日本一大きな女子大

2017年4月3日 月曜日

日本最大の大学は、66,298人の学生を擁する日本大学ですが、今回は女子大の学生数ランキングです。(こちらのランキングの数値は「大学ランキング2017」(AERAムック 朝日新聞)を参考にしています。)

御覧のように1位、3位、5位は近畿圏の学校です。このうち1位の武庫川女子は兵庫県西宮市、甲子園球場の近くに広大な複数のキャンパスがある大学です。学部は文学部、健康・スポーツ科学部、生活環境学部、音楽学部、薬学部、看護学部の6学部で8,439名(2016年5月時点)が学んでいます。ランキングではこの数値で表示していますが、実はさらに短期大学部があり、その中には7つの学科が設置されていて、1,538名が学んでいますので、実質1万人規模の大学となっています。女子大といえば文系の小規模な大学が多いのですが、ここの文学部の中には教育学科や心理学科が、生活環境学部の中には食物栄養学科や建築学科もあるなど、薬学部や看護学部も含めて資格が取得できる専門分野が多いのも特徴です。
それだけに根強い支持があり、広い範囲から受験生を集めていますが、やはり女子大ですので、一人暮らしを前提とした遠隔地からの受験生は少なく、8割が近畿圏からの受験生となっています。


少子化の影響から出願者数が減少傾向の大学が多い中で、武庫川女子大は2013年には出願者数が2万人を突破し、今年2017年には23,515人と過去最高の志願者数を記録しました。
近畿圏に限っても、2年連続で2万人超となっています。武庫川女子大恐るべし。
1月にこのコーナーで紹介したふりかけなど、食品企業とのコラボや建築学科の近隣の駅や工場の庭園のデザインなど外部発信が多い大学でもあります。元気な女子が大学を飛び出して地域も元気にしています。
これだけの規模の大学ですから、食堂やカフェも充実しています。70席のイートインがあるファミリーマートやドリンクバー併設のマクドナルドなどここの学生しか利用できない特別な商業施設もあります。
女子大はちょっと・・・と思っている女子の皆さん、一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。
因みに男子の皆さん、残念ながら学部には入学できませんが、武庫川女子大の大学院は男女共学です。実際に卒業した男子によると学外で学生証を見せたときや、就職時の面接で好奇の目で見られたとの事ですが、専門分野によっては選択肢の一つに加えるのもよいのではないでしょうか。

近畿大学 「アカデミックシアター」内覧会②

2017年3月31日 金曜日

この施設のもう一つの目玉は24時間使える自習室です。スマートフォンを使って自分の好みの座席を予約して、学生証と兼用のICカードを入り口にかざして入室するというシステムです。1Fは終日女性専用、2Fは男女共用ですが、夜間22:00以降は男子専用にするそうです。もちろん夜間に入館するにはICカードが必要で、防犯カメラも付いていますのでセキュリティーも万全です。

 

自習室の向かいには軽食を取るなどのリフレッシュルームがありますが、椅子がありません。居心地の良いソファーなどがあれば、寝てしまいそうですが、休憩時は立ったままというシステムでお勉強の効率は上がりそうです。

こちらは24時間営業ではありませんが、この施設にはカフェも2か所設けられていました。近畿大学の学内喫茶といえば雰囲気満点の「青い鳥」ですが、今風のカフェで、短時間にリフレッシュというスタイルも良いかも知れません。

 

語学学習のための書籍やDVDが納められた「インターナショナルスタディーエリア」には英語版の漫画もありました。学生に使ってもらうための工夫が徹底しています。

 

オープンキャンパスなどで近畿大学を訪れるとき、可能ならこの施設の見学もお勧めします。

 

近畿大学 「アカデミックシアター」内覧会①

2017年3月30日 木曜日

3月29日、近畿大学の新たな施設である「アカデミックシアター」の内覧会に行ってきました。大学敷地内に4棟からなる施設と、その間をつなぐ低層の建物の計5棟からできています。

 

中央の「5号館」は図書館としての機能もありますが、その配架の方法が非常に特徴的です。背中には一般的な日本十進分類法によるラベルもありますが、その上のピンク色のラベルが近大独自の分類で、33のテーマに分けてまとめられています。例えば情報・通信・ICTというテーマでは工学(通信工学)、心理学(認知論)、社会学(ネットと現代社会)、伝記(IT企業創設者)、経済学(IT企業に関するもの)と、従来の分類なら異なった場所に置かれるものが、一か所にまとめられているといった感じです。実学をウリにした近畿大学の姿勢が表れています。

