医療関連(コ・メディカル)系の大学入試動向(その1)

2021年3月17日 水曜日

全世界を1年以上混乱に陥れている新型コロナウイルス感染症が大学入試動向にどのように影響したのかを、このエントリーでも紹介してきましたが、そろそろ合否発表も終盤戦という事で、当グループからの受験者過去3年間のデータを元に分析をしてみました。

【看護】大幅減少

まず、看護系について、国公立の志願動向ではプラスに振れているというニュースについてお知らせしましたが、どうやら都市部と地方とで差が出ているようです。当グループからの受験生が増えた大学は 関西医療大学 京都先端科学大学 滋賀県立大学 宝塚大学 園田学園女子大学 神戸常盤大学滋賀県立大、 の6校でした。(10名未満の出願校は除外) 例年50名以上が受験する摂南や京都橘、同志社女子でも減少、30名以上が受験する千里金蘭、梅花、京都光華、佛教も大きく減っています。また高齢者施設でのクラスター発生のニュースも影響したのでしょうか、甲南女子の看護リハビリテーションでも減少が見られました。

【臨床検査】大幅減少

こちらも全体的に3割以上の大幅減少となりました。例年多くの受験生がお世話になっている京都橘、森ノ宮医療でも減少、昨年よりも増加したのは専攻として2020年に新設された神戸学院大学のみでした。(5名未満の出願校は除外)(続く)

滋賀県立高校 一般選抜 合否発表

2021年3月16日 火曜日

レミオロメンとは関係なく、3月9日に入試の行われた滋賀県立高校の(一般選抜)学力検査による入試の合否発表が本日(3月16日)です。 教育委員会から発表された表の右側に不合格者数の理論値と、昨年よりも0.1倍以上倍率が上がっているところ(但し今年、1倍を割っているところは除外)に「難化」の文字も入れてみました。

(画像クリックで拡大します)

やはり膳所高校、一般入試でも大人気。滋賀県で一番不合格者の多い学校となりました。その次は大津。昨年と大きく倍率が上がって難関となりました。その次は地域が変わりますが草津東、玉川、石山と続きます。彦根東は昨年よりも上がったとはいえ、1.17倍。受験者層は限られるので難易度が下がったわけではありませんが、落ち着いた倍率となっています。 ともかく今日で、滋賀県の大半の中3生の進学校が決まるのだなと、流れる季節の真ん中で、感じてみたのでした。

関西大学 2021年度入試結果分析(その3)

2021年3月15日 月曜日

今年の入学率(入学者数÷合格件数)でランキングを作ってみました。(化学生命工の生命生物工学、システム理工の数学は人数が少なく、極端な数値になりますので、集計から外しています)

一つ気になるのが文学部の初等教育学専修。第1志望率が高く、合格者の多くが入学をしていた募集単位なのですが、今では19.18%に急落しています。関関同立の中では、小学校教諭養成といえば関西学院、となるのですが、(立命館は産業社会学部に現代社会学科、子ども社会専攻がありますが、一般で36名募集の規模で、立命館のそれ以外の専攻や同志社では、他大学連携での取得も可能なはずですが、昨年度の取得実績は無かったようです)その関西学院の初等教育の入学率も昨年の44.4%から21.43%と半減しており、そちらへの流出でもなさそうです。因みにウチの受験生の動向では、早稲田、昭和女子、桃山学院教育など他大学の小学校教員養成課程でも同じような傾向が見られます。当グループだけでなく、全国的に他分野へ小学校教員を志していた人材が流出しているのでしたら、由々しき事態です。未来の人を育てるという大切なお仕事の魅力を、我々ももっとアピールしていきたいと思います。それはさておき、全体的な入学率は昨年よりも8ポイント以上低下しています。実は今年の関西大学は3月の入試日程をやめる代わりに2月の全学日程を増やし、共通テスト利用(併用)で複数判定方式を導入したため、一人当たりの出願数が昨年の3.44から3.96と増加しています。それに伴い一人で複数合格する受験生が増えています。しかし入学は一人で一人分しかできませんので、平均すると入学率が下がることになります。というわけで歩留まりの読みが難しい入試となり、補欠からの繰り上げ合格や追加合格を多く出す要因となったようです。

