東大ランキング2017 ①

2017年3月22日 水曜日

京大に引き続き、東大の状況も知りたいとのご要望を頂きましたので、東大に関しても同じ分析を加えてみました。(サンデー毎日・週刊朝日の数値を参照しています。この数値の元は学校からのアンケートによるものですが、100%回収できているわけではないのであくまでも途中集計としてご覧ください。)

学校の所在地が近畿圏のものには見やすいようにピンク色で塗ってみました。

 

卒業生数に対する現役合格者数の割合でランキングを作るとこのようになります。実人数ランキングでは東京の開成が159名(内現役103名)でダントツの1位ですが、卒業者数が400名近い学校ですので割合にすると2位となります。(続く)

 

京大ランキング2017 ②

2017年3月21日 火曜日

近畿圏では公立高校の躍進も目立ち、その動向が注目されていましたが、そこに注目してみましょう。かつては中高一貫の私立進学校に比べて、公立高校は入学してから3年間という時間の制約があるため、現役合格は厳しいとのイメージがありました。昨日に続いて現役と既卒の占有率の相関図を作ってみました。

 

近似線の上は現役より既卒の割合が高いことを示しています。すると同じ公立でも二通りあることが判ります。

 

堀川・北野・西京は現役の比率が高いのに対し、膳所・天王寺・茨木・奈良・長田などは既卒と比較して現役の実績が低めになっています。深い思考力や相当量の記述力が必要とされる京大に現役で合格するためには旧来の知識重点型の学習では厳しいわけですが、堀川や北野ではそのレベルの入試も意識した授業内容になっていると考えられます。西京は中学校も併設していますので、6年間という時間を有効に活用した実践もプラスに作用していると考えられます。いずれにせよ、大学進学に関して公立高校が伸びている、と単純に考えるのではなく、公立の間にも大きな違いがあると考えるべきでしょう。

高校選びの参考にしてみましょう。

 

京大ランキング2017 ①

2017年3月20日 月曜日

京大の2017年度入試の高校別合格者数が判明しました。(サンデー毎日・週刊朝日の数値を参照しています。この数値の元は学校からのアンケートによるものですが、100%回収できているわけではないのであくまでも途中集計としてご覧ください。)

※このランキングは2017年の実合格者数が15名以上の44校についてまとめています。それ以下の人数の学校では人数の増減が大きな割合になってしまうため、今回の集計から除外しています。

まず、週刊誌報道では現役と既卒を合計した人数によるランキングが発表されていますが、実数では学校規模の影響を受け、既卒者も合計すると学校というより予備校による成果も加味されるため、現役合格者数の卒業者数に対する割合で独自にランキングを作成してみました。

公立高校は学校名の後ろに★印をつけています。

1位は東大寺学園。既卒を併せた実人数では洛南が67名で全国トップですが、卒業者数が東大寺の2倍以上ですから、占有率としては低くなってしまいます。京大現役合格者数は例年安定して17%ほどで推移しています。

2位は甲陽学院。京大合格者数についてはここ数年わずかに後退していますが、東大合格者が3割増と東大にシフトしています。かつてはこのあたりの順位にランクインしていた西大和学園も今年度は14位に後退していますが、同様に東大合格者を3割以上増加させています。

3位は灘。単に現役合格が多いだけでなく、医学部医学科に21名合格と、全国の高校でぶっちぎりの実績です。ちなみに医学部医学科の合格人数2位は洛南の12名、二桁合格はここまでで、3位以降は一桁の人数です。
4位・5位と公立が続きます。(続く)

 

大阪府 公立高校 出願状況(旧第4学区)

2017年3月17日 金曜日

大阪旧第4学区です。

他の学区と同じように、倍率が1.42倍を超えたところを黄色で縫っています。泉北の国際文化と総合科学が同じ倍率なのに色が違うのは、四捨五入の関係で実際には総合科学の方が1.4153…倍ですので、色を塗っていません。

