2025年8月29日
大阪府で工学科を設置している私立高校は星翔高校と大阪電気通信大学高校の2校しかありません。星翔高校もドローンスクールをいち早く併設するなど面白い取り組みをしていますが、大阪電気通信大学高校はその名の通り大学を併設していますので、ロボット開発やゲームのプログラミングなど高大連携の探究活動も特徴の一つとなっています。
いままでは主に2年進級時にコースごとに分かれるイメージでしたが、次年度から、普通科のアドバンスコースを募集段階から分離することなりました。
さらにコース名も実態に合わせたものにリニューアルし、より中身がわかりやすくなっています。「ゲーム&メディアデザイン」や「AI・情報活用」など今人気の分野もコース名となっています。興味のある中学生は学校HPを確認して説明会などに出かけてみてはいかがでしょうか。
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2025年8月28日
このエントリーでも何度かお知らせしたように、2026年度入試から公募制推薦に、志望理由書などの提出が必要となっている大学が増えてきています。
大学によって、Web出願時に志望理由書を入力させるパターンと、紙にプリントアウトしたものを提出させるパターンに分けられますが、このWebに入力する場合は注意が必要です。
近畿大学から頂いた文書によると、近畿大学は「200文字以上、500文字以内で」となっていますので、200文字未満、もしくは501文字以上ならエラーとなって出願できないそうです。また、最初にログインしてから30分以上経過すると、これまたエラーとなって出願できなくなるそうです。
そこで、まず志望理由書はワードなど他のソフト上に下書きをして、文字数を数えておきましょう。(マイクロソフトのワードなら「校閲」のメニューの中に「文字カウント」という機能がありますので、利用してください。お家にプリンターがあれば、プリントアウトして読み直してから誤字脱字や変換間違いなどを修正するのも良いでしょう。そんな受験生はいないと思いますが、同じ内容の繰り返しや、矛盾を含む文章は不備と判定される可能性がありますので、心を込めて作りましょうね。
それができれば、出願サイトに入って、必要な情報を入力してから「事前課題」の枠に、そのワードなどで作った文章をコピペしてください。すると30分のタイムアウトになる心配はありません。
というわけで、Web出願はスマホでも可能ですが、できればパソコンやタブレットを使った方が良さそうです。詳しくは各大学のHPや説明会でご確認ください。
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2025年8月27日
8月27日の各種報道によりますと、大阪府教育委員会は府立高校2校を2027年度から募集停止する方針を示した、とのことです。
今回対象の2校のうち、一つは門真市の「門真西高校」。1977年人口急増期に108番目の府立高校として作られた比較的歴史の浅い学校です。今年入学したのは49期生となります。大阪府で自動車やバイクの運転免許を取得した方はご存知の「門真の運転免許試験場」のお隣にあります。鉄道の駅からはちょいと遠いのが玉に瑕ですが、広いグラウンドと4階建ての校舎に各種特別教室も完備と学習環境の整った学校です。
しかし、2020年度入試から定員を下回り、2023年度からは定員を240名から200名に減らしたにもかかわらず196名出願とぎりぎりの定員割れ、その後も出願数が定員を上回ることなく、2025年度入試では200名募集に対して140名出願とかなり厳しい状況が続いています。
もう一つは「懐風館高校」。1971年に開校した府立羽曳野高校と1978年に開校した府立西浦高校を統合する形で羽曳野高校の校地に開校した懐風館高校は2009年開校ですので、今年入学した1年生が17期生と、新しい学校です。この段階の統廃合も地域の人口減少によるものですが、その後も人口減少が続き、2018年入試で志願者数が募集定員を17名、2019年度入試では13名下回りました。2020年度入試では9名を上回り、ホッとしたのも束の間、2021年度から定員割れが続き、2025年度募集は定員を240名から200名に削減したにも関わらず、出願が67名と大きく定員を下回ってしまいました。
2027年度からの募集停止が正式決定となれば2029年3月で在校生がいなくなり、人口10万人の羽曳野市から高校が無くなることになります。因みに人口でほぼ同規模でお隣の富田林市には府立3校、私立2校の合計5校の高校があります。羽曳野市は子どもが少ないのでしょうか?また調べてみます。
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2025年8月26日
