2022年5月25日
1925年に創設された商業学校をルーツに持つこの学校は、1968年には幼稚園を、1969年には大学を開学するなどの発展をしていたのですが、中高は2014年に大学・幼稚園と法人分離しました。こうして独立した「京都学園高等学校」は翌年文部科学省からSGH(スーパーグローバルハイスクール)に指定されるなどの進化を続けていました。一方で「京都学園大学」は理事長が交代し、「京都先端科学大学」と校名変更し、学部改編や新校舎建築、組織改編等大きな改革を矢継ぎ早に実行し、注目を集めています。そんな中で大学が付属の中高を設置するのでは、と憶測されていましたが、結局もと同じ法人だった「京都学園中高」と復縁(?)する形で2021年に法人統合し永守学園「京都先端科学大学附属中高」となりました。
法人統合元年である2021年度入試では、70名の中学募集に対し、125名が出願、そして今春の入試では188名が出願(いずれも全日程合計)と人気急上昇となっております。
現在の理事長である永守氏は教育・人材育成に対する熱い思いを持っています。日本電産という小型モーターメーカーを創業し、時価総額約5兆円の巨大企業に成長させ、今や個人総資産も1兆円(1ドルを127円として換算)を超える永守氏ですが、実業家としての視点から今の教育界の人材育成力、特に大学の教育力について疑問を持っているようです。実は同じような疑問や不満を持っている財界人は少なくないのですが、永守氏は学校教育を非難するのではなく、自分の理想とする学校を自分の私財をつぎ込んで作ろうとしているのです。
その熱い思いを詳しく聞く機会があります。小学生保護者でご興味のある方はこちらをどうぞ。
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2022年5月24日
6年前にこのエントリーで紹介させてもらった大阪府高槻市の「関西大学中等部・高等部」についてです。関西大学中等部・高等部にお邪魔してきました①(情報機器編) « 学校選びの道しるべ|開成教育グループ 入試情報室 学校・入試情報ブログ (kaisei-group.co.jp)この記事を書いた時には開校して7年目でしたので、今は開校から12年経過、つまり初等部1期生の1年生がこの春に大学に初めて入ったことになります。
さて、初等部から高等部まで12学年(お隣の関西大学社会安全学部と大学院まで含めると21学年)が共に学ぶキャンパスなのですが、それぞれの節目の入試で入学する人は、進級してくる生徒と同じクラス?コース分けはいつから?という疑問への答えとなる図が、学校から頂いたパンフレットに掲載されていたので紹介します。
中1では初等部からの進級者と中学募集の生徒が混ざり、そのまま中3まで、高1では同じように中等部からの進級者と高校募集の生徒が混ざり、進路希望に合わせて高2から2つの類に分かれるというわけです。
難関大学附属の高校から、他の難関大学への進学も増えてきており、附属校と進学校の垣根が低くなったといわれますが、この学校は最初から両方狙える設定ですので、「関西大学も良いなぁ、でも難関国立大も良いなぁ」という方にはお勧めとなっております。今年の大学進学実績など詳細については、7月16日のオープンスクールでお聞きください。
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2022年5月23日
7月16日に、大阪府茨木市の追手門学院中学校でオープンスクールが企画されていますが、今回の目玉は「TW入試体験会」です。
TW入試については、昨年こちらのエントリー「追手門学院 TW入試って何?」【最新】追手門学院中学校 TW入試って何?【斬新】 « 学校選びの道しるべ|開成教育グループ 入試情報室 学校・入試情報ブログ (kaisei-group.co.jp)で紹介させてもらいました。探究学習にも力を入れているこの学校の教育方針を具現化したこの入試方式は大変良いと思います。しかし、他に例のない新しいこの方式、これから受験する小学生にとっては少しイメージがつかみにくいのではないかと思います。と余計な心配していたら、流石でございます。このオープンスクールにこのTW入試の体験会が用意されているではありませんか。というわけで、小学生の皆さんは一度体験してみていはいかがでしょうか。
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2022年5月20日
堺市の北部の「堺リベラル中学校」に関するお話です。2017年度までは、難関高校受験を推奨する学校でしたが、2018年度から「堺リベラル高等学校」を併設し、6年一貫としての進学校に進化しました。一方、キャリア教育で定評のある「香ヶ丘リベルテ高等学校」への進学も可能ですので、①Top10高をはじめとする難関高校進学、②「堺リベラル高校」に進学して大学受験、③「香ヶ丘リベルテ高等学校」に進学してキャリア教育(さらにファッション業界直結の「堺女子短期大学」への進路保障がついています)という3つの選択肢が整備されている学校となりました。
小学生女子の皆さん、 このようなわけで人気上昇中のこちらの中学校を一度見てみては如何でしょうか。 先着100名様にプレゼントもございます。申し込みはお早めに。(このブログを書くために、ウィキペディアで堺リベラル中学校を調べたら、5年前に書いたブログが参考文献になっていました。こうやってネット上の情報って作られるのかぁ。)
