【全学科・全コース対象】星翔高校で学ぶ ドローン【ライセンス取得可能】

2024年5月27日 月曜日

大阪府摂津市の星翔高校から、全コース生がドローンの国家ライセンス取得可能になったとの案内が届きました。86年前に設立された工業高校をルーツに持つ星翔高校は、いまでは普通科と工業系の4学科併せて1学年300名規模の共学校となっていますが、工業系の学科に限らずライセンスの取得が可能というのは全国的にも珍しいと思います。

4年ほど前から、電波の送受信のために必要なアマチュア無線の資格取得も含め、操縦技術や検定を行っている団体と協定を組むなど、ドローンスクールとしての準備を進めてきましたが、ついに2022年から国家資格になったドローン操縦のライセンスを在学中に取得することが可能となりました。

また、もっと操縦を楽しみたいという生徒さんもいらっしゃるようで、「ドローン研究部」という部活動もあります。世界大会に出場するなど盛んに活動しているようです。

興味のある中学生は9月、10月の説明会やオープンスクールに参加してみましょう。

奈良県の県立高校改編と受験動向を振り返る

2024年5月24日 金曜日

奈良県の県立高校は、統廃合に伴う併設状態を除けば1985年~2003年の43校というのが最大数となりますが、人口は1999年をピークに減少していきます。そこで2004年からの統廃合によって2009年には32校まで減少しました。2019年からは段階的に10の全日制高校と定時制1つを募集停止、一方で9校を開校という大きな改編が行われました。2024年度はその完成年度となりますが、全日制の県立高校は29校となっています。

さて、この大規模な改編は地域の中学生の受験動向にどのような影響を与えたのかを見てみましょう。

公立高校(県立+市立)の平均倍率をグラフにしてみました(2022年度より推薦選抜となった市立一条の外国語も特色に加えて計算しています)。公立高校の改編が行われる前は特色選抜の平均倍率が1.3倍前後、一般選抜の平均倍率が1.1倍前後と安定していたのですが、改変期に入ると特色選抜の倍率が大きく低下します。実業系のコースはあまり変化がなかったのですが、再編の対象となった平城や奈良朱雀はもちろん、毎年高倍率となる二階堂や法隆寺国際、市立一条なども競争倍率が読めないためでしょう、結果的に特色選抜の平均倍率は低下しました。その層が一般選抜に回るのであれば一般選抜の倍率が上がったはずですが、そうはならなかったのは私立専願になったと考えられます。一方で一般選抜は大きな変化が無く、改編が落ち着いた2023年度には1.18倍に上昇するなど、地域の普通科としての信頼度は変わらず、となっています。

人口減少に伴う公立高校の統廃合は全国的にも進行していますが、改変期がちょうど受験期に当たった中学生は何かと影響を受けるようです。奈良県ではしばらくは大きな改編は考えにくく、学校毎の難易度も安定してきますので、また安心して受験できるようになるでしょう。

英真学園高等学校 コース改編

2024年5月22日 水曜日

今から97年前の1927年(昭和2年)に創設された大阪高等女子職業学校は、山田耕筰作曲、佐藤春夫作詞の校歌も作られ、華々しいスタートを切ったのですが、7年後にその敷地を鉄道(当時は京阪電気鉄道、現在は阪急京都線)が通ることになり、手狭になるため線路の反対側に隣接する水田を校地として取得しました。つまり線路によって校地が分断される状態になったのですが、京阪側も生徒の利便性を考えてここに踏切を作ることになり、その踏切には鉄道敷設に協力してくれた学校に対するリスペクトでしょうか、「女子職」踏切という名称をつけました。

2000年に共学化し、校名も英真学園となりましたが、2009年からは[文理特進コース][情報進学コース][総合進学コース]の3コース制となっていました。

これが、2025年度より、[特進コース][マンガ・イラストコース][総合コース]と3コースとも名称を変更し、内容もリニューアルされます。

各コースの詳しい内容は今後の学校説明会等で聞いていただければと思いますが、マンガ・イラストのコースは外部のプロによる本格的な指導も予定しているようです。

楽しみですね。

大阪府 私立高校入学者数 募集人員との差 ランキング2024

2024年5月17日 金曜日

4月25日と26日にこのエントリーでも紹介した通り、大阪府による高等学校授業料無償化の影響で、今年の大阪府の高校入試は大荒れでした。どうせ高2から授業料が無料になるのなら、設備やコース制などが充実している私立高校を選ぼうというご家庭が増えたのでしょうか、専願は約1,500名増えたのですが、公立の倍率低下(半数の公立高校が定員割れ)となり、併願の戻り率は大きく低下、併願で入学者を確保する傾向の強い私立高にとっては入学者数の減少となりました。

