大阪府立高校の募集定員が発表されました

2016年11月29日 火曜日

先週、大阪府立高校の募集定員が発表されました。昨年度入試は、大阪公立入試で利用される中学校の内申点が「相対評価」(学年での順位を10段階に表記したもの)から「絶対評価」(学習目標に対する到達度を5段階評価したもの)に変更された初年度でしたが、従来の評価よりも高めの数値が得られた場合も多かったため、特に進学上位校では競争倍率が高くなりました。特に文理学科併設の四條畷、茨木、高津、豊中は1.5倍(総志願者数/学校定員)を超え、その次に位置する2番手校(春日丘、寝屋川、泉陽)も1.35倍を超えるなどの激戦となりました。

次年度入試の定員は、これらの学校の定員が増えるかといえば、そう単純なものではなく、今年度入試で定員を増やしていた豊中や、さらにその前の年度で定員を増やしていた泉陽などが、逆に定員を減少させています。つまりこれらの学校は昨年並みの出願者数ではさらなる激戦となりますので、今後の動向に注意が必要です。

一方、次年度の定員が増えている、北野、三国丘、枚方などは、昨年よりも入りやすい印象を与えますので、志願者が増え、逆に倍率が上昇することも考えられます。

本来、学校選びは、その教育方針や校風に自分が合うかどうかで考えるべきものですので、競争倍率だけで受験校を選ぶのはどうかとは思いますが、今後の中学校校長会調査による希望調査などの新聞発表にも注意して、志願者数の動向を情報の一つとして知っておくことは大事でしょう。

 

近畿高等学校総合文化祭 「自然科学部門」について

2016年11月25日 金曜日

このコーナーで以前紹介された「第36回近畿高等学校総合文化祭 兵庫大会」は、あと演劇部門と総合閉会式を残すのみとなりました。各会場で合唱や伝統芸能、マーチングバンド・バトントワリングなど、各府県の代表校による公演や、絵画や写真・書道・工芸などの展示が行われました。その中で、ちょっと部門として珍しいなと思った「自然科学部門」について紹介します。

このセクションでは、生徒たちが普段取り組んできた研究成果を口頭発表かポスター発表で行います。その後、会場からの質疑応答に応えるという、まさに学会発表のような形式を取っています。最終日には県外からの参加者は神戸ポートアイランドにあります「理化学研究所」の見学ができるという、理系の高校生にとっては感涙モノの企画まで用意されています。

 

今回出場校の一覧は以下のとおりです。身近な現象をテーマにしたものから、とても高校生とは思えないほど本格的な調査、研究内容まで、バラエティーに富んでいます。

 近畿総合文化祭プログラム(←こちらをクリックするとPDFが開きます)

今回は残念ながら大阪府の学校からは参加がありませんでしたが、理系のカラーがそれほど強くない高校でも、本格的な発表を行なった生徒がいる場合もあります。よく見るとその学校のイメージが少し変わるかもしれません。高校選びのご参考にいかがでしょうか

 

札幌聖心女子学院 中学校・高等学校について

2016年11月18日 金曜日

今回は、札幌にある学校をご紹介します。このブログをお読みの皆さん「そんな遠い学校まで通学できないから関係ない」とお思いかもしれませんが、お読みいただけるとなぜ紹介するのかお分かりいただけると思います。

札幌市中央区、1972年の札幌冬季オリンピックでも使用されたスキージャンプ台「大倉山シャンツェ」近くの「札幌聖心女子学院 中学校・高等学校」は、女子の学校として珍しく「寄宿舎」と呼ばれる寮を併設している女子校です。(珍しく、と書きましたが、今ほど交通が発達していなくて、学校そのものが少なかった戦前では、通学できる範囲が限られていたため、旧制高等女学校や高等女子師範学校に寄宿舎が併設されているところも多く、その設備が無い場合でも下宿をして通学するのが珍しくはありませんでした。)

