大阪大学2017年度合格者数 高校別実績比較②

2017年4月5日 水曜日

さて、それでは今年学年占有率が10%を超えた13校の過去4年間の推移を見てみましょう。

御覧のように、北野高校が2年連続で伸ばし、2年連続で首位だった茨木高校を抜いてトップとなっています。また、昨年度少し後退した長田高校も今回伸ばして占有率を15%台に乗せています。(前日の表もご参照ください)しかし、全体的にみると、北野高校以外は合格者数55~40名付近に集まってきており、いずれの高校も熾烈な争いになっていることがわかります。

今年から後期入試がなくなった大阪大学ですが、逆に「世界適塾入試」という特殊な推薦入試を始めています。東大や京大の推薦入試と同じように広い範囲から志願者が集まることから、一つの高校から大量合格するのも難しくなるかもしれません。阪大への合格を勝ち取るには高校入学後も幅広い学習が必要となるでしょう。

 

大阪大学2017年度合格者数 高校別実績比較①

2017年4月4日 火曜日

昨日から実質新年度が始まりました。各学校も新たな入学生を迎え、少し落ち着いた時期を迎えます。

さて、大阪大学の高校ごとの合格者数も次第に明らかになってきました。まず、合格者数を卒業生数で割った「占有率」でのランキングを見てみましょう。

 

統計上の誤差を避けるため、2017年度入試で合格者の実人数が20名以上の37校だけを取り上げています。学校名の後ろに★印が付いているのは公立の高校です。

トップの大阪府立北野高校をはじめとして、公立高校の躍進が目立ちます。トップ10校の中に、公立が7校ランクインしており、近畿各地域のトップ校の名前が並んでいます。

このランキングだけを見ると、中高一貫の進学校である私立高校の割合が低いように見えますが、国公立の医学部や京大・東大といったさらに難易度の高い大学へも分散していますので、この指標だけで学校の教育力を測ることはできません。とはいえ、公立高校同士で考えると、高校入試の難易度との相関があるようです。


(続く)

 

日本一大きな女子大

2017年4月3日 月曜日

日本最大の大学は、66,298人の学生を擁する日本大学ですが、今回は女子大の学生数ランキングです。(こちらのランキングの数値は「大学ランキング2017」(AERAムック 朝日新聞)を参考にしています。)

御覧のように1位、3位、5位は近畿圏の学校です。このうち1位の武庫川女子は兵庫県西宮市、甲子園球場の近くに広大な複数のキャンパスがある大学です。学部は文学部、健康・スポーツ科学部、生活環境学部、音楽学部、薬学部、看護学部の6学部で8,439名(2016年5月時点)が学んでいます。ランキングではこの数値で表示していますが、実はさらに短期大学部があり、その中には7つの学科が設置されていて、1,538名が学んでいますので、実質1万人規模の大学となっています。女子大といえば文系の小規模な大学が多いのですが、ここの文学部の中には教育学科や心理学科が、生活環境学部の中には食物栄養学科や建築学科もあるなど、薬学部や看護学部も含めて資格が取得できる専門分野が多いのも特徴です。
それだけに根強い支持があり、広い範囲から受験生を集めていますが、やはり女子大ですので、一人暮らしを前提とした遠隔地からの受験生は少なく、8割が近畿圏からの受験生となっています。


少子化の影響から出願者数が減少傾向の大学が多い中で、武庫川女子大は2013年には出願者数が2万人を突破し、今年2017年には23,515人と過去最高の志願者数を記録しました。
近畿圏に限っても、2年連続で2万人超となっています。武庫川女子大恐るべし。
1月にこのコーナーで紹介したふりかけなど、食品企業とのコラボや建築学科の近隣の駅や工場の庭園のデザインなど外部発信が多い大学でもあります。元気な女子が大学を飛び出して地域も元気にしています。
これだけの規模の大学ですから、食堂やカフェも充実しています。70席のイートインがあるファミリーマートやドリンクバー併設のマクドナルドなどここの学生しか利用できない特別な商業施設もあります。
女子大はちょっと・・・と思っている女子の皆さん、一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。
因みに男子の皆さん、残念ながら学部には入学できませんが、武庫川女子大の大学院は男女共学です。実際に卒業した男子によると学外で学生証を見せたときや、就職時の面接で好奇の目で見られたとの事ですが、専門分野によっては選択肢の一つに加えるのもよいのではないでしょうか。

近畿大学 「アカデミックシアター」内覧会②

2017年3月31日 金曜日

この施設のもう一つの目玉は24時間使える自習室です。スマートフォンを使って自分の好みの座席を予約して、学生証と兼用のICカードを入り口にかざして入室するというシステムです。1Fは終日女性専用、2Fは男女共用ですが、夜間22:00以降は男子専用にするそうです。もちろん夜間に入館するにはICカードが必要で、防犯カメラも付いていますのでセキュリティーも万全です。

