大学選びの指標 学部系統別「進路決定率」

2016年2月2日 火曜日

今回は「進路決定率」なる用語とデータをご紹介致します。

大学選びにおいて重要視される指標として代表的なのは「就職率」であることは誰しもがお認めになるところではないでしょうか。最近では「就職希望者数を分母とした就職率」を示す「就職決定率」という用語が広まり、そちらでの情報公開や比較が一般的となっています。

しかしながら、大学卒業後の進路は「就職」の他にも「大学院進学」もあり、特に理系学部の卒業生は大学院へ進学する割合が高くなっています。

就職決定率の数値ではこの大学院進学者を横においた計算となっています。

今回ご紹介する「進路決定率」というのは、「大学卒業者における就職者と大学院進学者の割合」を示すものであり、就職or大学院進学どちらであったにしても進路が決まった、という率を示しています。

次にご紹介するグラフでは、2015年度卒業生の進路決定率を学部系統別にご紹介しています(画像をクリックすると拡大します)。


※旺文社「大学の真の実力 情報公開BOOK」より

薬学部・歯学部を除く理系学部の進路決定率が大変高くなっているのがわかります。特に理、工、農・獣医畜産・水産といった系統は卒業生のうち1/3~1/4が大学院へ進学しており、これが全体の進路決定率を押し上げている要因になっています。

一方で文系学部では、大学院へ進学する者は1割どころか5%前後しかいない学部・系統が圧倒的に多く、言い換えれば卒業者のほとんどが就職という道を選んでいます。よって、世間一般の就職(新卒採用)状況の良い・悪いが進路決定率の高い・低いに大きく影響を与えてきます。

大学をお選びになる際、特に理系学部を選ぶ受験生の皆さんは、就職率と合わせて大学院への進学者数や進学率なども調べておきましょう。
 

 

近畿地区国公立大 社会福祉士合格率ランキング

2016年2月1日 月曜日

当ブログでは、過去にも「薬剤師」「看護師」「司法試験」といった難関資格の大学別合格率をご紹介してまいりました。

今回のエントリーでは社会福祉士にスポットを当てて、近畿地区国公立大の合格率をご紹介致します。

まずは、社会福祉士という資格・職業について説明をせねばなりません。社会福祉士とは「身体上・精神上の障害があるために日常生活を営むのに支障がある人の福祉に関する相談に対して助言や指導、援助を行なう専門職(wikipediaより)」を指し、医師や薬剤師などと違い、この資格が無ければ福祉業界では働けない、ということはありませんが、福祉業界において上級職を目指すためには必要となる資格です。

近畿地区には、国公立・私立問わず社会福祉士の育成に向けて力を入れている大学が多くあります。それらを整理する意味でも、合格率と合わせてご紹介を致します。なお、今回の合格率は「第27回社会福祉士国家試験」の、既卒者も含めた合格率でランキングしています(画像をクリックすると拡大します)。

国公立大の合格率が高く、次いで40%台後半に武庫川女子大と京都女子大、その次に30%台後半には関西学院大が続いています。

社会福祉士に限らず、大学卒業後に資格試験の合格を目指しているのであれば、志望大学の「資格試験合格率」を必ず調べるべきです。その際は、今回ご紹介しているような「単年度」の合格率ではなく、過去数年間の合格率を教えてもらい、大学が持つ「その資格試験に対する強さ」を長い期間で判断することが大切です。
 

 

女子の憧れ! キャビンアテンダント採用数ランキング10~14

2016年1月28日 木曜日

女子の間で人気が高い職業の一つが「キャビンアテンダント」です。

今回のエントリーでは、10~14年の合算での各大学のキャビンアテンダント採用数ランキングをご紹介します(画像をクリックすると拡大します)。

並んでいる大学名を見ていますと、首都圏の大学に偏っているということも無く、トップ5以内に近畿地区の大学が3つランクインしているなど、近畿地区の大学も数多く顔を出しています。

また、ランクインしている大学の顔ぶれを見てみると、早稲田大や関関同立といった難易度の高い大学はもちろんのこと、同志社女子大・聖心女子大・日本女子大・東京女子大・学習院女子大・津田塾大といった女子大も大健闘しています。

ただ、やはり関西外国語大と青山学院大、この2校の実績がダントツで高いのは年を経ても変わらない動向です。

特に関西外国語大には、「エアライン演習室」なるものが校舎内に用意されており、教科書の学習だけではわかりにくい「緊急時の対応」も含めた授業がこの演習室で実施されているようで、緊急脱出時の乗客の誘導、客室に持ち込まれた不審物の捜索、といった実技を交えた具体的な講義も行われているようです。

