2024年1月10日
このエントリーでも何度かご紹介した大阪市旭区の常翔学園中学校についてです。中学校からの募集は、スーパーJコース約25名、特進コース約100名の合計約125名になります。しかし、1月5日14時30分段階で既にA日程124名、B日程238名、C日程199名、J日程165名の合計726名が出願しているという活況ぶりです。
13日から入試が始まるわけですが、実は次の学年向けの募集イベントのご案内をいただきました。2月4日(日)の枚方会場を皮切りに8日程7か所で説明会が開催されます。中学入試が終わり、高校入試はまだというタイミングで、しかも高3生の進路決定で超御多忙なこの時期、先生方のお体も心配になってしまいます。しかしこの先生方の熱意と活動が急上昇を続ける大学合格実績や募集面での活況ぶりの原動力なのでしょう。頭が下がります。
この説明会はすべて事前申し込み制となっています。現小3~5年と保護者の皆さん、学校HPからお申し込みください。
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2024年1月9日
奈良県奈良市の奈良教育大学の南、高円芸術高校のちょっと南の丘の中腹に、ゆったりとした校地を持つ奈良佐保短期大学は、奈良女子大学および奈良女子高等師範学校の同窓会組織である「佐保会」によって1931年に作られた各種学校を元に1965年に開かれた短期大学です。食物栄養や幼児教育、生活福祉といった就職に直結する専門分野で定評があり、附属幼稚園を3つも運営しています。
しかし、短大の収容定員360名、募集定員180名に対して2023年度入学者数が77名と厳しい状況となり、2024名入学者についても、例年2月、3月に実施される一般選抜からの入学者が5%にも満たない状況から、年内入試でほぼ大勢が判明したとの判断でしょうか、12月23日の理事会で2025年度からの募集を停止すると決定されたようです。社会人や留学生の受け入れなど様々な手を尽くしたにもかかわらず、残念な結果となりました。
地域に愛された伝統校が消えることとなり、寂しいかぎりです。
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2024年1月5日
2024年はどのような年になるのでしょうか。現状を踏まえ今後の入試について私なりの考えを書いてみたいと思います。
大学受験では旧指導要領世代の最後の入試を迎えるわけですが、私立大志願者の半分以上が既にどこかの合格切符を持っているという状態ですのであまり悲壮感はありません。国公立も含めて強気な今の高校3年生、最後まで戦う受験生も多いようです。次の高校3年生(現時点の高校2年生)はコロナ禍による影響を中2の時から受けた学年ですが、高校入学時から授業や学校行事もほぼ正常化したのも影響しているのでしょうか、生徒間の人間関係、学校との信頼関係も含めて昔に戻ってきたように感じます。大学受験は各種推薦系入試の広がりもあり、早期決着の傾向が年々強くなってきましたが、この学年からは専門分野や受験校選びに十分時間をかけた上で、2025年度入試では総合型選抜の利用が増える一方で指定校推薦を利用しない受験生が増えるような気がします。
高校受験について、全国的にはそれほど大きな動きはありませんが、大阪府に関しては「高校授業料完全無償化」のニュースによって受験生がどのように動くのか注目です。因みに大阪府の中3生の人数は、昨年の約66.800人から今年は約66,500人と300人ほど減少しているのに対し、大阪府下の公立高校の定員は増加していますので、定員割れとなる公立校が増えるのではないでしょうか。今の中1年は高校入学時点から完全無償化になる学年ですから、私立専願者の増加などの動きも考えられます。
中学受験に関しては、近畿圏に関してはあと半月ほどで答えが出るのですが、12歳人口の減少に対し、中学受験に参加する子どもの割合が上がるため、実人数としてはほぼ変わらないと思われます。但し、現在の小5、小4の学年では受験熱が高まってきていますので、次年度以降の増加が考えられます。首都圏では都内の私立中学校の定員合計よりも中学受験に参加する人数が2020年度以降超過するという過熱ぶりですが、この傾向はさらに強まってくるのではないでしょうか。
などということを、この冬は不作だったそうで職員の皆さんでも手に入らなかったという貴重な「近大みかん」をいただきながら考えていたのでした。公募推薦での出願が5万件を超えた近畿大学にあやかりたいものです。

