html

 

 

同志社大学 オープンキャンパスが開催されます

2017年6月19日 月曜日

夏は大学のオープンキャンパスのシーズンです。今回は同志社のオープンキャンパスのご紹介です。7月30日と8月6日の日曜日に2回開催されますが、1回目は京田辺キャンパス、2回目は今出川キャンパスと場所が異なりますので注意が必要です。

(画像をクリックするとPDFが開きます。裏面の詳細も見ることができます。)

さすが同志社、内容が硬派です。「教員による模擬講義」「同志社の英語を学ぼう!」(一般入試問題解説)「図書館見学」などなど・・・。参加した志願者にとっては「大学ってなんとなく楽しそう・・・」ではなく「こうやって勉強するところなのだな。」と背筋が伸びるような企画となっています。たとえば同志社の図書館の蔵書には膨大な洋書が含まれており、それを見るだけでも英語の勉強スイッチが入るというものです。

もちろんチャペル見学など立派な大学の施設などを見学することもできます。入試ガイドも入手できるようですので、同志社大学を受験する可能性のある高校生は参加すると、良い刺激を受けることに加えて入試情報の入手もできるでしょう。

因みに昨年は布製のしっかりしたトートバックが景品として配布されました。重宝しております。

 

 

京都橘大学 健康科学部に新学科誕生

2017年6月16日 金曜日

かつては文系の女子大学だった京都橘大学ですが、2005年に共学化、京都府内で初の看護学部を設置してから次々と学部を増設し、今や6学部11学科、学生数も4,000名を超える総合大学となっています。

(画像をクリックするとPDFが開きます。)

2012年に理学療法学科と心理学科の2学科体制で開設された「健康科学部」にも、2016年度から救急救命学科が開設され、看護や理学療法の国家試験の合格率の高さも評価されたためでしょうか初年度から多くの受験生を集めました。

その健康科学部に、2018年から「作業療法学科」と「臨床検査学科」が増設されることになりそうです。これからの高齢者社会を見越して人材不足となる作業療法士や、高度化する医療に対応できる臨床検査技師の育成を目指しているようです。

心理学科も臨床心理士資格取得が可能となりましたので、京都橘大学健康科学部の入試の難易度も全体的に上昇することが予想されます。注意が必要でしょう。

 

 

【スクープ】私立大学 一般入試の日程に関して【どうなる?】

2017年5月31日 水曜日

平成33年度(2021年度)入試では私立大学の入試日程が動く可能性が出てきました。現在の中3生以下の学年が関係する情報です。

関西では関関同立といった規模の大きい大学では、2月1日から10日の間に入試日程が集中しています。これは文部科学省の通達により、2月1日を解禁日としているためです。(現行の通達では2月1日から4月15日を入試日と定めています。)他の大学はこの期間に入試を行えば出願者が減りますので避けることになりますが、これより遅くすれば、国公立2次試験と重なってしまいます。そこで、文部科学省から怒られながら(?)例年1月下旬に入試を行ってきました。しかし先日、この文部科学省の定める2月1日という解禁日を、平成33年度入試より1月25日に変更するという方針が伝えられた模様です。

平成33年度は今のセンター試験と同じような日程で「大学入学共通テスト」が行われますので、もし、関関同立が1週間早く入試を行うことになった場合、他の大学はそれより前に日程を組むことが難しくなってしまいます。もちろん逆に後に持っていくことはできますが、出願者の減少や、合格者のうちで入学手続きを行う割合が変わるなど、適正な入学者数を確保するのが技術的に難しくなることが予想されます。一部の大学が入学手続きの状況を見てから追加合格を出すケースが多くなると、他の合格校の入学手続き後の辞退が増えるなどの混乱が生じることも予想されます。地方試験を実施している大学は、その会場確保も含めて新たな対応が必要となります。

いずれにしても、今までに考えられてきた併願受験パターンが使えなくなりますので、受験生にとっても大きなストレスがかかることになりそうです。

今後の文部科学省からの通達や、各大学の動きに注目が必要です。

 

 

大学「定員厳格化」を考える②

2017年5月30日 火曜日

大学を定員充足率で縛る「文科省の2本目の縄」は学部新設の許認可に関するものです。

こちらは「4年間の平均」である上に、数値も私学助成より厳しくなっています。世の中のニーズの変化に応じて大学は学部の再編や新設を行う必要がありますが、今永田町で話題になっているように、学部を新しく作るというのは大変難しい手続きが必要なようです。その認可基準のひとつとして定員充足率も加わったわけですから、実は大学にとってこちらが大きな縛りとなっているわけです。京都産業大学も獣医学部の新設を考えていたという話も報道されていましたが、今後新たな学部展開の予定がある大学は定員を厳格に守る必要があります。逆に言えば、今回それを守り切った関関同立の4大学も何か新学部構想があるのかもしれません。

