2016年5月10日
今回は医学部(医学科)の合格実績に注目して整理してみました。学校の規模の違いによる有利不利を無くすために、今回も卒業者数を分母に、医学部医学科合格者を分子にして「占有率」を求め、ランキングを付けてみました。

ご覧のように上位13位までは中高一貫校がメインの私立高校が独占しています。それに肉薄するのが堀川、北野、膳所、天王寺、神戸、長田と京都、大阪、滋賀、兵庫の公立トップ校が続いています。国公立の医学部(医学科)はセンターのボーダーが高いうえに2次試験でも厳しい戦いになりますので、高校内容を先取りする事ができる6年一貫の私立の方が有利になると考えられます。また医学部は他の学部よりも早くから志望が固まっている受験者が多いという特徴もありますので、中学入試に臨む段階から医学部進学を想定している小学生が、医学部への合格者が多い中学に集まるという効果が表れているのかも知れません。

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2016年5月9日
こちらのエントリー「立命館附属中高合同説明会のお知らせ」でご紹介をしました、立命館附属中高合同 学校説明会・相談会が2016年5月7日(土)に京都市勧業館みやこめっせにて開催されました。

当日の説明会は、午前の部で中学校を、午後の部で高校を説明する二部構成となっており、また同会場内の別ブースで学校別の個別相談会も開催されるということで、朝早くから数多くの生徒さんや保護者のみなさんがご来場になられておりました。

午前の部の中学校の説明会では、立命館宇治中・立命館守山中・立命館中の順で説明が行われました。トップバッターの立命館宇治中は、アクティブラーニングなど多様な取り組みを具体的に紹介しながら、学校の特徴を説明されていました。続いて立命館守山中では、生徒一人ひとりの習熟度に合わせた学習を行うことが可能となる独自のシステム「RICS」を用いたアダプティブラーニングの説明が印象的でありました。最後に登場された立命館中は、やはり2014年に長岡京キャンパスができたことを受け、施設面・立地面の良さをしっかりとアピールされておられました。
午後の部の高校の説明会でも、並びは同じく立命館宇治高・立命館守山高・立命館高の順で説明が行われました。まず立命館宇治高は、在籍生・卒業生ともに国内外問わず活躍している方が多く、大学卒業後の就職率も非常に高い(理系学部に進学し卒業した生徒は100%の就職率!!)ことを紹介されていました。次に登場された立命館守山高は、ICTを用いた学習の取り組みを映像を交えて紹介され、中でも英語のみで行われる授業の様子が印象深いものに感じました。大トリの立命館高は、SGHとSSHの両方を持つ私立高は京都では立命館高だけで、特にSSHに関しては指定の始まった当初から一度も途切れることなく指定を受け続けられている、全国でも唯一の学校であると説明されておられました。
いずれの学校も立命館大の附属校であるという最大の特徴を活かしつつも、それぞれの学校にしかない魅力を存分にアピールされていたように感じました。これは説明会冒頭の挨拶にあった、単に大学の附属校として進学できる学校にしたくない、という法人全体の考えに基づいているものと思われます。各校ともその思いのもと、中高の段階から自分のための学習に留まらず、他者の役に立つ人材の育成へ向け、さまざまな体験を通じて感じさせていく環境を整えられているのだと思います。
最後に、これも冒頭の挨拶の中にあったのですが、説明会の話だけで学校を検討するのではなく、実際に学校に足を運んで自分の目で学校を見て感じて欲しいとのこと。今後、各校とも多彩なイベントで受験生のみなさんを迎えられていますので、お時間の許す限りご参加いただきたいと思います。
以上、立命館附属中高合同 学校説明会・相談会の様子でした。


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2016年5月7日
こちらのエントリー「大阪私立女子中フェア 2016」でご紹介をしました、大阪私立女子中学校フェアが2016年4月29日(日)に大阪新阪急ホテルにて開催されました。
当日は多くの女子小学生・その保護者(と塾などの関係者)がご来場になっており、大変「大盛況」となりました。
当日配布されていたグッズは次の写真のとおりです。

会場は「個別相談ブース・交流コーナー」と「学校パフォーマンス会場」の二つに分かれており、各校とも趣向をこらしたプログラムとなっていました。生徒・保護者と学校の先生がお話を進めることができる「ブース相談コーナー」や、各校の先生や在校生の皆さんと一緒に英会話や手芸などを行う「交流コーナー」は、たくさんのご来場者が列を作っておられました。また「学校パフォーマンス」会場も、ダンスやコーラスといった各校の熱のこもった演技に、大きな拍手がおくられていました。
当日は「とにかく女子中のことに触れてもらう」ということに関して、しっかりと行うことができた学校が多かったのではないでしょうか。今回、受験生・保護者に対して学校のアピールに成功した各校が、今後もきっちりとアピールを続けることができれば、来春の受験者増につながることでしょう。注目していきたいところです。

