2024年11月26日
11月25日付の日本教育新聞の3面に『大学教員ら、「情報Ⅰ」導入に反対署名 共通テストで文科省へ提出』との記事が掲載されていました。記事によりますと『入試改革を考える会』は『教育体制の違いによる地域間格差を生む恐れがある』との理由で『現時点で大学入学共通テストに採用することは拙速であるなどと訴えた。』とのことです。それはそれでごもっともなのですが、大学入学共通テスト実施まで2か月を切った今の時点で大学入学共通テストの科目が無くなるはずもなく、大学ごとの利用方法や配点の変更も考えにくいので、この署名提出は何の影響も無いと思います。(『』内は新聞記事からの引用)
この「入試改革を考える会」は都立高校入試のスピーキング導入反対など、大学入試に限らず、精力的に入試に対する意見を発信している団体ですが、今回のこれはちょっと遅すぎたようです。高校3年生の皆さん、今まで通りがんばりましょう。
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2024年11月25日
先週お伝えした内容に関して、検算をしていたところ、あることに気がついてしまいました。
この英語外部検定利用というのは3種類の検定に関し、①~③の3段階の資格が与えられるという制度ですが、①の人数が増えていることに気がつきました。
①~③の合計数はご覧の通りですが、
①だけ取り出してみると・・・
(変化がわかりやすいように目盛りを変えています)ご覧のようにコロナ禍が明けた2022年度から急増しています。今年は109名に満点がもれなくプレゼントされたわけです。2024年度入試では、この109名のうち、91名が文理学科の10校(TOP10高)を受験しています。
因みに北野高校では40名の受験生が①の資格を得ています。資格③と①の違いは読み替え率で20%、素点では18点になりますが、配点がI型(内申:当日=3:7)の高校では当日の点数を1.4倍するルールですから25.2点増えることになります。900点満点の25.2点というのは100点満点に換算すると2.8点。まあこの点数を大きいと見るか、誤差の範囲内と見るかは個人の感覚によると思いますので、英検準1級レベルは必須だ、とは言えないと思います。但し、合否ラインでこのアドバンテージが影響する事もあると思いますので、早めに③の資格を得た中学生は①に挑戦してみても良いのではないでしょうか。
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2024年11月22日
おととい、大阪府の公立高校入試の英語外部検定利用についてお伝えしましたが、利用者数が伸びているのはわかるが、その割合はどの程度?との質問をいただきましたので、まとめてみました。ここでの「利用率」の分母は受験者数ではなく、出願者数です。
この制度が導入された2017年度入試からをグラフ化しました。
ご覧のように、この制度が導入された2017年には利用率は0.7%程度でしたが、年々増加し、2024年度には11.2%と10倍以上の伸びになっています。
また、入試ではC問題を課すTop10高では利用するメリットも大きいため、最初の4.6%(ちょっと重なって数字が見にくくてすみません)から大きく増加し、2024年度入試では65%が利用しました。最もこの割合が高い北野高校ではもはや使っていない受験生が20人に一人しかいない状況となっています。
どうです?中1、2の皆さん、英検を受けたくなってきたでしょ?
対策については各教室にお問い合わせください。
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2024年11月21日
急に寒くなってきましたが、気がつけばそろそろ12月、いよいよ本番に向けての追い込みの時期となってきました。2年後に150周年を迎える梅花中学校からプレテストの案内をいただきました。
3教科のプレテストですが、本番では英語のみの受験も可能となっています。
プレテストと併せて個別相談なども実施されますので、是非ご家族ご一緒にお出かけください。
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2024年11月20日
そろそろ今年度第2回目の英検の結果発表が行われますが、大阪府ではこの結果が公立高校入試に利用できるという制度があります。第3回目は結果発表が公立出願後となりますので、これが最後のチャンスとなります。
IELTSなど他の検定も利用できますが、まあ一番多いのが英検ですので、英検を例にして説明しますと、英検2級だと当日の得点80%、大阪府の英語は90点満点ですので72点が、準1級だと100%、つまり満点の90点が保証されるという制度です。
当日の英語のテストでこの保証点数以上を取った人を「到達者」と呼び、その高い方の点数がその人の点数になるのですが、100%保証になると、自動的に到達できなくなります。
さて、今年の到達者の割合は15.0%と昨年の半分に落ち込んでいます。2024年度の英語の試験問題が難しかったのが最大の原因ですが、例えば北野高校出願者406人のうち、40名が英検準1級(またはそれ相当の他の検定)を持っているため、彼らは自動的に到達者になれなかったと考えられます。因みにその40人を含む検定所持者は388名、割合で95.6%ですので、上位校受験を考えている受験生にとって英語の検定取得は必須だといえるでしょう。中2以下の学年の皆さん、第3回目の出願が既に始まっていますので、忘れずに申し込んでおきましょう。
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2024年11月19日
次年度60周年を迎える金蘭千里中学校から学校説明会のご案内が届きました。50周年の時に大きな改革が実施されましたので、そこから数えると10周年ということになります。
