京都産業大学 一般入試対策講座について

2016年11月16日 水曜日

私立大学入試の多くはセンター試験後、1月の後半から始まるところが多いので、あと2か月後といった時期に差し掛かってきました。そこで、その一般入試に向けての無料の対策講座を大学が行うところも増えてきました。

今回紹介する京都産業大学は、学舎の新築や今年度の理学部宇宙物理・気象学科の新設に加えて、来年度は「現代社会学部」が新設されるなど、勢いのある大学です。今年の公募推薦入試はこの週末に実施されますが、そのあとすぐに一般入試に向けての対策講座をなんと金沢、福井から広島、高松など9会場で開催されます。関西圏に住んでいない人でも対策講座に参加できるというのは大きなメリットです。

対策講座の後、個別相談もセットされています。出願に向けて不安がある場合は質問することができそうです。

京都産業大学を考えている受験生は、いずれかの会場を選んで参加してみてはいかがでしょうか。

 

大学「地元進学率」について

2016年11月14日 月曜日

最近の若者は冒険をしない、という話を聞きますが、大学進学についても地元志向が強くなったといわれています。そこで、どの程度その地元志向が強いのかを文部科学省「学校基本調査」を基に旺文社が算出した、都道府県ごとのデータをもとに見てみましょう。

(ここでの「地元進学」とは出身高校の都道府県と進学先の都道府県が同じものを指しています。従って、電車などで通学していても、都道府県境を超えると「地元進学」とは数えていません。)

まず近畿地方で全国平均を上回っている3府県についてです。

 大阪と京都は年を追うごとに地元進学の割合が上昇しています。兵庫が急激に落ちているのは関西学院大や甲南大に比べて、立命館大や同志社大、近畿大などのマンモス大学の学部増設やキャンパス移転などの環境変化が大きく、京都と大阪からの流出が減り、兵庫県から大阪への流出が増えているためです。つまり兵庫県の大学は大阪に学生を取られているともいえます。

全国平均を下回っている3県についての推移です。平成15年から滋賀県が大きく動いているのは、兵庫県立大、長浜バイオ大の開設や、その後の立命館大学びわこ草津キャンパス(BKC)の定員増、龍谷大学瀬田学舎に理工学部情報メディア学科、環境ソリューション工学科などが新設されるなどの影響です。一つ例を挙げますと、2016年度滋賀県立東大津高校の卒業生232人のうち53名(13.5%)が立命館大学に進学しています。(この53名には京都や大阪のキャンパスに通う生徒も含まれていますが、理系の学生は全員びわこ草津キャンパスに通っていることになります。)

和歌山は、流出数―流入数=2712名と大きく流出が超過しており、地元の大学には490名、(11.2%)しか進学していない計算になります。この割合は全国最低です。これは和歌山には大学が少ないことも影響しています。(和歌山県内には和歌山大学、県立医科大学、近畿大学生物理工学部、和歌山信愛女子短期大学、高野山大学の5大学がありますが、いずれも定員はそれほど多くはありません。)

奈良県も地元進学数は1,197名(15.1%)と全国44位(47都道府県中)となっています。これも和歌山と同じような理由になっています。

最後に全国で地元進学率が高い上位12の都道府県を挙げておきます。愛知県と北海道は必ず1位か2位になるのだそうです。上位は大学の数が多く、選択肢が多い地域が並んでいます。

全国平均では昨年度では大学進学者の43.7%が、出身高校と同じ都道府県の大学に進学しています。つまり地元志向が強いというのはどうやら本当のようです。昔は大学そのものが少なかったので、大学進学=一人暮らし、というのが当たり前でしたが、大学進学後も実家に住み続けている大学生が結構多いという状況も見えてきました。大学はそれぞれ独自の専門性の高い研究を行っており、その内容は多岐にわたります。大学を場所で選ぶのではなく、全国の、いや世界の大学から選んで欲しいものです。この記事を読んでいる高校生の皆さん、もう少し冒険してみませんか?この記事を読んでいる高校生の皆さん、もう少し冒険してみませんか?

