入試直前の最後のチャンス! 京都府私立中高合同相談会

2011年11月30日 水曜日

12月に入り、私立中高が合同で実施する説明会の類がぱったりとなくなってしまい、その代わりに各校がそれぞれの校地で実施する説明会が主流になってきています。

しかし、京都府私立中高連合会は来る12月4日(日)に大々的なイベントを京都駅前で実施されます。詳しくは以下の通りです(画像をクリックするとPDF文書が開きます)。

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京都府私立中高 入試相談会

京都府私立中高 入試相談会

日時:2011年12月4日(日)10~17時
場所:京都駅前 メルパルク京都 5・6F
参加校(京都府内全40校中33校):
大谷中高・京都学園中高・京都外大西高・同志社中高・花園中高・東山中高
龍谷大学付属平安中高・洛星中高・洛南中高・立命館中高・京都両洋高・京都文教中高
華頂女子中高・京都女子中高・京都精華女子中高・京都橘中高・京都光華中高
京都産業大学附属中高・京都聖母学院中高・同志社女子中高・京都西山高
ノートルダム女学院中高・平安女学院中高・京都明徳高・洛陽総合高・立命館宇治中高
同志社国際中高・南京都高・京都成章高・京都翔英高・京都聖カタリナ高・京都美山高
京都芸術高
特典:「京都私立中学高校ガイド」を無料進呈(数に限りあり)

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ご覧のとおり、全40校中33校が参加するという、大変大きなイベントとなっています。

また、当日は6F受付にて「京都私立中学高校ガイド」が無料でもらえるようです。各学校の紹介、入試要項、クラブ一覧、各自治体等各種助成制度、奨学金制度の概要などが掲載された、充実した内容になっています。ただ、数に限りがあるようなので、ご入用の方は出来るだけ早めに会場入りするようにして下さい。

立命館大 入試説明会を川西駅前で開催

2011年11月29日 火曜日

開成教育グループでは受験生の志望校選定の一助として頂くべく、高校1~3年生の生徒・保護者の皆様を対象とした「立命館大学 入試説明会」を開催させて頂く運びとなりました。

当日は立命館大学 入学センターの方によるご説明に加え、立命館大学に実際に通われている学生の方々にもお話いただく予定です。また、当日は一般入学試験要項(願書)の無料配布も予定しています。

受験予定の方はもちろんのこと、受験校決定の参考にとお考えの方、あるいは高校1・2年生の方も是非この機会に足をお運び下さい。保護者の皆様のご参加も大歓迎です。

詳しくは以下の通りです。

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立命館大 入試説明会

日時:12月1日(木) 17時~19時
会場:開成教育セミナー 川西中央教室
〒666-0033 兵庫県川西市栄町3-1 開成川西ビル
TEL:072-756-6866
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対象:高校1~3年生、保護者
内容:
①大学・教育方針等のご紹介
②2011年度入試結果、2012年度入試に向けて
③立命館大学 学生の皆さんからの大学紹介
特典:当日ご参加の方には立命館大学の一般入学試験要項(願書)を無料配布

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たくさんの高校生の皆さんのご参加を心よりお待ちしています。

常翔学園中 進学校宣言

2011年11月28日 月曜日

常翔学園中の受験生・保護者対象説明会にお邪魔してきました。

常翔学園中①

今回で4回目となる中学受験生対象の説明会だったそうですが、ご覧の通りひどい雨の中で実施された説明会でした。にもかかわらず、用意された会場はほぼ満席となっていました。改めて常翔学園中への受験生・保護者からの熱い視線を感じた次第です。

常翔学園中②

冒頭の校長先生のお話の中で、今後の常翔学園中の進む道について触れられました。

中学卒業時の偏差値目標を、Ⅰ類61~70・Ⅱ類54~64と設定されておられるそうです。これは、高校入試における常翔学園高の最上位コースである「スーパーコース」の合格に必要なレベルよりも高いものとなっています。

このことから、中学校からの入学者を今後常翔学園の大学合格実績全体を牽引する集団にすることを前提として、様々な取り組みをこれから実施されていく予定であることが分かります。つまり、常翔学園中は難関国公立大を頂点としてしっかりと実績を出せる「進学校」になることを目指されている、ということです。

