立命館附属中高合同説明会のお知らせ

2016年4月14日 木曜日

元々は京都の御所の東側にあった、どちらかといえば地味な学校だった立命館大学ですが、35年前に衣笠キャンパスに全面移転、その後氷室、滋賀県の草津市、さらに大阪府茨木市と拡大を続け、今や入学定員が7000人以上、受験者も9万人以上といったマンモス大学になっています。その附属高校も立命館中学・高校1校の時代が長かったのですが、いまや附属校だけで4校となりました。(その他立命館に推薦入学できるコースを設けている係属校もあります。)その附属校のうち、3校が合同で説明会を行うという案内をいただきました。

立命館附属中高合同学校説明会_相談会_案内

 

大学附属の高校というのは、進学できる大学が決まっているため、その違いが分かりにくいものですが、このように合同で説明会をしていただけると、その特色を比較することができ、よいのではないかと思います。

ちなみに今回の説明会に参加しない残り一つの附属高校は、「立命館慶祥中学・高校」です。この学校は北海道江別市にありますので、今回の説明会には参加していただけないというわけです。

 

近畿大学の東大阪キャンパスにお邪魔してきました

2016年4月13日 水曜日

今年も近畿大学の受験者数が日本一となりました。これで3年連続となり、今年度も合計16万3833件の出願があったそうです。近畿大学は文系学部と理系学部の定員がほとんど同じなので、理系の人気が上がっても、文系の人気が上がっても、全体的な人数変動は少ない大学だといわれていますが、今年度は昨年度から比べて国際学部の新設効果もあって文系学部の受験者数が114.6%と1万1千人以上増えており、理系の96.1%、つまり4%弱の減少(人数で3000人ほど)を余裕でカバーして過去最高を更新しています。女子の割合も30%を越え、文系学部の割合が多い関関同立と並ぶ数字になっています。

そこで、近畿大学東大阪キャンパスの状況を見てきました。

よくパンフレットにも載っている西門です。午後の授業中の時間帯に撮影しましたのでそれほど多くの人は通っていませんが、午前中は有名神社の初もうでみたいな状況でした。

門を入って左手に進むと、英語村「e-cube」という建物があります。カフェみたいになっていますが、この中は日本語禁止ゾーンです。入口にもネイティブの先生が居て、趣旨説明しています。


中庭です。ここも多くの学生が一休みしています。

新しくできた国際学部の建物に入ってみました。

新しくて気持ちいいです。

もっと奥の方にある「情報処理教育棟 KUDOS(キューダス)」です。パソコンを自由に借りられる施設です。しかしここも人がいっぱい。向かい側の総合社会学部の建物は人が多すぎて入ることをあきらめました。

薬学部の建物です。壁面のガラス張りの大きさをお伝えするために、文芸学部の4回生に立ってもらっています。

この中にも自習室があって皆さん静かに自習しています。

現在キャンパス内では工事が行われており、400億円の総工費で図書館や24時間営業の自習室などを整備するのだそうです。マグロやナマズといった水産系や農学系が話題となり、理系が元気なイメージですが、文系も含めて全体的に活気あふれるキャンパスでした。

 

大阪市 5歳児教育無償化予算案 可決

2016年4月12日 火曜日

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読売新聞 3月30日

◇市議会 16年度予算可決

大阪市議会は29日、政令市で初となる5歳児の教育費無償化を盛り込んだ2016年度一般会計当初予算案(1兆6509億円)などを可決し、閉会した。無償化は4月の導入が正式に決まった。

5歳児の教育費無償化は、吉村市長が掲げる目玉政策。市内の幼稚園や認可保育所に通う約2万人を対象に、幼稚園の保育料について公立で全額、私立では年30万8000円を上限に無償とする。保育所は幼稚園の保育料相当額にあたる5~6割を減額する。

http://www.yomiuri.co.jp/local/osaka/news/20160329-OYTNT50339.html

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大阪市では5歳児教育を無償化する予算案を3月末に可決しました。幼稚園の保育料については公立で全額、私立では年30万8千円を上限に無償とする。保育所は幼稚園の保育料相当額に当たる5~6割を減額する、としています。政府も5歳児教育無償化を検討していますが、財源の問題から年収制限を設ける見込みですので、大阪市の制度はそれよりも踏み込んだ内容となっています。

大阪市の吉村市長によりますと、アメリカ、ドイツでは5歳から教育費が無償で、イギリスは3歳から、フランスでは2歳からと、先進国の中で最も遅れているとの指摘です。しかし、保育園整備の問題など育児関連予算に加えて、さらに育児関連の費用が予算化されることに財政上のバランスを問題視する声もあり、他の自治体が追従するかどうかは不透明です。従って地域によって子育てにかかる費用に差が生じるという新たな問題も生じそうです。