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2016年4月28日
新年度が始まって一か月が経ち、みなさんの新生活も落ちついてきたでしょうか。またゴールデンウィークも近づいていますので、いろいろと計画されているところかもしれません。
さて今回のエントリーでは、近畿地区の主な大学が5月に行うオープンキャンパス・進学説明会を一覧にまとめてみました。6月から夏休みにかけて各大学ともオープンキャンパスをたくさん開催することになっており、この時期はあまり目立った動きはないのですが、逆にゆっくりじっくり学校を見学することができるので、クラブやお出かけも良いですが、気になる大学があるようでしたら、是非参加してみてください。

受験はまだまだ先のことと思っている高3生の方もおられるかもしれませんが、夏休みを過ぎると受験勉強で忙しくなったり、様々な模試を受験したりで思うように大学を見学することができなくなります。また、今のうちから気軽に大学に触れることで、その学校の思わぬ魅力を発見し、受験に対するモチベーションが上がることもあります。自分の目でしっかりと確かめて、進路決定につなげてください。

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2016年4月27日
昨日に引き続き高校ごとの大学合格実績がまとまってきましたので分析してみました。
このリストは関関同立の4大学に加えて、近畿大学早慶上智などそれ以上、またはそれに準ずる首都圏・中京・九州の難関大学を加えた計16大学の合格者数を卒業者数で割った「占有率」の順に並べています。(この合格者数は「サンデー毎日」掲載の数値ですので、既卒生も含んでいます。)私立大学は一人で複数合格も可能ですので100%を超えた数値になります。

校名に黄色を付けているのは大阪府立で「文理学科」を設置している高校、いわゆる「Top10」と呼ばれる高校です。オレンジ色を付けているのはそれ以外の府立高校。ご覧のように5校がランクインしています。文理学科からは同志社大学の合格数が多いのに対して、(地理的に遠い岸和田高校以外は3ケタ合格!)それ以外の高校は関西大学や近畿大学で数値を伸ばしています。明星、付属池田、清風南海からは首都圏などの合格数が多く出ています。実際に何人の生徒が出した数値なのかはわかりませんが、比較的首都圏の大学に対する指向が強い高校だといえます。

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2016年4月26日
高校ごとの大学合格実績がまとまってきましたので分析してみました。
このリストは旧帝国大学の7大学に加えて、東京工業大学と一橋大学を加えた難関9大学の合格者数を卒業者数で割った「占有率」の順に並べています。(この合格者数は「サンデー毎日」掲載の数値ですので、既卒生も含んでいます。)
黄色を付けているのは大阪府立で「文理学科」を設置している高校、いわゆる「TOP10」と呼ばれる高校です。ご覧のようにベスト25位の中に見事に10校がすべてランクインしています。実際にはこの9大学以上の難易度である別大学の「医学部・医学科」への合格者や有名私大志向が強い生徒も居ますので、もっと多くの生徒が同レベルの大学に合格出来ることを表しています。
私立高校には「男子校」「女子高」「共学」の区別を付けていますが、女子高は大阪府下22校(来年度からは2校共学化しますので20校になります)のうち1校しかランクインしていません。女子は大阪府外の難関大学より自宅から通える範囲の大学を選ぶ傾向が強いのかも知れません。

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2016年4月25日
関西の大学が続きましたので、今回は東京の大学を一つ紹介します。JR山手線田町駅の近く、慶應義塾大学本部のある三田キャンパスに行ってみました。
緑が多く、落ち着いたキャンパスです。

さすが伝統あふれる建物が多くあります。これが慶應義塾の象徴ともいえる「図書館旧館」。1912年に建てられた国の重要文化財です。正面には福沢諭吉像が鎮座しています。中に入るとこれまた立派なステンドグラスがあって、「ペンは剣より強し」という意味のラテン語が書かれています。今は「メディアセンター」という新しい図書館に蔵書は移されています。
このもう一つ威圧的な建物は、「塾監局」と呼ばれる法人本部の建物です。中には塾長室というのもあるそうです。
新しい建物もあります。この建物は「大学院校舎」。ゼミ室が並んでいます。その左手には1875年建造の「演説館」という、これはさすがに非公開の建物があります。
このキャンパスの中で一番新しい建物がこの「南校舎」です。中にはホールやITルームなど最新鋭の設備を誇っています。
その入り口にこんなイベントの看板を見つけました。さすが慶應文学部にふさわしいイベントです。
学内を歩く大学生も、関西の大学と違って、かなり落ち着いているように感じました。