気になるのが、同法人内にある大阪工業大・摂南大・広島国際大への進学についてです。現在、高校のスーパーコースと特進コースでは「内部進学」という形を取らさずに、あくまでも公募推薦入試等を受験(常翔学園高出身者に関しては特典があるそうですが)して合格を勝ち取ってもらうというスタンスをとられています。それらのコースよりも高校進学時には上位の成績となることを目指している中学ですから、大学への内部進学に関しては中学から持ちあがった生徒たちに関しても、先にご紹介した高校の2つのコースと同様の対応となる公算が大きいでしょう。

今回の説明会では「プレテストの総括」もお話いただきました。

今回のプレテスト受験者数は272名となり、昨年よりもほんの少し減った形です。ちなみに、受験者における男女比率は男子62%・女子38%、となりました。

今回のプレテストの大きな特徴点は、昨年のプレテストから平均点が26点アップしている、という点です。今回のこの結果から「上位層がかなり集まっている」という様子が伺えます。

上位層が集まっているのではないか、という予想を裏付けるエピソードを1つご紹介しておきましょう。今回の説明会当日、受験生対象に「算数勉強会」が実施されました。説明会の最中にその勉強会のご担当でいらっしゃる先生が「隣の部屋で算数をやってもらっていますが、皆さんどんどん進んでいくので、このあとどうしよう」と言われていました。

今回のプレテストにおける各教科の留意点を、算国に限定してご紹介します。

国語
・問1ではことばの意味と適語補充の練習をしっかりとしておくべき。本文中からぬき出す時は正確にすること(漢字などを写し間違えたりするとそれだけで大きな減点になる)。
・問2では繰り返し出てくる語に注目をしつつ、主題をつかむ練習をしておくこと。
・問3の漢字問題はどうやら難易度が上がったようで、正答率が昨年の80%から今年は60%と大きくダウン。

算数
・問1は平均点23.1点で、計算問題を多くこなして計算力をつけることが必須条件。
・問2は単位間違いや位間違いといった単純ミスが多く見られたので、その点に注意すればもっと得点出来る余地はある。
・問3は図を書いて求める面積がどこなのか?を分かるようにしたり、計算の仕方を工夫するなど、ちょっと手をかけて問題にあたると正答率がぐっと上がるだろう。
・問4は良く出来ていた。
・問5は典型的な旅人算であったにもかかわらず慣れていないと思しき答案が多かったようで、まずは旅人算のルールが分かるまで具体化しておいてほしい。

1期生の皆さん101名はここまで誰1人として欠けることなく、元気に学校生活を送っておられるようです。その生徒たちが大学進学を迎える6年後にはどのような大学合格実績が出ているのでしょうか。

1期生が巣立つ2017年春、今から楽しみです。

茨木高 公教育の北辰

2011年11月25日 金曜日

茨木高の受験生・保護者対象説明会にお邪魔してきました。

茨木高

当日は大雨にもかかわらず、ご覧の通り体育館が超満員となっていました。

また、この日は前日に公立高の募集定員が発表になった直後で、茨木高の普通科が40名増の200名募集になることが明らかになったばかりということもあり、会場全体が盛り上がっているようにも感じました。

茨木高の教育内容について簡単にご紹介してまいります。

知識を身につけること、物を論理的に考えることと並行して、様々なものを体験することを通して感性(情緒)を磨くことを目指しておられる、とのことです。訪れた当日は大阪大の留学生約60名を高校に招き、1年生の8クラスに分かれてもらって人権教育に関する授業を行うなど、大がかりなこともされているようです。

この春から「進学指導特色校」に指定されたことを受け、キャッチフレーズを「公教育の北辰」とされました。「北辰」は北極星を意味しており、北極星は地球上から見るとほとんど動かず、北の空の星は北極星の周りを回転しているように見えることから、茨木高が大阪の公教育の中心であることを意識して今後の運営に当たることが宣言されているものです。

そんな茨木高が、今後中期的に取り組む4つの教育目標は以下の通りとなっています。

①「高い志の実現」を図る教育システムの再構築
②「二兎を追うたくましさ」を育成するための教育システムの再構築
③「自主自律の精神」を深化させるための教育システムの再構築
④教員の授業力向上のためのシステムを構築

