2024年3月5日
昨日から大阪府公立高校の出願が始まっていますが、今年は例年と大きく様変わりしそうです。大阪府独自の高校授業料無償化の影響からか、私立専願が増えたというのもあるのですが、今年は私立高校を併願受験したにもかかわらず、公立出願せずに私立への入学手続きをしている受験生が増えている、という話も聞きます。
2017年度以降の公立高校の志願状況を地域ごとにみてみましょう。大阪府教育庁の統計と異なり、文理学科やエンパワメントスクール、ステップスクール以外の総合学科や単位制の高校なども含めてカウントしています。
【旧1学区】
阪急沿線の旧1学区は平均倍率が例年高くなる地域です。2022年度を最後に募集停止した島本を除くと、例年定員を割っているのは2校程度でした。しかし今年は中堅校も含めて4~5校が定員を下回りそうです。
【旧2学区】
京阪沿線のこちらの地域では募集停止した茨田を除くと、2017年度には2校、2018年には1校、2019年度には3校が未充足と、落ち着いた状況でした。しかし2020年度には8校、2021年度には7校、2022年度には8校と、無償化以前から定員未充足校が増え、2023年度には4校と一旦落ち着いたように見えましたが、今年はどうやら過去最高の10校を超える可能性がでてきました。
【旧3学区】
近鉄沿線の旧第3学区は募集停止のかわち野、美原、平野以外での未充足校は2017年度には無く、2018年度には2校、2019年度には4校、2020年度には3校という落ち着いた動向でした。しかし2021年度には10校となったため定員調整が行われ、2022年度には5校、2023年度には4校という状況に落ち着いていました。しかしこちらも周辺私立の状況を考えると今年は未充足校が倍増するかもしれません。
【旧4学区】
南海沿線のこの地域は15歳人口の減少に伴い、公立高校の定員減少が最も大きくなっています。今年度の定員合計は2017年度と比べると約14%減となっています。未充足校数の推移は募集停止の泉鳥取を除くと、2017年度1校、2018年度から2023年度までは3校~4校、という状況でした。しかし、ここでも中堅校も含めて例年の倍以上の学校が定員を下回りそうです。
大阪府教育庁発表から明後日に発表される数字で答え合わせをしたいと思います。
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2024年3月4日
(昨日の続き)
法学部
昨年は例外でしたが、近年は安定して2倍程度の実質倍率で推移しています。
社会学部
去年の入試統計を見て、狙い目だ!と思っていましたが、一転してどちらの学科も2020年度水準まで高くなっています。今年の受験生にとっては厳しい結果となりました。
経営学部、経済学部
経済学部が2020年度水準になっています。逆に経営学部が2022年度の高倍率で警戒されたのでしょうか、今年もそれほど出願は伸びなかったようです。
ビジネスデザイン学部
募集を開始した2019年度には4倍以上でしたが、ここしばらくは落ち着いた倍率となっています。
今回はまだ合格最低点は公表されていないので、紹介できるのは倍率のみの推移ですが、年内入試からの入学手続き率の影響を受けるなど一般選抜での倍率の乱高下はこの大学に限らず考えられるものです。次年度以降の受験生は志望する学部だけを狙うのではなく、隣接分野も併願日程の中に入れるようにした方が良いでしょう。
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2024年3月1日
大阪府南部、和泉市にある桃山学院大学は、関西人ならご存じタージンの母校、といえば楽しそうなイメージになりますが、くら寿司の創業者社長である田中邦彦氏や王将フードサービスの現社長渡邊直人氏などビジネス界の大物も輩出するなど、国際系、ビジネス実務にも強いとされる大学です。2019年度のビジネスデザイン学部の開設、2022年からの社会学部社会福祉学科からソーシャルデザイン学科への変更、2025年には桃山学院教育大学を吸収する形で人間教育学部の設置を予定、理工学部の設置も構想中など、進化が続いている大学です。
今年の入試統計の速報が公表されましたので、かつてはA日程といわれていた一般選抜(前期)の実質倍率の推移についてまとめてみました。
まず、全学の平均値。
入試の回数や年内入試へのシフトなどで簡単に比較はできないのですが、2020年度入試から低下が続いていた平均倍率が今年大きく跳ね上がっています。
国際教養学部
コロナ禍以降、どの大学もこの分野は志願動向が低めになっていますが、桃山学院大学でも影響が有ったのかもしれません。(続く)
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2024年2月29日
昨日まで関西大学の入試統計について紹介しましたが、ひとまず関西大学ってどんなところだろう、という高校生もいらっしゃることでしょう。
そんなあなたのために、3月にオープンキャンパスが開催されます。
全体的な説明はもちろん、キャンパスツアーや220万冊の蔵書数を誇る図書館見学、保護者対象説明会など盛りだくさんな企画になっているようです。2025年に開設予定の「ビジネスデータサイエンス学部」についても教えてもらえるかも。
参加者登録制となっています。ご覧の二次元コード、または大学HP(Kan-Dai web)をご覧ください。
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2024年2月28日