 

2020年代に向けた教育の情報化に関する懇談会中間発表

2016年4月11日 月曜日

文部科学省の諮問機関である「学校の情報化に関する懇談会」が4月8日にそれまでの議論をまとめた中間発表を行いました。

論点を簡単にまとめると以下のようになります。

急速な情報化の進展により、コンピュータやスマートフォンを利用したインターネットの活用が進んでいる。が、さらにAI(人工知能)やIoT(情報機器以外のものまでインターネット接続されること)、ビッグデータなどにより人間生活が質的に変化する。

このような社会の変化に子どもは受け身で対処するのではなく、主体的に向き合っていく必要がある。このような能力は教科ごとの学習ではなく、教科横断的な視点での学習が必要である。そこで、情報活用能力が必要である。

また、学校のICT(情報通信技術)化は民間企業に比べて遅れているため、教員の時間的・精神的余裕を確保するためにも、校務の情報化が有効である。

さらに、地域や大学・民間との連携にもICTは有効に利用できる。

今後は、「生徒一人一台コンピュータ環境」と「堅牢な校務支援システム」を前提とした「スマートスクール構想」構築のための実証研究を行う。

というものです。しかし、コンピュータの購入の金銭的負担や教員の研修など、現実的に解決しなければいけない問題も多いと思います。従って、公立の学校の「スマートスクール」化がどのように進むのか、また、既に「スマートスクール」化による差別化をしている私立の学校がどの部分で優位性を確保するのかなど、教育環境に与える影響は少なくないと思います。

文部科学省HP(http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/

__icsFiles/afieldfile/2016/04/08/1369540_01_1.pdf)より

 

 

大阪の英語力は全国最低??

2016年4月8日 金曜日

(2016年4月5日読売新聞 webニュースより抜粋)

文部科学省は4日、全国の中高生らを対象にした2015年度の「英語教育実施状況調査」結果を発表した。高校3年生で「実用英語技能検定(英検)準2級程度」以上の英語力を持つ生徒は34.3%、中学3年生で「英検3級程度」以上の英語力を持つ生徒は36.6%で、いずれも前年度比で2ポイント以上増えた。

調査は昨年12月、全公立中学、高校計約1万3000校の中3生、高3生について、各都道府県教委などを通じて実施。「英検準2級程度」「英検3級程度」については、試験で資格を取得した生徒に加え、教員が普段の授業などから同等の力があると判断したケースを含めて集計した。それによると、中3では、「英検3級程度」以上は前年度比2ポイント増の36.6%、高3では、「英検準2級程度」以上は同2.4ポイント増の34.3%で、中3は3年連続、高3は2年連続の増加となった。今回は、各都道府県の実情にあった取り組みを促すため、都道府県別のデータも初めて公表。中3では、千葉が52.1%で唯一、政府の目標を上回ったほか、秋田(48.6%)、東京(47.9%)など9都府県は40%台だった。

一方、高知(25.8%)、熊本(26.9%)など8道府県は30%を切った。

高3では、群馬(49.4%)、千葉(45.5%)、福井(42.5%)など5県で40%を超えたが、沖縄(21.8%)、和歌山(22.5%)など11道府県は30%に達しなかった。

文科省は「英検準2級程度」以上、「英検3級程度」以上を測る統一的な基準を示しておらず、高知県教委では「学校現場の判断に任せた」などと説明。このため、文科省では「都道府県間の単純な数字の比較は難しい」としている。

(以上抜粋)

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大阪の中3生のうち、英検3級以上取得者の割合は9.7%で全国47位と最下位に、学校ごとに英語教員が英検3級以上相当の力があると思われる生徒を加えても28.9%と全国平均の36.6%を大きく下回り、42位となりました。

これは英検に対する学校毎の取り組みが現れた資料ですので、実際の英語力をランキングにしたわけではないのですが、やはりここまで順位が低いというのは、英語に対する取り組みが遅いのは確かなようです。

 

小学校からの英語教育に関心のある方はこちら


 

 

立命館大学 2017年度入試変更点について

2016年4月7日 木曜日

3月28日に立命館大学から、2017年度入試の変更点が発表されました。主な変更点をまとめました。

 