そんな中で、募集人員と入学者数の差で、それを大きく超えた学校ランキングを作ってみました。参考までに過去10年分の入学者数も表記しています。募集人数との差が50名以上の20校を紹介します。

男子校は水色、女子校は薄オレンジ色で塗っています。現在は共学校であるが、元女子校だったというところは女子校として募集していた年度まで薄オレンジ色にしています。「地域」は旧学区を表しています。

1位は募集人員よりも326名も多くの入学生を迎えた浪速高校。中学校募集も好調で現在新校舎建築中です。学外の研修・スポーツ施設も充実、昨年には100周年を迎え、勢いのある学校です。

2位は大阪学院大学高校。北摂は公立高校の平均倍率が高い地域ですが、2020年竣工の明るい新校舎はJR岸辺駅から徒歩2分。隣接の大学設備の利用も可能と学習環境も抜群です。

3位は男子校の興國高校。スポーツ系のクラブの活躍も有名ですが、今年も東大1、京大8、阪大5、神大4、国公立医学部医学科3名など大学進学実績でも華々しい実績を誇っています。進学からキャリア系まで多彩なコース設定も魅力ですね。

4位は履正社高校。いつもなら400名前後の新入生を迎えていた学校なのに昨年は708名入学!今年はそれよりも減少したといっても600名近くが入学しています。こちらも創立から102年、共学化から24年。硬式野球部で有名なⅢ類以外の生徒は実質部活動ができなかったのですが、他のコースでも部活動に参加できるようになったことに合わせて、7年前に完成した新校舎も受験生を引き付けています。

5位は桃山学院高校。冒頭に併願の戻りが減少したと書きましたが、この学校の併願先はTOO10 高など高倍率の難関校ですから、その影響はありません。専願が増えた分プラスに作用した形です。きめ細かな教育活動による大学進学実績の安心感で厚く支持されています。

今回紹介した学校の中には教室の数の関係で次年度募集を絞り込むところがあるかもしれません。高校受験生は是非学校説明会などでそういった情報もキャッチしておきましょう。

【校舎がさらに拡張】京都産業大学附属中学校 高等学校 オープンキャンパス

2024年5月14日 火曜日

京都市下京区、丹波口駅の近くの旧専売公社(現JT)跡地に移転し、近代的で明るい校舎も自慢の京都産業大学附属中学校高等学校は、その名の通り京都産業大学への内部進学が可能であるとともに、今春も京大、阪大、神戸大、島根大医学部など国公立大学に30名の合格実績を誇るなど、他の大学受験にも力を入れていることで知られている学校です。

ところで同じ敷地の中に、「むすびわざ館」という大学法人の建物があるのですが、京都府庁舎の建て替えに伴い、京都府教育庁がそこの3階、4階に入居していました。しかし京都府庁舎の完成に伴って、そのフロアが空きました。そこでそこをリニューアルして200席を超える自習室やグループ学習ができるスペース、質問コーナーなどを設ける予定だそうです。

現状でも学習環境としては十分整っていると思うのですが、さらに充実する学習環境も楽しみですね。

詳しくはオープンキャンパスで聞いてみましょう。

【広い校地】近畿大学泉州高等学校 第1回学校説明会【葛城山一望】

2024年5月8日 水曜日

昨年もこのエントリーで紹介した近大泉州高校【広大な校地での】近大泉州 COZY見学会【こじんまりした見学会】 « 学校選びの道しるべ|開成教育グループ 入試情報室 学校・入試情報ブログ (kaisei-group.co.jp)でも今年の学校説明会が始まります。

最寄駅からのスクールバスも完備しているのですが、やはり是非体験していただきたいのは学校の環境の良さです。葛城山が一望できるきれいな空気の中で勉強もスポーツも思い切り・・・といくら文字で書いても伝わらないので、ひとまず説明会に参加してみましょう。お申し込みは学校HPからどうぞ。

【石川県ですが】国際高専International College of Technology 入試関連イベントSchool introduction event【寮が用意されています】

2024年5月2日 木曜日

2018年に開校した国際高専から入試関連イベントが送られてきました。

国際高専ってなに?という方は、2017年に紹介したこちらの記事をご覧ください。

【新規開校】国際高専【しかも全寮制】 « 学校選びの道しるべ|開成教育グループ 入試情報室 学校・入試情報ブログ (kaisei-group.co.jp)