入試問題は例年通りの関西大学でしたが、結果に関しては異例ずくめだったといえるでしょう。次年度以降の受験生は、関西大学に限らず今年の合否結果が例年と異なっていますので、追跡調査を元に作られた資料だけで受験校を選ばないようにしましょう。出願数や実質倍率の大きな変化には、ウラがあります。受験生としては前年の入試データといった現象だけにとらわれず、合格点を取るために、早めの受験校決定とその対策をしましょう、というお話でした。

関西大学 2021年度入試結果分析(その2)

2021年3月12日 金曜日

次は入学者数前年比でのランキングです。集約時点でまだ国公立の結果がすべて判明していませんので、ここでのランキングで上位の学部―学科に関しては、ほぼ「専願」的な受験だったことになります。実はランキングトップの「システム理工―物理・応用物理」に関して、2019年の同時期には入学者がほぼいなかったのですが、昨年から増加し始め、今年はさらに前年比2.5倍といった伸びになっています。当グループからの進学率(進学者÷合格数)は関西大学全体で27.4%ですが、「システム理工―物理・応用物理」は41.67%と高い割合になっています。因みにこれを超えるのは、今年は「システム理工―機械工」「社会―社会 メディア」「環境都市工―都市システム」の3つですが、いずれも例年入学率の低い募集単位となりますので、今年は国公立大学との併願が減少したのかも知れません。(続く)

関西大学 2021年度入試結果分析(その1)

2021年3月11日 木曜日

今年は3月入試の無い関西大学について、まだ受験生からの合否結果連絡が届いていないなど集約作業の最中ですが、ひとまず大勢は判明したと思いますので、分析してみました。 元データは開成教育グループからの受験生ですので、大学発表の公式データとは異なった傾向になることをご了承ください。

以前、このエントリーで紹介しましたように、当塾からの出願件数は増えています。但し、昨年は3月入試があったので、同日比で集計して見ると昨年が追い付いてきたため、3月9日比較では昨年比103.6%となっています。それに対して合格者数は145.1%と大きく伸びています。従って、受験者数が昨年と全く同じだとして比較すると、合格できる可能性は1.4倍になったことになります。 その「合格率」の変化だけを見て、募集単位ごとのランキングを作ってみました。なんと、「化学生命工 化学・物質工」以外ではすべてプラス。「化学生命工 化学・物質工」は合格しにくくなっているように見えますが、実際の合格者数は増えています。 このランキングで上位に位置する募集単位は次年度の模擬テストでの判定基準が下がる可能性がありますので、受験生が大きく増える可能性があります。今の高2以下の学年については、このように極端に難易度が動く学部-学科の受験には細心の注意が必要になります。(続く)

大阪府 公立高校一般入試

2021年3月10日 水曜日

今日は大阪府の公立高校一般入試の日です。コロナ禍というわけで、朝の応援、今年は遠慮しました。普通科と専門学科を合わせた20,969の定員に対して23,594名が出願しています。平均倍率で1.13倍となっています。 その中でも、大学進学に力を入れている「グローバルリーダーズハイスクール」(GLHS)に指定されている10高(TOP10高)の倍率の推移を調べてみました。

18クラスも定員が減少した北摂(旧1学区)の豊中と茨木が今年もTOP10の中での最高倍率1.53倍となっています。高津は昨年の揺り戻しで下がっていますが、それでも1.43倍と高めになっています。旧2学区の四條畷と大手前は中学校の希望調査の段階よりも多少落ち着いた倍率となりました。定員が1クラス減少の北野はもっと高めに出るかと思いましたが、他校に流れたのでしょうか、結果的にほぼ昨年並みの競争倍率となりました。その他揺り戻しによる変動はありますが、当然憧れのトップ校ですから、それほど低い倍率にはならないようです。発表は18日。ドキドキしながら結果を待つことにします。

大阪工業大学 オープンキャンパス

2021年3月9日 火曜日

何とか緊急事態宣言が解除された大阪ですが、大阪工業大学から「対面型」オープンキャンパスの案内が届きました。版画調の垢ぬけたデザインが目を引きます。次の日曜日には阪急梅田駅東側すぐの「梅田キャンパス」での開催です。