大まかな話はこれぐらいにして、ここからは教育内容について少し細かい点を拾っていきます。

まず、何といっても「授業時間数・日数が多い」というのが特長として挙げられます。

具体的には、65分×5限による学習時間数の確保(50分×6限よりも1日で25分多い)、2学期制による授業日数の確保(夏休み明けは8月20日から授業スタート)、両面からの量の面で十二分なものとなっています。中々ハードそうな毎日が予想できます。

設備面での話では、広い敷地内に余裕を持って校舎が建っているのが印象的な上、プールは府内公立高では唯一の「屋内型 50m」となっています。Wikipediaによると、「1916年の水泳場竣工、クロール泳法の普及、オリンピック選手など数多くの水泳選手の輩出などの実績によって、「日本近代水泳発祥の地」と称され、記念碑が設置されている」そうです。

当ブログでは過去にこちらのエントリー「北野高 伝統に培われた実績とアカデミックな校風」でご紹介をしましたが、茨木高とライバル関係にある北野高にも広いプールがあるようです。この点から考えると、北摂にあるこれら難関公立高2校には広いプールがある、というのもまた共通点のようです。

ここで1つ余談です。学校の先生が「茨高は充実した設備がウリです」というようなことを言われた直後、当日の折からの大雨によって会場となっている体育館では雨漏りしていることが発覚してしまい、「設備は良いはずなんですがね」と笑いをとられていたのが印象的でした。

さて、気になる大学合格実績についてざっとご説明します。

今春は男子165名・女子156名・合計321名が卒業、その内で国立大への進学が102名、公立大への進学が15名、私大82名となりました。難関国公立大では京都大30名・大阪大36名・神戸大30名といった数が「現役で」合格しているなど、非常に良い結果が出ています。特に、大阪大は浪人も含めると合格者数57名となり大阪大合格者数では全国トップ、神戸大も同39名で全国3位、となっています。

反対に浪人等は119名(37.1%)となっています。浪人等の人数・率を男女別に算出してみますと、次のようなデータが出てきています。

男子 浪人等79名(47.9%)
女子 浪人等40名(25.6%)

やはり女子は浪人を嫌うようで、国公立1本に絞って頑張るというよりも現役での進学にこだわる、という傾向にある様子がわかります。それが「私立大への進学者が男子より女子の方が多く出ている」という今春の結果にも表れているようです。

公教育の北辰、まさに「不動」の存在として北摂では非常に高い評価・人気となっている茨木高の様子でした。

2012年度近畿地区中学入試 入試日程⑥

2011年11月24日 木曜日

2012年度近畿地区中学入試 入試日程①
2012年度近畿地区中学入試 入試日程②
2012年度近畿地区中学入試 入試日程③
2012年度近畿地区中学入試 入試日程④
2012年度近畿地区中学入試 入試日程⑤
に続くエントリーです。2012年度近畿地区中学入試における各校の入試日程の位置取りを府県ごとにご紹介し、大きな動き・トピックスや府県ごとの特徴などをご紹介しているシリーズです。

今回は「番外編」とでもいいましょうか、このシリーズ①~⑤でご紹介した入試日程を総合的に見て「来年度入試ではこんな併願パターンが出来る」という例を、2つばかりご紹介したいと思います。

まずは「清風中が統一解禁日午後で新入試を導入」「高槻中が洛星中の後期と同日に入試日を新設」「西大和学園中が入試回数1回減+午後入試化」といった形で話題が集中している、男子難関~上位校の併願パターンについて考察してみたいと思います。

下の画像は、先にご紹介した清風中・高槻中・西大和学園中などを中心とした男子校及び共学校の難関~上位校における入試日程の位置取りを示したものです。

男子難関~上位校 例

男子が受験可能な難関~上位レベルの学校でやはりキーポイントとなるのが西大和学園中の位置取りです。それと同じく、大阪桐蔭中の1回目・2回目の午後入試も大変絶妙な位置取りにいることから、併願パターン作成の際には通らざるを得ない道となっていることがわかります。

図内に黄色く示されている所を順番に受験していくと考えた際、何と14日(土)~20日(金)の1週間の間に実に10校受験が可能となります。

・・・男子受験生でこういった難関~上位校を狙われている皆さん。実際にはここまで過酷な併願パターンとされるご家庭は無いとは思いますが、「1日に2校の入試を受ける」ことや高槻中の後期など「遅くの日程まで頑張る」といった形が来年度入試では起こり得ることで、今回図内で黄色く示したような併願パターンに限りなく近い形となる方が出てくるかもしれません。そうなった場合は「持久力勝負」となります。

