【一般選抜】大学合格者の入学率ランキング【私立大学】

2025年1月14日 火曜日

2023年度のデータですが、その大学を合格した中で、入学する割合はどのくらいか、というランキングがありましたので紹介します。元データは「大学ランキング2025」(朝日新聞出版)を参考にしています。一般選抜での入学者が2000名以上の大学でのランキングです。

同一学部を複数回受験できる関西の大学は、一人が例えば5回合格しても入学できるのは一人ですから20%、という計算になりますので低めになりますので、東京と関西圏を別にして、それぞれの相対で見てください。(東京は水色、関西は薄オレンジ色に塗っています)

首位は慶應義塾大。納得ですね。そして早稲田、青山学院、駒澤、中央と続きます。首都圏では難関私立が第一志望という受験生も多いのでしょう。

関西圏ではやはり同志社大がトップ。関西大、関西学院大と続き、立命館大は関関同立では4位になっています。但し一般選抜による募集割合が一番大きいのは立命館大ですので、複数回受験した受験生が多かったとも考えられます。

それでは500~2000の規模についても同じようなランキングを作ってみました。

すると、美術大がワンツーフィニッシュ。なるほどですな。3位からは栃木や北海道といった地域の大学や薬学や看護などの医療系の学部を持っている大学が上位に来ています。このランキングでは関西の大学は2つしか入っていませんが、どちらも特徴がはっきりしていて他大学との併願は少ないということでしょう。単に偏差値ランキングだけでは見えてこない大学の特徴がわかりますね。

都道府県別 大学入学共通テスト 受験率(その2)

2025年1月9日 木曜日

そこで、それを補正するために、時系列的には逆になりますが、進学者数を分母にして共テ志願者数の割合を計算し直してみました。すると、ランキングが大きく変動しました。

1位、新潟、進学者の9割近くが共テに出願しています。2位岩手、3位東京、4位佐賀、5位富山と続きます。東京以外ではそれぞれの地域の国公立をめざしている受験生が多いとも考えられますが、共通テスト利用で都市部の私立大学に出願するという選択肢を残しておくためにも、共テを受験するのが当たり前、という雰囲気になっているのかもしれません。

一方でこの割合が低いのは、47位京都、46位神奈川、45位大阪、44位大分、43位奈良、となっています。京都が最下位というのは、人口に対して私立大学の数が多いからでしょう。進学者の半分も共テに出願していません。中には年内入試で進路が決まった高3生が大半という高校もあるでしょう。先生にとってはやりにくいかも。

というわけで、共テの受験に関しても地域による差がある、というお話でした。

都道府県別 大学入学共通テスト 受験率(その1)

2025年1月8日 水曜日

大学入学共通テストまであと10日と迫って参りました。締め切りが迫ってくると本気が出る人と、あきらめる人がいますが、受験生諸君、なぜか最後に確認したところが出題されるという都市伝説もあるぞ。がんばれ。

それはさておき、学校の先生方から「大学入学共通テストを受けたがらない生徒も増えているんですよ」とのお声を聞くこともあるのですが、地域別のデータはないかなと探していると、まとめている方がいらっしゃいました。ここでの数値は「豊島継男事務所」がまとめたものを参照しています。

こちらはいずれも2024年度入試、つまり1年前の入試に関する数値です。高校卒業者の中のどのくらいの割合が大学入学共通テスト(以下「共テ」と省略)を出願(志願)したのかを都道府県別にまとめてランキング形式にしてみました。

するとトップは東京で65.1%が出願したそうです。2位以下は広島、愛知、石川、富山と続きますが、この5位までが50%超となっています。

一方で少ないほうの5つを見てみると、47位沖縄、46位大分、45位神奈川、44位京都、43位大阪、となっています。京都や大阪は私学が多いので、共テの必要性があまり感じられないのかもしれません。沖縄はもともと大学への進学率が低い地域なので高校卒業生数を分母にすると極端な数値になってしまいます。(続く)

【今さらジロー】公募制推薦はルール違反なのか?【文科省の今回の姿勢】

2025年1月7日 火曜日

『文部科学省は24日、大学入試の実施要項で「2月1日から」と定めた学力試験の期日を順守するよう全国の大学に通知した。東洋大(東京)と大東文化大(同)が今年導入した新方式の学校推薦型選抜では11~12月に学力試験を実施したが、文科省は学力試験の前倒しを容認しない姿勢を示した。』以上、読売新聞オンライン、12月24日配信より引用。