 

この学校の寄宿舎は、単に食事と寝るところが提供されているというものではありません。まず、中学1年生で寄宿舎に入りますと、上級生のお姉さんがお世話係としてついてくれます。(新入生は「チャイルド」、お世話係の高校生は「エンジェル」と呼ばれます。)寝室は2人部屋で、この二人が同じ部屋で過ごすことになります。いろんな人と仲良くなるために、この組み合わせは年に3回変わります。また、食事の時は6人テーブルに座るのですが、各学年1名ずつの6名が固定されたグループとなり毎日の食事を共にします。寄宿舎専属の栄養士が作成した献立が3食提供されます。(金曜の夜はバイキング形式だそうです。)このグループには、食事をしながら上級生から下級生にいろいろ伝えるばかりではなく、メンバーの一人が、体調が良くない、何か悩みがある、などの異変にもすぐに誰かが気づくことができる、という機能もあるようです。このような生活を通して、目上の方に対する言葉遣いや食事のマナー、テーブルセットを学んでいきます。食後のお皿洗いは食洗機を使っての当番制となっているなどの共同作業もあり、楽しそうです。生徒たちは共同生活を通して学年を超えて仲良くなり、その関係は卒業後も切れることはないそうです。

 

この学校は、東京の聖心女子大学、聖心女子学院中学校、高等学校をはじめ、静岡の不二聖心女子学院、兵庫の小林聖心女子学院などを擁する学校法人「聖心女子学院」が運営している学校です。先に寄宿舎の事を書きましたが、全員が寄宿舎で暮らしているわけではなく、自宅通学の生徒もいます。1学年の定員が60名のこの学校は、SGH(スーパー・グローバル・ハイスクール)に指定されており、「聖心女子学院」ならではの英語教育を少人数制で実施しており、英語暗唱やスピーチコンテストなども行われています。)

卒業後は東京の聖心女子大学に推薦進学する生徒も多いのですが、国公立大学や、医療系に進学した生徒も多く、昨年卒業31名中4名が医学部医学科に合格しています。

中学入試は東京でも行われていますので、たくさんの「姉妹」と一緒に学園生活を送りたい女子は、詳しく調べてみてはいかがでしょうか。2017年度の首都圏入試は、東京の聖心女子大学3号館にて、1月9日(月・祝)に行われます。(札幌本校入試は1月8日(日)です。)

 

 

第36回近畿高等学校総合文化祭 間もなく開催されます。

2016年11月10日 木曜日

昨日に続いて文化祭ネタですが、こちらは近畿2府8県の高校から選りすぐりの団体が出展・出演する文化祭です。

今年は神戸市を中心に部門ごとに各会場で行われます。

(掲示されているポスターを撮影したものですので、少し曲がっています。すみません。)

http://www.hyogo-c.ed.jp/~kinki-soubun/

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【日程】

平成28年11月11日(金)~27日(日)

【開催部門】

演劇、合唱、吹奏楽、器楽・管弦楽、郷土芸能、日本音楽、マーチングバンド・バトントワリング、美術・工芸、書道、写真、放送文化、囲碁、将棋、新聞、吟詠剣詩舞、小倉百人一首かるた、茶道、自然科学、文芸、特別支援学校(協賛部門、県内のみ)

【開催会場】

兵庫県立芸術文化センター、兵庫県立美術館、兵庫県私学会館、のじぎく会館、兵庫県立総合体育館、武庫川女子大学甲子園会館、神戸国際会議場、あましんアルカイックホール、イーグレひめじ、バンドー神戸青少年科学館、神戸新聞松方ホール、神戸文化ホール、ウインク体育館(姫路市立中央体育館)、いたみホール、神戸ハーバーランドumie

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部門ごとの出演団体などは、以下のリンクから「実施細目」の中の「大会日程」をご確認ください。http://www.hyogo-c.ed.jp/~kinki-soubun/youkou.html

