【2025入試結果速報】関西大学【募集単位ごとの変化】

2025年4月8日 火曜日

今年もそろそろ各大学から、合格最低点や合格者数が発表される時期となってまいりました。あくまでも速報ですが、現在判明している情報から気がついたことをお知らせしたいと思います。

今回は関西大学です

①乱高下の法学部、2年連続で落ち着く

2023年度入試では平均で7倍という高倍率となった法学部、昨年度その揺り戻しで4倍を下回りました。今年度の動きに注目していましたが平均倍率4倍ちょっと、合格最低得点率も62%と落ち着いた難易度となりました。

②人間健康学部、さらに狭き門へ

ここ2年間6.5倍を超えていた人間健康学部ですが、2025年度入試ではついに7.5倍になり、合格最低得点率も6割近くと難化しました。選択できる科目が異なるなど単純比較はできませんが、合格最低得点率では総合情報学部や社会安全学部を抜いています。

③ビジネス・データサイエンス学部のポジションが決まる?

新設学部ということで話題のビジネス・データサイエンス学部の入試はどうだったのでしょうか。新学部ですから他学部との併願関係も含めて受験生の動向に注目していましたが、平均倍率は4.2倍と関西大学の中では平均的、合格最低得点率は54.5%と関西大学の中では一番低い数値となりました。吹田市ではありますが、メインの千里山から少し離れた新キャンパスの立地や既存学部とのコンセプトのオーバーラップが向かい風になったと思われます。次年度以降商学部の併願という使われ方になるのか、今後の大学側の広報にも注目です。

★詳細については7月の関西8大学大研究でお伝えします。お楽しみに。

【69年ぶり】東京大学 新学部「カレッジ・オブ・デザイン」設置【なんじゃこりゃ】

2025年4月7日 月曜日

「東京大学が、2027年秋に創設する5年制の新課程「カレッジ・オブ・デザイン」のトップに、学内の外国人教授を起用する方針を固めたことが3日、わかった。新課程は学部の一つとする方向で、東大の学部長に外国人が就くのは1877年の開学後、初となる。100人程度の定員の半分を海外からの留学生とし、日本人学生を含む多様な若者の学びの場となることを目指す。」(読売新聞オンライン 4月4日5:00配信)

現時点で判明している情報は・・・

①定員は100名程度

②文理融合

③約半数を留学生とする

④授業はすべて英語で行う

⑤1年次は全寮制

⑥5年生課程で学士と修士両方の学位が得られる

⑦入学については、秋入学とし、現行の入試とは異なる選考が行われる

①、③、④、⑤を見ると、これって、大分県別府市にある「立命館アジア太平洋大学(APU)」が東京にできるってことですかね。初年度ですが全寮制にするのなら地価の高い東京よりも大分の方が合理的かも?寮を出たら別府温泉のホテルでバイトもできるし・・・。

⑦についてですが海外からの学生を獲得するには日本の学年暦が障壁になっているといわれており、1年前にこのエントリーで紹介したように大阪公立大学 2027年度より秋入試に移行? « 学校選びの道しるべ|開成教育グループ 入試情報室 学校・入試情報ブログ、今後、他大学でも秋入学が広がるかもしれません。選考方法について、数年前に京都大学の当時の山極総長が「海外からの優秀な学生を獲得するために日本語の入試をやめたいんですよね。」と話されていたことも思い出しました。この新学部入試は日本語ではなくなるかも。

②については、大学公式HPによると、「デザインを幅広い概念として改めて定義し、従来の人文学、社会科学、自然科学、工学などの分野をまたぎ、文理融合の学際的な知識に基づく、従来とは異なる「デザイン」教育を展開」とありますから、何をやっても許されそうです。どんな教員組織になるのか楽しみです。

⑥については国立大学なら千葉大学や東京藝術大学音楽学部、京都大学医学部のように飛び入学制度(高校卒業を大学入学の用件としない、例えば高2終了時に入学する事も可能)や、大学院への飛び入学制度(大学3年次終了で大学院に入学する事が可能)が既に認められていますから、こちらは特に問題は無いでしょう。

というわけで、東京大学も攻めているぞ、というお話でした。(心の声・・・東大が頑張るとマネする他大学が出ちゃうのよね)

【大学いろいろランキング】女性教員割合(女性教員の実人数100名以上の大学)ベスト20

2025年4月4日 金曜日

朝日新聞社刊「2025大学ランキング」には女性教員の人数ランキングはあるのですが、これだと規模の大きな大学が上位に来てしまいますので、女性教員100名以上の65大学を比率で並び替えてみました。

1位は東京医療保健大学ですが、この大学は東京五反田の本学と目黒、立川、千葉、和歌山にそれぞれ看護学部を設置している大学で、2位の埼玉県立大学も看護や理学療法などの医療従事者系の分野が多くを占める大学、というわけで女性教員の割合が高くなっています。それ以外では女子大、もしくは元女子大と外国語学部を持つ大学の多くがランクインしています。それでも15位以下で既に1/3を下回っていますから、まだまだ日本の大学は女性の進出が進んでいるとはいえませんね。特に関西の大学はわずか2校。関西は遅れているのか?

