大学学生数ランキング

2016年10月31日 月曜日

大学の規模を示す指標の一つとして、大学の学生数に注目してみたいと思います。在籍している学部学生の人数で一覧を作成しました。(旺文社『螢雪時代8月号臨時増刊 2016年全国大学内容案内号』(2016年7月))のデータを参考にしています。

2015年時点で、学部学生が1万人を超えているのは全国で51校あります。そのうち、まず51位から30位まで・・・

来春付属中学校開校と勢いのある神戸学院大学は移転と学部増設で1万人規模の仲間入りを果たしました。神戸大学を学生数で抜く日も近いと思われます。

次は29位から11位までです。

国立大学で学生数が一番多いのは大阪大学となります。かつては東大、京大に次ぐ規模でしたが、2007年に大阪外国語大学と合併し、一気にトップに躍り出ました。2万人規模となりますと、同志社、関西学院といった大学がランクインします。中央大学も同規模です。龍谷大学も間もなく2万人規模となりそうです。

以前、このブログで書きましたが、大阪府立大学と大阪市立大学の統合が予定通り進めば1万2千人規模の、日本最大の公立大学が誕生することになります。

次は10位から4位です。

関西大学も3万人に迫る勢いです。慶應義塾、法政も同規模です。受験者数全国1を誇る近畿大学は学生数では現在4位です。といっても3万人を超えています。

いよいよベスト3です。

学生数日本一はやはり日本大学。約6万8千人と日本の市の人口ランキングに当てはめても真ん中に位置します。(794市中、400位)卒業者数も毎年1万5千人以上となっています。関西のトップは拡大路線が続く立命館となっています。

学生数の大きい大学は、クラブやサークルの規模の大きさや卒業してからの豊富な人脈などのメリットがある反面、キャンパスが分散していて一体感が無いという大学もありますので大きい方がいいという単純なものでもありませんが、このデータも学校選びの参考になさってはいかがでしょうか。

 

 

同志社大学 秋の入試説明会 全国で開催

2016年10月28日 金曜日

大学選びも終盤を迎えてきましたが、同志社大学は全国20ヶ所で入試説明会を開催します。入学課スタッフによる入試制度及び概要説明、学生によるスピーチ、有名予備校講師による英語問題解説が行われるようです。

 

入試や大学生活なども含め同志社大学を知るチャンスです。

来場者には願書、大学案内、各学部のパンフレットや記念品のプレゼントもあるようです。

 

同志社大学の受験を考えているが、まだ説明会に行っていない受験生は是非参加してみましょう。

 

「大学入学希望者学力評価テスト」の記述について

2016年10月27日 木曜日

10月26日の朝日新聞に現在行われている、「大学入試センター試験」の代わりに2020年導入予定の「大学入学希望者学力評価テスト」(仮称)(以下「新テスト」と表記)に関する調査結果が掲載されていました。国公私立746校を対象とし、654校(88%)が回答したアンケート結果です。現在、文部省管轄の大学は全国で775校ですが、奈良先端技術大学院大学のように、大学院のみの大学や芸術系のように学力試験を課さない大学などもありますので、ほぼ日本中の大学を網羅した調査結果だといえます。(大学の数、2016年現在、国立86校、公立88校、私立601校)

(朝日新聞 2016年10月26日 朝刊より)

新テストには思考力や表現力も測定するために記述式を導入することが検討されていますが、その採点や出題方法についてはまだ議論が続いています。センター試験は毎年53万人ほどが受験していますが、同規模の受験者が参加すると仮定して、英語1科目で考えますと、記述答案1枚採点するのに10分かかるとすると、採点だけで530万分、すなわち約9万時間かかることになり、チェックも含めるとその2倍程度、すなわち20万時間ほどが必要になります。これを2週間で処理しようとすると、休みなく14日間、一日8時間採点できる人を2000人集めなければならないことになります。採点基準の統一ということを考えると採点者が多いというのは問題でしょう。しかも採点基準から外れるような答案が出てきた場合、途中で基準が変更されることも考えられ、その基準の再徹底と採点のやり直しをする場合も想定されますので、実際にはこの数倍の人数が必要だと考えられます。国語など全教科で記述を導入すると何と1万人以上の採点者が必要だということになります。そこで、文部科学省は、2次試験を受ける大学側が、記述部分の採点をしましょう、という方針を出したのですが、今回の調査はこの方針が出る前ですので、二つ目のグラフの「記述式導入の実現可能性」についてはかなり厳しい結果になっています。ただし、この各大学で採点となりますと各大学の採点負担が増加しますので、3つ目のグラフに示されている「利用したい」という大学はさらに少なくなると思います。

