医学部と学費のお話

2016年9月20日 火曜日

先日も地方の医師不足に関する対策を、政府が検討するというニュースがありましたが、今回は医療の質を長期的に維持するための医学部を学費の面からみてみましょう。国立大学では何学部でも学費は同じなのですが、私立の場合、医学部の学費が極端に高くなっています。

そこで、どの程度違うのかを一覧にしてみました。入学金も100万、200万といった金額になりますので、学費だけでなく、初年度納入金という比較をしてみました。初年度納入金が高い方から順番に並べています。

※学費は年額です。国立では入学金と学費を合わせた金額が初年度納入金になりますが、私立は「教育充実費」等の名目での金額が加わりますので、初年度納入金はそれ以上の金額となっています。

 

初年度で1000万円を超える大学が4校あります。設備や環境も良いといわれる大学ですが、それにしても大変な金額です。入学金が20万円と、ほかの学部と同じ金額に抑えている慶應義塾大学は医学部の最難関と言われ、東京大学理科Ⅲ類が滑り止めだといわれています。かつては1千万円級だった順天堂大学は290万と私立大学最安値を付けたために難易度もはるかに上昇しました。

参考までに公立大学2校と国立大学の学費も載せておきましたが、これで国立の医学部の難易度がなぜこれほど高いのかがお分かりいただけると思います。

医学部を目指している皆さんは、私立大学と国立大学の初年度納入金の差を、自分の1年間の勉強時間で割ってみましょう。自分の勉強の「時給」がどれほど高いのかがよくわかります。いい仕事をしましょう。

ちなみに防衛医科大学のように、学費は無料なだけでなく給料までいただけるところもあります。もちろん最難関です。卒業後9年間は自衛隊に入隊しなければならないという縛りがありますが、学費のために医学をあきらめなければならなかった人でも医師免許を取ることができるわけです。

大学を学費という観点からみると、難易度の違いや変化を知ることもできます。色々な方面から大学を調べてみると良いでしょう。