国立大学付属 入試見直し論

2017年9月1日 金曜日

29日に、国立大学の付属校はどうなるのか、という記事を書いたばかりですが、次はこのような新聞報道がありました。文部科学省の有識者会議の議論の内容のようです。

その主張を簡単にまとめると、国立大学の付属校は教員養成のためなので、これから教員が現場で直面するであろう様々な生徒を集めるべきだ、というものです。確かにエリート養成が目的ではないというのはわかるのですが、週休2日制が導入された時でも、付属校ではその数年前から土曜授業をなくしてカリキュラムの開発を行いましたし、20年ほど前に総合学習の研究授業が付属校でしばしば行われていた時でも、付属の生徒たちは教科の時間が削られたにも関わらず、自主学習用に与えられた問題集で、一般中学生以上の基礎学力を維持していたわけです。つまりある程度、学習面で優れた集団でなければ教育面での研究は成立しないのではと思うのです。

付属校の先生方の意見も含めて、今後十分な議論がなされることを期待します。

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(読売新聞 2017年8月27日 朝刊より)

 

 

【もしかして】国立大学附属校はどうなる?【もしかして】

2017年8月29日 火曜日

8月2日の新聞に、国立大学の教員養成大学・学部を縮小する、という提案が、文部科学省の有識者会議から出されたと報道されていました。まだ、何かが決定されたわけではありませんが、2015年の国立大学法人評価委員会の報告を受けて、国立大学は文系学部縮小や学部の再編を行う大学が増加しましたので、何らかの影響は避けられないと思います。その時も教員養成系に対する風当たりが強かったのですが、今回の報道は具体的な統合の方法まで言及されている点でも、もう1歩踏み込んでいるといえるでしょう。

 

(8月2日 日本経済新聞 朝刊より)

この中に、「県内外の単科大や総合大教育学部を統合する」という提案がありますが、先日、ある教育関係者から、「教育大学がなくなったら、附属校もなくなるのでは?」という情報を伺いました。確かに多くの国立大学附属校は教育学部に紐づいているわけですから、その学部がなくなれば、附属校もなくなるという理屈です。

今後、国立大学の組織改編と合わせて、国立大学附属校の再編や統合、廃止も発表されるかもしれません。注目しておくべきでしょう。

 

 

和歌山信愛中学校・高等学校 入試関連イベント

2017年8月25日 金曜日

南海和歌山市駅とJR和歌山駅の間に和歌山城がありますが、そのすぐ近く、大きな通りに面したきれいな5階建ての校舎が和歌山信愛中学校・高等学校になります。実は和歌山県内に女子高は2校しかありませんが、そのうちの一つです。(もう一つは海南市立海南下津高等学校という、近畿圏唯一の公立の女子高です。)

交通の利便性が高いために大阪からでも通学が可能な女子進学校です。

 

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その和歌山信愛中学校・高等学校の入試関連イベントが届きましたので、紹介いたします。9月24日は岸和田、10月28日は泉佐野でも説明会が開かれますので、お近くの方は一度参加してみてはいかがでしょうか。

 

 

英真学園 「大開放day」(学校見学会)

2017年8月24日 木曜日

大阪の阪急十三駅近くの英真学園、かつては淀川女子高校という女子校でしたが、2000年から校名が変更され、共学化されました。今では男子の方が多くなり、コース制も「文理特進」「情報進学」「総合進学」と改組され、かつての実業色の強い女子校だったころと印象がかなりかわっています。「文理特進」では難関大学を目指して、始業前の朝学習や7時間授業後の先生方による個別指導などの進学対策が行われています。

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こちらの学校見学会は体験型ではなく、学校説明会が軸となり、相談会や見学会が付随しているタイプです。土曜日の授業や進学合宿などの大学受験対策だけではなく、海外語学研修や情報処理系の資格取得対策など、この学校独自の取り組みを知ってもらうためにも、このようなスタイルにしたのでしょう。時間内は出入り自由のオープンスクールですので、午前中だけ参加、というのも可能です。事前申し込みも必要ありませんので、気軽に参加してみてはいかがでしょうか。

ところで英真学園の本館と南館の間には阪急京都線の線路がありますが、その踏切には「女子職」という踏切名のプレートが付いています。実はこの踏切は90年前に「大阪高等女子職業学校」が開学した時に作られたもので、その当時の名前がそのまま残っているというわけです。今では毎日その踏切を多くの男子も渡っているのでした。

 

 

大阪学院大学高校 オープンスクール

2017年8月23日 水曜日

大阪府吹田市の阪急京都線正雀駅、またはJR岸辺駅近くの大阪学院大学高校は、もともと共学校だったのに、1971年に女子の募集を停止し、2000年に国際情報コースを作って女子の募集を再開させ、2012年には全面共学化に移行したという珍しい歴史のある学校です。

