2025年10月10日
「文部科学省は8日、学士課程と修士課程を5年一貫で修了できる大学を増やすため、制度を改める方針を示した。2025年度内に省令を改正し、26年度からの導入を目指す。特に学部卒業で社会に出ることが多い文系学生の大学院進学を促し、高度人材を増やす狙いだ。」(日本経済新聞Web版 10月8日12:14配信)
文部省(当時)は1991年に大学院重点化方針を打ち出し、大学院設置の自由度を高めました。これにより大学院が急増していくのですが、1996年の予算措置によってさらに大学院の定員が増加していきます。文部省と科学技術庁が統合し、文部科学省となった2001年頃から国際競争力強化を目的に博士課程中心の大学院教育改革を進めますが、残念ながら大学院への進学率は伸び悩んでいます。
特に文系分野では学部卒と修士卒の初任給の差が小さく、むしろ大学院卒の方が年齢を理由に就職には不利になるケースがあるということや、進行している少子化によって大学などの高等教育機関、研究機関が縮小していく中で、研究者としてのポストも限られるということが伸び悩みの理由として考えられます。
こういう中で、今回の文科省の方針は、大学院の学費の節約+年齢ハンディの回避、という点では評価できますが、出口としての研究者としてのポストが増えない限りは、大学院進学希望が増えるのは考えにくいと思います。MBAを取得して金融系企業でのコンサルティング業務、法科大学院を出て企業の法務関連業務といった、具体的な道筋が見えている分野もありますが、早く大学を卒業して就職し、具体的な業務を覚えたいという学生の方が多いような気がします・・・。
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2025年10月9日
神戸市長田区にある神戸野田高校の歴史については、2年前に書いたこちらのブログを読んでいただきたい(↓)のですが、
【1週間丸ごと】神戸野田高等学校 部活動体験week【部活動】 « 学校選びの道しるべ|開成教育グループ 入試情報室 学校・入試情報ブログ
実は、女子校時代の1947年に中学校を併設しましたが、高校募集に特化するため1970年に募集停止し休眠状態となっていました。しかし、この度中学校復活の設置許可の申請を行ったようです。募集再開は2027年度とのことですので、認可されれば57年ぶりの復活、共学校としては初の中学募集開始となります。
(学校HPはこのような状態。)
2026年9月からは神戸市の公立中学校の課外活動の地域展開(地域移行)に伴い、中学校ごとの部活動は無くなりますが、伝統的に強いソフトボール、ダンス、女子バレーといった運動部はもちろん、文化部も盛んなこちらの学校では中学生でも伸び伸びと学校の中で部活動ができそうです。学校に隣接する旧県立総合衛生学院(専門学校)の跡地も昨年入手し、全天候型多目的グラウンドとして整備するとのことで、運動部の環境もさらに充実するというわけですね。これは楽しみです。
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2025年10月8日
3年前にもこのエントリーで紹介した関西学院大学の「ランバス支給奨学金」の申し込みが間もなく始まります。申請書類のダウンロードは既にできるようになっています。
この奨学金の面白いところは、受験前に予約できる、というところです。学費の支払いに不安がある場合、先に申請して、奨学金の権利を確保しておいてから受験するかどうか考えることができます。もちろん関西学院大学を受験しなくてもいいです。もったいないけど。因みに当然といえば当然ですが、大学そのものに不合格になったらいただけません。
ランバスさんとそのお墓については3年前のこちらのブログ(↓)をお読みください。いやぁ、すごい人がいたものだ。
【締め切り早いですよ】関西学院大学「ランバス支給奨学金」【11月中に申請してね】 « 学校選びの道しるべ|開成教育グループ 入試情報室 学校・入試情報ブログ
そんないいシステムがあるのだったら申請しておくべきだった、と後で後悔しないように、関西学院大学を考えている受験生は早めにお申し込みください。
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2025年10月7日
阪急京都線相川駅近くの大阪成蹊大学にはデータサイエンス学部がありますが、この分野にも、もっと多くの高校生に関心を持ってもらおうということでしょうか、この大学の先生だけではなく、外部の先生方を審査員に招いてのコンテストが2026年2月8日に開催されます。出場するのは個人でもグループ(3名まで)でも良いらしいのですが、身の回りの様々なデータを掛け合わせた分析と、その利用方法などを5分以内のプレゼンで競う、というものです。
しかし、いきなりこのヒントだけで戦えといわれても、しり込みしてしまう高校生がいるのでは?と思っていたら、12月と1月にそのヒントとなるセミナーが開催されるらしく、こちらでデータの集め方や分析方法、仮説と検証の組み立て方などのヒントがいただけるそうです。ここで得たことを利用して、探究レポートを作っておけば、総合型選抜でも使えるのでは?(こっそり内緒話ですけど、他大学でも使えるのでは?)