そもそも近畿圏では一般的となっていた公募制推薦を首都圏で東洋大学と大東文化大学が2025年度入試より取り入れたのですが、首都圏ではこの日程で学力試験を行う大学が他に無いので、東洋大学に約2万人の受験生が集まってしまった、という背景があります。

大学入試の早期化は高校の学びを圧迫するデメリットもありますので、大学による早期学生確保(いわゆる青田刈り)が横行しないように釘を刺した形です。

しかし、1990年代から始まった近畿圏の公募制推薦は併願制のものが多く、公募制推薦で一勝を挙げておいてから、第一志望の大学を一般選抜で受験するという使われ方が一般的になっています。公募制推薦で学生を確保する大学と一般選抜がメインの大学という住みわけができているわけです。

それに、文部科学省は平成17年(2005年)に「いかなる入試方法であっても基礎学力の把握が適切に行われるべきであるとの認識に立って、学力に関わる様々な客観的な指標を活用し,学力把握措置を講じる。」「さらに、文系・理系の区別にかかわらず、幅広い総合的な学力を問う学力検査を行ったり、募集単位を大くくりにしたりすることを積極的に検討する。」と推薦入試で学力検査をすることをむしろ奨励しているわけです。中央教育審議会 大学分科会(第71回)議事録・配付資料 [資料4-2] 第2章 第3節 入学者受入れの方針について(高等学校段階の学習成果の適切な把握・評価を)-文部科学省

ちょっと歴史を振り返ると、戦前・戦中に実質思想検査になってしまった面接試験を含む推薦入試は、その反省から戦後は無くなります。しかし文部省(当時)による1967年の推薦入試の公認、1970年の面接または小論文の推奨と、復活してきました。1993年の大学審議会報告によって推薦入試の自粛が求められ、一度下火になりますが、その後1995年には定員の3割を超えないこと、学力テストを行わないことを条件に再び推薦入試が認められるようになります。その後2000年には3割枠が5割に拡大され、推薦入試による入学者が増えていきました。一方でその質を問う議論も始まり、2011年には推薦入試でも学力を問うことを「要項」に記載することが求められました。つまり今回の文科省の姿勢は、これらの歴史的背景を無視したものだといえます。歴史も大切よ、というわけで、小柳ルミ子をご存じの世代に向けたブログのタイトルになったのでした。

【AIが予測】2025年度大学入試で難易度が下がる大学は?【私の採点付き】

2024年12月25日 水曜日

【この隅付き括弧の中は人間の言葉です。AIに2025年度大学入試を予測させてみました。そして、それに対するコメントを人間が加えています。】

難易度が下がる可能性がある大学の特徴

●「情報I」や「数学C」を必須科目に含める大学

これらの科目に慣れていない受験生が多いことから、出願者数が減少する可能性があります。特に文系学部で「数学C」や「情報I」を導入する大学では、受験生が敬遠する傾向があり、難易度が下がる可能性があります。

【この予測への評価=△、情報Ⅰが簡単だったら、逆に増える場合もあるのでは?】

●新課程に対応する準備が遅れている大学

新学習指導要領に対応した問題作成や指導体制が不十分な大学では、難易度調整が行われ、過渡期として競争が緩和される可能性があります。

【この予測への評価=×、そこは関係ないでしょう。「指導体制が不十分」って何のことだろう?】

●地方の国公立大学

受験生が首都圏や都市部の大学を優先し、地方の大学を回避する傾向が強まる場合、地方大学の受験者数が減少し、結果的に難易度が低下する可能性があります。

【この予測への評価=〇、地方から都市部への流入が戻ってきているため、結果的に倍率は低下するかも。国公立志願者、最後まで突っ張れ。】

●新たな試験方式を導入する大学

学力重視ではなく、総合型選抜や推薦入試の比重を高めた大学は、一般選抜の受験者数が減る可能性があります。

【この予測への評価=×、既に入学生を確保したら、一般選抜での合格者数に頼らなくても良いので、受験者が減ったとしても大学は痛くもかゆくもない。というより難易度が下がるという意味をこいつわかってないな。】

