私立高校入試の現状(その2)

2024年3月27日 水曜日

次に合格者に対する入学者の割合を地域別に調べてみました。

こちらも地域による差があります。高校生の6割近くが私学に在籍している東京都は高めの割合となっていますが、ここ2年少し下がってきています。高等学校授業料無償化策が段階的に導入される大阪府では、今年の入学生は公立でも私立でも2年次から授業料が無料、従って授業料が安いというアドバンテージが無くなった公立高校の志願者数が2000名以上減少しましたが、当グループ生は元から私学志向が高く、その影響はそれほど大きく出なかったようです。大阪府の無償化が高1からとなる、現中1生が受験する2026年度入試には、大阪の入学率が東京よりも高くなるかもしれません。

滋賀県が低くなっているのは、京都府に近い地域の受験生を中心に、滋賀県立高校のみならず京都府の私学にも進学するためです。

このように高校入試は地域によって状況に差がある、というお話でした。

私立高校入試の現状(その1)

2024年3月26日 火曜日

今年の高校入試も終わり、受験生の進学先もほぼ決まってくる時期となりました。そこで、当グループ生の状況を元に分析してみたいと思います。

当グループが展開している地域である程度の受験生数がまとまっている大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、東京都の私立高校について分析してみました。ここの都府県別は受験生の居住地ではなく私立高校の所在地によって区別しています。

まずは合格率。例えば滋賀県に住んでいる受験生が京都府の私学に出願すれば京都府の私立高校出願者となりますが、出願をしたけれども受験しなかった場合も分母に残りますので、京都府は低めになっています。東京都が低めになっているのは、入試日程を複数回用意している高校が多く、チャレンジで受験する受験生もいるためです。(続く)

近畿圏 私立中学校・高等学校 2025年度入試日程

2024年3月25日 月曜日

ようやく2024年度入試が終わってほっとしているところですが、次年度の入試日程も決まっています。近畿圏はほぼ今年と同じです。新中3、新小6の皆さん、いよいよスタートですよ。2026年度からは滋賀県の県立高校入試制度が変わり、大阪の公立高校日程が変わる可能性もあります。今の中1(新中2)の学年は注意をしておきましょう。

【祝】スーパーサイエンスハイスクール(SSH)令和6年度内定校【首都圏&近畿圏】

2024年3月18日 月曜日

3月13日(水)文部科学省は令和6年度のSSH指定校の内定を発表しました。これに指定されると、初年度は1200万円、2~3年目は1000万円、それ以降も750万円までの補助が頂けるというありがたい制度で、例えば高槻中高はこの補助を利用してクラス人数分のデジタル顕微鏡や図鑑などの高価な図書を購入しています。

今回公表されたのは基礎枠の47校、文理融合基礎枠14校、科学技術人材育成重点枠4校の全国合計65校です。その中から当グループの教室がある、首都圏と近畿圏+徳島県の学校をリストアップしておきます。

将来理系に進むかもしれないと考えている小中学生はチェックしておきましょう。

【速報】大阪府公立高校 2024年度一般入学者選抜志願状況【最終集計発表】(旧3・4学区)

2024年3月8日 金曜日

【旧3学区】

旧3学区の状況です。今年度から3校が募集停止となりましたので、地域としての定員は139名の減少ですが、その3校を除くと実は定員は341名増となっています。それに対して417名の志願者減で、結果的に平均倍率が1.07倍と例年よりも落ち着いた状況になっています。

未充足校に関しては例年の4~5校から倍増?と予測しましたが、最終集計では12校が未充足となっています。

【旧4学区】

募集定員が昨年よりも278名増加しているこの地域ですが、出願数は昨年よりも361名減少し、平均倍率は1.03とこちらでも例年に無い低い水準となりました。未充足校が10校を超えるか?と予測しましたが、結果はちょうど10校。出願最終日の出願者が243名もおり、調整がなされた形です。今までは志願倍率が高く、狭き門だった鳳と登美丘がまさかの未充足となりました。

このように今年は全体の平均倍率は下がっていますが、文理学科設置校など上位進学校はやはり高い倍率となっています。受験生の皆さんは力を出し切れるよう体調管理に気をつけつつ、最後までがんばっていただきたいと思います。

【速報】大阪府公立高校 2024年度一般入学者選抜志願状況【最終集計発表】(旧1・2学区)

2024年3月7日 木曜日

おとといのブログで紹介した志願予測ですが、今朝最終集計が公表されましたので、地域ごとにまとめてみました。かつての旧学区に属していなかった文理学科や総合学科なども含めて地域に割り振っていますので、大阪府教育庁のまとめとは合計数が異なっている点をご了承ください。

【旧1学区】

例年平均倍率が1.2倍を超えるこの地域ですが、定員は昨年よりも283名プラスに対して、志願者数が逆に548名減少していますので、今年は1.14倍と大きく下がりました。

志願者数が募集定員を下回ったのは8校。今まで未充足になった事のない単位制の槻の木、高槻北が共に初の未充足、教育文理学科として2022年度からスタートしたばかりの桜和も未充足となっています。

【旧2学区】

平均倍率が例年1.1倍前後と、旧1学区よりは落ち着いているこの地域ですが、募集定員を114名増やしたのに対して、出願数が756名と大きな減少となり、平均倍率が1.01倍と歴史的な低水準となりました。定員未充足が10校を超えるか?と予測していましたが、最終発表では14校が未充足という状況になっています。

(続く)

【衝撃】大阪府公立高校 定員割れ続出か?