①出願方法:一般入試に関して、出願方法は基本的にWeb出願のみに

②学科再編:経済学部の国際経済学科を、国際専攻として経済学科に統合

情報理工学部情報のシステム学科、情報コミュニケーション学科、メディア情報学科、知能情報学科を情報理工学科に統合

③入試日程:後期分割方式・「系系学部で学ぶ完成+センター試験」方式の実施日が3月7日に変更。情報理工学部「センター試験+面接」グローバル方式を3月6日に実施

④出願条件:情報理工学部「センター試験併用方式」の「英国数型」「数学重視型」を廃止

理工・情報理工・生命科学・薬ではセンター試験方式、センター試験併用方式の場合、高校で数Ⅲ・理数数学Ⅱの履修が出願条件に追加

⑤科目変更:センター試験型、総合心理学部の3教科型を廃止

経済学部経済学科国際専攻ではセンター試験方式を実施しない

情報理工学部情報システムグローバルコースでもセンター試験を実施しない

⑥英語外部検定試験の特別措置:基準が変更になっています。

⑦配点変更:情報理工学部、薬学部で配点変更

⑧推薦関連:東日本大震災被災地域指定推薦を廃止

 

詳細については、今後大学からHPを通じて発表される入試要項をご確認ください。

 

関西大学中等部・高等部にお邪魔してきました③(安全編)

2016年4月6日 水曜日

4月から「普通科」に学科変更されますが、6年前に「安全科学科」として発足したこの学校は、隣接する関西大学の社会安全学部も含めて「安全」がキーワードになっています。

まず、校舎入口はオートロックになっており、ICカードを持った生徒、教職員以外は入ることができません。コンピュータールームなどもすべてICカードで入室・退室が管理されています。体育館やプール、グランドの前それぞれに更衣室が設けられており、生徒が私物を教室に放置することが無い仕掛けになっています。

校舎が上下に積み重ねられているので、生徒が階段で移動することも多いのですが、その階段や廊下にも工夫が凝らされています。

災害時の避難を想定して、最も生徒で混雑する中央部の階段付近には余裕のあるスペースが設けられています。

階段下での将棋倒しを防ぐために途中で絞り込む場所があります。


中学生用のフロアでは生徒が走り回って階段から落ちても大きな怪我をしないように、あえて階段の途中を折り返しています。

職員室はガラス張りで、向かい側が保健室となっており、その出入りが常に見えるようになっています。

怪我などで不自由な生徒も安心して通学できるように、学校としては珍しい「多目的トイレ」が各階に設けられています。

体育館では熱中症を防ぐためのスポーツ飲料の自動販売機や

冷却しなければいけない怪我などに備えて、製氷機が備えてあります。

 

温水プールは、使用する学年に合せて深さを変化させることができる設備があり、プールでの事故を防いでいます。

このプールの水は24時間濾過されており、加えて災害時には市民の飲料水に転用することができる濾過装置まで備えています。その横は災害用物資の倉庫となっています。

人工芝のグランドも水はけがよく、降雨後でも避難場所として使うことができます。

 

災害時の救援、支援のための道具や物資が展示されたスペースも有り、生徒にも「安全」に関する興味関心が湧くような仕掛けがなされています。隣の社会安全学部の大学生によって組織された消防団もあるそうです。

高校では「安全科学科」として、例えば火災時に水をかけてはいけない物質を学ぶ授業や、環境問題に関する英語の文献を読むなどの授業が行われてきたそうですが、今年の同志社の英語の長文では地球温暖化に関する雑誌記事が出題されるなど、実際の入試問題の役に立つというメリットもあったそうです。

今までにも日本のみならず海外でも学校への不審者の侵入や、大規模災害にともなう被災など生徒が犠牲になった痛ましい事件もありました。めったにないことだからと放置すること無く、生徒のみならず、市民への「安全」を備えているという学校だといえるでしょう。

 

関西大学中等部・高等部にお邪魔してきました②(理科教育編)

2016年4月5日 火曜日

SGH(スーパーグローバルハイスクール)に指定され国際交流学習も盛んな学校ですが、理科教育に関しても相当先進的な取り組みがなされています。

定期テストが終わった後のテスト直しは多くの学校で行われていますが、この学校の理科のテスト直しはちょっと変わっています。それまでに学んだことの関連をマインドマップという図に表して再び知識の位置付けを確認するというものです。

優秀作品が選ばれて貼り出されていたりします。

数名で合作した大作もあります。これは「代謝」の分野が難しく、苦労した高校生が後輩のために作成したものだそうです。

このように生徒が自分の頭の中を図に整理するだけでなく、他の生徒の理解にも役立つような使い方を行っています。

そればかりか、小中高の理科の先生が自分たちの実践を「サイエンスパーク」という形で発表しています。先生方も自分たちの授業を披露することで互いの刺激になり、生徒も「こんな授業も受けたい」という声を作るきっかけにもなることでしょう。

生物室にはそれ以外にも生徒が作成した鳥の骨格標本やセミの抜け殻を壁に飾ってオブジェみたいになっています。

理科教育を強化しているイメージを持っていなかっただけに、これは思わぬ発見でした。デジタル出力できる顕微鏡などの設備と併せて今後理系科目への興味関心を持つ生徒が増えることでしょう。