「持久力」というのは何も体の面だけを指しているのではなく、むしろ精神面でやる気や根気が持続する方のことがより重要になるでしょう。今のうちに周りの受験生よりもタフな体・精神力を持てるように意識しておきたいものです。

さて、男子難関~上位校では過酷な併願パターン設定が可能であることをお示しした次は、今や大人気の大学附属校の併願パターンです。

数々の男子校と同様に、今年は特に大学系列校の入試日程に大きな変更が出ています。ご存知の通り、同志社香里中と同志社女子中において後期日程が新設される、という点がそれです。

関関同立各大学が直接運営している附属校、あるいはそれに限りなく近い形での運営・内部進学状況となっている学校の入試日程を以下にまとめてみました。

大学附属校 例

男子校の時と同じように、黄色く示している部分をたどるような形で併願することが可能である、ということをお示ししています。

上の画像内の通りに受験しますと、14~16日の3日間で関関同立すべての附属校を制覇することが可能となります。同志社女子中がパターン内に混ざっていますので女子限定のものとなっていますが、15日午前を立命館中・16日午前を同志社香里中とすれば男子受験生でも関関同立の横断が可能となります。

「関関同立附属校 全制覇!」を目指す受験生が出て来てもおかしくは無い日程である、ということがわかります。

しかし、「そんな受験生はいないだろう」とお思いかもしれませんが、実際に今年度入試においては同志社中・立命館中・関西大学中の順番に3日間受験を続けた受験生もおりました。

と、2例とも少し極端な併願パターンの組み方となっている例でしたが、こんなことが出来るぐらい2012年度中学入試は入試日程が混沌としている、ということを申し上げたいのです。

全6回続きました中学入試日程のシリーズは今回で終了となります。一連のエントリー・情報が受験生の皆さんのお役に立てば幸いです。

2012年度近畿地区私立大 新設学部・学科 模試偏差値

2011年11月22日 火曜日

毎年、全国あちこちで新しい大学・学部・学科が出来たり、学部・学科が改組されたりしております。もちろん、来る2012年度入試に向けて、ここ近畿地区の各大学でも学部の新設を始めとして大きな変更がいくつか予定されています。そんな数多くの変更点が毎年出てきますので、受験生の皆さんよりはむしろ毎年進路指導に携わっている高校・予備校・塾の先生は変更点を把握するのに大変な思いをしています。

それと同時に、新しく出来る大学・学部・学科がどれくらいのレベルになるのか、について予想・把握するのも大変頭の痛い思いをしています。と同時に、レベルに関しての情報については特に受験生の皆さんにとってはまさに死活問題となる大変重要な情報であることは言うまでもありません。

今回のエントリーでは、近畿地区各私立大において特に注目されている新設学部・学科の秋時点での予想レベルについてご紹介したいと思います。下の表に一覧で示しています(画像をクリックすると拡大します)。

新設学部・学科 模試偏差値

2012年度入試における近畿地区私立大変更点の目玉は、やはり佛教大と摂南大における看護学部の新設、でしょう。佛教大には保健医療技術学部内に理学療法学科と作業療法学科がある一方、摂南大には薬学部がある、ということで、両者とも医療系へ初めて参入するわけではないというところから、共に前評判が高くなっています。

ただ、この秋の各模試の偏差値を見ている限りでは、レベル的には佛教大の方が高い値となっているようです。これには恐らく佛教大の「二条キャンパス」の存在が大きく影響しているものと思われます。

佛教大 二条キャンパスはJR京都から2駅先、JR二条駅のすぐそこにあります。全学科共通科目こそ他学部の学生と紫野キャンパスで履修することになりますが、保健医療学部はその後二条キャンパスで履修していきます。交通の便の良さ、というのも人気を呼んでいる1つなのではないか、と考えます。

反対に摂南大 看護学部がレベル的に下をくぐっていることに対しては、従来から有る薬学部のレベルが高い印象が強く、同じ医療系の看護も高いレベルになるのではないか、ということで受験生が嫌っているのではないか、と予想しています。