さて、この地域でも進路希望調査からの調整が効いて、結果的に高倍率になったのは泉陽と泉北の2校にとどまりました。泉陽は2月8日の進学希望調査からなんと139名も流出しましたが、それでも昨年をはるかに超える569名が出願し、激戦となっています。和泉も101名流出となりましたが、こちらは昨年並みの1.25倍と落ち着きました。

グラフ化してみると、この地域では難易度と倍率の相関が小さいということがわかります。学区北部の堺市域では難関校=高倍率という傾向が見られますが、学区北部では生徒の流動性が小さいためか難易度にかかわらず1.1倍前後となっています。

泉陽、泉北、高石、堺上はこの近似線から上に大きく外れています。「ソフトな進学校」として泉陽、泉北も安定して人気校ですが、朝10分間の読書指導と自習室の強化で進学実績を伸ばしている高石高校や、体育館やグランド、プールが充実しており、部活動も盛んな堺上高校は、(文化部には吹奏楽部がない代わりに合唱や軽音楽が盛ん)学校行事も多く、比較的自由な校風で人気を集めているようです。

今回の入試の合格発表は本日朝10:00です。一人でも多くの生徒が第一志望校に合格していることを祈っております。

 

 

大阪府 公立高校 出願状況(旧第3学区)

2017年3月16日 木曜日

大阪旧第3学区についてです。

 

この学区も、2月末の進路希望調査では1.42倍(受験生の3割が不合格になるというラインです。この表では黄色に数値を縫っています。)を超えている学校が5校ありましたが、実際の出願では2校に落ち着きました。ただし、今年の高津高校は昨年よりさらに35名多い578名が出願し、激戦となりました。定員未充足校も4校と他の学区並みに調整された形です。

グラフにしてみると、偏差値55、倍率1.3倍と偏差値39、倍率1.1倍の2点に学校が集中しています。この間のゾーンに私立高校が入り込んでいると考えられ、公立高校は進学校とそれ以外という2極分化が進んでいることがわかります。その中で難易度の高い生野高校は今年度落ち着いた倍率になっていますので、来年度は揺り戻しによる倍率の変動などに注意が必要です。(続く)

 

 

大阪府 公立高校 出願状況(旧第2学区)

2017年3月15日 水曜日

大阪旧第2学区についてです。

進路希望調査では高倍率がついた学校が多かったのですが、次第に調整され、結果的に学校倍率が高くなったのは四条畷だけになりました。逆に定員未充足校も4校と、他の学区程度に減少しました。この地域は全体的に落ち着いた倍率になったといえるでしょう。

グラフを見てみましょう。全体状況としては難易度と競争倍率の相関が第1学区より弱くなっています。学校間の受験生の移動が少ない地域でみられる様相となっていますので、地域ごとの序列がある程度固定化されていると考えられます。その中で四條畷は高倍率となりました。大手前からの流入が四條畷で止まったということでしょうか。来年度は寝屋川も含めてこの3校の倍率動向が注目されるところです。(続く)

 

大阪府 公立高校 出願状況(旧第1学区)

2017年3月14日 火曜日

3月9日に行われた大阪府立高校の出願状況についてまとめました。学校数が多いため、今では大阪府は学区制がなくなりましたが、その所在地ごとに分けて紹介します。また、学区に属していない専門学科も旧学区に振り分けて掲載します。

今日は大阪 旧第1学区についてです。

学校の難易度と、競争倍率をグラフ化してみました。普通科と文理学科のように複数学科を設置している学校は、学校全体の倍率と難易度を代表値として表示しています。

御覧のように、難易度(開成公開テスト基準偏差値)が高いほど、競争倍率も高いという相関があります。近似線の上は同レベルとしては高倍率となった学校ですので、受験生の人気がある、もしくは選択問題の設定などで受験しやすいという学校だといえるでしょう。文理学科しか設置していない北野高校は受験生が限られるため、例年通り競争倍率としては落ち着いた数値になっています。(続く)