(③へ続く)

 

関西大学中等部・高等部にお邪魔してきました①(情報機器編)

2016年4月4日 月曜日

JR高槻駅近くに関西大学の社会安全学部と隣接してそびえる関西大学中等部・高等部は小等部と併せて6年前に創設された学校です。高校は「安全科学科」と珍しい学科名でありながら、文部科学省のSGH(スーパーグローバルハイスクール)に指定され国際交流学習も盛んな学校です。但しこの4月から「普通科」に学科変更されるそうです。

本ブログでは2010年に開学式の模様を報告しましたが、6年経過してどのように使われているのかという点にも着目して見させていただきました。

まず13階建ての校舎は6基あるエレベーターで移動します。小学生は1階から5階まで、中学校は学年別に6階から8階の3フロア、9階が職員室と保健室で10階が図書室、11階から13階がこれまた学年別に高等学校のフロアとなっています。13階からの見晴らしは最高です。屋内の照明はLEDで、ほとんどが自動で点灯・消灯する仕組みです。

カナダ製のしっかりした机は6年間使用したようには見えません。

コンピュータールームです。普通の学校では教卓に向かってコンピューターを配置しているところが多いのですが、ここでは真ん中にミーティングテーブルを置いて、周りで作業する仕様になっています。

この部屋にも貸出し用のMacBook Airがずらりと40台。同じようなキャビネットが校内随所にあり、全部で600台のノートパソコンが生徒用に準備されているそうです。

広大な図書室

見晴らしの良い閲覧室

ここにもMacが・・・

進路指導室にも

Macが・・・

職員室にもMacのデスクトップが林立し、教室には電子黒板や書画カメラ、生物室にもデジタル顕微鏡と、最新のデジタル設備が詰まっていました。

(②へ続く)

 

同志社大 オープンキャンパス 「大学紹介・入試説明会」の様子

2016年4月1日 金曜日

当ブログではこちらのエントリー「同志社大 2016/3/26土 オープンキャンパスの様子」でご紹介したとおり、2016年3月26日(土)に今出川キャンパスにて開催されたオープンキャンパスにお邪魔させて頂きましたが、今回は当日行われたイベントの「同志社大学 大学紹介・入試説明会」について詳しく触れたいと思います。

このプログラムでは、同志社大学を『同志社大学について』『一般選抜入試について』『試験問題について』の3つのテーマで紹介されていました。まず『同志社大学について』では、創立者・新島襄氏の略歴を紹介しながら、建学の精神である「良心教育(キリスト教主義・自由主義・国際主義)」について。そして京都市内という立地の中、新旧さまざまな校舎で学ぶことになる「今出川キャンパス」の様子や、甲子園球場20個分という広大な敷地を有し、今年開設30周年を迎える「京田辺キャンパス」の様子などを説明されていました。

また、気になる「就職状況」についての説明では、2015年度の就職率が96.9%であったこととともに、過去10年間の就職者数上位企業が表で紹介され、参加したみなさんも大変興味深く聞き入っておられました。

続いて『一般選抜入試について』では、先般終了した2016年度入試の結果を踏まえ、「直近3か年の志願者と受験者の動向」が早くも紹介され、参加したみなさんも食い入るように画面に注目されていました。また「入試日程」についても全学部日程と学部個別日程が用意されている点に触れ、同一学部でも複数回の受験機会があることが説明されていました。3月中のオープンキャンパスということで2017年度入試のものではありませんでしたが、大学入試をはじめて意識された参加者にとっては大切な情報だったのではないでしょうか。

最後に『試験問題について』ですが、まず「出題傾向」についての説明があり、各科目ごとに組織された出題委員会によって問題作成がなされているため、複数回受験すると問題の傾向を感じることができ、有利に働くとのこと。また「問題内容」は難問や奇問を問うことはせず、高校生活での着実な学習努力が報われるような内容を心がけているとのことでした。同志社大学の「解答形式」はできるだけ記述式を用いるようにしているため、受験生の論理的思考力や正確な表現力が問われることになるのですが、この説明がされているときは、参加者の表情も一層引き締まったように感じました。

概要説明や大学全体の説明が中心ではありましたが、大学生活に思いを馳せつつも、その手前にある入試についての情報も得ることができ、参加したみなさんも有意義なプログラムであったように思います。次回のオープンキャンパスは、上に示した画像の日程で行われます。興味を持たれたみなさんは、是非ご自身の目で確認されてみてはいかがでしょうか。

以上、同志社大学オープンキャンパス 大学紹介・入試説明会の様子でした。