外国人教員数ランキング

2016年10月12日 水曜日

最近大学にも外国から来られた先生が増えてきましたが、どの大学に多いのでしょうか。やはり外国語大学が圧倒的に多いのでしょうか。

というわけで、大学ごとの外国人教員数のランキングを紹介します。(AERAムック 「大学ランキング2017」より)

 

まず、総数についてです。(50名以上の大学のみ抜粋しています。)立命館大学が134名とぶっちぎりです。講師で人数を稼いでいるわけではありません。教授だけでも43名在籍しています。2位、3位と外国語大が続きますが、4位は関西学院大。立命館と並んでSGUの指定を受けただけのことはあります。次は東大や京大が来るのか思えば大阪大がランクインです。元大阪外大在籍の教員も多いのですが、准教授が54名と、次世代の層が厚く、さらに増えると思われます。

10位にようやく東京大学が出てきます。これも国際化が進んでいないといわれる理由でしょう。

 

このランキングは元々の教員数が多いマンモス大学が有利だ、ともいえますので、比率でのランキングも出してみました。(比率が23%以上を抜粋しています。)

 

トップの宮崎国際大についでです。1994年設立、看板学部の「国際教養学部」は2006年に設置、教育学部は2014年設置と、とても若い大学です。基本的に授業はすべて英語です。正直英語が得意でない学生も入学していますが、チームで勉強させる、アクティブ・ラーニング型の授業を取り入れるなどの工夫でTOEICの平均点も4年間で338点から642点まで伸びるというとんでもない大学です。

同じように英語での講義が中心の立命館アジア太平洋大学、国際教養大、国際基督教大が上位にランクインしています。

 

留学すると英語力が飛躍的に伸びるといわれていますが、その効果には個人差があり、またそのためにはかなり費用が必要になる場合もあります。その点、このように外国からの教員が多い大学であれば、英語力を段階的・体系的に伸ばすことができるようです。

教員だけでなく、留学生の受け入れなども含めて、大学のグローバル化はさらに進んでいくことでしょう。

 

大学入試センター試験 もうすぐ出願締め切り

2016年10月4日 火曜日

今週末、大学入試センター試験の出願締め切りとなっています。

1月に行われる試験ですが、毎年この時期が出願期間となっています。

国公立志願者は、志望大学が要求している科目を確認する必要があります。特に理科については「基礎」がついている科目でよいのか、科目数はいくつ必要なのかなど、チェックポイントがいくつかありますので確認が必要です。

受験科目が3教科以上か2教科以下か、成績通知が必要か、必要でないかで受験料の金額が異なっています。したがって振込用紙も4種類同封されていますので間違えないようにしましょう。

受験案内に入っている黄色い封筒ですが、今高校3年生の生徒は使いません。学校に直接志願表だけを提出します。現役生がこの封筒を使って勝手に簡易書留で送ってしまうというトラブルが毎年散発しているようです。

というわけで、今年大学受験を迎える皆さんにとっては入試が一気に身近に感じられ、緊張が高まってくる時期ですが、センター試験までまだ3カ月あります。落ち着いて不得意な科目や単元の克服に時間をかけるようにしましょう。

 

大阪府立大学と大阪市立大学の統合について

2016年9月27日 火曜日

数年前から報道されている大阪府立大学と大阪市立大学の統合についてです。

同じ大阪府内にある、この二つの大学は難易度も規模も似通っている大学です。

少し古いデータですが旺文社「大学の真の実力2013―2014」から収容定員数のランキングを抜き出してきました。


御覧のように、公立大学としてはすでにトップレベルの定員数なのですが、これが統合すると国立3位の京都大学に迫る規模となりそうです。

また、学部のラインナップも増えることになり、関西では大阪大学よりも専門分野が多い大学になるとも言われています。(大阪府立大学HPより引用)


キャンパスの配置も、研究室や附属病院など今の設備をそのまま生かすとすれば、6拠点の巨大な大学となりそうです。

府立大学のHPにはその工程表も掲載されていました。

すでに単位の互換は始まっていますし、クラブなど学生レベルでの協力体制も次第に進んでいます。2019年、つまり今年の受験生が3回生になる年には法人が統合されますが、それぞれ独立した2大学の名前をそのまま継承します。2022年、つまり今の中1が大学を受験する年には大学名も統合される、という計画です。今後具体的な統合に向けて解決すべき問題も多く、計画通り進むのか不透明ですし、本部の設置場所や新たな大学名の決定など様々な意見が出ることも予想されます。しかし、大学が大きくなって幅広い専門分野が協力できる体制によって、世界に誇れるような大学に成長してほしいと思います。

 

 

