東京工業大学(東京科学大学)の理系女子枠が発表されたときは議論が巻き起こりました。確かに理系分野の女子優遇枠は増えつつあります。ここではその意義や是非を論じるのではなく、入試全体にどの程度インパクトがあるのかを調べてみました。
現在国公立大で女子枠を設定しているのは国立26、公立3の合計29大学です。国立大学は全国に82大学、公立大学は95大学ありますので、国立大学の31.7%、公立大学の3.2%に導入されていることになります。
次に学校推薦型と総合型のどちらを取り入れているのか、両方なのかをカウントしてみました。すると学校推薦型が17大学、総合型が6大学、両方の方式を併用しているのが6大学です。
次に大学入学共通テストの受験が必要なのかどうかもカウントしてみました。
すると受験を課す(つまり合否に影響する)のが6大学、免除が17大学、両方の方式を併用するのが5大学で、合否に影響はしないが、受験は必須であるというのは福島大学の1大学のみでした。
大学入学共通テストが不要な大学が多いのが不公平感の元なのかも知れませんが、話題になった東京工業大学は、女子枠が149名と突出して多いのは確かです。しかし、大学入学共通テストは合否に影響するようになっています。
女子優遇枠の人数に関してですが、香川大学は4学科それぞれ最低1人以上、高知工科大学は若干名などと決まっていない大学もあるため概数になりますが、合計で約600名となります。国公立大の定員合計は約12万人ですから、割合にして0.5%以下です。理工系に限るとその割合は上がりますが、それでも2%程度でしょう。というわけで、男子諸君、こんなことに気を取られずに自分の得点力を上げましょう。