【大学いろいろランキング】留学生割合(学生数2,500人以上の大学)ベスト20

2025年4月3日 木曜日

街を歩いていると、海外からの観光客は日々増え続けているんじゃないかなと感じることもありますが、マンガやアニメといった日本発の文化を求めているのでしょうか、アニメショップや聖地では特に海外からの観光客率が高くなっているように感じます。

さて、大学には留学生が居ますが、その割合のランキングがありましたので、在籍数が2,500名以上の規模の大学での留学生率ランキングの上位20校を紹介します。

ご覧のように3位の京都精華大学をはじめとしてアニメ、マンガ、芸術系の大学がいくつもランクインしていることがわかります。19位の東京工芸大学は小西六(現在のコニカミノルタ)の社長が創設したことから写真学科が今でも設置されています。アニメーションや3DCGが学べる学科もあります。

1位の立命館アジア太平洋大学は約半数が留学生で、日本の学生にとっては国内で留学気分が味わえるという大学です。学校内の生協の店舗にはハラル認証の食材が並び、ヒジャブを被っている学生がレジ打ちのバイトしていました。留学生と日本の学生2人一部屋の寮で暮らすこともできますよ(因みに真ん中に引き戸があって個室にすることは可能ですのでご安心ください)。

【大学いろいろランキング】博士号累計人数(新制大学以降)ベスト20

2025年4月2日 水曜日

大学の研究力は、教員が発表した論文の本数や、引用された回数などでも判断されますが、その論文を読んでもらおうと思えば著者に博士号があった方が良い、ということになります。但し博士号を得るには3年間以上博士後期課程に在籍して研究を行う(課程博士)か、論文を書いて審査してもらう(論文博士)のどちらかとなるのですが、大学側としてもそれを判断するだけの知見を持った組織が必要となります。

というわけで、今までにその大学から博士号をもらった人の累計人数ランキングは大学の研究力をある程度表す、というわけで紹介します。

1位は東京大学。2位を大きく離して6万人以上が東大の博士号を持っています。アジア諸国からの留学生も多く取得しているようです。

2位は京都大学。ノーベル賞など国際的な学術賞を受賞する研究者が多い事でも知られていますが、博士課程に在籍しても博士号が取れない(いわゆる「単位取得退学」)大学院生も多く、中でのハードルは結構高いです。

3位は大阪大学。工学部や基礎工学部、医学部など理系分野を中心に多くの論文が発表されるなど、研究力の強い大学の一つです。

現段階では4位の東北大学ですが、2023年に国内で唯一の国際卓越研究大学に指定されましたので、こちらも今後研究力が大幅に進化する事でしょう。しかし7位までが旧帝国大学に占められているというのがよくわかります。但し次年度は東京工業大学と東京医科歯科大学を合算しますので、6位になると思います。

研究者にとって、博士号は一つの目標になるのですが、分野によっては必須というわけでも無いそうです。逆に博士号を得てもオーバードクターともいわれる研究職に就けない浪人状態の方もいらっしゃいます。

「博士号」とかけまして、「足の裏に付いたご飯粒」と解きます。そのココロは、「取らないと気持ち悪いけど、とっても食えない」

おあとがよろしいようで・・・

【大学いろいろランキング】通信制大学 在籍数ベスト20

2025年4月1日 火曜日

朝日新聞社刊「2025大学ランキング」は大学に関する様々な数値をまとめてくれている資料で、見ていて飽きないのですが、その中からいくつかご紹介しましょう

今年も新たに「ZEN大学」という通信制の大学が誕生しましたが、実は通信制を併設している大学も結構あります。その中で在籍数が多い20大学を紹介しましょう。

1位の放送大学は現在では私立大学の扱いですが、1983年設立当時は文部科学省によって「国立」に分類されていました。法改正によって私立となった現在でも各地の学習センターの多くが国立大学の敷地に設置され、国立大学とも単位互換協定を結んでいる特殊な大学です。在学期間は最大10年間となっており、入学者数の約6倍の学生が在籍しています。実際には年度が異なるので妙な計算になりますが、卒業生数(c)÷入学者数(b)によって、入学者のどの程度が卒業しているかを計算してみると、45.0%。通信制の中では高い方だと思います。

(8位の日本福祉大学では入学者数より多くの卒業者がいたことになりますが、これは年度がずれているためでしょう。つまり、この数値は大まかな目安としてご覧ください)。このリスト内の20大学平均で37.9%。年度による入学者の変動かも知れませんが、ご覧のように中には1割を切っている大学もあるようです。いずれにせよ通信制の大学は一般の大学よりも卒業のハードルが高いようです。