 

自習室の向かいには軽食を取るなどのリフレッシュルームがありますが、椅子がありません。居心地の良いソファーなどがあれば、寝てしまいそうですが、休憩時は立ったままというシステムでお勉強の効率は上がりそうです。

こちらは24時間営業ではありませんが、この施設にはカフェも2か所設けられていました。近畿大学の学内喫茶といえば雰囲気満点の「青い鳥」ですが、今風のカフェで、短時間にリフレッシュというスタイルも良いかも知れません。

 

語学学習のための書籍やDVDが納められた「インターナショナルスタディーエリア」には英語版の漫画もありました。学生に使ってもらうための工夫が徹底しています。

 

オープンキャンパスなどで近畿大学を訪れるとき、可能ならこの施設の見学もお勧めします。

 

近畿大学 「アカデミックシアター」内覧会①

2017年3月30日 木曜日

3月29日、近畿大学の新たな施設である「アカデミックシアター」の内覧会に行ってきました。大学敷地内に4棟からなる施設と、その間をつなぐ低層の建物の計5棟からできています。

 

中央の「5号館」は図書館としての機能もありますが、その配架の方法が非常に特徴的です。背中には一般的な日本十進分類法によるラベルもありますが、その上のピンク色のラベルが近大独自の分類で、33のテーマに分けてまとめられています。例えば情報・通信・ICTというテーマでは工学(通信工学)、心理学(認知論)、社会学(ネットと現代社会)、伝記(IT企業創設者)、経済学(IT企業に関するもの)と、従来の分類なら異なった場所に置かれるものが、一か所にまとめられているといった感じです。実学をウリにした近畿大学の姿勢が表れています。

 

2階には漫画も多く配架されています。しかし、その並べ方も作者名ではなく、ジャンルごとになっていて探しやすくなっています。同じフロアに「キャリアフィールド」と呼ばれる学生の就職を支援する部署がありますが、その前には「島耕作」のシリーズが並べられており、ビジネスの心構えを勉強しましょうということになっているようです。(続く)

 

第1回私立女子中学校フェスタが開催されます!!

2017年3月29日 水曜日

都心にある私立の女子伝統校が一堂に会するイベントとして「第1回私立女子中学校フェスタ」が、開催されるとのことです。

内容は以下のとおりです。

第1回私立女子中学校フェスタ

日時:
2017年4月2日(日) 10:00~16:00
場所:
十文字中学校
アクセス:
JR巣鴨駅、都営三田駅・巣鴨駅、JR大塚駅より徒歩5分
内容:
生徒によるアトラクション・プレゼンテーション・体験授業・個別相談・女子校あるある座談会など
参加校:
跡見学園、鷗友学園女子、大妻、大妻中野、吉祥女子、共立女子、品川女子学院、実践女子学園、十文字、女子聖学院、東京家政大学附属女子、豊島岡女子学園、富士見、三輪田学園、八雲学園、山脇学園、和洋九段女子
※ご注意:男性のみの入場はお断りしております・上履きを必ずご持参ください(いずれもイベントHPより)

プレゼンテーション会場と個別相談ブース会場にあるスタンプポイントを回りスタンプを5つ集めると、景品と交換してもらえるスタンプラリーもあるとのことです。女子の中学受験生ならびにその保護者の皆さまは、ぜひご参加ください。ただし、春休み中ということもあり、当日は混雑が予想されますので、その点はどうぞお知りおき頂いた上でご来場ください。
また詳細につきましては、イベントHP(http://www.mirai-compass.jp.net/joshifes/)に当日のプログラムと会場別・学校別のタイムスケジュールが掲載されていますので、そちらも合わせてご確認ください。

以下はプログラムからの引用です。
わたしたちは、楽しい催し物を通して少しでも女子校のよさを小学生のみなさんに体感していただくためにこのフェスタを企画しました。アトラクションあり、プレゼンあり、座談会あり、体験授業あり、個別相談ありの充実したプログラムをご用意しました。わたしたち生徒が中心に行う初めての合同フェスタです。どうぞ今日一日様々な学校の会場に足を運んでいただき楽しい一日を過ごしてください。

 

大学と歩留まり率②

2017年3月28日 火曜日

では、逆に国公立大学の歩留まり率を見てみましょう。国公立は第一志望にしている受験生が多いため、合格者のほとんどが入学をすると思われていますが、実際には違います。

地方の国公立に合格しても、都市部の私立大学に入学する、または潔く(?)浪人するというケースも増えています。

2015年の歩留り率が7割以下の国公立大学を挙げてみました。ご覧のように大都市圏から離れた公立大学がほとんどです。行くつもりがないのなら、その地域の高校生にお席を空けておいて欲しいものです。