というわけで、ひとまずここから参加してみてはいかがでしょうか。
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2025年10月6日
関西圏の私立中学校ではプレテストも始まり、中学募集関連イベントもそろそろ後半戦となってきました。上本町の清風中学校でも第2回目、第3回目の説明会が開催されます。
こちらの学校では建学の精神や教育方針を理解したご家庭のご子息に入学して欲しいということで、毎回学校長による「熱い」説明がございます。その後クラブ紹介など、生徒さんが中心となったプレゼンテーションがあります。男子小学生の皆さん、生き生きとした男子校の生徒さんの姿を見て、受験勉強のモチベーションを上げてみてはいかがでしょうか。
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2025年10月3日
死ぬほど暑かった気温も落ち着いてきて、ようやく半袖シャツだけだと涼しすぎるかなという季節になってきました。さあスポーツの秋だ!食欲の秋だ!と盛り上がっている方もいらっしゃるとは思いますが、関西の小学6年生にとっては私立中学校のプレテストのシーズンが巡ってきたということでもあります。
今回紹介するのは京都のノートルダム女学院中学校のプレテストです。2日程用意されていますので、どちらかを受験すればいいのですが、これほど恵まれた学習環境、教員組織が用意されている学校は貴重ですので、合格を確実にするためにもできれば2回受験することをお勧めします。
さて、お子さんがプレテストを受けている間、保護者向けに説明会と講演会が用意されています。こちらはこのブログを書いている人が担当します。1回目と2回目では全く異なった内容ですので、こちらも2回セットでご参加いただく方が良いでしょう。自分で言うのも何ですが、とても役に立つお話となっております。お楽しみに。
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2025年10月2日
人口が急増し、進学率も上昇していた1950~60年代を中心に、全国的に女子短期大学の設立ブームが起きました。しかしバブル崩壊後、特に1995年頃より女子の4年制大学志向が進み、2000年代に入って、女子短期大学は募集停止か4年制大学への転換や、それに合わせるように共学化が進行してきました。四国でも、高知県に「高知女子大学」という県立の女子大学と女子短期大学が2つありましたし、徳島県には女子大学2つ(四国女子大学、徳島女子大学)と女子短期大学2つ、香川県にも女子短期大学2つ存在していましたが、いずれも募集停止か共学校となっています。愛媛県には聖カタリナ女子大学(現地では「せいかた」と省略)、と松山東雲(しののめ)短期大学(「しのたん」と省略)がありましたが、聖カタリナ女子大学は2004年に共学化。1992年に4年制に転換した松山東雲女子大学(「しのだい」)は今では四国唯一の女子大学となりました。因みにタレントの友近さんもここの卒業生です。
その松山東雲女子大学が2028年度より、男子にも門戸を開くことになったようです。心理学や教育学の分野を学びたい松山市及びその周辺に住んでいる男子にとっては一つ選択肢が増えたという点で、良い話だと思います。
ここからは鉄道ネタです。松山市の市街地には伊予鉄道の路面電車が走っていますが、その起点である松山市駅の付け替え工事がこの夏に完了したところです。郊外線からの乗り換えも便利になりました。鉄道駅舎ファンの皆さん、同じくこの夏にリニューアルした広島駅と併せてお楽しみください。
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2025年10月1日
国公立216名(内、京大医学部2名、阪大医学部2名、神戸大医学部1名、大阪公立大医学部4名、その他国公立医学部医学科33名)関関同立早慶上理394名、私立医学部医学科112名・・・圧倒的な数字ですが、これは2025年度だけの四天王寺高校の大学合格実績です。国公立216名の中には既卒生も含まれていますが、わずか35名。現役が大半となっています。
東京には桜蔭という進学校がありますが、東大理三ランキングで、2024年度は1位、2025年度も1位の筑波大附属駒場、2位の灘に続いて3位にランクインしています。因みに筑波大附属と灘は男子校、桜蔭は女子校というわけで、超進学校には別学が強いようです。
というわけで、四天王寺中学校・高等学校はどのような雰囲気なのか、一度見にいってみてはいかがでしょうか。
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2025年9月30日
京都山科区の京都橘大学は毎年のように建物か学部がリニューアル。現在もお隣でなにやら工事中(「ACADEMIC TERRACE」という地上7階、地下1階の建物となるらしい)という、進化の止まらない大学なのですが、気がつけば奨学金制度の方も進化していました。経済的な理由や成績上位者向けの各種奨学金が用意されており、みんな何かの対象になっているんじゃないの?といった充実ぶりなのですが、共通テスト利用合格者には年間40万円プレゼント(正確には学費が年間40万円割引)、4年間で160万円プレゼントといった太っ腹な企画です。つまり京都橘の共通テスト利用に出願・合格すればお得に通えるよ、という制度です。
高3生の皆さん。大学入学共通テストの出願をお忘れなく。その結果が160万円に化けるかも。
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2025年9月29日
さすが商都大阪、商業学校をルーツに持つ私立高校が多いお土地柄なのですが、現在では大阪府下の私立高校で商業系の「学科」を設置しているのは興國高校と大商学園の2校のみです。興國は「ITビジネス科」という学科なので、「商業科」という旧来の名前をそのまま維持しているのは大商学園だけ、ということになります。
大商学園は138年前に開かれた私立大阪商業学校をルーツに持つ超伝統校で、67年前に現在の校地に移転、19年前から男女共学化、6年前には新館校舎完成、5年前には全面電子黒板化完備と進化が続く学校です。
10月5日・19日には体験授業が計画されています。どの授業も楽しそうなのですが、他校では体験できない商業の授業もとても貴重です。中学生の皆さん、お申し込みはお早めに。空調完備の明るい校舎も必見ですよ。
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