この学校は硬式野球部の活躍でも有名ですが、今年のインターハイでは弓道部が男子団体で準優勝、ゴルフ部や男子バスケットボール部もインターハイに出場するなどスポーツも盛んです。

 

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その強みを生かして、ということでしょうか、この学校のオープンスクールは体験オンリーのイベントとなっているようです。午前中に部活体験、お昼にはランチ体験(保護者には、アイスコーヒーも付くという芸の細かさ)午後には授業体験(といっても座学ではなさそう)という、中学生の目からすると魅力的なイベントとなっています。入試の話は無いの?と突っ込みたくなりますが、入試説明会は別の日に設定されていますので、オープンスクールの日は中学生にともかく楽しんでもらうことにしたのでしょう。

事前申し込みが必要となっていますので、参加希望者はWebで申し込んでください。

部活生もこの日に向けての準備やスケジュール調整など大変だと思いますが、未来の部員獲得に向けて、盛り上げてほしいと思います。

 

 

天理高校 ミニオープンスクール

2017年8月22日 火曜日

甲子園でも活躍中の天理高校ですが、強いのは硬式野球部だけではありません。軟式野球部も昨年全国優勝していますし、ラグビー部も全国優勝の常連です。その他柔道やホッケーもインターハイの常連です。ダンス部、吹奏楽部も全国大会レベル、珍しいところでは全国学校合奏コンクール優勝の経験もある弦楽部が少人数ながら音大生顔負けの安定した技術を誇っています。

入試要項には「天理教信者であること」と書かれていますが、親族に信者がいれば大丈夫だといわれていますし、スポーツなどの技能が優れている場合は特別の計らいがあるようです。

 

というわけで、天理教徒でない皆さんも、この学校を目指すことができそうですので、スポーツや音楽で全国レベルを目指す皆さんは、一度天理高校のオープンスクールに参加してみてはいかがでしょうか。

 

 

京都明徳高校 入試関連イベント

2017年8月21日 月曜日

夏の甲子園(全国高校野球選手権大会)もいよいよ終盤戦を迎えましたが、惜しくもすでに敗退してしまった京都府代表、京都成章高校と同じ法人である、「京都明徳高校」の入試関連イベントの紹介です。まず、このチラシ、非常に見やすいです。入試関連イベントが年間でお知らせいただけるのは、生徒・保護者にとって非常にありがたいのですが、この学校はそれが一目でわかるように写真入りで紹介しています。クラブ体験も、どのイベントで体験できるのか、部活ごとの表で一目瞭然です。

 

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この学校に興味のある中学生は9月以降のスケジュールを確認し、いずれかのイベントを申し込んでみましょう。

 

 

 

賢明学院にお邪魔してきました(部活動編)

2017年8月9日 水曜日

部活の参加率が8割を超えているというこの学校は、教科の学習だけではなく部活の指導にも力が入っています。体育館が二つあります。一つはバスケットのコートが二つ取れる広さです。女子バスケットボール部とバトンチアダンス部が活動していました。女子バスケットボールを指導していたのは背の高いネイティブの先生。格好いいです。

バトンチアダンス部は高校生のように若々しい女性の先生と、男性顧問の2名体制で指導されていました。そのバトンチアダンス部に覚えたばかりの振り付けを見せていただきました。なんとすでにばっちり揃っています。

もう一か所は小学校の側にある座席格納型の多目的利用が可能な「リヴィエホール」という体育館です。壁面にバスケットのゴールも格納されています。この日はバレーボール部が練習をしていました。

校舎の前に「シャローム広場」とよばれる野外ステージのような場所があります。昼休みにはランチスペースにもなるこの場所でダンス部が練習しています。他の学校のダンス部と違い、いくつものユニットで練習しているのがユニークです。1つのグループからキレッキレのダンスを見せていただきました。

さて、リヴィエホールの1Fではハンドベル部が練習していました。このホールはこの学校の運営母体である「聖母奉献修道会」をフランスで設立した福者マリー・リヴィエの記念館とも呼べる建物です。マリー・リヴィエの肖像画はその正面で演奏する彼らを温かく見守っているように見えました。

もちろん演奏のレベルも高いです。高音域と低音域を上級生が押さえ、中音域に下級生が居るように見えましたが、音域の担当は曲によって変えるのだそうです。それにしても、ベルの数の多いこと!低音のベルは大きく重そうです。

先日もショッピングモールのイベント広場で演奏をするなど地域でも大人気の彼らの演奏は「開成進学フェア」(大阪会場)のミュージックフェアでも披露していただけることになりました。この10人の息の合った演奏が聴ける絶好のチャンスです。楽しみにしていてください。