私立高校美術展でも毎年多くの素晴らしい作品を出品している金光八尾高校でコース改編が行われます。現状では総合進学コースとして入学した生徒が、2年進級時に美術コースを選択する事ができますが、次年度から入学段階から美術コースが設置されることになりました。今までも数々の美術系大学への進学実績を誇るこの学校の美術コース、いかがでしょうか。
ところで、高校進学後に希望が変わる可能性があるので、高校入学時から美術コースに決めるのもどうかな、とご心配の皆さん、実は高2進級時にコースを選び直すことも可能だそうです。美術に興味のある受験生は一度詳しく説明を聞いてみましょう。
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2025年8月25日
数年前までは、公募制推薦では面接もあり、一般選抜の日程も文科省のガイドライン通り2月1日以降に行っていた甲南大学ですが、公募制推薦では面接を廃止し、マーク式の学力試験に加え調査書や志望理由書にも配点をつける、という方式に改善されました。受験生の立場からすると志望理由書を作成する必要はありますが、面接廃止とマーク式という変更は受験しやすくなったわけです。
さて、2025年度入試で、首都圏では一般的ではなかった公募制推薦を東洋大学などが導入したのをきっかけに、文科省が改めて「学力検査は2月1日以降」という原則を順守するように各大学に要請しているようです。簡単に言うと、年内に学力検査だけで合否を決めるのはダメよ、というわけです。2026年度入試から公募制推薦では学力検査だけではなく、志望理由書など他の資料を加えて判定する「総合型選抜」にする大学が増えているのはそのためです。
再び甲南大学の話に戻りますが、甲南の公募制推薦は元から「総合型選抜」なので、変更する必要はありません。ある意味時代の先取りをしていた、ということになりますね。詳しくはこちらのセミナーで確認しましょう。
もう一つ気になる「2月1日以降」の原則に関し、甲南大学の一般選抜は去年から1月30日開始となりましたので、ここは厳密にはアウトとなります。しかし関西では多くの大学が1月末から入試を始めており、今さら日程変更を行うと試験会場の確保が難しくなります。ここからは私の予想ですが、もし2月1日原則を全大学に当てはめようとすると、受験機会が減少するという点で受験生にとって大きなデメリットとなるため、文科省も慎重にならざるを得ないのではないでしょうか。
少なくとも各大学の募集要項が出てしまっている2026年度入試に関しては従来通りです。受験生の皆さん、心配せずに勉強しましょう。
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2025年8月22日
大阪府の公立高校入試では、英語の外部検定を利用する制度が2017年から導入されています。出願時に証明書類が用意できる外部検定があれば、その級やスコアに応じて、英語の点数が保証されるというものです。
例えば英検2級を持っていたら、満点の80%(一般選抜なら満点は90点なので72点)か本人が取った点数の高い方が英語の得点となり、それを含めて合否判定されるという仕組みです。
導入初年度の2017年度入試では、この制度を利用したのは334名。この時の公立高校出願数は5万件を超えていましたので、利用率は僅か0.7%でした。しかし年によっては主に難関校が採用しているC問題(発展的問題)の合格者平均が半分前後となる難しさなので、この制度を利用したほうがお得、というわけで年々利用者が増えていきました。そして2025年度入試では全体では11.8%、TOP10高に関しては66.6%の受験生がこの制度を使うようになりました。
府立最難関とされる北野高校ではなんと出願者407名のうち394名(96.8%)がこの制度を利用しており、その中の47名は英検準1級以上に相当する「資格①」で出願しています。この47名の英語は90点満点だったわけです。
この制度はあと2年は続きますが、現在の中学1年生が受験する2028年度入試からはその「読み替え率」が10%ずつ下がり、資格①では90%、資格②で80%、資格③で70%と変更される方向で議論されています。しかし、それでもお得だと思います。因みに現行制度ではこの外部検定の有効期間は設定されていませんので、早めの取得がお勧めです。
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2025年8月21日
昨日は大阪の「私学展」での活況をお伝えしましたが、大阪府を含む近畿圏の私立高校専願率について、開成教育グループ生の変化を調べてみました。
ご覧のように、大阪府の専願率は確かに上昇しています。コロナ禍直撃の2021年度入試に35.0%という異常値となりましたが、2025年度はそれも超えています。
兵庫県は逆に低下傾向です。公立高校の平均倍率低下によって、ひとまず公立を受験しておこうかな?という層が増えたのでしょうか。
京都府はあまり変わらず、といったところです。予定されている公立高校入試制度の変更がどのような影響を及ぼすのか注目です。