 

以前ここで紹介した私学美術展の優秀作品も県立美術館に展示されます。

因みに、11月20日(日)に神戸ハーバーランド、神戸新聞松方ホールで開催される「器楽・管弦楽部門」には、開成進学フェア(滋賀会場)のミュージックフェアに出演してくださった、京都聖母学院高校のハンドベル部も出演します(持ち時間は12:40~12:55)。

ご興味がおありの分野からでも、一度、近畿の高校生の文化活動の水準の高さを確認してみては如何でしょうか。

 

甲南中学校・高等学校の文化祭に行ってきました

2016年11月9日 水曜日

兵庫県芦屋市の山手にあります男子校、甲南中学校・高等学校に行ってきました。かつて卒業後はそのまま甲南大学へ進学するイメージが強かった学校ですが、その甲南大学への推薦枠を維持したまま、国公立大学などへのチャレンジが推奨され、今では京大・阪大をはじめとして、4割ほどが外部の大学に進学するようになってきました。

多くの生徒は阪急芦屋川から徒歩で通学しているそうですが、今回はJR芦屋駅から阪急バスで向かうことにしました。実はそこからすでに異変は始まっていました。バス乗り場には長蛇の列が・・・。それも10代の女性ばかりです。どこかで男性アイドルのコンサートでもあるのでしょうか。バスが女性専用車みたいになっています。

実は彼女たちは甲南中学校・高等学校の文化祭に向かう集団なのでした。男子校の文化祭というのは女子に大人気のイベントだったのですね。

それはさておき、まずは講堂にてブラスアンサンブル部の演奏を聴きました。Jazzのビッグバンドとしては全国トップレベルの有名な団体です。満席の観客を、若々しいながらも渋いジャズの世界に引きずり込んでいました。

各文化部やクラスの展示も見ごたえがありました。生物研究部はさまざまな標本だけでなく、ハムスターを使った実験結果や生態系の展示に加えて、実験や観察レポートが64ページにわたってつづられている部誌の配布もされていました。

文芸部は俳句甲子園出品作品の感想を書いてもらう、鉄道研究会では鉄道模型の運転を体験するなど、来場者参加型の展示が多かったようです。化学実験部の実験コーナーには女子中学生が詰めかけていました。

中でも目を引いたのは図書委員会の文学作品紹介の展示です。英字新聞の上にずらりと名作の紹介文がレイアウトされていたのには感心しました。

校庭では物理研究部がモデルロケットの発射の実演を行っています。中庭のステージでは応援団の演武が行われています。そして、運動部の各部は模擬店を開いて軽食類の販売をしているというわけです。

先生方の写真展も行われていました。生徒と同じレベルで先生も文化祭を楽しんでいらっしゃるようです。

来場者には小学生も多数みられました。このようなイベントを実際に見て、体験して、学校選びの材料にしているのでしょう。これから学校選びを考えている皆さんは、体育祭や文化祭をのぞいてみるのもいいでしょう。

(校内イベントを、一般向けには公開していない学校や、別途チケットが必要な場合などもありますので、各学校のホームページなどをご確認の上、お出かけください。)

 

清明学院高等学校にお邪魔してきました

2016年11月7日 月曜日

今回は大阪市住吉区墨江にあります清明学院高等学校を紹介します。

南海高野線「沢ノ町駅」から徒歩3分ほど、とても便利な場所にある共学校です。1941年(昭和16年)に創立された「大阪住吉女学校」がルーツですが、2000年(平成12年)に男女共学化し、校名も「清明学院高等学校」と改称されました。現在の男女比は6:4と男子の方が少し多くなっています。私立の高校は中学校や大学と併設されている場合も多いのですが、こちらの学校法人は高校1校だけの設置となっています。そのことは高校3年間の教育成果で勝負することに特化した学校だ、ともいえます。かつて女子校だった時代は専門学校や就職する生徒も多かったとのことですが、近年では進学校としての実績を安定して出しており、2016年度入試でも国公立4名、関関同立37名(うち指定校推薦無し)など多くの生徒が大学への進学を実現しています。