●新しい学部や改編された学部を持つ大学

新設学部や改組された学部は初年度である場合、注目度が低く志望者数が減少する傾向がみられることがあります。

【この予測への評価=△、これは必ずしもこのようにはなりません。近畿大学情報学部の初年度ロケットスタートが逆の例。】

●今後の準備

志望大学が2025年度入試でどのような変更を行うかを早めに確認し、特に新科目や試験方式の影響を考慮したうえで出願戦略を立てることが重要です。

難易度予測は、最新の模試データや入試動向分析を基に、秋以降に詳細が明らかになることが多いです。最新情報を常に追い続けることをおすすめします。

【そりゃぁ、そうです。引き続きこのブログにも注目しておきましょう。しかしAIってまだまだだなぁ。もっと頑張れ。】

今回の筆者、ChatGPT4o+【人間】

【広がる女子枠】国公立大学 女子優遇枠について【気にせずに勉強しろ】

2024年12月24日 火曜日

東京工業大学(東京科学大学)の理系女子枠が発表されたときは議論が巻き起こりました。確かに理系分野の女子優遇枠は増えつつあります。ここではその意義や是非を論じるのではなく、入試全体にどの程度インパクトがあるのかを調べてみました。

現在国公立大で女子枠を設定しているのは国立26、公立3の合計29大学です。国立大学は全国に82大学、公立大学は95大学ありますので、国立大学の31.7%、公立大学の3.2%に導入されていることになります。

次に学校推薦型と総合型のどちらを取り入れているのか、両方なのかをカウントしてみました。すると学校推薦型が17大学、総合型が6大学、両方の方式を併用しているのが6大学です。

次に大学入学共通テストの受験が必要なのかどうかもカウントしてみました。

すると受験を課す(つまり合否に影響する)のが6大学、免除が17大学、両方の方式を併用するのが5大学で、合否に影響はしないが、受験は必須であるというのは福島大学の1大学のみでした。

大学入学共通テストが不要な大学が多いのが不公平感の元なのかも知れませんが、話題になった東京工業大学は、女子枠が149名と突出して多いのは確かです。しかし、大学入学共通テストは合否に影響するようになっています。

女子優遇枠の人数に関してですが、香川大学は4学科それぞれ最低1人以上、高知工科大学は若干名などと決まっていない大学もあるため概数になりますが、合計で約600名となります。国公立大の定員合計は約12万人ですから、割合にして0.5%以下です。理工系に限るとその割合は上がりますが、それでも2%程度でしょう。というわけで、男子諸君、こんなことに気を取られずに自分の得点力を上げましょう。

大学入試 そろそろ前半戦終了

2024年12月18日 水曜日

かつては大学入試といえば1月の大学入試センター試験を皮切りに、2月、3月がピークでした。しかし今では私立大学入学者のうち、6割以上が年内に行われる選抜で占められており、年明けからの入試で入学する方が少数派となっています。

今年も当グループの高校生、高卒生が大学入試に臨んでいますが、年内入試の状況について、各年度の12月15日前後のデータを元に分析してみました。

年内入試の全出願(のべ数)を「指定校・協定校」(内部進学含む)、「総合型選抜」、「公募制推薦」に分類して、それぞれの占有率を計算してみました。すると・・・

世間では「総合型選抜」が広まっているといわれていますが、ウチの塾生に限定すると次第に減っています。また、「指定校・協定校」も減少しています。つまり「公募推薦」が増えているということになります。

(仮説1)ウチの塾生の学力層が上がった。

年内入試枠が比較的少ない関関同立を2月の日程で受験するために、併願が可能な公募推薦を利用するようになった。(→関関同立や国公立の実績が上がればこの仮説が正しいことに)

(仮説2)ウチの塾生が強気になった

年内で進学先を決めるよりも、勉強の楽しさがわかってきたので、学力で勝負したくなってきた。(→ちょっと願望も入っている仮説)

(仮説3)総合型選抜をメインで考えている受験生はウチの塾に来なくなった。

探究活動や専門分野のリサーチで時間がとられ、机上の学習がメインの学習塾に行く余裕がなくなった。(→高3生の数は増えているんですけどねぇ)

