都道府県別 高校の規模

2022年4月14日 木曜日

大学入試改革から高校改革、という話になった時、大阪の学校関係の方から「東京の学校の先進事例を見てきたのですが、どうもうまく取り入れることができないのです」というお悩みを聞きました。その違いはなんだろう、と思い、人口統計と学校統計を掛け合わせて、「高校1校、1学年あたりの平均生徒数を計算してみました。(人口統計は都道府県別では5歳区切りのデータしかありませんので、15~19歳人口を取り出し、それを5で除して1歳あたり平均何万人いるかを計算し、それを全日制の高校数で除しています。寮のある学校や広域通信制に在籍する生徒もいるわけですが、今回は考慮せずに計算しています)

すると、大阪は332人、東京は260人というわけで、東京のほうが人口が多いですが、それ以上に学校数が多いので、1校当たりの人数は大阪よりも2クラス近く小さいことになります。

なるほど、それで私学でもコース制が無い、またはコース数が少なく、その改編もまれ、という事になるわけですね。というわけで、規模だけで考えれば大阪の学校が参考にすべきなのは、愛知や神奈川、埼玉の高校なのかもしれません。因みに全国で一番規模が小さいのは島根県で1校1学年平均140名となっています。人数の少ない学校の方が、目が行き届くようなイメージもありますが、例えば部活動で集団競技のチーム編成が難しく、教職員の人数も少ないことから、先生方の負担も大きくなるなどの問題もあるわけです。人口減少が進んでいる地域では、地理的な要因もあり1校当たりの規模を大きくすることは容易ではありませんが、ICTも活用した他校との合同展開授業など、今だからこそできる教育活動が求められているのかもしれません。