こういった実際の航空機の内部を再現した演習室で実に具体的な内容を訓練されている学生と、そうではない学生とでは採用試験時に大きな差が出るのは当然でしょう。

関西外国語大のキャビンアテンダント採用数1位、まだまだ続きそうですね。

将来航空業界で働きたい女子の方は、このランキングをぜひ参考にしてみて下さい。

ちなみに、キャビンアテンダントはいわゆる「和製英語」で、英語圏では「フライトアテンダント」もしくは「キャビンクルー」と呼ばれていますから、ご注意を。
 

 

京都で学生生活を 京都の大学紹介サイト「コトカレ」

2016年1月27日 水曜日

京都市には38の大学・短期大学が存在し、同市の人口の1割に相当する約15万人の学生が学ぶ、まさに「大学のまち・学生のまち」です(京都市HPより一部抜粋)。

そんな「学生のまち」である京都で大学生として生活をしている皆さんが、全国の中高生に向けて大学の様子やキャンパスライフを紹介するメディアとして「コトカレ」なるサイトがオープンしています。

これは、「京都の大学生が主体的に取材や執筆を行い、「京都」で「学ぶ」「住む」「遊ぶ」「食べる」など、様々な切り口でリアルな京都の魅力を伝え(京都市HPより)」るため、京都で学ぶ大学生が学生目線で全ての記事を作成されるそうです。

サイト名およびアドレスは以下のとおりです。

コトカレ(https://kotocollege.jp/

実際にサイトを覗いてみますと、「特集」「学ぶ」「観る」「遊ぶ」「住む」「食べる」「撮る」というカテゴリーを設けられており、頻繁に更新がされているようです。

このサイトの運営に携わる大学生は12大学から59名(京都女子大学16名、立命館大学12名、同志社大学9名、龍谷大学6名、京都産業大学5名、京都大学3名、京都橘大学2名、同志社女子大学2名、京都外国語大学1名、京都府立大学1名、京都精華大学1名、京都造形芸術大学1名)が選ばれており、「広報チーム(プレスリリースや取材対応、PRイベントなど)」「企画・取材・編集チーム(企画や取材、記事作成など)」「総務チーム(内部管理や研修の企画など)」といったチーム分けもされており、さながら一般企業における企画・広報部門といった趣きの運営をされています。

「京都の大学で学びたい!」「京都で学生生活を送りたい!」という全国の中高生に向けて、リアルな情報を楽しくお届けしれくれるものとして、今後のサイト運営に期待をしています。

高校生の皆さん、ぜひ一度ご覧ください。

 

 

国公立大 2次出願に向けて ~2016年度 系統別人気動向~

2016年1月26日 火曜日

早いもので、本日1月26日(火)から国公立大の出願が始まっています。自己採点結果も返却され、受験生の皆さんは国公立大2次の出願についていろいろと考えを巡らせていることと思います。自分が志望している系統、大学・学部の人気傾向については非常に気になることと思います。

こちらのエントリー「2016年度センター試験 予想平均点と難易度変化」では、去る1月16日(土)・17日(日)に実施された大学入試センター試験の科目別予想平均点についてご紹介しました。

今回のエントリーでは、今回のセンター試験結果を受けての国公立大の各系統別人気動向をご紹介します。なお、今回ご紹介するのは河合塾及び駿台の集計結果に基づく資料となります。

まずは、大きなくくりでの人気傾向をご紹介します(クリックすると拡大します)。

まず目を引くのが、教育(総合科学課程)での大きな人気減です。今年度入試では15の大学で教育学部の総合科学課程(ゼロ免課程)が廃止されることで定員が大幅減となっています。また、同じくくりとなる教育学部においては2次試験で英語・理系科目・小論文を増やす動きがあり、定員減と合わせて受験生の不人気を一手に買っています。

また、理系学部においても全般的に人気が下がっている様子が伺えます。これは、昨年度入試からの「新課程」対応によって特に理科での科目負担の増加が不人気を呼んだ流れが今年も続いている、という形です。

科目負担が厳しくなっている大学は出願が敬遠される傾向がありますから、これを逆手にとって出願すると「意外と低倍率」で戦える可能性もあります。一度、各予備校のセンターリサーチ結果で調べる価値はあると思います。