関西大学の理系学部は実質倍率と合格最低得点率に相関があり、人気が高い募集単位の定員をもっと増やせばいいのに、と思いますが、そんな簡単なものではないのでしょう。
それはさておき、今年の最難関は環境都市工学部の建築学科でした。得点率2位のシステム理工学部電気電子情報工学科を5%以上引き離してぶっちぎりのトップです。近年理系の情報系学部の人気も上昇中ですが、ものづくりに関わりたい受験生が増えるのも喜ばしい事です。一方で環境都市工学部のエネルギー環境・化学工学科や化学生命工学部の化学・物質工学科、システム理工学部の物理・応用物理学科の3つの募集単位は、昨年に続いて実質倍率、合格最低得点率共に落ち着いた状況となりました。こちらも就職も含めて将来性のある分野だとは思うのですが・・・
というわけで、次年度受験生となる皆さんは、これらの入試データも参考に、志望学部・学科を組み立ててみましょう。
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2024年2月27日
2月で一般募集が終了した関西大学から、入試統計が届きました。今後補欠合格が発表される可能性がありますが、ひとまずの速報値となります。
これを元に、合格最低得点率の、2月1日から7日の全日程の平均値と実質倍率の相関をグラフに表してみました。
今年は文系で最も合格最低点が高かったのは外国語学部。3か年通して実質倍率、合格最低得点率共にほぼ変動はありません。一方で今まで高め安定だった社会学部に異変が生じています。2022年度には69%を超える得点率が必要でしたが、2023年度には61%と急落、今年は実質倍率が5.8倍に急増しましたが、合格最低点はほぼ同じ。つまり高学力層が戻ってきていない様子がわかります。
昨年、文系で最高倍率と厳しい入試になった法学部ですが、今年は2022年ほどではないにせよ、合格最低得点率は62%、実質倍率も4倍と落ち着いた状況になっています。
近年は教員養成系の志願者が全体的に減少していますが、関西大学でも例外ではなく、文学部の初等教育学専修は昨年度よりも実質倍率、合格最低得点率共に低下しています。(続く)
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2024年2月26日
昨年もこのエントリー【女子に限らず】武庫川女子大学 建築学研究科 作品展/建築学部 卒業設計展【見てみましょう】 « 学校選びの道しるべ|開成教育グループ 入試情報室 学校・入試情報ブログ (kaisei-group.co.jp)で紹介した武庫川女子大学の建築学部ですが、今年も作品展、卒業設計展が開催されます。
一畳分の製図台が占有できるという恵まれた演習環境と、大学院卒業と同時に一級建築士資格が手に入るカリキュラムが自慢の武庫川女子大学建築学部ですが、そこで磨き上げられた学生さんたちの実力も素晴らしいものです。と文章で書いても伝わりませんので、学年末試験が終わったら、阪神香櫨園駅(こうろえん=阪神西宮駅の隣の駅)近くの西宮市民ギャラリーまでお出かけください。
因みに、3月23日には建築学部のオープンキャンパスも開催されます。詳しくは大学HPをご確認ください。
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2024年2月22日
【国際・グローバル系】
以前は人気も高く、難関だった国際文化科や英語科などの、国際・グローバル系の学科だけ取り出して集計してみました。今年の希望調査では0.99倍と約半数の学校で第一志望者数が定員を下回る状況となっています。いちりつでは定員を1クラス40名にまで絞りましたが、現段階での第一志望者が23名と厳しい状況となっています。普通科から回し合格で国際文化科、といったケースも発生しており、普通科の志願状況にもマイナスの影響が出ています。大阪府の教育庁には高校の統廃合よりも先に学科の再編を検討して頂きたいと思います。
現段階で希望者が定員を下回っている学校を志願している場合、これで安心だと思ってはいけません。高倍率になっている学校からの志願変更による流入は十分考えられますし、たとえ志願倍率が1倍を下回ったとしても高校入学後は中学校までの基礎学力も重要となりますので、入試に向けての最後の仕上げには手を抜かないようにしましょう。(終わり)
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2024年2月21日
【旧4学区】
こちらでは、地域平均の昨年比較で1.31倍から1.06倍と大きく低下しています。上位校の定員増の影響もあり、中堅以下の高校の志願者減となっています。ここから調整が入るとしても、落ち着いた倍率の学校が増えそうです。(続く)
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2024年2月20日
【旧3学区】
旧学区の平均では昨年の希望調査の1.29倍から1.07倍と大きく低下しています。この学区は昨年から3校の募集停止に伴い480名の定員減もあり、トータルでも140名分定員減少したように見えますが、実際にはこの3校を志願したのは332人でしたので、実質的には定員が増えていると考えられます。従って中堅以下ではかなり落ち着いた倍率になると考えられます。(続く)
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