公立中高一貫校の倍率推移について

2020年1月9日 木曜日

大阪市立中高一貫校の倍率推移について昨日お知らせしましたが、公立中高一貫校が設置されてからの数年間、倍率はどのように推移するのかまとめてみました。

小泉純一郎氏が総理大臣だった2004年に開校した京都府立洛北高校附属中学校と京都市立西京高等学校附属中学校は、いきなり大変な人気になりました。御覧のようにどちらも10倍を超える高倍率。当時はあまりなじみのなかった「適性検査」入試やグループ面接の導入など、今大学が行おうとしている入試改革を16年も前に先取りしていたとは、さすがです。今では東京大学・京都大学に12名(洛北)、26名(西京)もの合格者を生み出すような進学校となっています。(因みに洛北は80名募集、西京は120名募集です)

それはさておき、競争倍率の推移は御覧の通り低下の一途。これを見て「最初の人気はどこへやら」、と見えますが、そんなことはありません。実は難易度は下がっていないのです。適性検査といっても小学校での教科学習ができていることが前提で、加えて読解力、分析力、論述力などが必要になるわけですから、それなりの準備が必要となります。 というわけで、準備ができた人しか出願しなくなったわけで、狭き門であることには変わりありません。

2018年から募集を始めた南陽高校附属は京都市域からの通学が認められていない学校ですので受験者が限られ、開校当初も倍率がそれほど高くはありませんが、それでも3倍以上から2倍程度へと推移しています。40名と募集単位も小さいため、今後も乱高下が予想されます。 というわけで、必ずしも「出願者数=人気度」というわけではない、というお話でした。