今回は授業が終わって1時間以上経った遅い時刻にお邪魔しました。人工芝の校庭からは元気な声が聞こえてきます。硬式テニス部が練習しています。その向こうには特進コース全学年が入った校舎がありますが、教室の電気がついています。遅い時刻ですので一部の部活の生徒しか残っていないと思っていましたが、何が行われているのでしょうか。学校の先生に御案内していただきました。

新しくはありませんが清掃が行き届いた広い廊下の両側に教室があります。何とどの教室にも補習授業や自習の生徒が残っているではありませんか!この学校では補習授業もすべて先生方が担当しているそうです。進路指導部長の先生まで補習授業を担当していました。こちらは看護・医療系特進コースの3年生の教室です。ちょうど問題演習を行っていました。

もちろん部活の生徒も頑張っています。この学校には硬式野球部が無い代わりにサッカー部が盛んで外部のグランドも借りて活動しているそうです。全国大会への出場歴があるなど立派な戦績を誇っています。

 

体育館では女子バスケット部が実戦さながらの真剣な練習をしています。もう一つの体育館からは剣道部の激しい音が聞こえてきます。講堂では吹奏楽部が個人練習をしていました。この夏のコンクールでも大阪地区予選の小編成部門で優秀賞受賞の実力です。今回は見ることができませんでしたが、ダンス部も全国大会レベル、美術部も数々の受賞歴があります。

整理された進路指導室の向こうには自習室がありました。補習を受けている特進コースの生徒以外でも遅い時刻まで使うことができ、別室で先生が生徒の質問に答えていらっしゃる姿も見ることができました。きめ細かいコース制に加えて先生方の熱意によって今の進学実績が生み出されていることがよくわかりました。

さて、食堂にはサッカー部の卒業生から食堂の職員さんに向けた感謝の寄せ書きが飾られていました。この学校で部活や勉強に3年間燃え続けた彼らには、自信とともに大きな感謝の心も育ったようです。

対応してくださった先生はこの学校のことを「うちは特徴が無いので」と謙遜なさっておられましたが、進路指導、生徒指導にかける先生方の熱意が大きな特徴だといえます。この学校のように近年進路実績が伸びた学校にはそれだけの理由が必ずあります。オープンスクールなどのイベントではわかりにくいこれらの特徴にも、是非着目して学校選びをしてみてはいかがでしょうか。

 

八尾地区入試説明会が開催されます

2016年11月2日 水曜日

日時:2016年11月12日(土)
場所:八尾商工会議所 3階大ホール(近鉄大阪線「近鉄八尾」駅より徒歩約8分
内容: 教育講演会「教えます、学校選びの極意」(10:20~10:50)
各学校別相談コーナー(11:00~14:30)、総合相談コーナー、パンフレットコーナー、制服展示コーナー


当日は、学校別の相談コーナーとは別に、会の冒頭に30分の教育講演会が催されます。今回も、大変僭越ではありますが、開成教育グループ 入試情報室が担当させていただくことになりました。ご来場の皆さまの受験校選びのご参考になるようなお話になるよう、しっかりと時間をかけて準備をしております。

また、勉強方法や受験校選びなどありとあらゆる相談を受け付ける「総合相談コーナー」も設置されています。まずは相談コーナーに来ていただいてから学校選びのポイントを聞き、その後各校を回る、というのもいいかもしれません。

 

最初の「教育講演会」と合わせてこちらの「総合相談コーナー」も、開成教育グループ 入試情報室が担当させていただくことになっています。当日はよろしくお願いします。

1人でも多くの皆さまにお会いできるとうれしいです。ぜひご来場ください。

 

