同志社香里中 創立60周年に向けて

2010年8月23日

同志社香里中の塾対象説明会に参加してきました。

2011年には創立60周年を迎えられますが、それに合わせて現在新校舎を建設されています。やはりこれに注目が集まっているようで、5月30日(日)に実施されたオープンキャンパスでは992組・のべ3000名を超える受験生・保護者がお見えになられたようです。

この新校舎についてですが、同校HP内には「生徒の学びの場であるホームルーム教室や理科など特別教室の新校舎建設を行います。この建設工事規模は、本校創立以来最大規模のものであり、同志社香里の 未来を施設面から力強く支えるものとなります。同時に、耐震補強工事も進行中で、安心かつ充実した学園生活がおくれる環境を整えます。」という案内があります。非常に楽しみですね。

この新校舎の件以外でも改革に取り組まれています。かつて公立校が週5日となってすぐにその動きに同調して同志社香里でも週5日にされましたが、この春から週6日体制へと戻されています。

他にも改革された点と言えば、この春の入試問題でも大きな変更点がありました。それまで平均点が低いことで有名だった算数の入試問題に手が入り、大きく難易度が引き下げられました。

かつての入試問題はどれほどの難易度だったのか、を1つご紹介したいと思います。2009年度入試の問題を例に挙げてみますと、算数の全24問中、正答率1ケタの問題が5問・占有率にして20%もあるという難易度の高さでした。

2009年度だけではなく、例年受験者平均点が国語の半分程度しかないなど、同志社香里中の算数の問題は「受験生泣かせ」でした。

2009年度入試終了後に「平均点が他教科よりも極端に低く『反省している』」と言われており、2010年度より今までのイメージと違う問題にする予定であることが発表されていましたが、その公約どおり難易度が大きく下げられて、結果今年の受験者平均点が20.3点上昇しました。これは(特に女子の)受験生にとってはありがたい改革だったでしょう。

この算数の傾向ですが、2011年度入試でも踏襲されるようです。

2011年度入試の話になりましたので、もう少し次年度入試の情報について触れておきたいと思いますが、特筆すべき変更点はありません。入試日・科目・出題傾向や難易度など、一切変更しないとのことです。

ただ、その次の年度である2012年度入試以降でいわゆる「後期入試」を設定して入試回数を2回にするかどうかを現在検討している、と言われていました。入学チャンスが増えれば確実に受験者が集まるでしょう。実現すればこれも大きな改革、となります。どうなるか、目が離せません。

2002年春から開始した男女共学化・新カリキュラム体制の1期生が卒業した年である一昨年の塾対象説明会でこんなことを言われていました。

「制度的な改革はしたけれども中身についてはまだ伴っていない」
「もう少し時間をかけてゆっくりと中身を充実させたい」

同志社系列の中高はすべて京都府内にある一方で同志社香里は大阪にある、という苦しい事情があるので、同志社系列の中高の中でも一番改革に積極的に取り組みたい、でも焦ってはいけない、しかしそんな間にどんどん他校が伸びていっている・・・。一昨年の説明会はそんな葛藤を垣間見たことを思い出します。

しかし、今回の説明会では、この度創立60周年を迎えるタイミングでかなり改革が具体的になってきているのと、それが確実に受験生・保護者に伝わってきている、そんな印象をうけました。