近畿大学、今年度入試では昨年比1.11倍の合格者を出しました。国際学部も含めて14学部を擁する今となっては学部を増設する必要も無い、さらに15万人を超える志願者が納める受験料だけで数十億円になる近畿大学にとっては、補助金よりも授業料収入の方がおいしい、となれば・・・・・・。

後はご想像にお任せしますが、次年度入試の動向に注目が必要でしょう。

 

大学「定員厳格化」を考える①

2017年5月29日 月曜日

今春の入試では文部科学省による定員の厳格化によって、大規模大学の多くは合格者の絞り込みを行いました。関西でも前年よりも12%も減らした立命館大をはじめとして、関西学院大が約9%減、関西大・同志社大が約5%減といずれも厳しい入試となりました。

文部科学省が打ち出した定員厳格化というのは、「経常費補助金」(私学助成)の交付と、新設学部の許認可という2本の縄で大学を縛ろうというものですが、そもそもその効力はどの程度なのでしょうか。

まず、平成27年度に各大学に交付された「経常費補助金」の金額を調べてみました。
(http://www.shigaku.go.jp/s_kouhujoukyou.htm 私学事業団のHPを参照)
全国566大学のうち、その金額の上位20位までをリストアップしてみました。(近畿圏の大学名を黄色に塗っています。)ご覧のように関関同立と近畿大学だけがランクインしています。ここからも近畿大学は「産近甲龍」というグループではないことがわかります。それはさておき、たとえば20位の同志社大は約28億円の補助を受けています。金額としては大きいと思いますが、もしこの金額が入らずに、次の年度の学部学生が均等に負担したとすれば、と仮定して学部学生の人数で除してみますと、ひとりあたり10万4千円ほどになります。つまり、同志社が授業料をひとりあたり年間10.4万円値上げすれば補助金は不要だともいえますし、その金額の値上げ程度で天下の同志社大への志願者が減るとは考えにくいので、「文科省の縄」の1本目は結構細いといえるでしょう。
さらにその学生一人あたりのインパクトが少ない大学ランキングも作ってみました。(学生一人当たり5万円以下の大学)

大阪府摂津市の大阪人間科学大学は、学生一人あたり約2万1千円、補助金合計で2687万円、(566校中554位)しか交付されていません。この大学の初年度納入金は、約133万円~169万円ですので、この交付金は20名の新入学生の学費にも満たない、大学経営にほとんどインパクトの無い金額だといえます。

(続く)

 

甲南大学に新たな施設が誕生します

2017年5月25日 木曜日

甲南大学は神戸岡本、閑静な住宅地に囲まれた岡本キャンパスが本部です。西宮北口の「Cube」キャンパス、ポートアイランドの「FIRST」キャンパスは最先端の設備を誇りますが、それらと比較すると「本部の西側の学生会館、学友会館は少し時代を感じてしまうなぁ、関西の経済の三分の一は甲南で回っていると言われるのになぁ」と思っていたら(・・・あくまでも個人の感想です。・・・)やはり建て替え工事が行われていました。どうやら地下1階、地上4階の豪華な建物のようです。 (完成予想図 大学HPより) その名も「KONAN  INFINITY  COMMONS(iCommons)」。学生部や医務室、食堂も含む、巨大な設備です。部室も数多く用意されているようです。音楽練習室に加えて、茶室やアトリエ、歌舞伎・能楽練習室が計画されています。文化系クラブ(甲南では「文化会」といいます)の学生にとってはたまりませんね。 また、フィットネスマシンやボルダリングができる壁を備えた部屋もできるようです。体育会クラブへの気配りも抜かりありません。グランドは以前から全面人工芝という贅沢な仕様ですが、その他六甲アイランドなどにも運動設備もありますので、それらと併せて思い切って体も鍛えることができるでしょう。 もちろんキャリアセンターやミーティングルームなど、部活に属していない学生も使える設備も配置されるようです。詳しくは6月4日の「進学説明会」でその紹介もされると思いますので、ひとまずこちらに参加してみましょう。 (画像をクリックすると、PDFが開きます。)