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2022年5月19日
先日高校募集でのランキングとして紹介した羽衣学園ですが、中学校募集も好調です。かつては1学年40名強の入学者数でしたが、2020年度は68名、2021年度は66名、そして今年度は59名と安定しています。さて、今週末に小学生対象のオープンキャンパスが開催されます。各種体験授業も用意されているようです。詳しくは学校HPをご覧ください。締め切りは20日(金)14:00までとなっております。お急ぎください。
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2022年5月18日
各中学校の入学者数など入試データがそろそろそろってきたのですが、兵庫県の中堅男子校の入学者数を見ていて、あることに気が付きました。
昨年と比べると滝川は増えていて、報徳は減っている。地理的に離れているので関係ないかなと思いつつ、その前の年を見ると、同じ動き。さらにその前の年を見ると滝川が減っていて、報徳が増えている。お?その前の年を見ると、両方とも減っている。やっぱり関係ないやと思って甲南を見ると増えている。
ということはこの3校間での生徒の動きがあるという事でしょうか。比較のために姫路の淳心学院を入れてみましたが、こちらは変動がありません。
この3校の共通点としては男子校だという事だけで、歴史も校風も異なります。受験生本人の性格やご家庭の教育方針と照らし合わせて比較検討してみては如何でしょうか。
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2022年5月17日
最後に旧4学区の状況をみてみましょう。しかし、この地域は過去の平均よりも今年の入学者が少ない(右端の数字が赤色)の学校が多くなっています。
1位 浪速高校 878名
校舎の新築、学外グラウンドの整備などハード面でも進化が続く浪速中学校・高等学校ですが、ついに今年は入学者が900名目前まで迫ってきました。併設中学からの入学は97名ですので、いかに高校募集で集めているかがわかります。併願の戻り率もこの地域としては高めの17.9%。さらに新たな校舎を建築する計画があるとの情報も得ました。さらに拡大路線が続きます。
2位 羽衣学園高校 525名
こちらは女子校が共学化してはや9年。今では男子生徒も4割以上となり、バランスの取れた共学校となりました。進路に関してはお隣の羽衣国際大学が怒って来ないのか心配になるほど「パイロット校推薦」の枠のある関西大学をはじめとして、100校近くの大学からの指定校推薦枠が充実しています。広いグラウンドも魅力の学校です。
3位 初芝立命館高校 396名
併設中学からの入学は93名、外部募集枠267名に対して303名の入学となっています。 校名の通り立命館大学への推薦枠がある学校ですが、立命館大学に進むコースだけではなく、国公立進学を目指すコース設定も充実しており、進学校としての評価も高くなっています。
4位 帝塚山学院泉ヶ丘高校 310名
こちらは併設中学からの入学が151名と、約半分は既にお席が埋まっている状態からの高校入試となります。併願戻り率は26.5%と高いのですが、専願の人数が少ないため、外部募集定員を下回る入学者となりました。とはいえ、310名という規模は過去平均よりも多く、今年の募集は好調だったといえるでしょう。
5位 大阪商業大堺
62年前に創設された「堺経理専門学校」という商業系の男子校がルーツですが、2005年から共学化、今では3割強を女子が占める元気な学校となっています。学校内にある880坪の「演習農園」で土づくりから田植え、稲刈り、その他の作物栽培を行い、収穫した野菜を地域の方に販売するという「勤労教育」でも知られています。今年の募集では例年よりも大きく減少していますが、これは併願の公立高校の倍率が低く、結果的に戻り率がわずか6.6%になったという外部要因ですので、人気が無くなったわけではありません。
昨年度の前半はコロナ禍で、オープンスクールが開催できないなど、受験生にとって学校情報が得られにくい環境でした。その影響でしょうか、大きな学校にさらに受験生が集まって、小規模校の志願者がさらに減るという現象も見られました。大規模校に多くの魅力があるのは当然ですが、学校と自分自身との相性を確認するためにも、学校説明会には是非足を運んで、比較検討をしてから志望校を選んでほしいと思います。

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2022年5月16日
次は旧3学区の学校を並べてみました。
1位 近畿大学附属高校 1033名
ついにでました1000名超。大阪府下最大となります。府立高校の3~4校分となります。それだけに学校の設備もマンモス。5万冊の蔵書を含む図書館、4試合同時進行が可能な柔道場、ハンドボール10面取れる人工芝のグラウンド・・・圧倒されます。
2位 興國高校 983名
大阪最大規模の男子校、難関国公立を目指すスーパーアドバンス、ゲームも扱うITビジネス、公務員試験対策を行うキャリアトライなど 特徴的で多様なコースが自慢です。もちろんスポーツも盛んな学校ですね。
3位 上宮高校 613名
このエントリーで新校舎を紹介しましたが、その完成の前から変わらず600~700名規模を維持している学校です。コースが3つとシンプルで、いずれも大学進学に向けての設定となっています。併設中学からの入学が88名ですから、高校から525名が入学したことになります。学校見学の機会がありましたら、真新しく広大な図書館は必見です。