理系学部の冷え込みに反し、文系学部では軒並みの人気増となっています。ここ数年は国際や外国語の系統が唯一人気を集めている文系でしたが、今年は経済経営系の人気が復活しています。また、一時は「下がる一方」だった法学系においては昨年に続いての人気増となっており、ここ数年続いていた「入り易い」という状況から脱した印象を持ちます。

では、もう少しくくりを細かくして検証してまいりましょう。次の表は駿台が発表された、学部・学科・系統別の人気動向に関する詳細なデータです(それぞれの画像をクリックすると拡大します)。

※前期・中期・後期・独自各日程の第一志望を集計

赤く塗っている所は「昨年よりも人気が5%以上上がっている」所、青く塗っている所は「昨年よりも人気が5%以上下がっている」所であることを示しています。

先にご紹介した河合塾のデータは「前期日程のみの集計」である一方、この駿台のデータは「前期・中期・後期・独自各日程の第一志望を集計」とありますので、指数に若干の差が生じています。

文系学部・学科・系統に関しては比較的赤い色(=前年よりも人気が高くなっている)が増えていますが、理系では文系ほど多くの系統で赤い色を見かけません。

こちらのエントリー「2016年度大学入試 国公私立大 系統・分野別志望動向」でご紹介をしました通り、「近年の文系学部の人気薄」からの反動もあるものの「景気の回復と就職状況の良化」によって文系学部が大幅に人気を戻しているのと、好調な文系とは対比的に、「センター理科の科目負担増」と、景気の回復と就職状況の良化によって『資格志向』で進学先を選ぶ必要が無くなったことがあり、理系で志望者が減少している、ということが、今回のリサーチ結果でも如実に現れています。

文系では昨年度に引き続いてやはり国際系や外国語系の人気が高いのですが、特に外国語系では昨年度に人気を集めた「英米語」「フランス語」「スペイン語」といったメジャーな言語での「昨年度の反動による人気低下」が目を引きます。こういったメジャーな言語は大体「必要とされるレベルが高い」のが相場なので、単に「人気薄」ということで飛びつくことの無いようにせず、必要とされるラインをしっかりと見極めた上で出願を決めて欲しいと思います。

反対に、理系では昨年に続いて理学系が避けられており、工学系で前年度以上の人気を集めている所が少しあります。難度の上では「理学>工学」というのが一般的なので、文系の受験生とは正反対に、センター試験で思うように点が取れなかった受験生たちが「弱気」となり、志望先を変更してきているようです。

工学系の中では「建築・土木・環境工学」が前年比105%と人気を集めていますが、実は昨年のセンターリサーチにおいても「前年比106%」と人気になっていましたので、2年連続の人気上昇となります。

ご存じの通り、2020年には東京でオリンピックが開催されることになっています。それに向けて、特に東京では建築ラッシュとなっているようです。今年大学に入学する学年の皆さんが卒業するころには、「東京オリンピック開催直後」ということで、オリンピックで活気づいた建築業界がまだ「勢い」を維持しているのではないでしょうか。今回の「建築・土木・環境工学人気」を見ていると、それを見越した学部選びをされている受験生が多いような気がします。

ここから先の注意事項です。センターリサーチ結果をしっかりと分析して出願先の大学・学部を決める必要性が非常に高いです。各予備校がリサーチ結果の「度数分布」を公表していますから、そちらをじっくりと見て「2次で合格できる範囲」なのかどうかを見極めて欲しいと思います。

今回ご紹介したデータを出願の際の参考にしてもらえたら、と思います。

 

関連記事:
2016年度大学入試 国公私立大 系統・分野別志望動向
 

 

2016年度センター試験 予想平均点と難易度変化

2016年1月22日 金曜日

去る2016年1月16日(土)・17日(日)には大学入試センター試験が行われました。

気になる今年の各科目の平均点をご紹介します。大学入試センターが20日に「中間集計」として科目別の平均点を公開していますので、大手予備校それぞれの予想平均点と合わせてご紹介したいと思います(画像をクリックすると拡大します)。

※「中間集計」は1月20日に大学入試センター発表の「中間集計」の数値

新課程初年度のセンター試験として注目されていた昨年度は、国語の平均点が大幅に上がった一方で、倫理政経・地理B・数学ⅡB・化学・地学で平均点が大きくダウンしていました。数ⅡBに加え、特に理系受験生が多く受験しているであろう地理と化学での大きな平均点ダウンは、理系受験生にとって大打撃となりました。

