2024年1月24日
昨年度より大阪市立の2校が大阪府に移管され、今年は入試に関しても大きな変更が行われました。
唯一府立校だった富田林中学校は独自の問題で入試を行ってきましたが、今年度は水都国際中学校と適性検査Ⅰ、適性検査Ⅱが共通問題になりました。しかも適性検査Ⅰの中に「英語的問題」として英語のリスニングの問題が追加されました。
まず、その英語のリスニングはどのような問題だったのか、一部紹介します。
リスニングのスクリプトは以下の通りです。
いかがでしょうか。聞き取る必要があるのは単語だけではなく、この問題ではものさしを「持っていない」「買いたい」という部分の聞き取りがポイントとなっています。(答えはエ)(続く)
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2024年1月23日
滋賀県立中学校と違い、京都市立中学校は京都ネタがほぼ出題されていません。適性検査Ⅲの理科で「京太さん」が、社会で「京子さん」が調べ学習をするという設定があるのと、葵祭についての小問が1つあるだけで、社会の分野でも札幌市と秋田県など東北地方と長崎市がテーマの問題で占められています。そんな中で適性検査Ⅰ(算数分野)の中から小問を2つほど紹介します。
(2)の計算問題は受験算数で出てくるパターンを利用しながら計算しなければ大変時間がかかると思います。答えが今年の西暦になるあたりも私立入試っぽいです。
(3)の求積問題は、「1辺の長さが6㎝の正方形・・・」と書いてあるのにマス目が7つ!ということは1マスが6/7㎝!?と驚かせてくれるのですが、1マスの中の木の葉型を1として2マス使っている木の葉型は縦横2倍だから4枚分、などと計算すると、合計面積は一番小さい木の葉型の49枚分となり、おお一気に約分できちゃうぞ、という問題です。
というわけで、西京を受験するには受験算数愛が求められています。
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2024年1月22日
近畿圏では中学校入試も終盤となり、入試問題がいろいろと届くようになってきました。その中から今日は滋賀県立中学校の適性検査を紹介します(といっても権利の関係で、実物の画像はありません)。
滋賀県立中(守山、河瀬、水口東)は3校とも共通問題で、「適性検査」と「作文」の2つの得点で合否が決まります。「適性検査」の問題は2枚あり、算国理社の4教科すべての内容が含まれています。適性検査の1枚目は算数・理科に関する融合問題で、図や表を参考にする内容となっています。2枚目は主に社会科の分野での出題なのですが、滋賀県の人口動態のグラフや地図があり、最後の問題は東京日本橋にある「ここ滋賀」という滋賀県のアンテナショップの役割を論じさせる内容です。
作文も2題出題されましたが、その第2問もびわ湖のプラスチックごみを減らす取り組みに関する文章を読んで論じさせるものでした。
というわけで、滋賀県立中学校の入試問題の半分は滋賀県愛で成り立っている、というお話でした。
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2024年1月19日
この1月13日、14日に行われた大学入学共通テストの自己採点を集約し、分析されたデータがこの木曜日あたりから各予備校で発表されています。受験生は国公立大学の出願のために、各大学のボーダーを確認している事とは思いますが、ベネッセ駿台による分野別志願動向の資料を元に分野別の動向を予想してみます。
まず、国公立大学です。
分野別の募集人数は、経済・経営・商学系統なら指数101(平均で1%増)なのですが、志願者指数は98(平均で2%減)となっています。そこで、この志願者指数を募集人数の指数で割ってみると、平均倍率の増減がわかります。その数値(b/a)を見てみましょう。
国際関係学系統は募集指数が99ですが、志願者指数が102となっており、この分野は昨年よりも狭き門になると考えられます。同様のことが歯学系統でも見られます。
というわけで、平均倍率が上がりそうな分野では手堅く、下がりそうな分野では強気の出願という判断もあるかと思われます。
次は、共通テストを利用の私学です。
コロナ禍によって大きく打撃を受けた語学系統や国際関係学系統は人気が回復しています。一方志願動向が下がり続けている教員養成系統では志願動向94に対して募集動向が84と大学側がこの分野での募集枠を大きく減少させていますので、結果的には昨年よりも狭き門となっています。
今後の出願の参考にしてみてください。
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2024年1月18日
1月13日(土)から始まった近畿圏の中学校入試、そろそろ後半戦となってきました。今年は、滝川中学校の共学化、金蘭千里中学校・薫英女学院中学校での適性検査型入試の導入などのトピックスがありました。滝川中学校は予想通り受験生は男女とも増加し大盛況となりました。また、今年から適性検査型を導入した金蘭千里中学校と薫英女学院中学校は、新たな学力観に基づいた教育活動が行われているアピールにもなったのでしょうか、この方式以外も含めて志願者を伸ばしています。
