【勝手に】同志社と立命館を比べてみました【同立戦】(その1)

2020年5月28日 木曜日

140年以上も前、京都御苑の北側の薩摩藩邸(当時の地主は相国寺)の広大な跡地を大政奉還後、京都府が接収、民間に払い下げられ、それを手に入れたのが新島襄というわけで今の場所にある同志社大学と、京都御苑の西側に120年前に誕生した「京都法政学校」を前身とする立命館(その後衣笠球場の跡地に移転)は何かとライバル。両校野球部の試合「同立戦」の応援合戦も名物なのですが、昨日までまとめた学部ごとの一般入試の実質倍率を比較して、「勝手に『同立戦』」をしてみました。(いやいや、それを言うなら「立同戦」でしょう、と心で突っ込んだあなたは立命館出身・・・)

まず、双方伝統の法学部での比較です。今年の募集定員は同志社484名、立命館720名となっています。ご覧のように実質倍率は2015年から2018年はほぼ同じような動きをしていますが、2019年に志願者が増え、合格者数を減らした同志社が一気に難化。但し、それ以外ではやはり似たような動きをしています。ということで、同志社にとっては2019年度の圧勝以外はほぼ引き分け状態です。

次に本当は少し専門分野がずれるのですが、同志社の政策学部と立命館の政策科学部を比べてみました。これも今年の募集定員は同志社204名に対し、立命館は410名と約2倍の規模になっています。両校ともグラフの形は似ていますが、全体的に大阪いばらきキャンパスの地の利も味方につけた立命館が必ず上に来ています。しかし2020年は立命館が下がって、同志社が上がり、同率となりました。いよいよ同志社逆転のチャンスです。広報の皆さん、頑張ってください。(続く)

同志社大学 文系10学部一般入試倍率推移(その2)

2020年5月26日 火曜日

但し、学部ごとの動きを見ると、かなり乱高下があります。確かに2018年度は実質倍率が最高を記録した学部も多いのですが、各学部の線を見るとジグザク。つまり前年度の結果を見て、逆の動きをするという隔年現象がみられる学校であるともいえます。

例えば2018年度には文化情報学部、政策学部が難化したわけですが、その時に最も実質倍率が低かった法学部が2019年度に大きく跳ね上がるなど、極端な動きをします。ここ2年で全体では実質倍率は低下傾向にありますが、その中で2020年度に再び最低倍率となった法学部や、例年よりも低くなった商学部は、2021年度には、逆に要注意だといえるでしょう。但し例外として今年はこのコロナウイルス感染症の影響で全体的に国際系・観光系の学部・学科はマイナスに振れるところが増えると考えられるため、グローバルコミュニケーション学部はもう一段階落ち着いた倍率になるかもしれません。 まだ学校の授業も始まっていない今の段階では何とも言えませんが、同志社大学の場合は複数日程で受験学部を散らすなど、リスク分散型出願をお勧めします。

同志社大学 文系10学部一般入試倍率推移(その1)

2020年5月25日 月曜日

先週に続きまして、同じNHKつながりで・・・。7年前にもなりますが、大河ドラマ「八重の桜」で福島県からの受験生が増えたという(大学関係者談)同志社大学も同じように分析してみました。(おうちにいるとテレビ漬けになってきたよ) まず、志願者数と合格者数の推移を見てみましょう。

ご覧のように、2018年が志願者数のピーク。文系の10学部(神学部も文系ですが、募集人数が30人前後と少ないので除外しています)合計で、3万5千人近くが出願しましたが、今年は2万7千ほどと、その時の4分の3近くまで減少しています。一方、合格者数は2019年が底で、今年は少し持ち直していますので、ここ6年間で見ると2018年~2019年が狭き門、今年は昨年よりも少し緩んだ感じです。因みにこの10学部の定員の変化は単年度平均で1%ほどですので、その影響は考えなくてもよいと思います。というわけで、この流れで行けば、来年は多少強気で出願するのも有り、かも知れません。(続く)

早稲田大学 文系9学部 一般入試倍率推移(その2)

2020年5月22日 金曜日

他の難関大学でも同じような現象が見られましたが、大学入試センター試験が最後となった2020年度入試に向けて、2019年度から志願者が減少しています。何としても浪人は避けようとする「超安全志向」でしょうか。一方定員厳格化による合格者減の動きも一段落、各学部とも倍率に歯止めがかかってきました。したがって、2020年度の入試の実質倍率は落ち着いてきたようです。但し、そんな中で最難関の政治経済学部は高め安定、法学部、国際教養も要注意、といった状況です。

あと、2017年度から文学部は50名、文化構想学部は70名の「英語4技能試験」を利用する募集枠を設けたため、その分一般入試の定員枠が狭くなったのですが、この年の受験生はそのニュースを知らなかったのでしょうか、知っていても過去データを基にした模擬試験の判定を信じたのでしょうか、いずれも前年度よりも多くの出願があり、結果的に実質倍率が高騰しました。定員枠の変更というのは実質倍率に大きな影響が出ますので、早稲田大学に限らず、大学受験生はそのニュースにも敏感になってもらいたいと思います。

余談ですが、(その1)のほうでNHKが早稲田を応援しているように書きましたが、NHKの別番組「歴史秘話ヒストリア」では福沢諭吉を取り上げていました。さすが公共放送NHK、局内でバランスを取っているようです。

早稲田大学 文系9学部 一般入試倍率推移(その1)