2024年3月5日 火曜日

昨日から大阪府公立高校の出願が始まっていますが、今年は例年と大きく様変わりしそうです。大阪府独自の高校授業料無償化の影響からか、私立専願が増えたというのもあるのですが、今年は私立高校を併願受験したにもかかわらず、公立出願せずに私立への入学手続きをしている受験生が増えている、という話も聞きます。

2017年度以降の公立高校の志願状況を地域ごとにみてみましょう。大阪府教育庁の統計と異なり、文理学科やエンパワメントスクール、ステップスクール以外の総合学科や単位制の高校なども含めてカウントしています。

【旧1学区】

阪急沿線の旧1学区は平均倍率が例年高くなる地域です。2022年度を最後に募集停止した島本を除くと、例年定員を割っているのは2校程度でした。しかし今年は中堅校も含めて4~5校が定員を下回りそうです。

【旧2学区】

京阪沿線のこちらの地域では募集停止した茨田を除くと、2017年度には2校、2018年には1校、2019年度には3校が未充足と、落ち着いた状況でした。しかし2020年度には8校、2021年度には7校、2022年度には8校と、無償化以前から定員未充足校が増え、2023年度には4校と一旦落ち着いたように見えましたが、今年はどうやら過去最高の10校を超える可能性がでてきました。

【旧3学区】

近鉄沿線の旧第3学区は募集停止のかわち野、美原、平野以外での未充足校は2017年度には無く、2018年度には2校、2019年度には4校、2020年度には3校という落ち着いた動向でした。しかし2021年度には10校となったため定員調整が行われ、2022年度には5校、2023年度には4校という状況に落ち着いていました。しかしこちらも周辺私立の状況を考えると今年は未充足校が倍増するかもしれません。

【旧4学区】

南海沿線のこの地域は15歳人口の減少に伴い、公立高校の定員減少が最も大きくなっています。今年度の定員合計は2017年度と比べると約14%減となっています。未充足校数の推移は募集停止の泉鳥取を除くと、2017年度1校、2018年度から2023年度までは3校~4校、という状況でした。しかし、ここでも中堅校も含めて例年の倍以上の学校が定員を下回りそうです。

大阪府教育庁発表から明後日に発表される数字で答え合わせをしたいと思います。

大阪府 公立高校入試 進路希望調査(第3回)【国際グローバル系の学科】

2024年2月22日 木曜日

【国際・グローバル系】

以前は人気も高く、難関だった国際文化科や英語科などの、国際・グローバル系の学科だけ取り出して集計してみました。今年の希望調査では0.99倍と約半数の学校で第一志望者数が定員を下回る状況となっています。いちりつでは定員を1クラス40名にまで絞りましたが、現段階での第一志望者が23名と厳しい状況となっています。普通科から回し合格で国際文化科、といったケースも発生しており、普通科の志願状況にもマイナスの影響が出ています。大阪府の教育庁には高校の統廃合よりも先に学科の再編を検討して頂きたいと思います。

現段階で希望者が定員を下回っている学校を志願している場合、これで安心だと思ってはいけません。高倍率になっている学校からの志願変更による流入は十分考えられますし、たとえ志願倍率が1倍を下回ったとしても高校入学後は中学校までの基礎学力も重要となりますので、入試に向けての最後の仕上げには手を抜かないようにしましょう。(終わり)

大阪府 公立高校入試 進路希望調査(第3回)【旧4学区】

2024年2月21日 水曜日

【旧4学区】

こちらでは、地域平均の昨年比較で1.31倍から1.06倍と大きく低下しています。上位校の定員増の影響もあり、中堅以下の高校の志願者減となっています。ここから調整が入るとしても、落ち着いた倍率の学校が増えそうです。(続く)

大阪府 公立高校入試 進路希望調査(第3回)【旧3学区】

2024年2月20日 火曜日

【旧3学区】

旧学区の平均では昨年の希望調査の1.29倍から1.07倍と大きく低下しています。この学区は昨年から3校の募集停止に伴い480名の定員減もあり、トータルでも140名分定員減少したように見えますが、実際にはこの3校を志願したのは332人でしたので、実質的には定員が増えていると考えられます。従って中堅以下ではかなり落ち着いた倍率になると考えられます。(続く)