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2024年1月4日
新年あけましておめでとうございます。ついに2024年辰年のスタートです。お正月といえばお祝い一色で迎えたかったのですが、1日の大地震に2日の航空機事故と騒然としたスタートになってしまいました。被害にあわれた方々へのお見舞いを申し上げます。
お正月ということで、去年と今年の干支にちなんだ大学のマスコットキャラクターのお話を。大人の事情で画像はありませんのであしからず。
うさぎ系
武庫川女子大学 ラビーちゃん。細身でシンプルなノンスリーブのワンピースを着た2足歩行する黒うさぎです。設定として、趣味はスポーツ、海外旅行、読書、音楽を聞いたり絵を描いたりダンスしたり・・・。バイトはしなくても良いのね。大学最寄りの阪神電鉄鳴尾駅にはLavy’s caféという名前のついたカフェまであります。デザイン的に横顔が多いのですが、かぶりものになったのを正面から見たら、ちょっと怖かったです。
法政大学 えこぴょん。環境問題解決のために世界で活躍しているという壮大な設定ですが、オレンジ色のうさぎ型のかぶりものをした小太りのおっさんのような姿をしています。ぬいぐるみが法政大学の生協で売っていますが、ネットで買うこともできます。
千葉工業大学 チバニー。右目が「チ」、左目が「バ」、鼻と口を合わせて「工」、で表現されている2足で直立しているうさぎです。文字で紹介すると妖怪のように感じるかもしれませんが、結構かわいいです。基本色は白ですが、学部学科によって色が変わります。
千葉大学 ニシ。これは大学のキャラクターというより、千葉大学西千葉キャンパスのキャラクターです。キャンパスが南北に長いので、縦に長いうさぎです。
竜系
龍谷大学 ロンくん、ロンちゃん(併せてロンロン)。「龍」の中国語読みからロン。麻雀とは関係ありません。2010年に創立370周年記念事業の一環として大学が公式に作成したキャラクターです。370周年という数字の大きさで情報がかすみそうですが、ロンくんはスポーツ観戦が好きな行動派の男の子、ロンちゃんは読書と博物館めぐりが好きなしっかり者の女の子、という設定がなされています。もしかしてロンちゃんは文系最難関の文学部歴史学科日本史学専攻に在籍か?
東北大学 りゅーたん。こちらは大学全体ではなく、東北大学流体科学研究所のキャラクターです。右手にずんだ餅を持ち、しっぽの先が赤い(火が付いている?)緑色の丸っこい竜です。「りゅーたんの部屋」というサイトでは流体力学について真面目な説明が聞けます。
流通科学大学 りゅうか。名前に「りゅう」とついていますが、耳を短くしたうさぎとねことしろくまを足して、そのまま顔は2倍、それより小さい胴体に青と白シマシマのしっぽが生えているという、竜とはかけ離れた姿です。大学構内に住んでいて、新入生が困っていると優しく寄り添ってくれる、という設定ですが、寄り添うだけではなくて、ちゃんと相談にのってほしいです。
とまあ、大学側もいろいろと考えているのだなと、感心した次第です。
今年もよろしくお願いします。

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2023年12月28日
【出願5000~10000件の5大学】
この規模では、武庫川女子大学以外の4大学は2020年度比で1を超えています。公募型推薦のリニューアルや学部改編によって志願者数が増えているようです。コロナ禍の影響を大きく受けた関西外国語大学も今年度は2020年度比で1.04と受験生が戻ってきた様子がわかります。
【出願10000件以上の5大学】
この5大学をひとまとめしましたが、実数では近畿大学の志願は5万件以上あるのに対し、摂南大学、京都産業大学は1万件台と規模には差があります。
ご覧のように、志願者数日本最大の近畿大学、学部改編や移転で話題性のある龍谷大学、こちらもキャンパス移転から学部増設・改編で勢いのある追手門学院大学が順調に志願者を伸ばしています。一方で摂南大学と京都産業大学はほぼ横ばい状態となっています。ところで、このような状況の中で龍谷大学が公募制推薦で追加合格を出しているようです。年内に入学者を確保しようということでしょうか。そうなれば一般選抜での合格者数が絞られる可能性もありますので、学部や学科の幅を広く出願することをお勧めします。