安全が学べる大学

2016年9月21日 水曜日

我々は自然災害やテロなどの危険に常にさらされているはずですが、特にその危険を意識することなく生活しています。しかし、いざ何かが発生した時に、その対処をする人材が必要なはずです。例えば火災なら消防、事故なら警察、災害は気象庁とそれぞれ別の組織が対処しているわけですが、横断的にそれらを併せて研究しているところはありませんでした。

2004年、千葉科学大学に日本で初めて「危機管理学部」が設置されました。危機管理といえば危険から逃れる、危険を防ぐといった意味が強い言葉ですが、危機が起こる前の管理を「リスク・マネジメント」、危機が発生した後の管理を「クライシス・マネジメント」と呼んで区別し、さらにその中で場面に応じての対処法を研究するという学問分野です。

2010年、関西大学に社会安全学部が設置されましたが、2011年に発生した東日本大震災の検証と復興に大きな役割を果たしました。またその後の調査や研究は、報道が災害発生後の被害状況を伝えるだけでなく、そこにいる人にさらに被害を拡大させないような避難情報を流すようになるなどの影響を与えました。このようなことから、防災にかかわる人材育成の必要性が注目されるようになってきました。今年度には日本大学に「危機管理学部」が設置されましたが、さらに来年度には倉敷芸術科学大学にも「危機管理学部」が設置されることになっています。

 

 

 

倉敷芸術科学大学のパンフレットによりますと、安全管理や情報セキュリティーなど企業に関連するものと、防災や災害時の支援など地域にかかわるものといった二つの視点から危機管理が学べるようです。

まだ歴史の浅い学問分野ですが、これからはこのような知識と経験を有する人材の需要はさらに高まってくることでしょう。

 

医学部と学費のお話

2016年9月20日 火曜日

先日も地方の医師不足に関する対策を、政府が検討するというニュースがありましたが、今回は医療の質を長期的に維持するための医学部を学費の面からみてみましょう。国立大学では何学部でも学費は同じなのですが、私立の場合、医学部の学費が極端に高くなっています。

そこで、どの程度違うのかを一覧にしてみました。入学金も100万、200万といった金額になりますので、学費だけでなく、初年度納入金という比較をしてみました。初年度納入金が高い方から順番に並べています。

※学費は年額です。国立では入学金と学費を合わせた金額が初年度納入金になりますが、私立は「教育充実費」等の名目での金額が加わりますので、初年度納入金はそれ以上の金額となっています。

 

初年度で1000万円を超える大学が4校あります。設備や環境も良いといわれる大学ですが、それにしても大変な金額です。入学金が20万円と、ほかの学部と同じ金額に抑えている慶應義塾大学は医学部の最難関と言われ、東京大学理科Ⅲ類が滑り止めだといわれています。かつては1千万円級だった順天堂大学は290万と私立大学最安値を付けたために難易度もはるかに上昇しました。

参考までに公立大学2校と国立大学の学費も載せておきましたが、これで国立の医学部の難易度がなぜこれほど高いのかがお分かりいただけると思います。

医学部を目指している皆さんは、私立大学と国立大学の初年度納入金の差を、自分の1年間の勉強時間で割ってみましょう。自分の勉強の「時給」がどれほど高いのかがよくわかります。いい仕事をしましょう。

ちなみに防衛医科大学のように、学費は無料なだけでなく給料までいただけるところもあります。もちろん最難関です。卒業後9年間は自衛隊に入隊しなければならないという縛りがありますが、学費のために医学をあきらめなければならなかった人でも医師免許を取ることができるわけです。

大学を学費という観点からみると、難易度の違いや変化を知ることもできます。色々な方面から大学を調べてみると良いでしょう。

 

 

大学入試関連、お得な説明会情報

2016年9月14日 水曜日

大学がオープンキャンパスと呼ばれる見学会や説明会など、実際に大学入試を考えている人に大学を見てもらい、その魅力を感じてもらおうという企画を行うことが一般化してきましたが、最近ではさらに手厚い企画も見られるようになってきました。

①オープンキャンパスに無料の模試をセットにした摂南大学

資格取得に強いといわれる摂南大学。今年の定員も1,810名と大きな規模を誇っていますが、その約半数は公募推薦やAO入試といった日程の早い推薦入試での募集となっています。ただし、公募推薦入試は科目数が少なく、範囲が限られるなど出題傾向も学校によって大きく異なるため、どのような準備をすればいいのか、何を勉強すればいいのか、なかなかわかりにくいという欠点があります。そこに目をつけた摂南大学では、公募推薦の出題傾向に対応した模試を無料で実施するという、受験生の心を掴む企画を考えてくれました。模試といっても判定が出るわけではありませんが、実際に受験する大学の中で、本番と同じ傾向の問題に取り組むことができるのは大きいです。もちろん模範解答と解説の冊子も配布されます。先着1,000名限定ということですので、公募推薦受験をお考えの受験生はお早めに。