1・2年生の間は全寮制ですので、受験者が石川県在住の必要はありません。日本在住の必要すらありません。教員も半数以上が英語圏のネイティブですから、むしろ英語圏からの入学生の方はストレスがかからないかもしれません。

学費は年間182万円ほど、それに寮費が54万円、食費が63万円ほど。つまりトータルで300万円ほどになりますが、大学と提携している理工系のアメリカの高校に行くことを思えばお安いといえるでしょう。

というわけで、入試イベントのチラシはこちら

そして裏面がこちら

I would like junior high school students living in English-speaking countries to see this as well.

【今年も開催】同志社 合同学校説明会【七夕は同志社で】

2024年4月30日 火曜日

突然ですが・・・

2011年7月31日

2012年8月5日

2013年6月23日

2014年8月3日

2016年7月31日

2017年8月6日

2022年7月3日

2023年7月9日

と、日付を並べてみましたが、これは過去の同志社合同学校説明会の開催日です。2015年、2018年、2019年も開催されたはずですが、こちらの記録に残っていません。2020年、21年はコロナ禍で開催は無かったと思います。しかしこうやって並べてみると、開催日に結構幅があるようですね。それはともかく、今年も小学校から大学まで、同志社に存在する学校すべてが集まる合同学校説明会が7月7日に開催されることになりました。同志社の目指すもの、教育理念、教育方針がわかると同時に、併設校それぞれの特徴がしっかりと理解できる機会です。受験生はもちろん、それ以下の学年でも参加してみてはいかがでしょうか。

【大阪府】大阪公立高校の倍率低下の原因と影響【私立はホクホク??】(後編)

2024年4月26日 金曜日

(昨日からの続き)

公立高校の入学者数は公表されていませんが、募集定員以上の受験生がいた学校は募集定員が入学し、定員割れした高校は出願者が全員入学したとして、全日制普通科+専門学科の110校で試算してみました。すると、入学者合計は2022年度28,622名、2023年度は28,776名、そして2024年度は29,132名と今年は356名も増加しているではありませんか。実はこの110校合計で昨年度よりも定員が550名増えているので、定員割れの学校が増えた=公立の入学者が減った、とはならないのです。

また、これは第3回進路希望調査の数字ですが、通信制の高校を希望している人数も昨年度の4,280名から今年度4,655名と375名増加しています。そこで私学への入学が減る要因である「公立中学校卒業者の減少295名」+「公立高入学者増加356名」+「通信制の増加375名」を計算すると1,026名となり、これで私立高校の約1,200名入学者減少の説明が付きそうです。

そこで、最初の話に戻りますが、公立高校の定員割れが増えた原因は、そもそも公立が定員を増やしたから、それに私立専願が1,500名ほど増えたから、となります。その影響ですが、私立高校では、公立高校の入学者増に加え、併願戻り率の低下と通信制の台頭(大阪では中学校卒業者の約7%が通信制を希望。因みに兵庫県では3.83%)で入学者が減少した、ということになります。 理由がわかってすっきりしましたが、私立高校の立場で考えると、なんだか「もやもや」するのでした。

【大阪府】大阪公立高校の倍率低下の原因と影響【私立はホクホク??】(前編)

2024年4月25日 木曜日

大阪府では定員割れの公立高校が、2023年度全日制134校中39校→2024年度は131校中66校、と激増しました。原因として大阪府で高等学校の就学支援金の充実(高校の授業料無償化)が段階的に導入されることによって、公立高校から私立高校へ受験生が流れ、そのため私立高校が潤っているといわれていますが、本当でしょうか。

大阪には全日制の私立高校が94校ありますが、出願者数の合計は専願に限ると2023年の18,470名に対して2024年には19,994名と1,524名増えています。しかし、併願は2023年度の45,998名に対し、2024年度は43,192名と2,806名も減少しています。

私立高校の入学者数合計は、まだ集計の途中で概数となりますが、1,200名ほど減少しているようです。専願者は増えたものの併願受験生の減少に加えて公立の平均倍率も低下したため公立不合格からの戻りが減少したことが原因と考えられます。

大阪府下の公立中学校卒業者数は2023年度の66,808名から2024年度の66,513名と295名減少していますので、従来の比率で考えると公立と私立の入学者がそれぞれ約180名、120名の減少となりそうなものですが、その10倍にもなる約1,200名減少の原因は何でしょうか。(明日に続く)