 

旺文社サイト「県別大学進学「流入v.s.流出」37 県で流出超過!地方創生と大学進学。大学進学で若者が出て行く!」

(http://eic.obunsha.co.jp/pdf/educational_info/2016/0927_1.pdf)

を参考に作成しました。

 

 

 

関西大学梅田キャンパスにお邪魔してきました

2016年11月4日 金曜日

関西大学梅田キャンパスにお邪魔してきました

本日11月4日で、関西大学は130歳を迎えます!本日13:30~15:00に行われる記念式典は千里山キャンパス 第2 学舎BIG ホール100で開催されますが、招待者しか入場できません。代わりに式典の様子は大学HP上で配信されるそうです。

その関西大学創立130周年記念事業の一環として、大阪市北区鶴野町に「関西大学梅田キャンパス」が建設されました。愛称は「KANDAI Me RISE」(かんだいみらいず)といいます。
かつて2部(夜間部)の授業で使われていた、天神橋筋六丁目駅の近くにあった学舎は売却されてしまいましたが、代わりにこの8階建ての立派な施設が作られました。阪急梅田駅から徒歩5分ととても便利な場所にあります。

1階、2階はスターバックスと蔦屋書店が入ったおしゃれな空間です。もちろん一般の方の利用も可能です。会員制のサロンやセミナー用のフロアもありますが、今回は学生さんが直接お世話になるであろう5階のキャリアセンターを紹介します。

このフロアは就職活動中の学生が立ち寄り、情報収集を行うための施設です。調べ物をしたり書類を作成したりするためのパソコンがずらりと並んでいて自由に使うことができます。もちろんプリンターやコピー機もそろっています。成績証明などを出力するための端末も設置されています。

就職に関するセミナー用の部屋も用意されています。

ビジネス文書を作成するための書籍や雑誌などもそろえられ、自由に使うことができます。学生の就職活動といえば、待ち時間が発生した時にはカフェなどお店に入っていたものですが、実はその費用もばかになりませんでした。関西大学の学生になれば自動販売機や軽食をとるスペースもあるこのフロアでゆっくりできそうです。さすが就職率の高さを誇る関西大学、こんな一等地に就職を支援するスペースを1フロア使うなんて力の入れ方が違います。

生涯学習を行うためのホールや教室を設けているフロアもあり、関西大学を卒業してからもお世話になれそうなキャンパスでした。関大OB、OGで無い方も、ひとまず1階、2階のカフェでゆっくりしてみてはいかがでしょうか。

大学学生数ランキング

2016年10月31日 月曜日

大学の規模を示す指標の一つとして、大学の学生数に注目してみたいと思います。在籍している学部学生の人数で一覧を作成しました。(旺文社『螢雪時代8月号臨時増刊 2016年全国大学内容案内号』(2016年7月))のデータを参考にしています。

2015年時点で、学部学生が1万人を超えているのは全国で51校あります。そのうち、まず51位から30位まで・・・

来春付属中学校開校と勢いのある神戸学院大学は移転と学部増設で1万人規模の仲間入りを果たしました。神戸大学を学生数で抜く日も近いと思われます。

次は29位から11位までです。

国立大学で学生数が一番多いのは大阪大学となります。かつては東大、京大に次ぐ規模でしたが、2007年に大阪外国語大学と合併し、一気にトップに躍り出ました。2万人規模となりますと、同志社、関西学院といった大学がランクインします。中央大学も同規模です。龍谷大学も間もなく2万人規模となりそうです。

以前、このブログで書きましたが、大阪府立大学と大阪市立大学の統合が予定通り進めば1万2千人規模の、日本最大の公立大学が誕生することになります。

次は10位から4位です。

関西大学も3万人に迫る勢いです。慶應義塾、法政も同規模です。受験者数全国1を誇る近畿大学は学生数では現在4位です。といっても3万人を超えています。

いよいよベスト3です。

学生数日本一はやはり日本大学。約6万8千人と日本の市の人口ランキングに当てはめても真ん中に位置します。(794市中、400位)卒業者数も毎年1万5千人以上となっています。関西のトップは拡大路線が続く立命館となっています。

学生数の大きい大学は、クラブやサークルの規模の大きさや卒業してからの豊富な人脈などのメリットがある反面、キャンパスが分散していて一体感が無いという大学もありますので大きい方がいいという単純なものでもありませんが、このデータも学校選びの参考になさってはいかがでしょうか。

 

 

同志社大学 秋の入試説明会 全国で開催

2016年10月28日 金曜日

大学選びも終盤を迎えてきましたが、同志社大学は全国20ヶ所で入試説明会を開催します。入学課スタッフによる入試制度及び概要説明、学生によるスピーチ、有名予備校講師による英語問題解説が行われるようです。

 

入試や大学生活なども含め同志社大学を知るチャンスです。

来場者には願書、大学案内、各学部のパンフレットや記念品のプレゼントもあるようです。

 

同志社大学の受験を考えているが、まだ説明会に行っていない受験生は是非参加してみましょう。

 

