2021年1月14日
これまたAERAムック「大学ランキング」2021(朝日新聞社刊)からのデータです。 まず女子学生の在籍数でランキングを作成してみました。
あれ?イメージと違うぞ・・・。その通りです。実は人数ランキングを作ると大学の規模に影響を受けてしまうからです。そこで、学生数5000名以上の大学93校だけを抜き出して「女子率」ランキングを作ってみると・・・

(クリックで画像が開きます)
愛知淑徳大は元女子大という事も関係しているのでしょうか、女子が7割以上と全国1位。2位の国際医療福祉大も看護や薬学、福祉といった女子の割合の高い専門分野を複数持っていますからこうなるわけですね。航空業界への就職力で定評のある関西外国語大学も女子が多いです。4位の目白大学も看護、心理など女子が多い学部が影響しています。5位の明治学院大学は、その昔ローマ字のヘボン式を考案したヘボン医師が作ったヘボン塾がルーツですが、その女子部と男子部がそれぞれ独立したのがその後のフェリス女学院と明治学院となったので、本来男子校だったはずなのですが、キャンパス内のおしゃれな伝統建築やグローバル教育に反応した女子が集まってきたようです。
さて、その流れで色を付けた関西の8大学に着目すると、なるほどー、となると思うのです。関西学院大、同志社大、いずれもキリスト教系のおしゃれなキャンパスとグローバル教育に強いイメージがありますが、そこに反応している女子が多いようです。因みに8大学で最下位の近畿大学は、理工系学部の定員が多いことが影響していると思います。文系学部は他大学とそれほど変わらないような気がします。 因みにこの93大学に関しては京都大学と東京大学が女子率最下位を争っています。どちらも女子にとっては魅力的ではないのでしょうか・・・。
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2021年1月13日
それでは、付属校からの入学者が全体のどの程度を占めているのかを示したランキングも作ってみました。すると、1位は人数では2位だった東海大学。3割以上が付属校の出身となっています。2位は日本大学、3位が創価大学。都内から少し離れた八王子の駅からバスで20分の丘の上の広々としたキャンパスを持つこの大学の付属校は創価高校(東京都小平市)と関西創価高校(大阪府交野市)の2校のみですが、この2校からで入学者の4分の1を占めるというのは驚きです。
4位の慶應義塾について、付属校の名称が独特なので、慶應義塾のホームページからの図を借りてきました。
湘南藤沢は実質中高6年一貫(高校からの一般外部募集は20名)ですが、それ以外は3年区切りで学校を卒業、入学する形になります。とはいえ、慶應義塾女子は慶應義塾三田キャンパス、慶應義塾中等部の隣ですし、普通部と高等学校は同じ日吉駅をはさんで反対側ですので、実質的にはそのまま進級、といった感じになるのでしょう。
このランキングの上位の大学を目指すのならば、高校から(もしくは中学校から)入学しておくのがお勧め、となりそうです。しかし、今の人気ぶりを見ていると、付属校でなくても、大学系列の高校・中学校はさらに増えていくことでしょう。
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2021年1月12日
ここ近年人気の大学付属(附属)校について調べてみました。(国立大学に併設されている学校は「附属」で統一されていますが、私立では近畿大学「附属」や龍谷大学「付属」平安など、2通りの表記があります。ここではまとめて「付属校」と表記します)元データはAERAムック「大学ランキング2021」朝日新聞社 から取っています。数値は2019年度入学者数を元にしています。
付属校からの入学者ランキング全国1位はやはり、日本最大の大学、日本大学です。なんと年間4233名というのは大阪の標準的な府立高校(1学年320名)の13校分にあたります。しかし、実は日本大学の附属校は全国に25校もあるのです。日本大学恐るべし。1校平均165名が入学した計算になります。
2位は2254名の東海大学。こちらも北海道から熊本まで全国に14校の付属高を持っています。(うち3校は別法人)1校平均161名が東海大学に入学している計算になります。こちらもかなりの占有率ですね。
3位は1535名の早稲田大学。早稲田の附属高は2校、系属校は5校(附属・系属の表記は早稲田のホームページに倣っています)の7校からの数字です。そのうち練馬の早稲田大学高等学院からの進学者は例年460名以上と卒業生のほぼ全員が早稲田大学に進学しています。7校平均でも219名と圧倒的な占有率ですね。(続く)