研究室見学や学生団体の実演、個別相談コーナーもあります。完全予約制となっていますので、申し込みは大学のHPからどうぞ。

【やっと再開】ノートルダム女学院中学校高等学校 オーケストラクラブ定期演奏会【お待たせしました】

2021年3月8日 月曜日

昨年からのコロナ禍の影響で1年間飛んでしまったノートルダム女学院オーケストラクラブの定期演奏会、ようやく再開です。前回と同じびわ湖ホールの大舞台で演奏を楽しむことができそうです。入場料無料、是非皆さんお越しくださいと言いたいところですが、やはりこのご時世ですので座席を間引いての全席指定となっています。ローソンチケットから事前に座席券を手に入れてください。因みにプログラムは有名なバレエ音楽2曲に続けて、ドヴォルザークの交響曲第6番。1880年に作曲されたこの交響曲は、作品としては6番目なのですが、初めて出版されたために戦前には第1交響曲もいわれていたものです。因みにその後第7番が第2交響曲、第5番が第3交響曲として出版され、そんなわけで有名な「新世界より」は第9番ですが、戦前のレコードには第5交響曲と書かれており、CDの時代になっても「SymphonyNo.9(5)」という妙な表記のものが売られています。ややこしいですね。それはさておき、ノートルダム女学院の皆さんが1年間のお休みを経て演奏するこの曲が、始めて出版されたドヴォルザークの交響曲というのも再スタートを感じさせるフレッシュな選曲です。演奏機会がそれほど多い曲ではありませんが、3拍子の心おだやかな旋律から始まるこの作品、聴いてみては如何でしょうか。あっ、「楽曲選びの道しるべ」になってしまった。 小中学生の音楽好きの皆さんには、「オーケストラクラブ推薦入試」というのもあります。詳しくは学校ホームページをご覧ください。

【大学入試】合格率と入学率【関西8大学】その2

2021年3月5日 金曜日

では、産近甲龍に関してはどうでしょうか。当グループからの京都産業大学への出願は4割減と記録的なマイナスになりました。但し、合格は23%減。ウチからは合否ラインの受験生が減ったことがわかります。一方近畿大学はほぼ昨年通りの出願だったのですが、合格者は27%増で、入学者は14%増。甲南大学は例年ウチからの受験も少ないので少し極端な数値になっていますが、それでも合格者の減少幅の方が小さいことがわかります。今年多くの受験生を集めた龍谷大学、当グループからは昨年並みの出願でしたが、合格者は2割以上増加、しかし入学者は昨年よりもちょっと少ない感じです。

さらに過去3年間の3月3日時点での入学率を12大学について調べてみました。すると、過去よりも低下している大学が見られます。ということは残念ながら合格通知がまだ届かない受験生も、繰り上げ合格通知がくる可能性も考えられますよ。

ところで、件数はまだ少ないのでここには数値を上げませんが、東洋大学、日本大学など首都圏の大きな大学に関しても合格率が大きく上がって、入学率が下がっています。首都圏でも何かが起こっています。次年度も要注意です。

【大学入試】合格率と入学率【関西8大学】その1

2021年3月4日 木曜日

3月に入り、大学の合否結果が次第に明らかになってきました。そこで、3月3日の当グループの合否結果を元に、中間集計をしてみたいと思います。元データは推薦系の入試から2月入試まですべての出願、合格、入学者数を合わせた件数です。ここの「入学者」とは「入学手続きをした人数」ではなく、進学先として選んだ人です。

まず、合格者数は、関西大学、近畿大学、龍谷大学で過去最高を記録しています。と、自慢めいたことをここに書くと、「どうせ大量に出願させて、数は増やせても、合格率は下がっているんじゃないの?」と意地悪な噂を流されそうなので、そうではございませんというお話をしたいと思います。

確かに関西大学の出願は、昨年比104.6%と増えています。しかし、合格者数は昨年同日比、146%。3月入試がなくなったため、同日で比較すると有利にはなるのですが、それにしても昨年よりも約200件多くの合格通知を頂戴しました。受験生も担当の先生もよく頑張りました。入試情報室もちょっと頑張りました。 一方関西学院大学では出願が昨年比94.5%、しかし合格件数は123%。えへん。 同志社大学は出願が減った分、合格も減っています。立命館大学は共通テスト利用を中心に出願が25%以上減少しましたが、合格件数は昨年比1割減と踏みとどまっており、結果的に昨年とほぼ同数が入学させていただきます。(続く)