2020年5月21日 木曜日

なぜかNHKの朝ドラで応援してもらっている早稲田大学のお話です。(見ていない方向けに先週末からのあらすじを超簡単に説明しますと、昭和初期、作曲家古関裕而をモデルにした若き主人公が早稲田の第一応援歌「紺碧の空」の作曲を依頼される、というくだり)早稲田大学といえばご存じ慶應義塾と並んで日本最難関私立大学なわけですが、募集単位の大きい文系の9学部の一般入試を例にとって私立大学定員厳格化と首都圏の定員抑制が実質倍率にどのように影響したのかを見てみましょう。

2015年から6年間についてみてみました。定員厳格化が始まった2016年から難化が始まっています。2015年から2016年にかけて合格者数はこの9学部合計で1167名減っていますが、出願は逆に3355件増えています。このような傾向は2018年まで続きました。やはりトップ校受験者層は簡単に志望校を下げないということでしょうか。(続く)

【¥総額¥】常翔学園グループ「新型コロナウイルス禍にかかる学修支援」【¥10億円以上¥】

2020年5月14日 木曜日

関西では学校法人立命館が全学生、児童・生徒に3万円支給というニュースを5月1日に紹介しましたが、学校法人常翔学園はさらにその上を行く支援を打ち出しました。 学校法人常翔学園といえば、「常翔学園中学校 高等学校」と「常翔啓光中学校 高等学校」の2つの中高と、「摂南大学」、「大阪工業大学」、「広島国際大学」という3つの大学を有していますが、中高では生徒・学生一人当たり3万円、大学では5万円という学習支援金を支給するとのことです。それぞれの学校ではオンライン授業が提供されていますが、その準備のためにおうちでもお金がかかったでしょ、というわけでその費用の一部を支給するという形です。

しかし、このグループ合計で2万4千人以上の生徒、学生が在籍していますので、合計金額はなんと10億円以上!このくらい大きい法人になると、こんなこともできちゃうのですねぇ。

【夏休みまで】関西大学 入試説明会【対面授業はしていないけど】

2020年5月11日 月曜日

毎年恒例の全国ツアー、「関西大学入試説明会」のご案内が届きました。 コロナウイルス感染症の影響で、開催形式変更の可能性があるとの注記がありますが、受験生が本学まで、交通機関を乗り継いで往復する間のリスクを考えると、非常にありがたいお話です。

併せてオープンキャンパスも開かれます。但し、この期間、関西大学ではオンライン授業が続けられているため、学生さんはキャンパスには居ないはずですので、イベント内容も例年と異なり施設見学がメインになるのかもしれませんが、受験校決定のためにも、高校生には是非参加していただきたいです。  ★詳細は大学HPをご確認ください。

大学等が、学生に支援金支給の動き

2020年5月1日 金曜日

この新型コロナウイルス感染症の影響で、経済的に打撃を受けた人も少なくないのですが、臨時休業等でアルバイト先が無くなった大学生も例外ではありません。その不安に応えるかのように先週、明治学院大学と立教大学が学生に5万円、早稲田大学も困窮学生に10万円ずつ支給という方針を発表しています。関西でも学校法人立命館が学生・生徒・児童ら約4万8000人に3万円支給、さらに家計悪化の学生には別に最大9万円支給との方針を発表しました。 (ニュースソース=NHK NEWSWEB https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200429/k10012410811000.html

一律支給については、いずれの大学もオンライン授業に必要な機器の購入など環境整備への補助という名目ですが、キャンパスの立ち入り禁止で大学設備の利用ができないなど、約束されたサービスが受けられないのなら学費の減額をすべきだとの学生側の不満が顕在化する前に先手を打った形です。しかし大学側からするとオンライン授業のために予定外の支出もしているわけですから、かなり思い切った作戦だといえるでしょう。

一方、学生団体「高等教育無償化プロジェクトFREE」が緊急に行ったアンケートでは、経済的な理由などで退学を検討している大学生が2割超えている、という結果も発表されており、今まで上昇を続けてきた大学進学率にも何らかの影響が考えられます。現在の高3以下の学年の動向にも注意が必要です。 (ニュースソース=東京新聞  TOKYO WEB https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2020042901001405.html

新型コロナウイルス感染症に対する各大学の対応(4月28日18時時点)

2020年4月30日 木曜日

先週調査したあと、さらに授業開始がおくれた大学があります。立命館大学はいち早く始めたオンライン授業が中止になっています。Web発表によると22大学のうち、オンライン授業が提供できているのはわずか6大学。8月中旬まで前期の授業がずれ込む大学が出そうです。

このような状況が続くと、オンライン授業ではどうすることもできない実験・実習が必要な分野についても影響が出そうです。クラブ・サークル活動も含めてキャンパスが早く平常化することを願っています。

新型コロナウイルス感染症に対する大学の対応(4月20日13時時点)

2020年4月21日 火曜日

3月末にも調査しましたが、各大学、試行錯誤が続いています。予定よりも授業開始を遅らせる場合やオンライン授業の導入範囲が縮小するなど、3月の発表から変更している大学も多いようです。

そんな中で、法政・関西・立命館・甲南は前回発表からほぼ変更なく進められています。立命館・中央・追手門はオンライン授業を今月上旬から提供中。いつまでオンライン授業を提供するのか見えませんが、追手門のように状況が多少落ち着いても学生を集めるのは危険と考えての事でしょうか、7月22日までは基本オンライン授業と思い切った発表もひとつのメッセージですね。条件整備が一様でないのは理解できますが、学生にとってはまだオンライン授業すら始まっていない大学に比べると、安心感が違います。

しかし、学生生活というのは授業を受ければ済むものではありません。図書館やゼミ室などを利用した自由で主体的な学びも大切です。5月の連休明けに、緊急事態宣言が解除されることを祈っております。