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2021年1月8日
いよいよ入試シーズンが本格化、といったタイミングで、新型コロナウイルス感染症の感染者数が増え続けています。現段階では大学入学共通テストも中学入試も予定通り行うことになっていますが、特に私立中学入試に関しては例年に無い警戒状況となっています。 以前、このブログで書いたこと https://www.kaisei-group.co.jp/nyushiblog/juniorhigh/37226.html が現実となってきました。
【会場増設・変更】 西大和学園のように、学外会場を増やして、受験生を分散させようという学校もあります。学内だけで行う場合でも、収容定員を減らして、使用教室を増やすなどの対策が行われています。入試の2~3日前から在校生の入構を制限する学校もあります。因みに西大和のシンガポール会場は今年度開設できないとの事です。
【入試応援禁止】 大阪星光、高槻、六甲、雲雀丘、のように、塾関係者の応援を禁止する学校が増えてきました。そうでなくても多くの学校では1塾2名までなどといった制限付きです。保護者の付き添いも1家庭1名まで、また保護者待機場所も設けない、設置していても席数を限定、座席指定としている学校もあります。
【合否発表もオンライン】 灘のように掲示板での合否発表を行っていた学校が、オンライン発表も併せて行うところも出ています。
何かと不自由な状況ですが、受験生の皆さんは落ち着いた環境で力を出し切っていただきたいと思います。
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2021年1月7日
一方、京都産業は公募、一般とも出願者数が減少しています。但し、追手門学院、大和の好調ぶりを見ると、京都市内での受験生の移動は限定的で、おそらく大阪からの流入が大きく減少しているのではないでしょうか。受験者学力層の変化が無ければ、出願名目倍率が下がっても、それほど合否ラインは影響を受けませんので、京都産業受験者は昨年並みの得点率を目指す必要があるでしょう。 甲南は2年連続で減少傾向にあります。神戸学院、武庫川女子とも、昨年度増加の揺り戻しで減少していますので、兵庫県下の人口減少と大阪への流出のダブルパンチを受けているように見えます。したがって甲南は易化する可能性大です。
多くの大学は今週から出願開始です。また、途中での情報が入ればここでお伝えしたいと思います。 がんばれ!受験生。
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2021年1月6日
コロナ禍の拡大が止まらない中で、先行き不安から早めに大学を確保しておこうといった動きが、首都圏、関西圏の受験生にみられるのでは?といった予想もありましたが、どうなったのでしょうか。公募推薦の出願者数に関しての12月23日の記事、 http://www.kaisei-group.co.jp/nyushiblog/university/37330.html に書きましたように、逆に、出願者数上位30校の合計では11256件(5.3%)減少の約20万件となりました。但し、産近甲龍の4校の合計に限ると増加していますので、関関同立受験者層が手堅く近畿、龍谷の公募推薦に出願したとも考えられます。 当グループの状況を見てみると、一般入試に関しても、近畿・龍谷の出願者が昨年よりも増えており、特に近畿大学は3.5%以上の伸びになると思われます。但し、近畿大に関しては前年度の凹みを取り返すほどの増加ではないので、難易度は易化した昨年並みとなるのではないでしょうか。(続く)
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2021年1月5日
昨年の11月18日、19日に関西8大学の難易度予想を行いましたが、12月末時点での当社のデータを元に、予想の修正をしておきたいと思います。 まず、今日は関関同立の4大学から・・・ 関西大学が易化するか?との情報から、関西大学への流入が増えています。当グループでも昨年よりも3%ほど志願数が増加しています。一方で、立命館が2.6%のダウン。つまり立命館から関大へのシフトが見られます。逆に流出のあった立命館では学部や募集単位によっては穴場が生まれる可能性が高くなってきました。ざっくりと関大・立命館は強気の出願を、関学・同志社は手堅い作戦をお勧めします。但し、理系に関しては、関学の改組によって関大、関学に穴場になる募集単位が生まれる可能性がありますので、注意が必要です。(続く)