2012年度に新設される学部・学科の中で比較的評価が高いのが龍谷大 文学部 臨床心理学科です。元々レベルが高い文学部に満を持して学科として開設されるということもあり、現時点での期待値も高くなっている模様です。

その他にも梅花女子大が現代食文化学部という学部を新設されます。こちらのエントリー「梅花女子大 現代食文化学部は文系から食にアプローチ」で詳しくご紹介しています。ちなみに、こちらのエントリーでご紹介した時点では「現代食文化学部 食マネジメント学科」として認可を申請されていたのですが、この度正式に「食文化学部 食文化学科」という名称で認可が下りたようです。

この学部ですが、現在の大学・学部選びの際は「食=管理栄養士」という図式があまりにも濃い中で「文化としての食を学ぶ」というコンセプトの学部となります。

この秋の模試偏差値を見てみますと、梅花女子大の中で最も高いレベルとなっています。こちらも期待の高さがうかがい知れます。

他にもたくさんの新設学部・学科があります。それらについては皆さん個々で調べてみて下さい。

2012年度近畿地区中学入試 入試日程⑤

2011年11月21日 月曜日

2012年度近畿地区中学入試 入試日程①
2012年度近畿地区中学入試 入試日程②
2012年度近畿地区中学入試 入試日程③
2012年度近畿地区中学入試 入試日程④
に続くエントリーです。2012年度近畿地区中学入試における各校の入試日程の位置取りを府県ごとにご紹介し、大きな動き・トピックスや府県ごとの特徴などをご紹介しているシリーズです。

これまで、大阪府・兵庫県・京都府の順に2012年度入試日程をご紹介してきました。今回は奈良県・滋賀県・和歌山県内各校の入試日程をご紹介いたします(画像をクリックすると拡大します)。

近畿地区中学入試 入試日程

※作成には万全を期していますが、入試日程は各校入試要項等で必ずご確認下さい

奈良県と和歌山県では入試日が17日(火)以前にかたよって配置されていることがわかります。この傾向は大阪府及び京都府の各校と傾向は同じです。特に奈良県の各校は大阪府・京都府からの受験生の流入に大きく頼る必要がありますので、相手関係として大阪府・京都府の各校の入試日程を意識した位置取りにせざるを得ないことから、このような形になっているものと思われます。

その中でも特に、来年度入試における注目点は「西大和学園中 入試回数減少+午後入試に!」でも過日にご紹介しましたとおり、西大和学園中が入試回数を2回から1回に減少させるのと同時に日曜日の入試(3科4科選択日程)を午後入試化する、という大変大胆な変更です。

この変更により、各塾実施の模擬試験及び五ツ木駸々堂において、西大和学園中だけでなく男子難関校の志望動向に大きな変化が見られるようになりました。現在掴んでいる所では、明星中の15日(日)実施の2次が人気となっているようです。午前中に明星中を受験後、明星中の最寄り駅であるJR玉造から西大和学園中の最寄り駅であるJR王寺までの電車での移動は約30分と、大変近距離に位置している2校です。その点から明星中が西大和学園中の併願先として白羽の矢がたったものと思います。

他には、智辯学園中がこれまでの1回きりのチャンスだった入試から一転し、17日(月)にもう1回入試機会を設けています。

さて、奈良県が14~17日に入試日程を詰めこんできている一方で、滋賀県各校は22日(日)以降にも入試日を設定しているところが多く見られます。滋賀県に限っては非常にゆったりとした形で中学入試を捉える事が出来る点が他府県と全く違う傾向にあります。

ここまで5回に分けてご紹介をしてきました近畿地区各校の入試日程の位置取りですが、次回のエントリーではこれらを踏まえて「こんな併願パターンが組めますよ」ということを簡単にご紹介したいと思います。

2012年度近畿地区中学入試 入試日程④

2011年11月18日 金曜日

2012年度近畿地区中学入試 入試日程①
2012年度近畿地区中学入試 入試日程②
2012年度近畿地区中学入試 入試日程③
に続くエントリーです。2012年度近畿地区中学入試における各校の入試日程の位置取りを府県ごとにご紹介し、大きな動き・トピックスや府県ごとの特徴などをご紹介しているシリーズです。

4回目の今回は京都府全校の入試日をご紹介いたします。早速ですが以下の画像をご覧ください(画像をクリックすると拡大します)。

京都府私立中 入試日程

※作成には万全を期していますが、入試日程は各校入試要項等で必ずご確認下さい

入試日程に関する話題に限定した際、京都府内各校の中で来年度に向けて最も注目されているのは「同志社女子中の後期日程の新設」です。当ブログでも過去にこちらのエントリー「同志社女子中 後期入試実施へ!」で詳しくご紹介しております。大阪府共学校のエントリーでもご紹介した同志社香里中の後期新設と合わせてご確認いただければと思います。

さて、大阪府下各校では実施率が高かったものの、兵庫県ではさほど実施校がなかった「土・日連続の入試日程設置」状況ですが、京都府はどのようになっているのでしょうか?