「大学入学希望者学力評価テスト」の記述について

2016年10月27日 木曜日

10月26日の朝日新聞に現在行われている、「大学入試センター試験」の代わりに2020年導入予定の「大学入学希望者学力評価テスト」(仮称)(以下「新テスト」と表記)に関する調査結果が掲載されていました。国公私立746校を対象とし、654校(88%)が回答したアンケート結果です。現在、文部省管轄の大学は全国で775校ですが、奈良先端技術大学院大学のように、大学院のみの大学や芸術系のように学力試験を課さない大学などもありますので、ほぼ日本中の大学を網羅した調査結果だといえます。(大学の数、2016年現在、国立86校、公立88校、私立601校)

(朝日新聞 2016年10月26日 朝刊より)

新テストには思考力や表現力も測定するために記述式を導入することが検討されていますが、その採点や出題方法についてはまだ議論が続いています。センター試験は毎年53万人ほどが受験していますが、同規模の受験者が参加すると仮定して、英語1科目で考えますと、記述答案1枚採点するのに10分かかるとすると、採点だけで530万分、すなわち約9万時間かかることになり、チェックも含めるとその2倍程度、すなわち20万時間ほどが必要になります。これを2週間で処理しようとすると、休みなく14日間、一日8時間採点できる人を2000人集めなければならないことになります。採点基準の統一ということを考えると採点者が多いというのは問題でしょう。しかも採点基準から外れるような答案が出てきた場合、途中で基準が変更されることも考えられ、その基準の再徹底と採点のやり直しをする場合も想定されますので、実際にはこの数倍の人数が必要だと考えられます。国語など全教科で記述を導入すると何と1万人以上の採点者が必要だということになります。そこで、文部科学省は、2次試験を受ける大学側が、記述部分の採点をしましょう、という方針を出したのですが、今回の調査はこの方針が出る前ですので、二つ目のグラフの「記述式導入の実現可能性」についてはかなり厳しい結果になっています。ただし、この各大学で採点となりますと各大学の採点負担が増加しますので、3つ目のグラフに示されている「利用したい」という大学はさらに少なくなると思います。

そもそも大学によって入学してほしい学生像というのは異なるはずですので、その大学が独自に作問した記述問題の方がふさわしいのでは、という議論もあります。今回のアンケート結果の一つ目のグラフで約4割の大学が記述問題の導入に消極的だということは、思考力や表現力が必要ないというわけではなく、大学独自の取り組みを重視するという考えも反映されていると思います。

この新テストについて、利用する大学側からの支持が無ければ利用率が下がることも予想されます。つまりこのままでは受験者(利用者)が減るという可能性もあるわけです。

次回の東京オリンピックに関する報道も増えてきましたが、同じ年に導入される、この新テストについても具体的な方針の発表と周到な準備が行われ、初めての受験生(現在の中2)が混乱しないようにお願いしたいものです。

 

 

大学の公募制推薦入試について

2016年10月17日 月曜日

大学の入試方法には大きく分けて、主に学力試験で判定される「一般入試」とそれ以外の力を評価される「推薦・AO入試」の2通りあります。推薦入試には、高校ごとに人数が割り当てられる「指定校推薦」と受験生が各自応募する「公募制推薦」、「AO入試」に分けられます。私立大の場合、指定校推薦は高校内での選考に通れば、実質合格することができますが、公募制推薦の場合は出願条件として評定の基準などがあります。そのうえで科目は一般入試より少ないケースが一般的ですが、学力試験が課されます。また、国公立の場合は大学入試センター試験を課す大学が多くなっています。「AO入試」は志望理由や学業以外の活動歴などが評価の対象とされるものもあります。

今では一般入試で入学する学生よりも推薦で入学する学生の方が多い私立大学も増えてきました。

東京大学や京都大学も推薦入試を昨年度より取り入れたというのがニュースになりましたが、国公立大学で推薦入試を早くから取り入れているのは東北大学です。今春からさらに定員が大きくなっています。広島大学医学部では、博士課程進学を条件とした、つまり研究医になることを考えている受験生向けの推薦入試を実施します。大阪大学も後期入試廃止に合わせて、「世界適塾入試」という、センター試験で2倍まで絞り、あとは小論文と面接という入試を実施します。

私立大学の公募制推薦出願資格の評定平均についてです。

近畿圏で最も基準が厳しいのは同志社大理工学部。評定4.3以上なければ出願もできません。多くの大学は4.0以上、関西では同志社大の法学部、文学部(英米)、関西大商学部などが挙げられます。3.8は龍谷大など多くの大学が採用しているラインです。

逆にラインを設けていない大学もあります。つまり誰でも出願できるということになりますが、学力試験は行われますので、早い時期の一般入試として、併願用に受験するという使い方もできるわけです。受験生数が日本一で有名になりました近畿大学や京都産業大学はこの方法を採用しています。

出願期間も今月末からのところが多くなっています。各大学の入試要項を確認の上、希望する大学にこの制度があるようでしたら、是非チャレンジしてみましょう。

 