当日は説明会の後に「体験タイム」という部活動体験のメニューが用意されています。これ自体も10年前には考えられない事ですね。
あくまでも予定ですが、テニス部、バトミントン部、サッカー部、バスケットボール部、合唱部、科学部、百人一首部、将棋部、PC部、吹奏楽部の体験ができるようです。ただしそれぞれ定員があり、当日の先着順で受け付けされるようですので、ご希望の方は早めに学校に行きましょう。説明会そのものは事前予約が必要です。詳しくは学校HPをご覧ください。
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2024年11月18日
加速度的に進化するICT技術に対応できる人材が世界的に不足しています。その需要に応えるべく、大学でもその分野の強化が進んでいます。たとえば2024年度に新設された大学の学部は全国で14あるのですが、そのうち6つは情報系・ICT系の学部となっています。さて、社会でこの分野がある程度の規模になってくると、その中で差がでてきます。大工さんという職業に例えると、親方の手伝いとして建物の修理しかできないレベルの人から、宮大工のように数百年先まで残るような精緻な建物を作れる人まで幅広いのと同じです。
今まではICTについて、大学入学後に基礎から学ぶという形でしたが、現在の高3以下の学年から「情報Ⅰ」という授業が必修化されましたので、来年の大学1年生からは教育カリキュラムも加速するでしょうし、社会で要求される水準が上がっていくので年々高度になっていくことでしょう。そうなれば高校の時、基礎を固めておいた方が有利になるに決まっています。
大阪産業大学附属高等学校の国際科に次年度から「情報コミュニケーションコース」が新設されることになりました。他の高校には無い独自のカリキュラムや学習環境が用意されているようです。詳しくは11月30日の学校説明会でも聞いてみましょう。お申し込みは学校HPからどうぞ。
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2024年11月15日
エンパワメントスクールの6校と今年度より新たにスタートした取り組みであるステップスクール2校、計8校についてまとめてみました。
1コマ30分授業による学び直しや体験型学習を多く取り入れるなど新しい取り組みが行われていますが、普通科しかなかった時代に比べると中途退学が減少、通っている生徒の満足度も高いようです。2024年度入試では工業高校がルーツで電鉄系などの大企業への就職にも強い成城と、職業訓練と体験学習が特徴的な西成は多くの受験生を集めたようです。
さてこの8校に関しては、いずれも定員は変更無しとなっています。今後このような学校種を必要としている中学生にとって、門が狭まることが無いように願うばかりです。
旧学区に割り振った118校合計で、定員はちょうど1000名の減少となっています。紹介したように地域によっては定員変更となる学校が偏っているようにも見えますので、定員変更の学校だけではなく、同じ地域、似たような学力帯の学校を志望している中学生も、今後の情報には注意が必要でしょう。
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2024年11月14日
【旧3学区】
こちらも旧2学区ほどではありませんが、定員割れとなった学校が多い地域です。旧制中学校をルーツに持つ富田林が定員割れを起こしたのは衝撃でしたが、だからといって定員を減らすとはならなかったようです。一方で河南、八尾翠翔は昨年の結果を見ての判断でしょうか。長野以下の7校のうち、定員減少は懐風館のみ。のこり6校は現状維持となっています。
【旧4学区】
この地域では合計で10クラス(400名)減少と大きく絞り込む動きとなっています。それに鳳~久米田、高石~金岡といった中堅校が軒並み1クラス減していますので、地域に与える影響は大きいといえるでしょう。去年はたまたま定員を割った鳳や登美丘は部活も盛んな人気校ですので、現状維持でも大丈夫だと思うのですが・・・。
既に統廃合が発表されている福泉は2クラス減の4クラス募集となっています。しかし堺西以下の他の学校は現状維持。今年も落ち着いた倍率になってしまうのでしょうか。(続く)
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2024年11月13日
11月11日、大阪府教育庁より、2025年度入試(令和7年度)の募集定員が発表されました。
まず全体としては1535名減少の3万6525名となっています。2023年度入試から2024年度入試では約500名の定員増加によって多くの定員割れを招きましたので、今年は当然ともいえる修正でしょう。今年度は定員増加の学校はありません。統廃合される工業科などの実業系や全日制以外の学科を除いた118校について、旧学区別に集約してみました。
各学区内で大まかに難易度順に並べています。
【旧1学区】
昨年度定員割れとなった槻の木、桜和、渋谷、阿武野、北摂つばさは240名の定員を維持です。一方で吹田東、豊島、東淀川は昨年充足したのに1クラス減となっています。そんなに弱気にならなくても大丈夫だと思うのですが。福井は昨年1クラス減をしたばかりで、これ以上定員を絞り込むと時間割編成上無理が出てくるのでしょう。現状維持です。
【旧2学区】
昨年度は平均倍率が1.01と、高校にとっては大変厳しい、受験生にとってはラッキーな数値となったこの地域ですが、今年は学区合計で6クラス(240名)減とするなどあまり大きく定員を絞り込んでいません。旧大阪市立の3校は移管される際、定員を維持したままでしたので、1年遅れての調整といった感じでしょうか。この3クラス分を除くと定員を減らすのは統廃合が既に発表されている大正白稜を含む3校のみ。今年も平均倍率は低くなりそうです。(続く)
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