 

2階には漫画も多く配架されています。しかし、その並べ方も作者名ではなく、ジャンルごとになっていて探しやすくなっています。同じフロアに「キャリアフィールド」と呼ばれる学生の就職を支援する部署がありますが、その前には「島耕作」のシリーズが並べられており、ビジネスの心構えを勉強しましょうということになっているようです。(続く)

 

大学と歩留まり率②

2017年3月28日 火曜日

では、逆に国公立大学の歩留まり率を見てみましょう。国公立は第一志望にしている受験生が多いため、合格者のほとんどが入学をすると思われていますが、実際には違います。

地方の国公立に合格しても、都市部の私立大学に入学する、または潔く(?)浪人するというケースも増えています。

2015年の歩留り率が7割以下の国公立大学を挙げてみました。ご覧のように大都市圏から離れた公立大学がほとんどです。行くつもりがないのなら、その地域の高校生にお席を空けておいて欲しいものです。

一方歩留まり率が高い大学も挙げてみましょう。

面白いことに、京大・東大を抑えて100%となっているのは東京藝術大学。要するに第一志望率が100%だったともいえます。日本最古の芸術大学である京都市立芸術大学も99%と驚異的な数値になっています。今は京都市の旧市街から離れたところに立地していますが、京都駅近くに移転するという計画も進んでいますので、そうなれば広い範囲から学生を集めることでしょう。

東大に合格したのに手続しなかった生徒が2015年度で12名、2016年度でも15名います。さすがに理科Ⅲ類(主に医学部進学)は手続き率100%ですが、2016年度の理科Ⅱ類(主に理学系学部に進学)では8名も合格の権利を放棄しています。

医科大学も歩留まり率が高くなっています。これは私立大学の医学部の学費がとても高価であるため、医学部志望の一般家庭の受験生は第一志望が国公立となるからでしょう。

鹿児島県の鹿屋体育大学や徳島県の鳴門教育大学も目的が明確な大学ですが、それぞれの進路への希望が明確な、つまり第一志望としてその大学を受験する割合が高いという事でしょう。

国公立の場合では、歩留まり率は直接第一志望率を表しますので、特徴のある専門分野をもつ大学か、難関大学が上位に来ることになります。国公立の場合はセンター試験の結果によって第一志望でない大学を受験する場合も多いと思いますが、合格したのに入学しないということにならないように、これから国公立志望の受験生は、まずはセンター試験対策を頑張りましょう。

 

大学と歩留まり率①

2017年3月27日 月曜日

今年も国公立大学後期試験の結果も出そろい、進学先が決定していく時期ですが、大学に合格した人のうち、実際に入学手続きを行う人はどのくらいになるのでしょうか。最新の数値がそろいませんでしたので2015年入学生についてのデータで比較してみました。歩留まり率とは、合格者数のうち、実際に入学した学生の割合です。私立大学は一人で複数学部や複数回合格することが可能ですが、実人数に直して発表された数値を元にしています。

(大学によってその数値の定義が違いますので、あくまでも目安としてご覧ください。)

まず、関関同立についてですが、関西学院大学が35.03%と最も高い数値になっています。もちろん関西学院大学のブランド力の高さもあるとは思いますが、提携校や系属校からの推薦系の入試による合格者割合が高いというのもプラス材料となっています。一方国公立の併願として受験されるケースが多くなった立命館大学が22.45%と他の3大学より低い数値となっています。

産近甲龍で比較しても受験者数日本一の近畿大学が歩留まり率としては低くなっています。私立大学の場合は「一般入試での受験者が多い大学」=「他大学との併願者が多い大学」となりますので、歩留まり率と難易度との関係は、なさそうだと考えた方が良いでしょう。(続く)

 