そもそも大学によって入学してほしい学生像というのは異なるはずですので、その大学が独自に作問した記述問題の方がふさわしいのでは、という議論もあります。今回のアンケート結果の一つ目のグラフで約4割の大学が記述問題の導入に消極的だということは、思考力や表現力が必要ないというわけではなく、大学独自の取り組みを重視するという考えも反映されていると思います。

この新テストについて、利用する大学側からの支持が無ければ利用率が下がることも予想されます。つまりこのままでは受験者(利用者)が減るという可能性もあるわけです。

次回の東京オリンピックに関する報道も増えてきましたが、同じ年に導入される、この新テストについても具体的な方針の発表と周到な準備が行われ、初めての受験生(現在の中2)が混乱しないようにお願いしたいものです。

 

 

大学の公募制推薦入試について

2016年10月17日 月曜日

大学の入試方法には大きく分けて、主に学力試験で判定される「一般入試」とそれ以外の力を評価される「推薦・AO入試」の2通りあります。推薦入試には、高校ごとに人数が割り当てられる「指定校推薦」と受験生が各自応募する「公募制推薦」、「AO入試」に分けられます。私立大の場合、指定校推薦は高校内での選考に通れば、実質合格することができますが、公募制推薦の場合は出願条件として評定の基準などがあります。そのうえで科目は一般入試より少ないケースが一般的ですが、学力試験が課されます。また、国公立の場合は大学入試センター試験を課す大学が多くなっています。「AO入試」は志望理由や学業以外の活動歴などが評価の対象とされるものもあります。

今では一般入試で入学する学生よりも推薦で入学する学生の方が多い私立大学も増えてきました。

東京大学や京都大学も推薦入試を昨年度より取り入れたというのがニュースになりましたが、国公立大学で推薦入試を早くから取り入れているのは東北大学です。今春からさらに定員が大きくなっています。広島大学医学部では、博士課程進学を条件とした、つまり研究医になることを考えている受験生向けの推薦入試を実施します。大阪大学も後期入試廃止に合わせて、「世界適塾入試」という、センター試験で2倍まで絞り、あとは小論文と面接という入試を実施します。

私立大学の公募制推薦出願資格の評定平均についてです。

近畿圏で最も基準が厳しいのは同志社大理工学部。評定4.3以上なければ出願もできません。多くの大学は4.0以上、関西では同志社大の法学部、文学部(英米)、関西大商学部などが挙げられます。3.8は龍谷大など多くの大学が採用しているラインです。

逆にラインを設けていない大学もあります。つまり誰でも出願できるということになりますが、学力試験は行われますので、早い時期の一般入試として、併願用に受験するという使い方もできるわけです。受験生数が日本一で有名になりました近畿大学や京都産業大学はこの方法を採用しています。

出願期間も今月末からのところが多くなっています。各大学の入試要項を確認の上、希望する大学にこの制度があるようでしたら、是非チャレンジしてみましょう。

 

外国人教員数ランキング

2016年10月12日 水曜日

最近大学にも外国から来られた先生が増えてきましたが、どの大学に多いのでしょうか。やはり外国語大学が圧倒的に多いのでしょうか。

というわけで、大学ごとの外国人教員数のランキングを紹介します。(AERAムック 「大学ランキング2017」より)

 

まず、総数についてです。(50名以上の大学のみ抜粋しています。)立命館大学が134名とぶっちぎりです。講師で人数を稼いでいるわけではありません。教授だけでも43名在籍しています。2位、3位と外国語大が続きますが、4位は関西学院大。立命館と並んでSGUの指定を受けただけのことはあります。次は東大や京大が来るのか思えば大阪大がランクインです。元大阪外大在籍の教員も多いのですが、准教授が54名と、次世代の層が厚く、さらに増えると思われます。

10位にようやく東京大学が出てきます。これも国際化が進んでいないといわれる理由でしょう。

 

このランキングは元々の教員数が多いマンモス大学が有利だ、ともいえますので、比率でのランキングも出してみました。(比率が23%以上を抜粋しています。)

 

トップの宮崎国際大についでです。1994年設立、看板学部の「国際教養学部」は2006年に設置、教育学部は2014年設置と、とても若い大学です。基本的に授業はすべて英語です。正直英語が得意でない学生も入学していますが、チームで勉強させる、アクティブ・ラーニング型の授業を取り入れるなどの工夫でTOEICの平均点も4年間で338点から642点まで伸びるというとんでもない大学です。