【獣医師さんの卵】獣医師国家試験 大学ごと合格率ランキング2025

2025年3月28日 金曜日

獣医師の国家試験の結果も厚生労働省から公表されています。全国で1036名の合格となっています。獣医学部は全国に17大学ありますが、今年現役での合格率が80%以上となった12大学を紹介します。

ご覧のように国立大学が支配的なのですが、公立大学として唯一獣医学部のある大阪公立大もランクインしています。

20名~40名規模の国公立大学を入れると合格率が乱高下しますので、平均受験者数が80名以上の6大学(結果的に私大のみ)のランキング推移をグラフにしてみました。

すると、酪農学園大学、北里大学、日本獣医生命科学大学はいずれも順位を落としたのに対し、今年2回目の卒業生を送り出した岡山理科大学は大きく順位を上げ、私立大学としては麻布大学に次いで2位と躍進しました。学部設置のときにはごたごたしましたが、教員・学生の皆様の涙ぐましい努力が感じられる数値だと思います。

合格者はこれから2年間以上の臨床研修に臨むことになります。

【歯医者さんの卵】歯科医師国家試験 大学ごと合格率ランキング2025

2025年3月27日 木曜日

歯科医師の国家試験の結果も厚生労働省のホームページ上で公表されています。歯科医師の数を抑制するという方針からでしょうか、2000年頃は9割前後だった合格率が2004年から7割台に、2014年からは6割台まで低下していましたが、今年は12年ぶりに7割台に回復しました。

国内で29の歯学部が(日本大学歯学部と日本大学松戸歯学部のように、同じ大学で2つの学部を設置している場合もあり)あるのですが、そのうち新卒の合格率が9割を超えた13大学のランキングを紹介します。校名は現在の大学名に統一しています。

おおお。1位が大阪歯科大学。天満橋の附属病院のお世話になったことがありますが、大規模な歯科ってインパクトあります。全員合格おめでとうございます。4位までは私立が独占し、5位から8位は難関国立が並びます。今年も全国で2千人以上の歯科医師が1年間(またはそれ以上)の臨床研修をはじめることになります。

【お医者さんの卵】医師国家試験 大学ごと合格率ランキング2025

2025年3月26日 水曜日

2月~3月といえば入学試験、卒業式のシーズンですが、国家試験の時期でもあります。今年も3月14日に厚生労働省から医師国家試験の大学ごとの合格者数が発表されました。その情報を元に、日本の「医学部医学科」82大学のランキング(20位まで)を作ってみました。

新卒(つまり受験時は現役)での合格率です。

な、何と今年は4大学で全員が合格!千葉県成田市に2017年に開設された国際医療福祉大学医学部は多くの留学生を受け入れ、授業は英語でも行われるなど先進的な教育方針が特徴的です。今年3回目の卒業生を送り出しましたが、3か年合計で384名の国家試験受験者に対して不合格は僅か2人という驚異の合格率となっています。

昨年お邪魔した兵庫医科大学も今年の不合格者は1名のみと高い合格率を誇っています。因みに海外の大学の医学部を経て受験した「認定」という枠では新卒168名中合格は96名、合格率57.1%と日本国内のどの大学よりも低くなっています。海外医学部への留学については詳しく調べてからにしましょう。

医師というのは国家試験に合格すれば医療行為ができるのかといえば、この後2年間以上の臨床研修と3年以上の専門研修が必要となります。なかなか一人前になれない世界ですね。

【時代の流れと逆行?】大和大学 入試変更点 その2【学力重視へ】

2025年3月25日 火曜日

(昨日の続き)

③出題範囲の拡大

公募制推薦でも国語に古文が追加されます。つまり近大、龍谷タイプにするというイメージですね。一般選抜でも古文が追加されます。また、数学も公募、一般とも文系でⅡ、B、C が追加されます。一般の理系では選択制だった数Ⅲが必須となります。

④試験時間の増加

例えば保健医療学部の公募制の英語は60分から90分に、一般選抜では75分から90分に変更されます。他の学部も一般選抜の国語や理科が60分から75分となりますので、問題数が増えるということでしょう。

⑤記述方式の追加

こちらは2027年度入試からですが、マーク式の解答方式から、記述式を導入すると予告されています。記述式が全体のどの程度占めるのかはまだ発表されていませんが、もしかして国公立併願が多い同志社を狙い撃ち?

というわけで、普通に考えればこれだけハードルを上げると受験者数が減ると思うのですが、入学者の学力層をさらに上げようと考えた結果、このような方針になったのでしょう。

多くの大学が総合型選抜や検定利用の枠を増やし、教科入試でも範囲や科目数を減らすなどで受験生にとって受けやすくする方向に流れていますが、まさにその逆だと思います。より学力を重視しようというこの方針、良いと思います。

(オープンキャンパス来場者の列。この後こんな話を聞くことになろうとは・・・。)