金沢大学附属高等学校にお邪魔してきました

2016年11月1日 火曜日


まず、学校の名称についてです。正式には大学の改組に伴って「金沢大学人間社会学域学校教育学類附属高等学校」と日本一の長さになってしまいました。しかし、学校の機関紙やバス停はもちろん、大学入試センター試験の受験案内に掲載されている高校コード表まで「金沢大学附属」と省略されて記載されています。北信越地方では唯一の国立高等学校で、大学進学実績も東大7、京大8、阪大3、(ここですでに1学年の15%)とトップレベルの実績です。

幼稚園、小学校、中学校、高校と同じ場所に並んでいますが、体育館やグランドはそれぞれ独立して設置されています。ちなみに募集定員は、幼稚園48名、小学校105名、中学校160名、高校120名と高校でいきなり絞り込まれています。高等学校は中学校との6年一貫教育ではないので半数ほどが外部からの入学者になっています。

1学年120名ということは1学年3クラス、学校全体でも360人と高校としては小規模な学校です。

実はこの日、「第69回 開校記念祭」という文化祭が行われていました。保護者のみならず入学希望者でしょうか、中学生の姿も多くみられました。芸術作品の展示や実験の体験に加えて、将棋サロンや古本市、クイズラリーなど個性的なコーナーもありました。先生方の姿はほとんど見られません。生徒の自主運営に任されているようです。それもほとんど高校2年生が頑張っているようです。体育館では軽音楽部のステージが行われていましたが、照明や音響なども生徒たちが分担していました。

3か月に1回刊行される「金大附高新聞」も展示されていました。生徒会の中の「新聞編集局」が自主的に編集しているようですが、9月の最新号もA3版12ページの堂々とした体裁で、部活や先生方のみならず、地域ネタまで掲載されている読み応えのあるものでした。この学校には学食が無いため、昼休みに校外にでて食事をするのも自由となっていますので、学校近くのグルメ情報は人気の記事なのでしょう。

全員が「国際社会で活躍するリーダーになれ」というこの学校、個性を大切に、というレベルではなく、個性をいかに発揮するかが日々問われているような学校なのでした。

 

大阪府立高校、ほとんど和式トイレ

2016年10月26日 水曜日

10月8日の朝日新聞(大阪版)に次のような記事がありました。

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大阪府立高校の9割近くでトイレのほとんど全てが和式で、老朽化も進んでいるとして、松井一郎知事は7日の府議会で、早期に全校に洋式トイレを導入する方針を示した。生徒や保護者から「汚い」「臭いがひどい」と苦情が寄せられているという。

府教育庁によると、1970年代に建てられ、その後トイレが改修されていない高校が多く、府立高校138校のうち約120校でほぼ設置当時の状態。ごく一部が洋式トイレの学校もあるが、大半が和式という。便器が割れたり扉の板が腐っていたりして、学校からも「生徒がトイレに行きたがらない」と声が上がっているという。建物の耐震化を優先し、トイレの改修は後回しになっていた。(中略)

府教育庁は配管や床などの改修も進め、1校あたり約5千万円、計約55億円かかると試算している。府は来年2月議会に関連予算案を提出する方針。(引用 以上)

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この記事をお読みになって驚かれた方もいると思います。一応誤解の無い様に説明しておきますと、便器が割れているのはごく一部です。普通の使い方をしていれば便器は割れません。しかし、水が流れない、ドアが閉まらないなどの不具合は結構あるように思います。また、記事の通り大半は和式です。

最近新校舎を建築した私立中学や高校では、洋式便器は当たり前で、洗浄便座や自動水洗、擬音装置がすべての便器に装備され、手洗いも自動水栓、天井のLED照明も自動点灯、消灯という至れり尽くせりの設備がついています。大阪偕星学園高校のように、校舎は新築ではありませんが、トイレはすべて改装して洗浄便座付きという学校もあります。