京都産業大 3/26(日)にオープンキャンパスを開催

2017年3月6日 月曜日

京都産業大が、2018年度入試に向けたオープンキャンパスを早くも開催されます。
詳細は次のとおりです(画像をクリックするとPDF文書が開きます)。

日時:
2017年3月26日(日)10:30~15:30
※10:00から受付開始(事前申込不要・入退場自由)
場所:
京都産業大学
主なプログラム:
大学紹介・入試説明、個別相談、保護者向けイベント、施設見学・研究紹介、学部紹介・模擬授業・研究展示、学生企画、キャンパスツアー

2018年4月に新設予定である「情報理工学部」の新情報をいち早くチェックできる機会です。また、自然豊かなキャンパスに、同大学が持つ文系・理系の全ての学部が揃うという規模の大きさなど、京都産業大のキャンパスの雰囲気をぜひとも体感していただきたいと思います。

 

大学の合格通知

2017年2月22日 水曜日

2月も下旬となり、私立大学の一般入試の結果も日々判明しています。今回は合格後の手続きについて紹介します。

これは立命館大学の合格通知の実物です。(一部画像を処理しています。)御覧のように、「合格通知」の部分より納付書の方が大きい面積を占めています。(大学によっては納付書が別に添付されている形式もあります。)それはさておき重要な情報は、納付期限です。図の赤丸で囲んでいるところに小さく印字されているので見落としがちですが、入学金と前期授業料の納付期限が異なっていますので注意が必要です。立命館大学の場合は入学金の納付期限は2月27日、授業料の納付期限は3月24日です。国公立大学受験生の場合、国公立前期試験(2月25日~26日)の手ごたえから入学金を納めるかどうかを判断することができますが、合格発表(3月8日頃)を見てから判断することはできません。ちなみに多くの大学では入学金とはその大学に入学しなくても、入学の権利を確保するために必要なものであったとして、返金されないのが通例です。

この入学金を払った後、登録カードや写真などを郵送することになります。そちらも期限が決まっているので確認が必要です。

納付期限までに入学金を納めなかった場合は入学の権利を放棄したとして処理されますので、うっかり日付を見落とすなど手続き上のミスで、せっかく合格したのに入学できないという事のないように気をつけましょう。かつて前期入試で失敗をして、落ち込みすぎて試験後泣きながら寝ていたために併願私立大の入学金納付ができなかったという生徒がいました。結果的に国立に合格したため、笑い話で済んだので良かったのですが、そうでなければ併願受験をした意味がなくなってしまうところでした。

もちろん、入試はまだまだ続きます。合格通知をすでに手にしている人も、いない人も、最後まで気を抜くことなく、体調管理と最後の知識確認を怠らないようにしましょう。

 

個別指導学院フリーステップ 教育技術研究所より(関関同立英語分析2/4)

2017年2月4日 土曜日

関関同立大入試2017 英語の問題

2/4 同志社英語
例年通り、大問3題構成、大問Ⅰ・Ⅱは長文と大問Ⅲは会話文という構成
記述の和訳と英作がそれぞれ1題ずつ出題
長文の設問内容は同意表現選択問題が大半をしめ、内容一致問題、空所補充問題など例年通りの構成
和訳問題は昨年度2/4は大問Ⅰで出題されたが、今年度は大問Ⅱで出題
特に目立った傾向の変化はないので、これまで行ってきたことを信じて試験にのぞみましょう。

個別指導学院フリーステップ 教育技術研究所より(関関同立英語分析2/2)

2017年2月2日 木曜日

関関同立大入試2017 英語の問題

2/2 関西大英語
例年通り、大問3題構成、大問Ⅰは会話文と文整序、大問Ⅱと大問Ⅲは長文という構成
2/1と同様大問ⅢのAの問題の設問指示文は英語
2/1では出題されていない”refer to”という指示文が登場
これから関西大を受験する人は関大の最新の問題と過去問でしっかり例年出題されている設問指示文を確認して、
本番で焦らないように備えておきましょう。

2/2関西学院大英語
例年通り、大問6題構成、大問Ⅰ~Ⅲまでは長文問題、大問Ⅳが文法・語法、大問Ⅴが語句整序、大問Ⅵが会話文という構成
特に目立った変更はなし
大問Ⅵの会話文は2/2は例年通り、語彙、文法、語法、会話表現中心の出題