さて、本日で年内のブログ更新は最終となります。この1年間お付き合いくださりありがとうございました。皆さんにとって来年がさらに充実した輝ける年になりますこと、心よりお祈り申し上げております。よいお年をお迎えください。次回の更新は1月4日の予定です。
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2023年12月27日
各大学についてここで推薦系の入試の志願状況や合格状況を紹介してきましたが、確定数が判明した近畿圏の20大学について、志願状況だけをまとめてみました。
2020年度の出願数を1として、この5年間どのような推移であったのかを、出願数の規模別に5大学ずつ分けて紹介します。
【2024年度出願2500未満の5大学】
比較的規模の小さいこの5校についてです。昨年度入試で一般選抜による入学者が1割ほどだった京都外国語大学は一人が複数回出願可能な公募型推薦ではなく、指定校や総合型選抜へのシフトが考えられます。同じ動きが大阪商業大学や京都の大谷大学にもみられます。
【出願2500~5000件の5大学】
今年から公募制推薦を大きくリニューアルした甲南大学が2020年度比3.19倍という異常値となっていますので、縦軸の目盛りが先のグラフと大きく異なります。
教育系、医療系で定評のある畿央大学は2020年度比で0.57と、こちらも一人1出願の入試にシフトしている状況が考えられますが、全体的に教育系の志願者が減少しているのも影響しているのかもしれません。この規模では、甲南と畿央以外の3大学はいずれも2020年度比7割以上と公募系の入試が機能しているようです。(つづく)
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2023年12月26日
このブログをお読みの大学受験生の皆さん。そう、そこのあなた。喜んでください。あなたはラッキーです。近畿大学の公募制推薦が終わり、合格者も確定した今だからこそお伝えできる情報を入手しました。近畿大学を一般選抜で受験するなら知っておいた方が良い情報をこっそりお教えします。
【文系】
まず、学部単位でいえば、国際学部と法学部が一般選抜でねらい目となりそうです。国際学部の公募スタンダード方式で、グローバル専攻は合格最低得点率が65%と低くなっています(例えば文学部の英語英米文学専攻は78.5%)。法学部も合格最低得点率が69%(昨年74%)と低くなっています。
また、経営学部の中では会計学科とキャリア・マネジメント学科が経営学科や商学科に比べて低く、経済学部の中では国際経済学科と総合経済政策学科が経済学科に比べて5%ほど合否ラインが低くなっていました。
文芸学部の中では文化デザイン学科、総合社会学部の中では環境・まちづくり系専攻が心理系よりも4%低くなっていました。
これらの学部や学科、専攻を一般選抜の早目の日程で加えておくことをお勧めします。
【理系】
学部単位では、東大阪ではないのですが、生物理工学部、工学部、産業理工学部が例年通り合格点は低めとなっていました。和歌山の生物理工学部では人間環境デザイン工学科や食品安全工学科、生物工学科、遺伝子工学科の合格最低得点率が4割を下回っており、たとえ1教科で大きく失点しても合格できそうなラインとなっています。和歌山なら大阪から通学圏内です。
東大阪の理工学部の中では、理学科の化学コース、応用科学科、社会環境工学科、エネルギー物質学科がねらい目です。
奈良の農学部の中では農業生産科学科、生物機能科学科の合格ラインは低くなっており、公募でも55%ほど得点できれば合格できたようです。因みに水産学科は7割近くの得点が必要だったようです。近大マグロは高嶺の花子さんです。
もちろん興味・関心のない分野への受験を無理に勧めているわけではありません。但し、学問というのは幅広く、隣接分野なら研究対象が多少異なっても、その手法や習得できるアカデミックな知識では重なる部分もあります。学部内併願を考える場合の参考にしてもらえればと思います。
ところで、この「狙い目情報」ですが、世間に行き渡りすぎると競争相手が増えてしまって序列が変わるかもしれません。仲の良いお友達だけにこっそりと知らせる程度にしておいてください。

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2023年12月25日
昨夜ルドルフ達&サンタ様御一行が通過したと思いますが、屋根に穴を開けられる等は御座いませんでしたでしょうか。
それはさておき、いよいよベスト3の発表です。
いずれも3か年平均で募集定員を充足している3大学となります。
第3位 京都女子大学