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14日(土)・15日(日) 連続入試実施校
(京都府男子・女子・共学校)

男子校(2校中1校 50.0%)
東山中

女子校(8校中5校 62.5%)
華頂女子中・京都精華女子中・京都聖母学院中・同志社女子中・ノートルダム女学院中

共学校(12校中4校 25.0%)
大谷中・京都文教中・花園中・立命館中

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14日(土)・15日(日)で連続して入試日を設置している学校の率は、特に女子校で高くなっており、大阪府下の女子校でご紹介した約70%に迫るほどの高い実施率です。この中には先ほどご紹介しました同志社女子中も入っています。

共学校においては大谷中と京都学園中が各1回入試回数を減らされています。また、龍谷大学付属平安中が2回目・3回目の入試日を今春実施日から後退させているのも特徴です。

兵庫県下ではほとんど実施校が無かった午後入試、京都府ではどのような実施状況となっているのでしょうか?

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午後入試導入校
(京都府男子校・女子校・共学校)

男子校(2校中0校 0%)
該当なし

女子校(8校中2校 25.0%)
京都聖母学院(B日程)・ノートルダム女学院(Ⅱ日程午後)

共学校(12校中1校 8.3%)
京都学園(B日程)
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2日間連続して入試日を設定している学校数の多さの割には、午後入試導入校は少なくなっています。この点においては大阪府とは一線を画す傾向にあります。

女子校で午後入試を導入されている京都聖母学院中とノートルダム女学院中の2校ですが、共に15日(日)に午前・午後の2回入試回を設置されています。特にこの日の午後の方では、同日午前に実施される同志社女子中の後期入試から帰る女子受験生を狙って設定されたものと思われます。

京都府についてまとめますと、入試日程こそ前倒し傾向にあるものの午後入試に関しては消極的なので、時間的には(毎日のように午前・午後と追いたてられる大阪府よりは)余裕のある中学入試になるのかな、というところでしょうか。

次回のエントリーでは奈良県・滋賀県・和歌山県各県の入試日程を検証致します。

明治大 今日本で一番勢いがある大学

2011年11月17日 木曜日

明治大の受験生対象説明会にお邪魔してきました。

当日は「明治大学フェスタ!」と銘打たれたイベントとして、大阪を含む全国6か所で実施されたもののうち大阪会場で実施されたものに参加してきました。

明治大の概要です。

キャンパスは駿河台C・和泉C・生田Cの3か所にあり、特に生田Cは農・理工が入っていることから設備が充実している上、同大農学部卒の植村直己の不撓不屈の精神を語り継ぐモニュメントがあるのが特徴です。キャンパス関連の最新情報としては、2013年に中野に新キャンパスを設置する構想があり、国際日本学部が移転予定となっている、ということが挙げられます。

その3つのキャンパスに9学部が置かれており、学生総数は約30000人・教員約2500人もいる上に、卒業生は50万人ということで卒業後のネットワークが十二分なものであるだろうこともうかがい知れます。

「卒業生」という言葉が出ましたので、明治大の卒業生をご紹介しておきましょう。ビートたけし(お兄さんの北野大も明治大卒、現明治大理工学部教授)を筆頭に、最近では俳優の向井理・北川景子・井上真央、アナウンサーでは安住紳一郎・葉山エレーヌ、スポーツでも数えきれないほどの有名選手を輩出している点もまた明治大の自慢の1つとなっているようです。

大学の本分である学びの部分ではどのような特徴があるのでしょうか?

