平安女学院 耐震補強工事終了しました

2017年4月25日

平安女学院中学校・高等学校は、京都御苑(御所)の烏丸通を挟んですぐ西側、京都府庁や警察署、ホテルや放送局、能楽堂など非常に文化度の高い場所に位置しています。京都の旧市街は美しい街並みや大文字山などの眺望がいたるところで可能であるなど、伝統的な景観が維持されている素晴らしい街ですが、これは美観地区として建物の高さ制限はもちろんの事、外壁のデザインや屋根の形・色まで厳しく規制されているためです。この規制は一般的には良い話なのですが、学校にとっては校舎の建て替えが簡単にできないという事につながっています。同志社大学や立命館大学が市外や府外にキャンパスを分離しているのも、この厳しい規制が影響しているといわれています。

 

さて、この平安女学院の、室町通りに面した建物も、今の耐震基準を満たしていないため、立て替えなければいけないことになったのですが、立て替えるとなると景観面への配慮を考えると何かと大変です。そこで、耐震補強工事を行うことにしたのですが、これまた工事期間が長くなると周辺環境に悪影響が出ます。そこで、学校は短い工期で一気に補強工事を行うために、全生徒を「疎開」させる思い切った方法を取りました。昨年の2学期から中学は廃校になった京都市立西陣小学校へ、高校は同じく廃校になった今熊野小学校で授業を行ったそうです。それらの小学校は一度廃校になり使われていなかった設備ですので、修理や清掃、引っ越し往復など先生方のご苦労も大変だったと思うのですが、校長先生からは、「それぞれの地域の方に温かく受け入れていただくなど良い経験ができました。」と、とても前向きなコメントがいただけました。地域との交流や、中学と高校が分離したため、初めて行われた中学校単独の文化祭も生徒にとっては良い経験になったことでしょう。

 

また、耐震補強のついでに内装も新調し、さらにクラブボックスの「クインビー館」をリニューアルするなど今まで以上に教育環境が整ったようです。今ではこの環境で生徒たちは再び中高一緒に学んでいます。

オープンスクールなどできれいな学校を見る機会があれば、先生方、在校生はもちろんの事、そのほかの方も含めて多くの方の支援の賜物であることを意識しながら見なければいけないなぁ、と思うお話でした