4位 清風高校 584名
上宮高校のご近所、というより斜め向かいにある清風高校も多くの入学生を迎えています。こちらは併設中学からの入学が340名と既にお席の6割近くが埋まっている状態です。併願での戻り率は25%と非常に高くなっていますが、これは今も昔も公立のトップ校の併願として使われている証だといえるでしょう。今年の大学合格実績も国公立に現役で193名、既卒まで加えると279名が合格と、公立TOP高を凌ぐ実績となっています。次年度もさらに人気は高まることでしょう。
5位 桃山学院高校 578名
520名募集に対して578名入学、こちらも併願戻り率が20%と高めの学校となっています。つまりこちらもトップ校の併願となっているわけですね。11年前に男子校から全面共学化しましたが、今では4割以上が女子となっています。因みに高校には制服はありません。「標準服」はありますが、留学時に使う国際コース生以外は購入の義務も無いようです。(続く)
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2022年5月13日
この地域の府立高校の平均倍率が低く、併願からの戻りが少なかった旧2学区についてです。まず、表にしてみて気が付きましたが、女子校は1つになっているのですね。
1位 大阪桐蔭高校 679名
中学からの進級289名を含め、安定して600名以上の高校入学を維持している大阪桐蔭。その安定の理由の一つが上位難関公立校の併願という受験生が多いという点です。何と併願合格者の23%にあたる90名も併願で戻ってきています。
2位 常翔学園高校 636名
こちらは併設中学からの進学が90名ですから、高校からの入学者が多数を占めます。以前このエントリーでも紹介したように新たな設備も完成、コース編成もリニューアルして今年も多くの入学生でにぎわっています。
3位 四條畷学園高校 606名
例年400名前後が入学する学校ですが、今年は600名超!専願だけで募集定員を超えている人気ぶりです。元から元気な学校ですが、HPの全面リニューアルでその魅力が伝わったという事でしょうか。さらに元気な学校になっていくことでしょう。
4位 大阪産業大学附属高校 603名
大阪桐蔭と同じ法人のこちらの学校も多くの入学者を迎えました。昨年よりも減少していますが、それでも600名超。 併願者が多い学校で、併願の戻りが少なかったという外的要因が入学者減少の主な原因ですので、人気が減少したわけではありません。アメフトをはじめとする部活も活性化していることでしょう。
5位 大阪電気通信大学高校 481名
普通科と工学科を併せ持つこの学校は専願率が高く、こちらも専願だけで募集定員を超えていました。情報工学を中心に理系人気が高まってきていることも影響しているのでしょうか、ここしばらくは募集定員以上の入学者を迎えています。共学校ですが、女子率はまだ2.5%と少なくなっています。急募、工学系女子!(続く)
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2022年5月12日
中間テストの時期が近づいてきました。高校に合格、入学して舞い上がった毎日を送っている皆さん、そろそろ現実に戻ってきてください。
それはさておき、私立高校の入学者数が明らかになってきましたので、入学者数ランキングを作ってみました。高校募集を行っていない学校は併設中学校からの進級者のみになりますが、リストに入れています。
今年の状況をわかりやすくするために、 2015~2021の過去7年間の平均と、2022年度との差も計算してみました。旧1学区の学校ランキングです。
1位 箕面自由学園高校 879名
昨年も765名の入学者を迎え教室が足りない状況だったのですが、今年はどんなことになっているのでしょうか。府立高校の多くが300名前後の定員ですから、その3倍というとんでもない人数となっています。大学進学実績も急上昇中ですが、この人数で部活動もさらに活性化していることでしょう。
2位 大阪高校 765名
高校からの募集のみでこの規模はすごいです。ここ8年間では最高の人数となっています。数多くの大学と連携した探究学習など多彩な学びも人気です。この規模になりますと生徒同士の相互の刺激も期待できますね。
3位 大阪成蹊女子高校 505名
500名超という規模は、女子校で大阪府下最大となっています。60名募集の美術科である「アート・アニメーションコース」を除くと普通科ですが、その中を6コースに分けて行われている女子に特化したキャリア教育が支持されている形です。
4位 履正社高校 469名
併設中学からの進級は34名ですから、ほぼ高校からの募集による入学者という事になります。新校舎の完成、強化クラブに所属する「競技コース(旧Ⅲ類)」の生徒以外の部活動も可能となるなど、ハード・ソフト面でのリニューアルが中学生のハートを掴んだということでしょう。
5位 大阪学院大学高校 458名
昨年から減少はしていますが、安定して多くの入学者を迎えている高校です。2020年に新校舎が完成、JR岸辺駅からのアクセスが良くなりました。阪急京都線の南にある旧校地には総合スポーツ施設の建設が進んでいます。こちらも楽しみですね。(続く)
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