同じように英語での講義が中心の立命館アジア太平洋大学、国際教養大、国際基督教大が上位にランクインしています。

 

留学すると英語力が飛躍的に伸びるといわれていますが、その効果には個人差があり、またそのためにはかなり費用が必要になる場合もあります。その点、このように外国からの教員が多い大学であれば、英語力を段階的・体系的に伸ばすことができるようです。

教員だけでなく、留学生の受け入れなども含めて、大学のグローバル化はさらに進んでいくことでしょう。

 

大学入試センター試験 もうすぐ出願締め切り

2016年10月4日 火曜日

今週末、大学入試センター試験の出願締め切りとなっています。

1月に行われる試験ですが、毎年この時期が出願期間となっています。

国公立志願者は、志望大学が要求している科目を確認する必要があります。特に理科については「基礎」がついている科目でよいのか、科目数はいくつ必要なのかなど、チェックポイントがいくつかありますので確認が必要です。

受験科目が3教科以上か2教科以下か、成績通知が必要か、必要でないかで受験料の金額が異なっています。したがって振込用紙も4種類同封されていますので間違えないようにしましょう。

受験案内に入っている黄色い封筒ですが、今高校3年生の生徒は使いません。学校に直接志願表だけを提出します。現役生がこの封筒を使って勝手に簡易書留で送ってしまうというトラブルが毎年散発しているようです。

というわけで、今年大学受験を迎える皆さんにとっては入試が一気に身近に感じられ、緊張が高まってくる時期ですが、センター試験までまだ3カ月あります。落ち着いて不得意な科目や単元の克服に時間をかけるようにしましょう。

 

大阪府立大学と大阪市立大学の統合について

2016年9月27日 火曜日

数年前から報道されている大阪府立大学と大阪市立大学の統合についてです。

同じ大阪府内にある、この二つの大学は難易度も規模も似通っている大学です。

少し古いデータですが旺文社「大学の真の実力2013―2014」から収容定員数のランキングを抜き出してきました。


御覧のように、公立大学としてはすでにトップレベルの定員数なのですが、これが統合すると国立3位の京都大学に迫る規模となりそうです。

また、学部のラインナップも増えることになり、関西では大阪大学よりも専門分野が多い大学になるとも言われています。(大阪府立大学HPより引用)


キャンパスの配置も、研究室や附属病院など今の設備をそのまま生かすとすれば、6拠点の巨大な大学となりそうです。

府立大学のHPにはその工程表も掲載されていました。

すでに単位の互換は始まっていますし、クラブなど学生レベルでの協力体制も次第に進んでいます。2019年、つまり今年の受験生が3回生になる年には法人が統合されますが、それぞれ独立した2大学の名前をそのまま継承します。2022年、つまり今の中1が大学を受験する年には大学名も統合される、という計画です。今後具体的な統合に向けて解決すべき問題も多く、計画通り進むのか不透明ですし、本部の設置場所や新たな大学名の決定など様々な意見が出ることも予想されます。しかし、大学が大きくなって幅広い専門分野が協力できる体制によって、世界に誇れるような大学に成長してほしいと思います。

 

 

安全が学べる大学

2016年9月21日 水曜日

我々は自然災害やテロなどの危険に常にさらされているはずですが、特にその危険を意識することなく生活しています。しかし、いざ何かが発生した時に、その対処をする人材が必要なはずです。例えば火災なら消防、事故なら警察、災害は気象庁とそれぞれ別の組織が対処しているわけですが、横断的にそれらを併せて研究しているところはありませんでした。

2004年、千葉科学大学に日本で初めて「危機管理学部」が設置されました。危機管理といえば危険から逃れる、危険を防ぐといった意味が強い言葉ですが、危機が起こる前の管理を「リスク・マネジメント」、危機が発生した後の管理を「クライシス・マネジメント」と呼んで区別し、さらにその中で場面に応じての対処法を研究するという学問分野です。

2010年、関西大学に社会安全学部が設置されましたが、2011年に発生した東日本大震災の検証と復興に大きな役割を果たしました。またその後の調査や研究は、報道が災害発生後の被害状況を伝えるだけでなく、そこにいる人にさらに被害を拡大させないような避難情報を流すようになるなどの影響を与えました。このようなことから、防災にかかわる人材育成の必要性が注目されるようになってきました。今年度には日本大学に「危機管理学部」が設置されましたが、さらに来年度には倉敷芸術科学大学にも「危機管理学部」が設置されることになっています。

 

 

 