一方歩留まり率が高い大学も挙げてみましょう。

面白いことに、京大・東大を抑えて100%となっているのは東京藝術大学。要するに第一志望率が100%だったともいえます。日本最古の芸術大学である京都市立芸術大学も99%と驚異的な数値になっています。今は京都市の旧市街から離れたところに立地していますが、京都駅近くに移転するという計画も進んでいますので、そうなれば広い範囲から学生を集めることでしょう。

東大に合格したのに手続しなかった生徒が2015年度で12名、2016年度でも15名います。さすがに理科Ⅲ類(主に医学部進学)は手続き率100%ですが、2016年度の理科Ⅱ類(主に理学系学部に進学)では8名も合格の権利を放棄しています。

医科大学も歩留まり率が高くなっています。これは私立大学の医学部の学費がとても高価であるため、医学部志望の一般家庭の受験生は第一志望が国公立となるからでしょう。

鹿児島県の鹿屋体育大学や徳島県の鳴門教育大学も目的が明確な大学ですが、それぞれの進路への希望が明確な、つまり第一志望としてその大学を受験する割合が高いという事でしょう。

国公立の場合では、歩留まり率は直接第一志望率を表しますので、特徴のある専門分野をもつ大学か、難関大学が上位に来ることになります。国公立の場合はセンター試験の結果によって第一志望でない大学を受験する場合も多いと思いますが、合格したのに入学しないということにならないように、これから国公立志望の受験生は、まずはセンター試験対策を頑張りましょう。

 

大学と歩留まり率①

2017年3月27日 月曜日

今年も国公立大学後期試験の結果も出そろい、進学先が決定していく時期ですが、大学に合格した人のうち、実際に入学手続きを行う人はどのくらいになるのでしょうか。最新の数値がそろいませんでしたので2015年入学生についてのデータで比較してみました。歩留まり率とは、合格者数のうち、実際に入学した学生の割合です。私立大学は一人で複数学部や複数回合格することが可能ですが、実人数に直して発表された数値を元にしています。

(大学によってその数値の定義が違いますので、あくまでも目安としてご覧ください。)

まず、関関同立についてですが、関西学院大学が35.03%と最も高い数値になっています。もちろん関西学院大学のブランド力の高さもあるとは思いますが、提携校や系属校からの推薦系の入試による合格者割合が高いというのもプラス材料となっています。一方国公立の併願として受験されるケースが多くなった立命館大学が22.45%と他の3大学より低い数値となっています。

産近甲龍で比較しても受験者数日本一の近畿大学が歩留まり率としては低くなっています。私立大学の場合は「一般入試での受験者が多い大学」=「他大学との併願者が多い大学」となりますので、歩留まり率と難易度との関係は、なさそうだと考えた方が良いでしょう。(続く)

 

東大ランキング2017 ③

2017年3月24日 金曜日

京大ランキングと同じように現役と既卒の割合も図にしてみました。

いやぁ、ここでも灘高恐るべし。図には表していませんが理Ⅲ合格者も18名と1位です。2位の開成の9人を大きく引き離しています。近畿圏で東大合格といえば、ここに迫る学校はありません。

また、この図を見ると、公立(学校名に★がついた学校)はことごとく中心線より下、つまり現役の合格率が低い学校となっています。全教科が得意科目でなければ勝負にならない東大では、公立の3年間という時間は短すぎるという事なのでしょう。おそらく医学部医学科で集約しても同じような結果になると思います。このレベルの入試では6年一貫教育の優位性が生きてくることがわかります。

今の好況感から、文系への回帰が起こってきています。また、一時は減少傾向にあった「遠距離入試」も回復傾向がみられます。従って東大の文系などは今後さらに難化すると考えられます。安定して東大への合格者を出していた進学校も、今後は厳しい戦いにさらされる事になるでしょう。

 

東大ランキング2017 ②

2017年3月23日 木曜日

京大ランキングで紹介した通り、兵庫の甲陽学院や奈良の西大和学園など関西から東大シフトしている学校もあります。その影響もあるのでしょうか首都圏の学校で合格者数が減少している学校が目立ちます。具体的にどのような学校が増加しているのでしょう。表にしてみました。(単年度で合格者が10名以下の学校では変化の割合が極端になりますので除外して集計しています。)

 

この表では、年度による波を緩和するため、2017年度入試実績(既卒含む)と2016年度入試実績の合計を、2015年入試実績と2014年度入試実績の合計数で割ったものです。つまりこの数値が高い方が東大合格者を順調に伸ばしている学校ということになります。

近畿地方の学校にはピンク色、その他西日本の学校を水色で塗っています。ご覧のように西大和と甲陽が増加率上位に食い込んでいます。併せて★印の付いた公立高校、☆印の国立大附属校も健闘していることがわかります。西日本の学校も4校が増加組に入っていますが、ラ・サール、愛光は伸びているというより、長期的にみると回復してきたという見方ができるでしょう。(続く)