2/2 立命館大学英語
2/1同様大問5題構成、大問Ⅰ~Ⅱが長文問題、大問Ⅲが会話文、大問Ⅳが文法・語法、大問Ⅴが語彙問題という構成
特に目立った変更はなし
立命館の大問Ⅴは単語知識の問題です。
2/1 2/2で出題されている単語の品詞の割合は①動詞:8/20 ②形容詞:7/20 ③名詞:4/20 ④副詞:1/20です。
これから立命館を受験する予定で単語力が不安な人は自分の持っている単語集の動詞と形容詞だけでも見直すとよいかもしれません。

個別指導学院フリーステップ 教育技術研究所より(関関同立英語分析2/1)

2017年2月2日 木曜日

関関同立大入試2017 英語の問題

2/1に関関同立大の中で関西大、関西学院大、立命館大の入試が始まりました。
各大学の英語の問題を例年の出題傾向と比較して、確認してみます。
塾生の人はフリーステップの教室または開成NETで、塾生でない人はフリーステップの教室に実際の問題を掲示しています。

2/1 関西大英語
例年通り、大問3題構成、大問Ⅰは会話文と文整序、大問Ⅱと大問Ⅲは長文という構成です。ただ、2/1の問題では一部例年と違う部分があります。大問ⅢのAの問題の設問指示文が例年は日本語で書かれていましたが、2/1の問題では英語で書かれています。問題指示文が英語に変わっているので、2/1に関西大を受験した生徒さんの中には驚いた人もいるでしょう。ただ、落ち着いて読めば、例年、日本語で書かれている「下線部の意味に最も近いものはどれか」「下線部の意味の具体例はどれか」「下線部から読み取れるものはどれか」がそのまま英語になっているだけですので、問題の意図は変わっていません。この傾向はおそらく今後も続くと予想されます。見た目が変わっているだけですので、これから関西大を受験する人は過去問でし
っかり例年出題されている設問指示文を確認して、本番で焦らないように備えておきましょう。

2/1 関西学院大英語
例年通り、大問6題構成、大問Ⅰ~Ⅲまでは長文問題、大問Ⅳが文法・語法、大問Ⅴが語句整序、大問Ⅵが会話文という構成です。特に目立った変更はありませんが、2/1の問題では関西学院大の問題としては珍しい問題が散見されました。大問Ⅵの会話文の問題です。
例年、関西学院大の会話文の問題は、会話の流れに合うような内容を選ばせる文脈で考える一般的な問題ではなく、単語の知識、文法・語法、会話表現などを適切に選択させる知識重視の問題です。ただ、2/1の問題では10題中4問程度は文脈に合う内容で正解を選ぶ問題が出題されています。今後、この傾向が続くかはわかりませんが、これから関西学院大を受験する人で特に大問Ⅵの会話文は知識だけで解けると思い込んでいる人は注意してください。長文以外の大問4~6を先に解答して、大問1~3の長文は後回しにする作戦で解く人も多いと思いますが、大問6で思わぬ時間をかけて長文問題にかける時間がない!ということがないように注意してください。

2/1 立命館大学英語
昨年度2016年の入試で大問を1題削除、立命館英語の特徴であった誤文訂正問題の削除など問題傾向に大きな変化があった立命館大ですが、2017年度は昨年度と同じ大問5題構成でした。大問Ⅰ~Ⅱが長文問題、大問Ⅲが会話文、大問Ⅳが文法・語法、大問Ⅴが語彙問題という構成です。特に2016年度の出題傾向と違いはありません。おそらく今後もこの傾向が続くと予測されます。ただ、今出題されている構成は過去問題としては昨年度のものしかないため、数が限られています。これから立命館大学を受験する人で全体の時間配分の調整のチェックなどを行う場合は昨年度の過去問題または2017年度の問題で行うようにするとよいでしょう。

なお2016年に立命館大学の英語の問題で誤文訂正問題が消えたこと、2017年に関西大学の英語の問題で設問指示文が英語に変わったこと、関西学院大学の英語の問題で会話文問題において知識ではなく、読解力が問われる問題が出題されるようになったことは偶然ではありません。当然、現在進行中の大学入試改革、英語の4技能重視への改革が入試問題に具体的に表れてきていることだと思われます。今後、この動きは加速していくことになると予想されるため、「設問指示文が英語に変わる」、「単語、文法、語法知識だけを問う問題が減少する」ことは他大学の問題でも多く見られるようになるのではないでしょうか。