大阪の府立高校は学齢人口急増期の40~50年前に新設されたところが多いのですが、校舎は建築当時そのまま、というところが多いようです。普通教室の冷房装置や、耐震補強などの手を加えられているところもありますが、建て増しをした校舎とのつなぎ目から雨漏りするなど耐用年数が過ぎているのではと思われる校舎も現存します。階段や廊下は50年前のものでも問題ありませんが、特別教室の暗幕や視聴覚室のスクリーンなどの消耗品(?)も建設当時にあつらえられたままですので、かなり劣化しているものもあります。

しかし学びの場として大阪府立高校が劣っているのかといえば、決してそんなことはありません。新しい設備が無くても先生方は様々な工夫をなさっています。たとえば食堂の壁にホワイトボードが設置されている学校がありました。校内でのガイダンスや補習授業などに使うようです。ちなみにこの府立高校では放課後、この食堂が自習室としても使われています。

特別教室や体育館、武道館なども含めて、教職員の方々や生徒さんの努力でしょうか、掃除をして丁寧に使っていますので、決して不潔な感じはありませんが、今回の予算でトイレもきれいになれば、府立高校に通っている皆さんはさらに気持ちよく過ごすことができるでしょう。ついでに夏の冷房も授業中以外に、もう少し使える程度の予算をつけていただけるといいのにな、と思いますが。

学校説明会などにお出かけの際には、学校の先生方の説明も大切ですが、設備などもチェックされますと、今までの学校の歴史などが垣間見えるなど、いろいろな発見があると思います。

 

神戸学院大学附属高等学校・中学校にお邪魔してきました

2016年10月25日 火曜日

神戸三宮駅からポートライナーで4つ目の駅「みなとじま」まで9分ほどですが、そこからわずか徒歩1分のところに「神戸学院大学附属高等学校」があります。1912年創立のこの学校、2001年には共学化されましたが、この4月には神戸の山手、会下山(えげやま)からこのポートアイランドに移転してきました。できたばかりの真新しく明るい校舎です。(タイトルに「高等学校・中学校」と書きましたが、中学校は2017年4月開校です。)

職員室をはじめとして、図書室などガラス張りの明るい作りになっています。真ん中にはグランドピアノも備えたモダンな色使いのホールがあります。座席は収納式になっていて、多目的仕様となっています。

 

食堂もぴかぴか。ちょうどこの日は定期試験の真っ最中とのことでほとんどの生徒さんは昼ごろに下校していました。したがって食堂の営業はしていませんでしたが、これから自習をするのでしょうか、お弁当を食べている生徒さんがいらっしゃいます。

 

教室の中です。ロッカーが大きい!しかも椅子の座面と色がそろっています。(北側の教室は山を意識した緑色、南側の教室は海をイメージした水色になっています。)冷暖房に加えて加湿器まで完備されています。実はこの部屋はまだ使われていません。来年から中学校が新設されますが、そのための部屋となっているそうです。男女計60名募集で、高校になっても高校からの入学者と一緒にせずに6年間の教育を行う計画だそうです。

 

体育館では特別に活動が許された一部の部活のみが活動していました。天井が特徴的な風通しの良い体育館です。

 

ホームルーム教室の向かい側にガラス張りの離れがありますが、これも自習室です。試験中ということで数名が残ってグループでお勉強していました。

 

この学校の近くには「神戸学院大学」のポートアイランドキャンパス(法学部、経営学部、現代社会学部、グローバル・コミュニケーション学部、薬学部)があります。また、場所は少し離れますが、総合リハビリテーション学部、栄養学部、経済学部、人文学部もありますので、大学と連携した授業もおこなわれているようです。

ちなみに、この高校では、神戸学院大学への推薦入学資格を保持したまま、他の大学を受験することができるというメリットがあるそうです。

 

神戸学院附属中学校の1期生になりたい方は11月3日のプレテストを受験してみましょう。(インターネット経由での事前出願が必要です。学校HPをご確認ください。)