2022年3月4日
昨日は同志社の英語の傾向が変わった話をしましたが、今日は「変わらないものもある」お話です。
生徒A「先生、実は私、私立大学の受験校について迷っているのですが。」
世界史の先生「君は選択科目では世界史を使うつもりかね?」
生徒A「ええ。先生のおかげで大好きになった世界史で勝負するつもりです。」
世界史の先生「うれしい事を言ってくれるね。ところで、君は中国史が得意かね?」
生徒A「はい。西洋史よりも中国史の方が楽しく勉強できます。」
世界史の先生「それなら、受験校は立命館が良いと思うよ。模試の判定よりもいい結果が期待できるよ。」
生徒A「え、本当ですか?進路の部屋に行って早速過去問を見てみます。」
世界史の先生「そうするといいよ。きっと立命館には中国が好きな先生が多いだろうから、入学後も楽しめるのではないかな。立命館を受験するのなら併せて民族解放や革命全般についても勉強しておいた方が良いよ。」
(最近の入試問題に頻出する会話文形式にしてみました)
立命館の世界史の中で中国~東アジアに関する出題にオレンジ色を塗ってみました。ご覧のようにほぼ半分を占めています。
もう一つの頻出テーマが「差別」「解放」「革命」。こちらには青色を塗ってみました。こちらも頻出となっております。
というわけで、私立大学受験にはその出題傾向に応じた受験校選びと準備が大切ですよ、というお話でした。
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2022年3月3日
素材文をそのままリライトせずに語注まみれの長文と英作文があるため、ハードルが高いと思われている同志社の英語ですが、2月4日と7日は理系の日程であるため、理系の内容の長文が良く出題されています。(これは理系有利?と思われる大問には水色を塗っています)
実は2019年までは文系の日程でも数字や単位が良く出てくる理系的な内容が特徴的だったのですが、2020年から出題傾向が変わってきて、比較的日常的な内容となってきています。自然科学に関する内容でも、どちらかといえば歴史や伝記のような、 時系列に沿って読めるような長文となっています。というわけで、同志社志願者は2020年以降の過去問題に取り組むようにしましょう。
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2022年3月2日
関西学院の日本史は、今年いきなり大問が1つ減少して4問となりましたので、初日は少しびっくりしたのですが、出題傾向そのものは変わっていないので、作っている先生は一緒なのでしょうか。4問になっても、第1問は小問集合の正誤問題が10題、第3問に史料問題2つという構成は変わりません。
次に頻出の2分野に色を付けてみました。(画像クリックで別ウインドウで開きます)
①水色に塗っている「文化・教育」に関する歴史
少なくとも一度も出題されなかった年はありません。大半の日程で出題されています。ここ5年間では2019年以外の4か年、教育史も出題されています。
②オレンジ色に塗ってある「社会・経済・産業・交通・交易」に関する歴史
政治史よりも経済・産業といった一般庶民に直結する歴史を大切にする傾向があります。
ここ2年は特に文化史の比率が上がってきているように見えますので、日本史選択者は、文化史を大切にしておきましょう。
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2022年3月1日
先月1日から連日発信した「関関同立即日分析」をまとめてみました。今日は関西大学の国語についてです。因みにこの「即日分析」は翌日の受験に対する情報提供という意味もありますので、最終日は行っておりません。従ってこの表にはありませんのでご了承ください。
さて、実は毎日関西大学の国語の入試問題に目を通しているときに「違和感」を感じていたのですが、まとめてみるとその違和感の正体がわかりました。(画像を拡大しなくても雰囲気が感じられるように現代文の「社会科学」に水色、「人文科学」にオレンジ色、「自然科学」に黄色、古文の源氏物語に「緑色」を塗っています)(画像クリックで別ウインドウで開きます)
①古文で「源氏物語」が復活
例年、関西大学では全日程の1日は「源氏物語」が出題されるのですが、2020年度には2回出題され、2021年度には出題がありませんでした(最終日は表にはありませんが、「落窪物語」でした。)しかし、今年は復活、しかも2回。源氏物語の知識がある程度なければ難易度は高くなります。
②論説文で人文科学の内容が激減
哲学的内容や、文化論といった人文科学的な内容が多い関西大学の現代文ですが、2019年から減少が始まり、今年は2回だけでした。特に今年は法学部の先生が作った?と思われる社会科学に関する出題もありましたので、それなりの心構えが必要になりそうです。
というわけで、次年度以降の受験生はこの傾向を見て、対策を考えましょう。
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2022年2月28日
京都府教育委員会は2月24日、京都府立大学に付属高校を2024年度設置の方向で検討に入ったとの情報を25日の京都新聞の片隅に見つけてしまいました。既存の府立高校を改編する形で付属高校化するとの事ですが、どの高校を改編されるのか気になるところです。
ここからは個人的な妄想だと思って読んでいただきたいのですが、府立大学に近いところで洛北高校や鴨沂高校も考えられますが、洛北には付属の中学校があり、鴨沂高校は仮移転してまで校舎を新築したばかりですから候補から外れると考えると、朱雀か北稜あたりが候補になるのでしょうか?しかし、ちょっとまてよ、京都府立大学には教育学部が無いぞ!教育学部が無いのに付属高校を作るということは教員養成のための「附属校」ではなくて京都府立大学への推薦枠がある学校になるのか?(今年開校の奈良県立大学附属高等学校は奈良県立大学へ50名の推薦枠を設ける、とされています)同志社、立命館、龍谷、京都産業等、大学への推薦枠を持った附属校が多い京都に公立大学への推薦枠を持った学校が出現!!?だとすると大事件ですよ。しかも、もし中学校も併設するとなると・・・おおおおお。いやまてよ、そうなればまさかの洛北!?