 

大阪府の公立高校入試(一般入学者選抜)英語の問題

2017年3月13日 月曜日

3月9日、大阪府の公立高校の入試が行われました。大阪府の一般入試では英数国の3教科に関してはA(基礎レベル)・B(標準レベル)・C(発展レベル)の3種類の問題が用意されており、学校ごとの選択となっていますが、今年度から出題傾向が変わるとアナウンスされていた英語C問題についてです。

文法的な間違いさがしや穴埋め問題もありますが、長文が4題あるのが特徴的です。設問や選択肢も含めてすべて英語です。長文のテーマも、考古学・日食・食料の保存法・人工的に雪の結晶を世界で初めて作った実験物理学者の中谷宇吉郎の話、と多岐にわたっています。

 

(中谷宇吉郎がここで人工雪が誕生させたという北海道大学構内にある記念碑の写真です。)

 

さて、ここでご紹介するのはメディアの重要度や信頼度に関する内容の大問3です。御覧のように設問も含めてすべて英語となっています。また、文章だけでなく統計表も見て判断する必要もあります。しかし小問は2つしかありませんので、ここで時間をかけるところではありません。話の流れをさらりとつかんで、文章を挟む場所を判断する、指示語の内容を判断する、という作業になりますが、普通の中学生にはなかなかハードルが高かったのではないでしょうか。

 

 

C(発展レベル)問題を採用しているのは難関校ばかりですが、どの程度の平均点だったのか気になるところです。次年度以降の大阪の中学生も、このような形式の問題にも慣れておく必要がありそうです。

滋賀県公立高校一般入試が行われました

2017年3月10日 金曜日

今週は近畿圏の公立高校の一般入試(3月入試)が集中しています。

滋賀県はそのトップバッターとして8日の水曜日に実施されました。

 

この写真は膳所高校の前での応援風景です。特に寒い日でしたが、元気よく受験生たちは試験会場に入っていきました。

 

さて、滋賀県の公立高校の倍率は御覧の通りです。倍率の欄の数値の色についてですが、赤色が高倍率で色が濃い方がさらに高倍率、逆に落ち着いた倍率には青色で、より低い倍率は濃い青色で塗っています。表の順番は、過去に合格した塾生の成績から割り出した難易度順ですが、データが少ない学校については一般的なランキングと違う場合もありますので、あくまでも目安としてご覧ください。

 

このリストを見ますと、今年は普通科では石山、東大津、草津東、大津が、農業科では湖南農業や長浜農業が高倍率となっています。(実際には長浜農業の食品が2名定員割れしており、他の学科からの流入を考えると、学校全体としては平均で1.15倍となります。)

これらの学校は昨年も一定の倍率がついており、人気校だといえるでしょう。

合格発表は15日の水曜日です。受験生だけでなく、私たちもドキドキしています。

来年受験を迎えられる皆さんは、このリストも受験校選定の参考にしてみてください。

 

兵庫県公立高校出願状況(第3学区)

2017年3月9日 木曜日

第3学区は中位校にも定員割れの学校が目立ちます。東播磨・明石清水など比較時交通の便が悪く、自転車通学が主となる高校は、他地域からの流入が少ないため落ち着いた倍率になっています。しかし同様に他地域からの流入の少ない、加古川北は昨年の低倍率からの隔年現象で、1.13倍となっていますので注意が必要です。一方入学後の選択の幅が広い明石南や三木東といった総合学科が人気を集めています。スポーツ系や芸術や看護・保育系の職に就きたい中学生の心を掴んでいるのでしょう。しかし、厳しい倍率になっていますので、夢に向かってあとひと踏ん張りが必要でしょう。

第4学区と第5学区は開成教育グループの教室がありませんので、また次の機会に紹介したいと思います。今年はカレンダーの関係で公立高校としては珍しく日曜日に入試が行われる兵庫県ですが、受験生はあと3日、体調管理に気を付けて頑張ってください。