賢明学院中学校・高等学校のオープンキャンパスは8月27日に開催されます。こちらも事前申し込みが必要となっています。学校のホームページでご確認ください。

 

http://kenmei.jp/highschool/admission/opencampus/

 

玄関に置かれている古い木箱は、この学校を設立するためにカナダから渡ってきた修道女が生活用品(工具も?)を入れて船便で送ってきた箱だそうです。幼稚園からの一貫教育で、面倒見の良い、優しい印象の学校なのですが、この木箱が「次は君たちが世界に出かけて行って教育を広める番ですよ。」と生徒さんに厳しく語っているようにも見えるのでした。

 

賢明学院にお邪魔してきました(教育環境編)

2017年8月8日 火曜日

大阪堺市、JR阪和線上野芝駅近くの閑静な住宅街の中にある賢明学院は、百舌鳥古墳群の近くにある霞ヶ丘公園の隣の少し小高い所にあります。周りに高い建物がなく、隣が公園ですので開放感のある立地です。1954年の幼稚園設立から小学校、中学校、高等学校と順次設立されました。中学校・高等学校は女子校としてスタートしたので、そのイメージが強いのですが、2010年に共学化され、今では男女ほぼ同数となっています。幼稚園から小学校、中学校、高等学校まで同じ場所に並んでいますので、生徒が早く帰宅する小学校のグラウンドを中学生・高校生が使えるなど、部活大好き生には恵まれた環境となっています。

英語教育にも力が入っています。希望者参加ですが、3か月・1年などの長期間の海外研修制度も整備されており、出発前、帰国後の講習も含めて、効果的に英語力の定着ができるようになっています。生徒用玄関の前には「English Lounge」というネイティブ常駐の部屋も用意されています。

図書館も充実しています。ほとんどが開架で冊数も多いようですが、新刊の購入冊数も多く、それらのディスプレイも凝っています。本好きの生徒さんが増える事でしょう。

職員室の前には机がずらり。ここは質問受付コーナー兼自習室のようです。もちろん自習室はその向かい側にあるのですが、試験前の勉強や質問ではここが活用されているそうです。

その廊下の反対側に並んでいるラックにはプロジェクタと巻き取り式のスクリーンがセットになったものです。これを必要な教室だけに設置しておくという使い方のようです。全教室電子黒板という学校もありますが、こういう工夫も合理的ですね。(続く)

 

 

平安女学院にお邪魔してきました(文化財編)

2017年8月7日 月曜日

歴史あふれるこの学校は、文化財の宝庫でもあります。

まず、室町通りと下立売通の角から見えるこの建物は「昭和館」という国の登録有形文化財です。吹奏楽部が練習しているホールはこの建物の中です。

中庭には「明治館」というこれまた国の登録有形文化財があります。この築122年の建物は「アン王女スタイル」といわれる建設当時の階段やドアの装飾がそのまま残されています。今でも学校説明会にも使われるなど、活用されています。

今はエアコンも入り、耐震補強工事も完成していますが、暖炉が当時のまま残されています。

極めつけは礼拝堂です。外装はレンガ造り、内装は木の構造材がむき出しになった築119年のこの建物、入るとひんやりとしていて、しかも信じられないほど静かです。生徒たちは毎朝ここで礼拝を受けるそうです。(生徒の人数が多く一斉に入ることができないため交代で行われるようです。)ドイツ ボッシュ社製のパイプオルガンの伴奏で讃美歌が歌えるというのはここの生徒の特権ですね。

受験前に、礼拝堂に来る高3生もいるのだそうです。心が落ち着くということでしょう。近々結婚するという卒業生のお友達(もちろんこの方も卒業生)が来訪し、校内で動画の撮影をしている場面にも遭遇しました。在校生はもちろん、卒業して数年経っても、ここが心の拠り所となっているようです。

ところで、学校の隣には「菅原院天満宮神社」があります。菅原道真の生誕の地と伝えられる場所ですが、その中に菅原道真が産湯に使った水を汲んだと伝わる井戸があります。ここからは観光ガイドブックに載っていないのですが、塀のこちら側、すなわち平安女学院にも同じ井戸があるのです。夜9時まで開いている自習室で勉強を頑張っている生徒さんにも、キリスト教のご加護と菅原道真の霊験があることでしょう。

(この写真はやらせではございません。このように先生と生徒が談笑する姿があちらこちらで見られました。)

さて、平安女学院中学校・高等学校では説明会、相談会が8月17日(木)~23日(水)、文化祭見学(オープンスクール)が9月9日(土)に行われます。文化祭と共に、文化財を見る絶好のチャンスです。文化祭見学は事前の申し込みが必要なようですので、詳しくは学校のホームページをご覧ください。

http://www.jh.heian.ac.jp/nyushi/open_school_setsumeikai