今年は、大きく平均点が動いた科目としては「政治経済(易化)」「国語(易化)」「英語リスニング(難化)」「化学(難化)」「数ⅡB(易化)」となっており、昨年難化した国語が昨年からの反動で難易度が下げられているのが大きな特徴点となっています。

また、難化した科目は理系科目が大半となっており、数ⅠAに加えて特に文系受験生も多く選択しているであろう化学での平均点ダウンが、今後の文系学部での志望動向にどのような影響があるか、大変心配されるところです。

出願先選びは慎重を要する所となりそうですので、センターリサーチ結果は十二分に分析の上、自分の立ち位置や各大学のラインを冷静に分析して、後悔しない受験校選択となるよう、出願先の検討をするようにしてください。

後日、このブログで「学部・系統別の人気動向」についてご紹介したいと思います。お見逃しなく!

同時に、気持ちが後ろ向きになっている受験生の皆さんは、一刻も早く気持ちを前向きに戻すことが大切です。限られた時間だからこそ、早く気持ちを前向きに切り替えて「再び走りだす」ことが出来た人が合格に近づくのではないでしょうか。

 

 

新大学入試 記述問題導入に関する動きのまとめ

2016年1月21日 木曜日

2020年、現在の中学1年生からの導入が予定されている、いわゆる「新大学入試」に関しては、当ブログでもいくつかご紹介をして参りました。

今回のエントリーでは、昨年12月に集中して報じられた「記述式問題の導入」に関する情報・動きをまとめてみます。

以下、2つの内容が報じられております。


記述式問題とマークシート式問題は別日程実施?(2015年12月15日 朝日新聞 より)

 大学入試センター試験の後継となる新テストについて、文部科学省は新たに導入する記述式問題を独立させ、従来のマークシート式とは別の日程で実施する方向で検討を始めた。採点に時間がかかるため、現在の1月よりも日程を前倒しする案を軸としている。


文部科学省が記述式問題例を初めて公開(2015年12月22日 日本経済新聞 より)

 文部科学省は記述式問題例が初めて有識者会議で公表された。必修科目がある国語と数学を当面の対象とし、文章作成を通じた思考力や表現力の評価につなげる。公表された問題例は国語3問、数学1問。英語は過去に文科省が高校生の英語力測定の調査で出題した2問が参考として示された。
 国語はグラフや新聞記事などを読んで内容を理解した上で解答を書いたり、理由を説明したりする問題で、選択肢の正解の組み合わせが複数ある問題も示された。数学は日常生活の現象を数学的に捉え、答えに至る過程を重視した問題を例示した。英語は英作文とスピーキングの問題。
 会議資料では、記述式導入について「知識量を問うものにせず、思考・判断・表現のプロセスで必要な能力を評価する」と指摘。制限が無い「自由記述式」ではなく、解答の一部を問題文から引用するなどの条件に従って答える「条件付記述式」を採用する。1問あたりの解答文字数は最大で300文字程度までを想定する。
 英語は「話す、書く、聞く、読む」の4技能を評価するため、民間の資格試験との連携を引き続き検討する。


上記のように、記述式問題が導入される方向で話は進んでいるようですが、実施方法や内容についてはもう少し議論を重ねる必要があるようです。

 

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近畿地区国私立大 2017年度開設予定の新学部・学科

2016年1月19日 火曜日

4月から高校3年生になる皆さんが大学入試を迎え、入学する年度は「2017年度」となります。その2017年度から近畿地区の大学において新たに開設される予定となっている学部・学科について、現時点で具体的な内容が判明している情報の中から、特に受験生たちが注目するであろう大学・学部・学科について、まとめてご紹介します。

※以下に記載する情報は2015年12月時点で判明しているもので、今後名称や教学内容については変更される可能性がある点、お含みおき下さい。

滋賀大 「データサイエンス学部」を早ければ2017年度に開設
インターネット上などに蓄積された膨大な情報「ビッグデータ」の解析法などを研究する予定としている、全国初となる「データサイエンス学部」を早ければ2017年度にも開設。ビッグデータの活用は、新産業創出などにもつながるとみられ、経済界などから注目を集めそう。統計学やデータ解析だけでなく情報管理などの専門家らも人選中で、他大学との連携で第一線研究者の授業を受けるほか、長浜バイオ大、滋賀医科大との連携授業も計画されているそう。1学年の定員は約100名の予定。この新学部設置により、滋賀大は人文社会系大学から文理融合型大学へ転換を図ることになる。