倉敷芸術科学大学のパンフレットによりますと、安全管理や情報セキュリティーなど企業に関連するものと、防災や災害時の支援など地域にかかわるものといった二つの視点から危機管理が学べるようです。

まだ歴史の浅い学問分野ですが、これからはこのような知識と経験を有する人材の需要はさらに高まってくることでしょう。

 

医学部と学費のお話

2016年9月20日 火曜日

先日も地方の医師不足に関する対策を、政府が検討するというニュースがありましたが、今回は医療の質を長期的に維持するための医学部を学費の面からみてみましょう。国立大学では何学部でも学費は同じなのですが、私立の場合、医学部の学費が極端に高くなっています。

そこで、どの程度違うのかを一覧にしてみました。入学金も100万、200万といった金額になりますので、学費だけでなく、初年度納入金という比較をしてみました。初年度納入金が高い方から順番に並べています。

※学費は年額です。国立では入学金と学費を合わせた金額が初年度納入金になりますが、私立は「教育充実費」等の名目での金額が加わりますので、初年度納入金はそれ以上の金額となっています。

 

初年度で1000万円を超える大学が4校あります。設備や環境も良いといわれる大学ですが、それにしても大変な金額です。入学金が20万円と、ほかの学部と同じ金額に抑えている慶應義塾大学は医学部の最難関と言われ、東京大学理科Ⅲ類が滑り止めだといわれています。かつては1千万円級だった順天堂大学は290万と私立大学最安値を付けたために難易度もはるかに上昇しました。

参考までに公立大学2校と国立大学の学費も載せておきましたが、これで国立の医学部の難易度がなぜこれほど高いのかがお分かりいただけると思います。

医学部を目指している皆さんは、私立大学と国立大学の初年度納入金の差を、自分の1年間の勉強時間で割ってみましょう。自分の勉強の「時給」がどれほど高いのかがよくわかります。いい仕事をしましょう。

ちなみに防衛医科大学のように、学費は無料なだけでなく給料までいただけるところもあります。もちろん最難関です。卒業後9年間は自衛隊に入隊しなければならないという縛りがありますが、学費のために医学をあきらめなければならなかった人でも医師免許を取ることができるわけです。

大学を学費という観点からみると、難易度の違いや変化を知ることもできます。色々な方面から大学を調べてみると良いでしょう。

 

 

大学入試関連、お得な説明会情報

2016年9月14日 水曜日

大学がオープンキャンパスと呼ばれる見学会や説明会など、実際に大学入試を考えている人に大学を見てもらい、その魅力を感じてもらおうという企画を行うことが一般化してきましたが、最近ではさらに手厚い企画も見られるようになってきました。

①オープンキャンパスに無料の模試をセットにした摂南大学

資格取得に強いといわれる摂南大学。今年の定員も1,810名と大きな規模を誇っていますが、その約半数は公募推薦やAO入試といった日程の早い推薦入試での募集となっています。ただし、公募推薦入試は科目数が少なく、範囲が限られるなど出題傾向も学校によって大きく異なるため、どのような準備をすればいいのか、何を勉強すればいいのか、なかなかわかりにくいという欠点があります。そこに目をつけた摂南大学では、公募推薦の出題傾向に対応した模試を無料で実施するという、受験生の心を掴む企画を考えてくれました。模試といっても判定が出るわけではありませんが、実際に受験する大学の中で、本番と同じ傾向の問題に取り組むことができるのは大きいです。もちろん模範解答と解説の冊子も配布されます。先着1,000名限定ということですので、公募推薦受験をお考えの受験生はお早めに。

②公募推薦対策講座を大学で実施する京都産業大学

今年度から理学部の中に「宇宙物理・気象学科」を増設し、次年度から「現代社会学部」を新たに設置するという、話題に事欠かない京都産業大学ですが、その話題性のみならず、公募制推薦入試対策講座を無料で開催し、併せて個別相談会も行うという、受験準備のお手伝いまでしてくれるという催しが開かれます。
これも公募対策の制度説明のみならず、出題傾向からそのための勉強法まで説明してくれるという手厚さです。しかも、会場が近畿圏を中心に11か所、遠くは香川県の高松、岡山といった広い範囲の外部会場を借りての開催ですから力が入っています。京都産業大学が第一志望の受験生はもちろん、併願として公募推薦を考えている受験生も受講するとよいでしょう。こちらは事前申し込み不要とのことですが、会場ごとの日程や時間を確認して遅れないように参加するとよいでしょう。

このように大学のHPを細目にチェックしているとお得な情報が得られます。ほかの大学を志望している受験生も、大学独自の入試関連の説明会などの催しを情報収集しておきましょう。