大学と歩留まり率②

2017年3月28日 火曜日

では、逆に国公立大学の歩留まり率を見てみましょう。国公立は第一志望にしている受験生が多いため、合格者のほとんどが入学をすると思われていますが、実際には違います。

地方の国公立に合格しても、都市部の私立大学に入学する、または潔く(?)浪人するというケースも増えています。

2015年の歩留り率が7割以下の国公立大学を挙げてみました。ご覧のように大都市圏から離れた公立大学がほとんどです。行くつもりがないのなら、その地域の高校生にお席を空けておいて欲しいものです。

一方歩留まり率が高い大学も挙げてみましょう。

面白いことに、京大・東大を抑えて100%となっているのは東京藝術大学。要するに第一志望率が100%だったともいえます。日本最古の芸術大学である京都市立芸術大学も99%と驚異的な数値になっています。今は京都市の旧市街から離れたところに立地していますが、京都駅近くに移転するという計画も進んでいますので、そうなれば広い範囲から学生を集めることでしょう。

東大に合格したのに手続しなかった生徒が2015年度で12名、2016年度でも15名います。さすがに理科Ⅲ類(主に医学部進学)は手続き率100%ですが、2016年度の理科Ⅱ類(主に理学系学部に進学)では8名も合格の権利を放棄しています。

医科大学も歩留まり率が高くなっています。これは私立大学の医学部の学費がとても高価であるため、医学部志望の一般家庭の受験生は第一志望が国公立となるからでしょう。

鹿児島県の鹿屋体育大学や徳島県の鳴門教育大学も目的が明確な大学ですが、それぞれの進路への希望が明確な、つまり第一志望としてその大学を受験する割合が高いという事でしょう。

国公立の場合では、歩留まり率は直接第一志望率を表しますので、特徴のある専門分野をもつ大学か、難関大学が上位に来ることになります。国公立の場合はセンター試験の結果によって第一志望でない大学を受験する場合も多いと思いますが、合格したのに入学しないということにならないように、これから国公立志望の受験生は、まずはセンター試験対策を頑張りましょう。