外国人教員数ランキング

2016年10月12日 水曜日

最近大学にも外国から来られた先生が増えてきましたが、どの大学に多いのでしょうか。やはり外国語大学が圧倒的に多いのでしょうか。

というわけで、大学ごとの外国人教員数のランキングを紹介します。(AERAムック 「大学ランキング2017」より)

 

まず、総数についてです。(50名以上の大学のみ抜粋しています。)立命館大学が134名とぶっちぎりです。講師で人数を稼いでいるわけではありません。教授だけでも43名在籍しています。2位、3位と外国語大が続きますが、4位は関西学院大。立命館と並んでSGUの指定を受けただけのことはあります。次は東大や京大が来るのか思えば大阪大がランクインです。元大阪外大在籍の教員も多いのですが、准教授が54名と、次世代の層が厚く、さらに増えると思われます。

10位にようやく東京大学が出てきます。これも国際化が進んでいないといわれる理由でしょう。

 

このランキングは元々の教員数が多いマンモス大学が有利だ、ともいえますので、比率でのランキングも出してみました。(比率が23%以上を抜粋しています。)

 

トップの宮崎国際大についでです。1994年設立、看板学部の「国際教養学部」は2006年に設置、教育学部は2014年設置と、とても若い大学です。基本的に授業はすべて英語です。正直英語が得意でない学生も入学していますが、チームで勉強させる、アクティブ・ラーニング型の授業を取り入れるなどの工夫でTOEICの平均点も4年間で338点から642点まで伸びるというとんでもない大学です。

同じように英語での講義が中心の立命館アジア太平洋大学、国際教養大、国際基督教大が上位にランクインしています。

 

留学すると英語力が飛躍的に伸びるといわれていますが、その効果には個人差があり、またそのためにはかなり費用が必要になる場合もあります。その点、このように外国からの教員が多い大学であれば、英語力を段階的・体系的に伸ばすことができるようです。

教員だけでなく、留学生の受け入れなども含めて、大学のグローバル化はさらに進んでいくことでしょう。

 

大学入試センター試験 もうすぐ出願締め切り

2016年10月4日 火曜日

今週末、大学入試センター試験の出願締め切りとなっています。

1月に行われる試験ですが、毎年この時期が出願期間となっています。

国公立志願者は、志望大学が要求している科目を確認する必要があります。特に理科については「基礎」がついている科目でよいのか、科目数はいくつ必要なのかなど、チェックポイントがいくつかありますので確認が必要です。

受験科目が3教科以上か2教科以下か、成績通知が必要か、必要でないかで受験料の金額が異なっています。したがって振込用紙も4種類同封されていますので間違えないようにしましょう。

受験案内に入っている黄色い封筒ですが、今高校3年生の生徒は使いません。学校に直接志願表だけを提出します。現役生がこの封筒を使って勝手に簡易書留で送ってしまうというトラブルが毎年散発しているようです。

というわけで、今年大学受験を迎える皆さんにとっては入試が一気に身近に感じられ、緊張が高まってくる時期ですが、センター試験までまだ3カ月あります。落ち着いて不得意な科目や単元の克服に時間をかけるようにしましょう。

 

大阪府立大学と大阪市立大学の統合について

2016年9月27日 火曜日

数年前から報道されている大阪府立大学と大阪市立大学の統合についてです。

同じ大阪府内にある、この二つの大学は難易度も規模も似通っている大学です。

少し古いデータですが旺文社「大学の真の実力2013―2014」から収容定員数のランキングを抜き出してきました。


御覧のように、公立大学としてはすでにトップレベルの定員数なのですが、これが統合すると国立3位の京都大学に迫る規模となりそうです。

また、学部のラインナップも増えることになり、関西では大阪大学よりも専門分野が多い大学になるとも言われています。(大阪府立大学HPより引用)


キャンパスの配置も、研究室や附属病院など今の設備をそのまま生かすとすれば、6拠点の巨大な大学となりそうです。

府立大学のHPにはその工程表も掲載されていました。

すでに単位の互換は始まっていますし、クラブなど学生レベルでの協力体制も次第に進んでいます。2019年、つまり今年の受験生が3回生になる年には法人が統合されますが、それぞれ独立した2大学の名前をそのまま継承します。2022年、つまり今の中1が大学を受験する年には大学名も統合される、という計画です。今後具体的な統合に向けて解決すべき問題も多く、計画通り進むのか不透明ですし、本部の設置場所や新たな大学名の決定など様々な意見が出ることも予想されます。しかし、大学が大きくなって幅広い専門分野が協力できる体制によって、世界に誇れるような大学に成長してほしいと思います。