(昨日の続き)
大学入学者数が増加しているのなら、私立大学の経営はウハウハなのか、といえばそんなことはありません。大学数の増加や学部改編・増設に伴う定員増によって大学間の競争は激化しています。また大学入学者数の増加は18歳人口減少を打ち消すほどの大学進学率の上昇があったからであって、進学率が6割を超えた今、進学率の更なる上昇を見込むことができず、人口減少の影響が直接大学に迫ってくることになります。既に私立学校振興・共済事業団のデータでは、2024年度には約6割の私立大学が定員割れとなっています。またここ数年間でも、広島国際学院大学、恵泉女学園大学、神戸海星女子学院大学の募集停止が発表されるなど、大学の減少が始まっています。
2025年度の18歳人口を1として、今後の推計値の相対値をグラフにしてみました。(変化の割合を強調するために縦軸最小値を0.4にしていますのでご注意ください)

10年後には0.88、すなわち12%減、その頃から減少スピードが上がり、今の2歳児が大学受験を迎える2041年には0.72、すなわち28%減となります。今年大学に入学した世代が63歳(そろそろ定年か?)になる2070年には0.56とほぼ半減することになります。今後は大学進学率が上昇せず、18歳人口の減少が直接大学入学者数の減少につながると仮定すると、半分ほど(実際には小規模校の方が影響を受けやすいため、学校数では半分以上)の大学が消える可能性があるわけです。国公立も含めて現在日本には796校(旺文社調べ2024年度)の大学がありますが、2070年にはいったいいくつの大学が存続しているのでしょうか。
つまり、大学の存続・発展のためには日本の受験生だけ相手にしていてはダメ、というわけで、東京大学の新学部【69年ぶり】東京大学 新学部「カレッジ・オブ・デザイン」設置【なんじゃこりゃ】 « 学校選びの道しるべ|開成教育グループ 入試情報室 学校・入試情報ブログ、というような発想になるというお話なのでした。