神戸大 人文系学部を再編し「国際人間科学部(仮称)」を設置予定
神戸大は、国際文化学部と発達科学部を再編統合し、2017年4月にグローバル教育に重点を置く「国際人間科学部(仮称)」を設置する予定。これによって人文系学部は文学部とこの新学部の2つになる。
新学部では文系と理系の境界を越えた基礎教育やフィールドワーク重視の専門教育などを通じて、国際社会の課題解決に貢献できる人材の育成を目指し、「グローバル文化学科」「発達コミュニティ学科」「環境共生学科」「子ども教育学科」(いずれも仮称)の4学科を設置する予定。

京都産業大 現代社会学部を新設予定
京都産業大は現代社会学部を新設予定。1学年の定員は380人で、「地域社会学」「人間社会学」「メディア社会学」「健康スポーツ社会学」の4専攻を置く予定としており、社会学の知識を基礎として、これら4つをテーマに現代の社会を深く学ぶ。今春より「理学部に宇宙物理・気象学科を新設」するなど学部の改組・改編、学科の新設・改組・改編は毎年のように行われているものの、新学部の設置は2000年の文化学部以来となり、現代社会学部の新設により全9学部となる予定。

大阪工業大 新キャンパス開設に合わせ新学部も開設
大阪工業大は2017年4月の設置を目指し、梅田に新キャンパス「OIT梅田タワー」を建設中。地上22階・地下2階で、地下は梅田地下街と接続される。同時に、新学部として「ロボティクス&デザイン工学部」を設置予定。既存の「ロボット工学科」「空間デザイン学科」を先の新学部内へ編入・キャンパス移転させるのと同時に、全くの新規学科として「システムデザイン工学科」を新設し、3学科体制とする。新学科「システムデザイン工学科」は3年次に全員海外へ行かすプランも計画中とのこと。
なお、このOIT梅田タワーには一般の方も利用可能なホール、ギャラリー、セミナー室、レストラン、カフェなども設置される予定。

 

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かつては顔文字も! 昔と違う大学の学部・学科名

 


 

 

かつては顔文字も! 昔と違う大学の学部・学科名

2016年1月18日 月曜日

四年制大学の数が増えていることと、既存大学も学部新設を多くおこなっていることもあり、大学の学部数がこの15年の間に爆発的に増えています。これに至った背景には「大学設立の規制緩和」が関係しており、学部の数が増えるのに伴って、既存の学部と重ならない分野や名称となるように工夫がされ、それが学部名にも変化を起こしています。

ここで、かつて(1990年)と今(2015年)で、学部数と学部名の一般的な状況がどう異なっているのかについて、比較をしてみましょう。

学部数
かつて(1990年)1,306学部(509大学)
今(2015年)2,265学部(775大学)

学部名
かつて(1990年)文、法、理、工、医、農など「漢字一文字の学部名」が大半
今(2015年)こども○○、グローバル○○など「ひらがな、カタカナが入る学部名」が目立つようになり、今までにない学問分野も出現

大まかな区分で少ない学部数だったかつてにくらべ、現代社会の様々な問題を解決するため、大学の学びもそれに合わせる形で複雑化・多様化・細分化しています。今や多くの大学において、多種多様な学部・学科が設置され、今までにない学問や学生が求める学問に合うよう、選択の幅が広げられている状態です。

その結果、かつては学問としては成立していなかった分野であっても、現在の大学には新たな学びとして様々な名前を冠し、学部・学科として存在しています。次に挙げるのはそれらのほんの一部です。今や、受験生に興味をもってもらうためには「何でもアリ」状態になっている現状がお分かり頂けることと思います。