思うように力が出せなかった受験生も、まだ今週末以降入試日程が残っている中学校があります。是非最後までチャレンジしてもらいたいと思います。
コロナ禍以来中止になっていた入試当日の応援ですが、今年は一部の学校様からお許しをいただきましたので、新しく作った手旗を持って金蘭千里中学校にお邪魔してきました。
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2024年1月17日
共通テストになってから、長めの会話文で作られた問題文や生活に根差した設定など、賛否両論のあった数学ですが、4回目ということでしょうか、数学の本質的な力を測るように改善された印象です。
数学ⅠAでは複素数、三角比、統計、確率、平面図形とバランスよく出題されていました。三角比の影の長さやn進法といった中学入試をヒントにしたかのような出題もありました。
数学ⅡBは、対数関数や定積分に関する本質的な出題や丁寧な誘導もあり、空間ベクトルの問題は、会話文形式ではありますが、わずか2行のみとシンプルな作りに戻っています。
平均点は昨年度並みかやや高くなるだろうと予測しているのですが、各予備校はマイナス予測(特にベネッセ駿台は各7点以上の下落と予想)としています。大学入試センターによる中間速報が楽しみです。
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2024年1月16日
昨年は第1問で2つの論説文が出題されましたが、今年は文章1つに戻りました。文字数は昨年よりも1000文字ほど多くなっていますが、内容も含めて読みやすい印象でした。
文学的文章の第2問は現代作品ではありますが、難しい語句も使われており、言葉の知識も必要とされました。
古文は昨年並み、漢文も七言絶句とそれに関連する3文のみといったシンプルな問題でした。
国語全体の平均点は昨年よりも「やや上昇」と考えられます。(続く)
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2024年1月15日
第4回目となる大学入学共通テストが1月13日、14日に行われました。既に自己採点も終わっていると思いますが、今年の出題について気がついたことを書いてみたいと思います。
【英語 リーディング】
何だか去年よりも文字が多いような気がします。告知チラシの問題が2つ出題されましたが、第2問のクラブ活動勧誘チラシの問題では、設問が難しく、何度も本文に立ち返る必要がありました。第4問のアンケート結果のグラフを元に意見をまとめるという内容で、これも時間を食った受験生が多かったのではないでしょうか。
難易度としては昨年よりもやや難しくなった印象です。
【英語 リスニング】
これは直接聞くことができないので、受験生にインタビューしてみたのですが、「思っていたよりもできた気がする」という声が多かったようです。こちらの平均点はアップでしょうか。(続く)
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2024年1月12日
本日(1月12日)は、立命館大学の共通テスト方式の出願締め切りです。出願がまだの方のために参考までに去年の合格最低得点率を示しておきます。
高かった数値を濃い赤色に、低い方を青色に塗っています。
ご覧のように文系なら国際関係学部の3科目型が最も高く、経済学部の7科目型が最も低くなっており、理系なら建築都市デザイン学科の7科目型が高く、電気電子工学科の7科目型が最も低くなっています。
去年の建築のみ異常値になっていますが、一般的に科目数が多い方が低めのラインとなっています。これを参考にもう一つ出願してみてはいかがでしょうか。
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2024年1月11日
大学受験生の皆さん、いよいよ大学入学共通テストが近づいてきました。
初回から平均点にばらつきのあった共通テストですが、4回目ということでそろそろ安定してくるかともいわれています。傾向に関しては、例えば数学では長距離走やバスケットボールなど実生活(?)を題材にした出題で、会話文形式もあり、答えが先に与えられていて途中を補う問題が毎年出題され、国語でも本文を読んだ人がまとめた「ノート」や複数人による会話文の空所補充が定番となるなどパターン化されつつあります。共通一次試験から綿々と受け継がれているマークシート方式による解答ですから、出題にも限界があるのは当然なのでしょう。
さて、実は今回が旧課程最後の試験となります。というわけで、今までに練りに練って作り貯めていた名作(迷作?)が出題されるのではないでしょうか。受験生の皆さん、あまりにも手間のかかりそうな名作(?)に出会ってしまったら、サクッと回避して得点可能な問題に注力しましょう。
健闘をお祈りしております。
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