ともかく、今後の報道に注目です。
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2022年2月25日
こちらの大学も2023年度入試に向けてのイベントがスタートしますが、面白いことに春夏秋冬、つまり年間の予定が既に明らかになっています。来年の受験生にとっては部活や学校行事との兼ね合いを考えながら説明会参加の予定が組めるというのはありがたいですね。「完全予約制」となっていますので、コロナ禍の影響の変動があったとしても、定員調整で対応するという事でしょう。いずれにしても面白い大学ですので興味のある受験生は予定をチェックしましょう。
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2022年2月24日
募集人数が少なく、なかなか合格を取ることができない難関大の「推薦・特色」選抜について今年も結果が発表されました。その中から突出した実績を出した2校を紹介します。
【開明中学校・高等学校】
2021年度は268名の卒業生のうち164名が国公立に合格するなど、進学校としての実績も申し分のない学校ですが、実は意欲の高い生徒も多く、過去5年間毎年京都大学の総合選抜への合格者を出しています。今年は過去最高の7名の合格が出ました。その内4名は同じクラスから!で、その担任の先生からお話を直接伺いましたが、ともかく2年のうちから徹底して準備を始め、志望理由書も何度も練り直す中で生徒自身の問題意識、意欲も向上していったとの事。入学後も楽しみでございます。開明高校はこの7名も含んで国公立合計40名の合格がすでに決まっています。
【雲雀丘学園中・高等学校】
こちらも2021年度の卒業生285名のうち、国公立に126名の実績を誇る進学校ですが、企業や研究機関と取り組んでいる本格的な「探究プロジェクト」を昔から行っている学校です。研究室訪問など、理系方面の取り組みをしている学校は多いのですが、こちらでは新聞社や大学の経営学部とのコラボなど、幅広い分野で行っているのが特徴で、加えて学校の先生方が主宰する「探究ゼミ」など主体的な学びを育む仕掛けが出来上がっている学校です。生徒たちの成果は論文集にまとめられるなど、本格的です。というわけで、推薦系の入試にも強いぞというわけで、今年はなんと大阪大学8名!阪大推薦入試ランキングで全国1位(詳しくは「サンデー毎日」3月6日号の115ページ参照)となりました。それも含めて既に24名が国公立大学の合格切符を手に入れております。
もちろん大学入学共通テストの点数や学校の成績が不要なわけではありませんので、基礎学力・受験学力養成の部分も大切なのですが、この2校は特に主体的な学びに向かう意欲を育む教育が本当にできているのですね、と感心した次第でございます。
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2022年2月21日
大学入試はまさに試験の真っ最中ですが、一般募集に関して関西大学は昨年度から実質2月1日~7日の日程だけで学生募集するという早期決着作戦に出ています。というわけで、一足早く新年度向けのイベントが企画できるわけでしょうか、オープンキャンパスのお知らせが届きました。コロナ禍の影響もあり、昨年度までは各大学オンライン形式でのイベントも多かったのですが、今回は予約制ですがライブ形式で行うようです。3月14日から受付開始、希望時間帯ごとの募集となっていますので、お申し込みはお早めに。
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2022年2月18日
関西大学から実質倍率と合格最低得点率の速報値が発表されましたので分析してみました。(画像クリックで別ウインドウで開きます)
グラフの中では募集単位を省略しています(人間健康学部→人健)など
ご覧のように、文系学部は実質倍率と合格最低得点率に相関がありません。社会学部は実質倍率ではそんなに高くないのに得点率は最高の約7割。高学力層が集まった少数精鋭だったことから、人気の高さがうかがえます。出願段階では出だしの良かった法学部ですが、結果的に合格ラインは6割程度に落ち着いています。
理系に関しては、実質倍率と合格最低得点率が比例していますので、次年度以降の受験生は模試の志願動向などが難易度のヒントになるという事がわかると思います。
また確定情報が出た段階で分析してみたいと思います。
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2022年2月17日
これからの教育には主体的な学びも重要だといわれていますが、そちらに振り切っている学校、制服が無い、チャイムが無い、教科センター方式(全教科特別教室)に加えて特色のある探求活動「同中まなびプロジェクト」も魅力の同志社中学校からオンラインイベントの案内が届きました。
幅広い志願者を求めているのでしょう、入試科目も次年度から2教科にするなど入試に関する変更点もありますので、中学受験をお考えのご家庭は是非ご参加ください。
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