など、いろいろ考えてみましたが、答えは4月になるまでわかりません。

大きく入試制度を変更した甲南大学だけでなく、学内併願や日程や判定方式の追加など公募推薦が受けやすくなったのも影響しているかも知れません。

年内にひとまず合格を勝ち取った受験生は年明けにワンランク上を、そうでない受験生は受験校のレベルを下げるのではなく、自分の学力を上げて年明け入試にチャレンジして欲しいと思います。

【年内入試も絶好調】大阪工業大学 一般選抜の出願始まる【狙い目㊙情報付き】

2024年12月17日 火曜日

昨年から導入した女子特別推薦入試も好調(出願数は昨年56→今年114)な大阪工業大学ですが、公募制推薦入試の出願も増加(昨年4,373→今年4,602)となっており、それに伴い合格者数も100名以上増加しているようです。つまり、一般選抜でのお席が減っています。ガーン(受験生の心の声)。

確かに全体的にはそういう話になりますが、合格者が全員入学手続きをするわけではありませんし、募集単位ごとの凸凹もあります。というわけで、狙い目の募集単位をいくつかピックアップしておきます。

●工学部(大宮キャンパス。大阪駅から3~5分ごとにバスが出ています)

建築学科(昨年よりもゆるいかも)、応用化学科(昨年に引き続き狙い目)

●ロボティクス&デザイン工学部(梅田キャンパス。阪急梅田駅の向かいのユニクロの隣。HEPの観覧車を見下ろしながらお勉強できるぞ)

ロボット工学科、システムデザイン工学科は公募推薦では隔年現象で易化。システムデザイン工学科は狙い目かも。

●情報科学部(枚方キャンパス。駅から遠いのでバス必須ですが、新しくて立派な建物が迎えてくれます。しかも学食は安い。)

データサイエンス学科と情報知能学科は昨年よりも緩くなるか?また定員80名の新設の実世界情報学科はまだ受験生に存在自体浸透していないのでしょうか、公募推薦のスタンダード方式での出願数65名で合格者は26名とまだお席が半分以上空いている状態です。学部内併願ができますので併願先としても押さえておきましょう。というより第5志望までできますから、必ず利用しましょう。

昨年の動向ではBおよびBC日程も狙い目となりました。準備が間に合わずにA日程で力が出し切れなかった受験生もあきらめず、後の日程にもチャレンジしましょう。ともかくA日程の出願は本日(12月17日)から始まっています。お早めにどうぞ。

【さらに】関西学院大学 一般選抜 学外会場がさらに充実【受験しやすくなりました】

2024年12月11日 水曜日

かつては推薦系の入試が大好き(?)だった関西学院大学が一般選抜重視に舵を切って数年経ちますが、学外会場も年々充実してきています。大阪、京都の会場で本学と同じ全日程が受験できるとの事。これは受験生に優しい。しかも奈良、和歌山にも会場設定。これはありがたいですね。

ところで一般選抜以外の、つまり推薦系の入試での出願数が昨年よりも減少したのは、社会学部・商学部・教育学部 初等教育学コース・工学部 知能・機械工学課程・生命環境学部 生物科学科だ、という極秘情報が飛び込んできました。

一般選抜でのお席はまだまだ空いているかも知れません。この分野を考えている受験生はご参考までにどうぞ。

【大学入試】東京都市大学 全国20都市で試験を実施【旅費が助かるぅ】

2024年12月10日 火曜日

東京都市大学は2009年までは武蔵工業大学という名称でした。1929年の創立時から東京都の品川区で、その後現在の世田谷区に移転していますが、都内の非常に便利なところにあります。1955年からは東急グループどなり、現在では理系中心に8学部18学科を擁する、学部学生数も7千人超の大学へと成長しています。

但し、関西の受験生からすると、昔からの「武蔵工大」の名前も東京都市大学の名前も知られてはいますが、家賃も物価も高い東京よりも自宅通学できる関西の大学を選びがちとなります。そんな東京都市大学が地方会場をさらに充実させ、地方の受験生でも受験しやすくなってきました。

その数なんと20か所。東京までの交通費や宿泊費が必要だしなぁと思っていた受験生は一度調べてみてはいかがでしょうか。