数年前までは、公募制推薦では面接もあり、一般選抜の日程も文科省のガイドライン通り2月1日以降に行っていた甲南大学ですが、公募制推薦では面接を廃止し、マーク式の学力試験に加え調査書や志望理由書にも配点をつける、という方式に改善されました。受験生の立場からすると志望理由書を作成する必要はありますが、面接廃止とマーク式という変更は受験しやすくなったわけです。
さて、2025年度入試で、首都圏では一般的ではなかった公募制推薦を東洋大学などが導入したのをきっかけに、文科省が改めて「学力検査は2月1日以降」という原則を順守するように各大学に要請しているようです。簡単に言うと、年内に学力検査だけで合否を決めるのはダメよ、というわけです。2026年度入試から公募制推薦では学力検査だけではなく、志望理由書など他の資料を加えて判定する「総合型選抜」にする大学が増えているのはそのためです。
再び甲南大学の話に戻りますが、甲南の公募制推薦は元から「総合型選抜」なので、変更する必要はありません。ある意味時代の先取りをしていた、ということになりますね。詳しくはこちらのセミナーで確認しましょう。

もう一つ気になる「2月1日以降」の原則に関し、甲南大学の一般選抜は去年から1月30日開始となりましたので、ここは厳密にはアウトとなります。しかし関西では多くの大学が1月末から入試を始めており、今さら日程変更を行うと試験会場の確保が難しくなります。ここからは私の予想ですが、もし2月1日原則を全大学に当てはめようとすると、受験機会が減少するという点で受験生にとって大きなデメリットとなるため、文科省も慎重にならざるを得ないのではないでしょうか。
少なくとも各大学の募集要項が出てしまっている2026年度入試に関しては従来通りです。受験生の皆さん、心配せずに勉強しましょう。