新しい建物が完成し、学習環境も抜群。2023年度にはデータサイエンス学部を立ち上げるなど、伝統に甘えることなく改革にも取り組んでいます。女子大には珍しい法学部も安定した入学者がいることで3位となっています。
第2位 同志社女子大学
この大学も3年間募集定員を割ったことがありません。看護学部と薬学部は他大学同様定員充足しているのですが、表象文化、現代社会、生活科学、学芸(音楽学科も含む)いずれも多くの受験生を集めており、隙がありません。
第1位 梅花女子大学
その昔から英語教育で知られていた梅花女子大学ですが、国際英語に加えて、情報メディアや日本文化の各学科も人気、他大学が苦戦している教育系でも「心理こども学部」と心理を頭に持ってきてイメージアップ、もちろん看護保健学部も好調、というわけで、3か年平均では第1位となりました。毎年梅田で行われる「うめコレ」という大規模な中高大合同の募集イベントやテレビCMなど生徒募集に対する姿勢の違いが感じられます。
11位以下について今回は公表をひかえますが、コロナ禍で逆風を受けた国際系や全体的に人気薄の教育系、教養系の学部のみの大学は募集的に厳しいところもありました。今後の社会状況によっては順位が変動し、今回紹介できなかった大学をご紹介することもできると思います。今後の動きに注視したいと思います。
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2023年12月22日
今日は6位から4位です。
6位は千里金蘭大学。こちらも2023年の学部改編で生活科学部が教育学部と栄養学部に分離され、受験生にとって内容がわかりやすくなった影響でしょうか、入学者も昨年より14%増加しました。やはり学部名って大事ですね。
5位は日本最大の女子大武庫川女子大学です。募集定員も12学部合計2380名とマンモス級。今年から設置の社会情報学部も定員充足と調子が良いのですが、レベルを下げるわけにはいかない薬学部は受験者が多いにもかかわらず高いラインを維持して入学者を絞っており、しかも2024年度入試では定員を半減させます。しかし、文系理系取り交ぜて12学部もありますので安定感は抜群です。
4位は甲南女子大学。2021年度に開設した医療栄養学部は募集順調、看護リハビリテーション学部と併せて安定材料となりました。国際学部は開設が2021年度と、コロナ禍の影響をもろに受けるタイミングになってしまいましたが、今後の発展に期待です。他大学が苦戦している文学部は2年前に国際系を分離しても定員充足しているので、今年の入試に期待です。(週明けに続く&メリークリスマス)
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2023年12月21日
近畿圏には17の女子大学がありますが、それらの募集状況について調べてみました。定員と入学者数を旺文社の「大学の真の実力 情報公開BOOK」の各年度版を用いてまとめてみました。
ただ並べただけでは面白くないので、入学者数÷定員で充足率を求め、その過去3年平均でランキング形式にしてみました。
まず、10位から7位
10位の神戸女子大学は看護と2022年から設置した心理は常に定員超過しているのですが、文学部が募集定員の半分程度となっています。学部の定員変更は簡単ではないと思いますが文学部の定員を他に振り分けるか、学部改編が望まれます。
9位は京都光華女子。企業とのコラボや外部への情報発信も盛んな大学ですが、2024年度から看護福祉リハビリテーション学部の立ち上げに合せて現在新校舎建築中。現在の健康科学部と併せて医療系へのシフトが進んでいます。
8位は大阪樟蔭女子大学。東大阪にありますが、広範囲からの入学者を集めるなどブランド力の高さでしょうか、学部系統としては他大学では苦戦の学芸学部でも募集が成功しています。但し児童教育学部は、教育系不人気の全体状況を受けて、昨年も定員の半分以下の入学数となりました。
7位は神戸女学院大学。これも阪神間でブランド力が高い大学です。文学部、人間科学部、音楽学部の3学部なのですが、音楽学部は定員40名という規模ですので、実質文学部と人間科学部の入学者数で全体のランキングに影響が出ます。2017年には定員の120%の入学者がいたのですが、ここ3年はこのような状況です。こちらも国際学部と心理学部を新設予定となっていますので、今年の状況が楽しみです。(続く)
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