②公募推薦対策講座を大学で実施する京都産業大学

今年度から理学部の中に「宇宙物理・気象学科」を増設し、次年度から「現代社会学部」を新たに設置するという、話題に事欠かない京都産業大学ですが、その話題性のみならず、公募制推薦入試対策講座を無料で開催し、併せて個別相談会も行うという、受験準備のお手伝いまでしてくれるという催しが開かれます。
これも公募対策の制度説明のみならず、出題傾向からそのための勉強法まで説明してくれるという手厚さです。しかも、会場が近畿圏を中心に11か所、遠くは香川県の高松、岡山といった広い範囲の外部会場を借りての開催ですから力が入っています。京都産業大学が第一志望の受験生はもちろん、併願として公募推薦を考えている受験生も受講するとよいでしょう。こちらは事前申し込み不要とのことですが、会場ごとの日程や時間を確認して遅れないように参加するとよいでしょう。

このように大学のHPを細目にチェックしているとお得な情報が得られます。ほかの大学を志望している受験生も、大学独自の入試関連の説明会などの催しを情報収集しておきましょう。

 

 

阪南大学にお邪魔してきました。

2016年9月9日 金曜日

大阪府松原市の阪南大学は、51年前の1965年に設立された文系の大学です。創立当初は商学部からのスタートですが、今では「経済学部」「流通学部」「経営情報学部」といった商業系の学部に加えて、「国際コミュニケーション学部」「国際観光学部」の5学部を擁する、学部学生だけで5000名を超える規模となっています。(「国際観光学部」のみ少し離れたキャンパスです。)実学を重んじる「キャリアゼミ」などの教育によって就職率も高く、実就職率では関西で4位だそうです。どのような大学なのでしょうか。

大学設備をいくつか案内していただきました。

まず、人工芝のグラウンド。この日はアメフト部が練習をしていました。最近は建物ばかりの大学が増えてきましたが、このように校地の真ん中に配置されたグランドのおかげで周りの建物からの見晴らしも良くなっています。

 

50周年記念館という真新しい建物の3階に学生課があります。銀行の窓口のように番号札を取って順番に待つ方式です。大学の事務室も進化したものです。その外に災害用の備蓄倉庫があります。水害も想定してあえて3Fに設けたそうです。

 

2階には「スチューデント コモンズ」という小集団学習やネイティブによる英会話を行うスペースがあります。いくつかのガラス張りの小部屋は壁一面がホワイトボードになっており、議論や授業にも使われるそうです。

 

阪南大学といえばJリーガーを40名以上輩出するほどのサッカーで有名な大学ですが、スケート(ショートトラック)においても、オリンピック選手の出身校として知られています。長野五輪で金メダルを取った西谷岳文選手、冬季五輪に3度出場している小澤美夏選手のユニフォームも展示されています。

 

4階は記念ホールとなっており、講演などにも使える仕様となっています。

 

勉強の設備と同じくらい欠かせないのが食堂です。学内には食堂、カフェテリアが3か所あります。大学生協の購買では文具や書籍はもちろん、スーツまで注文することができます。

最後は図書館。2層の開架式の図書館です。DVDの鑑賞ができるソファーのコーナーまであります。社会での「実践力」にこだわる大学らしく、ビジネスソフトのマニュアル類なども充実していました。

次の日曜日に今年度最後のオープンキャンパスが行われます。高校生の皆さんは、この就職に強いという大学を自分の目で確かめてみてはいかがでしょうか。

 

 

大学入試センター試験に代わる、新テストについて

2016年8月25日 木曜日

センター試験は1990年から実施されてきた大学入試に関わる試験ですが、2020年1月実施分を最後に廃止されることとなりました。それと同時に、大学入試制度も一新されることが決まっています。では、大学入試はどのように変化するのでしょうか。

まず、新しくスタートするのが「新テスト」とも呼ばれる「高等学校基礎学力テスト」と「大学入学希望者学力評価テスト」の2つです。前者は、高2・高3での学習到達度を図るテストで、後者は、実質的に現在のセンター試験に代わるテストです。

では、この新制度による入試はいつから実施されるのか、誰が対象になるのか、ご存知でしょうか。答えは、大学入試に関しては「2020年度から実施される」「2021年の春に大学に入学する生徒から対象になる」のですが、高等学校基礎学力テストは先行実施されます。つまり、今の中学生は新制度の対象になるのです。

 

文部科学省も十分な準備を行った上で実施するものと考えられますが、受験生や保護者の中には、大学入試制度の大改革による混乱を避けるため、内部進学で大学に進むことができる附属や系属の私立中学・高校を希望するケースも増えるかもしれません。