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2021年1月4日
なんやかんやで、年が明けました。 新型コロナウイルス感染症に呪われた2020年でしたが、2021年こそは治療法やワクチンが実用化されて人々を感染の恐怖から解放していただきたいものです。やっぱりマスクは不便です。
それはさておき、中学入試・大学入学共通テストも来週末。これらの入試が無事に行われることを祈りつつ、より良き年になることを願いましょう。
入試に関する情報、今年もお送りしますよ。本年もよろしくお願い申し上げます。
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2020年12月29日
思えば1年前、2020年がこんな年になるとは思いもしませんでした。東京オリンピック・パラリンピックも開催され、海外からの入国者数も史上最高!教育の世界でもグローバル系学部の人気がうなぎのぼり・・・のはずが、世界の環境が一変してしまいました。
実は102年前の1918年3月、アメリカが起源の新型ウイルスが第一次世界大戦の出兵によってヨーロッパに持ち込まれ、世界各地でのパンデミックへとつながっていきました。感染情報が当時中立国だったスペインから発表されましたので「スペイン風邪」と呼ばれますが、そこから2年の間に世界で1億人が亡くなったともいわれています。当時の人たちもワクチンや治療法がない中で、ウイルスに関する知識もないまま、ひとまずマスクは必須、という生活が強いられたようです。
日本では当時の人口約5500万人の約43%が感染し、39万人が亡くなったとされていますが、その結果集団的な免疫を獲得し、流行はそこで一気に下火になります。その直後の1925年に大阪と東京でラジオ放送が開始されました。最新の情報や娯楽を「密」にならずに楽しめるという新たなメディアは大歓迎され、人々の生活が一変し、その後テレビにつながるマスコミュニケーションへと発展してきます。(但し世界で悪化した経済状況が第二次世界大戦につながり、各国で国民を煽動するためにもラジオ放送が使われたという負の歴史も忘れてはいけません)
さて、コロナ後の世界を考えてみますと、既にインターネットを利用した双方向通信での授業提供や会議などが一般的になってきましたが、さらにバーチャル空間でのアバターを介しての会話やホログラムなど、新たなインターフェースがコミュニケーションの形を変えていくことになるでしょう。データベースの検索やデータ解析を先回りして行ってくれるAI秘書を各自備える日が来るかもしれません。そうなれば、そこで人として必要とされる能力は知識や技能ではなく、創造性の高い分野になるわけです。(例えば、文字をきれいに正確に書く、という技術はもはやパソコンに任せておけばよいのですが、同じ文字を書くのでも一種デザイン性が求められる「書道」は無くならなかったのと同じです)したがって、教育の目指す方向も今までと大きく変わるわけです。長時間拘束と反復練習、大量の課題で知識を詰め込もうとする教育は、もはや求められていないことになります。
「学校選びの道しるべ」ブログでは、これからの100年を作っていく子どもたちのために、学校や教育に関する客観的データを収集することに加え、実際に学校に足を運んでしか得られない情報も取材し、学校選びに失敗する子どもを一人でも減らしたいという思いで、掲載を続けていきたいと考えています。今後ともお付き合いよろしくお願い申し上げます。 どなた様も良い年をお迎えください。(受験生の皆さん、今年の初詣は感染予防の観点からも受験後に行くようにしましょう)
(次回の更新は令和3年1月4日(月)の予定です)

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2020年12月28日
2021年1月16日に入試が行われる、京都市立・府立の中高一貫校の出願が締め切られ、志願者数が発表されました。5校合計で定員320に対し922名が出願し、平均で2.88倍となりました。 一般的に公立の中高一貫校は募集が開始されて数年は高倍率で推移しますが、京都も例外ではありません。西京と洛北に中学校が設置された2004年には平均倍率11.46倍、次の年も8.43倍と高倍率を記録しましたが、その後次第に落ち着いてきて、今回初めて3倍を割り込むことになりました。とはいえ、それでも中学入試で3倍近くというのは、なかなか厳しい戦いであることには変わり有りません。
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