・京都精華大学 マンガ学部
・神戸芸術工科大学 芸術工学部 アート・クラフト学科 フィギュア・彫刻コース
・駒澤大学 グローバル・メディア・スタディーズ学部
 ⇒ 開設当時は「日本最長の学部名」として話題になりましたが、『グローバル(Global)な問題を多角的にとらえる広い視野、複雑化したメディア(Media)を経由して大量のコンテンツが流れるしくみの理解、学問領域にとらわれない自由な発想での研究(Studies)の3つを柱(駒澤大学HPより)』とする学問内容になっています
・日本大学 危機管理学部
 ⇒ 自然災害・テロなどの多様な危機から社会を守るための方法や制度を研究するなど危機管理のエキスパートを育成すべく2016年4月に開設予定で、2015年に放映されたフジテレビ系の堤真一主演ドラマ「リスクの神様」のスポンサーとなるなど開設前から「大々的な宣伝」をされています
・東海大学 工学部 航空宇宙学科 航空操縦学専攻
 ⇒ 東海大学は1943年に航空科学専門学校として開校したという歴史があり、プロパイロットの養成コースである本専攻も日本初として2006年4月に設置、学費は高いですがパイロットの夢を持つ人にはオススメの専攻です
・神奈川工科大学 創造工学部 ホームエレクトロニクス開発学科
・明海大学 不動産学部
・宮城大学 食産業学部
・浜松大学 ビジネスデザイン学部 サービスと経営学科
・武蔵野音楽大学 音楽学部 ヴィルトゥオーソ学科
 ⇒ 『「ヴィルトゥオーソ」とは、「音楽の名手」、「芸術(音楽)の技術に優れた人」を意味するイタリア語。その名の通り、実技教育に重点を置き、特にプロの演奏家を育てるための学科です(武蔵野音楽大学HPより)』
・鈴峯女子短期大学 言語文化情報学科 日本語日本文化(^^)コース
 ⇒ おそらく全国初の顔文字入りコース名(現在は募集停止)

後日のエントリーでは、4月から高校3年生になる皆さんが大学入試を迎え、入学する年度「2017年度」から近畿地区の大学において新たに開設される予定となっている学部・学科について、現時点で具体的な内容が判明している情報の中から、特に受験生たちが注目するであろう大学・学部・学科について、まとめてご紹介します。
 


 

 

佛教大 2016年度公募推薦入試結果

2016年1月13日 水曜日

佛教大が先ごろ行われた公募推薦入試に関する結果をご紹介します。

以下、表にまとめました(画像をクリックすると拡大します)。

昨年度の公募推薦入試では、志願者数が対前年比110.8%の大幅増となり、それに呼応する形で合格者数も対前年比108.3%と増やされるなど、「人気傾向」が強かったのですが、今年度の公募推薦においても志願者数は昨年並みとなる前年比100.8%となり、昨年の人気傾向がそのまま続いている状況です。

特に大幅に志願者数が増えている学部・学科は以下のとおりです。

文学部 日本文学科 114.6%
歴史学部 歴史学科 110.8%
教育学部 臨床心理学科 147.4%
保健医療技術学部 作業療法学科 112.7%

志願者数が増えたことにより「合格が難しくなった」という印象を抱きますものの、合格者数は前年比105.0%とされており、全学部トータルの倍率が昨年度4.95倍から今年度4.76倍と下降し、若干ではありますが入り易くなっています。

特に大幅な合格者数増となった学部・学科は次の通りです。

仏教学部 仏教学科 131.6%
文学部 日本文学科 123.4%
文学部 中国学科 113.6%
歴史学部 歴史文化学科 143.8%
社会学部 公共政策学科 111.7%
保健医療技術学部 理学療法学科 120.0%
保健医療技術学部 作業療法学科 120.6%

歴史学部 歴史文化学科は対前年比143.8%と大幅な合格者数増となっていますが、反対に志願者数は対前年比で84.6%となっています。実は、昨年度も対前年比83.9%と大きく志願者を減らしていました。これは、近年の公募推薦における倍率が2012年度4.15倍⇒2013年度4.80倍⇒2014年度5.17倍と連続して高騰していたことを受け、受験生に回避されているからだと推測されます。志願者数が減っているので、合格者数は多めに出しておくことで「一般入試前に入学者数を確保しておこう」ということでしょうか。

教育学部 教育学科は例年、国公立大の合格発表が行われると合格者に大量に逃げられてしまう(佛教大で合格を押さえていた受験生が国公立大に合格・入学する)ことから、昨年度はあらかじめ合格者数は多目に出していたようですが、今年度については2年前水準にまで合格者数を絞っています。恐らく、昨年度は予想以上に合格者の手続き率が高かったので、今年度については修正をしてきたのではないか、と予想しています。

一般入試に向けた情報です。

一般入試A日程(2月)・一般入試B日程(3月)・大学入試センター試験利用入試(前期)・(後期)の5つの入試種別で、WEB出願を実施されます。ただし、「顔写真」「調査書」等は、別途郵送が必要なので、ご注意ください。

 

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