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2016年4月22日
「大学ランキング2017」(AERAムック)に公認会計士の合格者数ランキングが掲載されていました。
先に紹介した一級建築士よりも大学ごとの差が小さいように見えますが、大学の順位はあまり変化が無いようです。

2015年度のランキングです。(大学ランキング2017 AERAムック)より。
堂々の一位は慶應義塾大。何と41年連続で1位だそうです。もちろん慶應義塾大学商学部には会計研究室という、日商簿記試験や会計士試験の過去問を配布したり添削したりする付属機関があるそうですが、それ以上にダブルスクールしている生徒も多いそうです。また「公認会計士三田会」というOB組織まであって就職などでも有利なのだそうです。
旧三商大(現在の一橋大、大阪市立大、神戸大)はかつてこの分野の試験に強かったのですが、今ではベスト10には神戸大しか入っておらず、私立大学が8枠を占めている事から、公認会計士試験は人数と組織力が勝負だということがわかります。

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2016年4月21日
「大学ランキング2017」(AERAムック)に一級建築士の合格者数ランキングが掲載されていました。
大学の規模が違うのに人数で競い合うのは不合理なような気がしますが、ともかく人数によるランキングです。

2015年度のランキングです。(大学ランキング2017 AERAムック)より。
堂々の一位は240人定員の大きな建築学科を持つ日本大学です。その建築学科のホームページに、「建築学科は1920年の創設以来、わが国の建築教育の歴史の中で「私学の雄」としてゆるぎない伝統と実績を重ねてきました。教授陣には、構造、設計、計画、環境など幅広い分野のスペシャリストをそろえ、他大学に例を見ない充実した体制の中で建築の専門知識を学びながら、後世に残る「ものづくり」の楽しさや喜びを体感できる教育を行っています。」とうたっているように、組織的に建築士の資格取得を目指した教育が行われているようです。
2位の東京理科大学、さすが日本最古の私学(東京物理学校、東京物理学講習所時代も含む)だけあって長い歴史の中で何故そうなったのかわかりませんが、工学部と理工学部の両方に建築学部があります。従ってこの人数は両方の学部(キャンパスも別の場所)の合計数ですので大きく見えます。
さて、関西の有名私大である関関同立ですが、このランキングに入っていません。実は関西大が11位(45名)立命館大が45位(21名)とありますが、同志社大と関西学院大はランキングに入っていません。これは単に建築学を専門に扱う学科が無いからです。
10位の京都工芸繊維大学にも建築学部や建築学科はありませんが、工芸科学部の中の造型科学域というところでデザインや建築を学ぶ定員110人のコースがあります。名前が「建築」とか「設計」とついていないのでわかりにくいのですが、ご覧のように多くの人が一級建築士の試験に合格しています。建築士を目指す人はこういったランキングも参考に大学を選んでみては如何でしょうか。

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2016年4月20日
「大学ランキング2017」(AERAムック)に国家公務員の合格者数ランキングが掲載されていました。
その中で、高級官僚の候補生といわれる「国家公務員総合職」(実質はかつて「国家一種」と呼ばれていた試験)の合格者ランキングです。昨年度の平均倍率も13.2倍でした。採用試験の最難関といえるでしょう。

やはり、入試で多くの科目が課されている旧帝国大学系が圧倒的に強いです。ベスト10のうち、5大学が旧帝国大学に占められており、ベスト15まで広げて見ると、7つの旧帝国大学がすべて入っています。理系の大学もランクインしているのは、工学や化学、生物などの専門分野別に合計200名弱の合格枠があるからです。それにしても東京大学は強いです。1,367人の合格者のうち約三分の一が東大生という計算になります。
さらにその中で最難関といわれる外務省総合職のランキングを見てみましょう。

ここまで来ると、法律や政治の知識や能力と圧倒的な語学力が要求されます。そう思ってこのランキングを見ると、国立は2次試験の、私立は一般入試の英語の長文が特に長くて難しい大学が占めているようです。おそらくこのレベルの試験になると、大学で1~2年程度試験勉強した程度では通用せず、それまでに身に付けていた能力も総動員することになるのではないでしょうか。

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