公立高校の大きな再編が行われた奈良県では2019年頃から公立を回避する動きにより、早めに専願率上昇がみられましたが、大阪と同じく2021年度入試の急増の後、落ち着いています。
公立王国(?)の滋賀県では少しずつ専願率は上がってきてはいますが、他の府県と比べるとかなり低い割合となっています。
2026年度入試では、昨日のべたように大阪府ではさらに専願率が上がりそうです。現在議論されている私学も含めた国庫負担による高校の修学金支援制度(高校無償化)が全国で導入された場合、他の府県にも影響が出ると思います。今後の情報には注意が必要でしょう。
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2025年8月20日
大阪府では段階的に「高校授業料無償化」が導入されており、今年の中3生は、高校入学時から無償となる初めての学年となります。従来、公立高校と私立高校では授業料だけで50万円程度の差がありましたが、どちらも無料、つまりその差が無くなることになります。その影響もあり、各私立高校のオープンキャンパスの来場者は増えているという情報も入ってきましたが、8月16日、17日に開催された大阪府私立高校の合同の入試説明会「私学展」でも多くの来場者を集めたようです。
コロナ禍によって来場制限が行われた2022年までの数字は参考にならないので、2023年からの3年間の全体来場者数を調べてみました。(※来場者数は来場「中3生受験者数」ではなく、保護者や中2以下の学年も含んでいますが、例年同じ数え方ですので、比較としてご覧ください。)
ご覧のように大きく増えています。この増加は中3生の数が増えているためか?と疑われるかもしれませんが、実は2023年に受験生だった2008年の大阪の出生数は7万7千人、今年受験を迎える学年が生まれた2010年の出生数は7万5千人でした。学年と出生年は3か月ずれていますし、出生後の流出・流入は考慮していませんので不正確ではありますが、中3生がここ3年で減少していると考える方が自然です。従って高校で私学に興味を持った受験生の割合が増えていると見られます。今後の進路希望調査なども参考に、私学の難易度の変化にも注意していきたいと思います。
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2025年8月19日
夏期休暇が明けていきなりですが、大阪府公立高校に関する大きなニュースが飛び込んできました。
「府立高校の再編を進めている大阪府教育庁は、少子化に伴い、府立高校の数を今後15年間で現在の136校から104校程度に減らすことが適正だとする試算をまとめたことが府関係者への取材でわかりました。」
(NHK 関西NEWS WEB 8月18日 12:25配信 より)
大阪には国立や東大阪市立など府立以外の公立高校も合わせると145校ありますが、その内全日制の府立高校は136校あります。今回の報道によるとその内の23.5%に相当する32校を減少させる、との試算結果が発表されたようです。新たに工業系や多様な学び支援など新たな高校を新設する構想もあるようですから、実際には32校以上の高校が募集停止になる、ということになります。
2025年度入試では大阪府公立高校の約半数で志願者数が募集定員数を下回りました。大阪府には3年連続で定員を下回った学校を統廃合の検討対象にするという条例がありますから、今後募集停止となるのは現状で既に3年連続定員下回っている学校から検討となる可能性が高いかもしれません。
今後も15歳人口は減少していきますので、致し方無いのかもしれませんが、この方針によって高校が無くなってしまう地域が増えることに、一抹の寂しさを覚えてしまいます。
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2025年8月7日
いつも「学校選びの道しるべ」をご愛読いただきありがとうございます。このブログは個人の趣味で好き勝手に書いているとお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、まあ、好き勝手の部分は否定しませんが、実は社内審査を経て掲載されています。モノによっては数日かけて内容を吟味されています。
会社全体が夏季休業期間に入りますと、この体制が取れないためブログの掲載ができなくなるというわけで、しばらくのお別れとなります。皆様におかれましては猛暑の中無理をせず、ご自愛をお願い申し上げます(と書きながら、高校野球の近畿勢を応援するために甲子園には行く予定。さらに大阪関西万博の大学の出展もチェックしに行くつもりです。ちょっと待っとけや!ミャクミャク。)
本ブログを楽しみにしていただいていた皆さんには申し訳ありませんが、次回の掲載は19日or20日となります。引き続きよろしくお願い申し上げます。
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