従って、今の中2生が高校を受験する2018年度の高校入試や、中学入試の動向にも変化が見られる可能性があります。

まだ決定していないことも多い新制度。今後、どうすればいいのか不安に思っている人もいるでしょう。とにかく今は、関連情報にアンテナを張り、状況が変わっても焦らず対応できるよう学習面の準備が必要になるでしょう。

 

関関同立 大学合格ランキング②

2016年8月23日 火曜日

前回に続いて、関西の有名私大にどの高校から「現役で」合格者、進学者が出ているかをお伝えしたいと思います。このブログ内のリストは「サンデー毎日」7月10日号から引用しています。私立高校の学校名には薄く色を付けています。進学者数÷卒業生数=進学率の高い順にランキングしています。

同志社大学は京都市、御所の北側に本部(今出川キャンパス)があり、京都府南部の京田辺市に京田辺キャンパスがあります。2012年までは1・2回生は田辺、3回以上は今出川と学年によってキャンパスがわけられていましたが、今では京田辺キャンパスは理工、文化情報、生命医科、スポーツ健康、心理、グローバルコミュニケーションの6学部の拠点となり、学年によるキャンパス移動は無くなりました。今出川が8学部ですから、二つの拠点の規模は近いといえます。

 

ランキングを見ると、京都の大学であるにもかかわらず、京都の高校は10位の1校のみです。広い範囲から受験生を集めていることがわかります。特に兵庫県から3校もランクインしているのが注目されます。関西学院と同じようにミッション系の学校ですので英語が得意な生徒が集まるのでしょうか、関西学院でトップだった兵庫県立国際高校もランクインしています。

 

立命館大学は京都市北西部、金閣寺や龍安寺に近い「衣笠キャンパス」が本部で、1998年に滋賀県草津市の「びわこ・くさつキャンパス」(BKC)、昨年2015年には大阪府茨木市の「大阪いばらきキャンパス」(OIC)が開設されました。学部レベルでも2008年に生命科学部・薬学部が、2016年に総合心理学部が新設され、2018年には食科学部の新設予定と、拡大路線の大学です。

大阪いばらきキャンパスのある茨木市の隣、高槻市のトップ高である大阪府立三島高校が1位です。茨木市のNo2高の大阪府立春日丘高校もランクインしています。いずれも茨木キャンパス新設の影響でしょう。2位の東大津高校はびわこ・くさつキャンパスから最も近い県立高校です。京都の紫野も比較的衣笠キャンパスに近い高校です。地理的には離れている和歌山から初芝橋本高校がランクインしているのはこの高校には立命館コースがあるため例外ですが、他の大学に比べると全国から広く受験生を集めています。

 

このように並べてみると高校のカラー、大学のカラーが見えてきます。高校選び、大学選びの参考にしてみては如何でしょうか。

 

関関同立 大学合格ランキング①

2016年8月22日 月曜日

関西の有名私大にどの高校から「現役で」合格者、進学者が出ているかをお伝えしたいと思います。

関西大学は高槻市の2学部(ミューズキャンパスの「社会安全学部」、高槻キャンパスの「総合情報学部」)と堺市の1学部(堺キャンパスの「人間健康学部」)以外は吹田市の千里山キャンパスに10学部が集結している大学です。今年度130周年を迎えるそうです。(あと76日だそうです。)

このリストは「サンデー毎日」7月10日号から引用しています。進学者数÷卒業生数=進学率の高い順にランキングしています。

 

御覧のように関西大学は1位から10位まですべて公立高校で占められています。そのうち大阪府立が9校と大阪からの受験生が多いことが表れています。但し同じ吹田市にある高校からは北千里、隣接の豊中市の高校からは桜塚がランクインしているだけで、大阪府下の広い範囲に、ランクインした高校が分布しています。

自主性を重んじる自由な校風を特徴とする大阪府立高校が多くランクインしていますが、現役合格者数をこれほど輩出しているということは、高校での授業のレベルや補習などの対応が進んでいるということだと思います。

 

関西学院大学は、神戸のイメージが強いのですが、実は少し離れた兵庫県西宮市に本部があり、そこに11学部のうち9学部が集中しています。少し内陸に入った三田市に「総合政策」と「理工」の2学部が設置されています。

私立高校の学校名には薄く色を付けています。こちらのランキングには私立高校が3件入っています。1位の兵庫県立国際高校と3位の芦屋国際中等教育学校は同じ敷地内にある学校で、関学のある西宮市の隣の芦屋市にあります。いずれも国際教育、語学教育で有名な学校です。同じように6位の小林聖心女子学院も徹底した英語教育で定評があります。文部科学省からSGU(スーパーグローバルユニバーシティー)に指定されている関西学院大学には、やはり英語に強い高校からの合格が多いようです。(続く)