明治大では「他学部履修制度」で学部横断の学びが可能となっているだけでなく、「学部間共通総合講座」では学外から講師を招いて講座を開講するなどし、知的好奇心を喚起したり満たしたりする取組が多いことをご説明いただきました。前述の通り50万人の卒業生がおられますから、あらゆる分野にネットワークを築けていることでしょう。

また、「学習支援室」では、授業で疑問に思ったこと・課題やレポートの書き方・授業の履修方法といった事柄に対して相談にのる場所を設けているとのことです。現代の大学生に合わせた、きめの細かいサポートですね。

また、近頃言われている大学の国際化ですが、明治大では「世界に開かれた大学」を目指して以下のような取組をされておられます。

①学部間共通外国語科目では、約150クラス(レベル別)が開講され、7割以上が会話クラス。
②短期海外語学研修と、その参加者向けのサポート講座
③夏期・春期の「集中講座」は1日6時間×2週間の語学漬けによって短期留学に迫る学習効果を得る
④協定校留学としての行き先は28カ国104大学
⑤学部ごとに留学制度を設けている(例 国際日本学部ではフロリダのディズニーワールドへのインターンシップ留学がある)

「大学の心臓」と言われる図書館ですが、明治大には3か所、計237万冊の蔵書があります。その中で和泉Cの図書館が現在建て替え中となっています。

図書館関連の話題で大変ユニークなものをご紹介しますと、「米沢嘉博記念図書館」という、まんがとサブカルチャーに特化した専門図書館があり、来る2014年にはまんが・アニメ・ゲームの複合アーカイブ施設として「東京国際マンガ図書館」を完成させる予定であることを発表されています。

マンガ・アニメ・ゲームなどのサブカルチャーにおいて現在ではまだ評価が定まっていないような作品や事物も含めて保存することで、未来で文化の歴史を正確にとらえる一助としてもらう、ことを目的として東京国際マンガ図書館の設立を目指されています。

さて、入試制度についても簡単に検証してみたいと思います。

年明け以降は一般選抜、全学部統一、センター利用前期、センター利用後期の計4回の入学機会があるのが特徴です。これらの入試はすべて2月中に実施が終了することになっています。

お気付きの方もおられると思いますが、関西のほとんどの私大で実施されている「センター併用型」や「3月(後期)入試」は実施されていないのが特徴です。

作問についてです。

一般選抜は学部ごとに入試問題を作成し、試験が実施されることになっています。文学部では漢文が独立大問として出題される一方、商学部には独立した問題は出題されない(小問レベルで漢文内容は出ているよう)など、国語において傾向が特に違う様子ですから注意しましょう。一般選抜ではマークと記述の併用となっており、記述力も必要となります。外国語は出願時に登録が必要、選択科目も同様に登録が必要ですが、理工学部と農学部のみ試験会場で選べるそうです。

一方、全学部統一は「明治大学版センター試験」と銘打たれており、全国8都市での実施、全学部共通問題で全問マークとなっています。一般入試では学部間の併願が不可となっていますが、こちらの全学部入試では一部日程に限り複数学部出願が可能です。ただし、どの科目を受験するかによって併願可能な学部が限られるので、入試要項などでよく精査してから試験科目を決める必要があります。

センター利用型については、前期では全学部、後期では4学部のみの実施となっています。センター利用型での注意点として、リスニングの利用方法や換算方法が学部間で異なる点が挙げられます。特に商学部ではリスニングが必須となっているので、注意しましょう。なお、地歴公民・理科は、いわゆる「高得点科目利用」となっています。

秋口に大阪駅近くの大変大きな会場で実施された大学の合同説明会に明治大もブースを構えておられましたが、関西大・近畿大といった近畿地区の人気大学に負けないほどの盛況ぶりでした。明治大の勢いはここ近畿地区にも確実に押し寄せて来ている、そんな気がしました。

特に、これから受験校を選ぶことになる高1・2生の皆さんにおかれましては、「関東の大学だから」という単純な理由で明治大を除外することなく、一度は候補として検討してみることをオススメしたいと思います。

2012年度近畿地区中学入試 入試日程③

2011年11月16日 水曜日

2012年度近畿地区中学入試 入試日程①
2012年度近畿地区中学入試 入試日程②
に続くエントリーです。2012年度近畿地区中学入試の入試日程と注目点を順にご紹介しております。前回までの2回のエントリーでは大阪府の男子校・女子校・共学校についてご紹介しました。こちらも合わせてぜひお読み下さい。

今回は兵庫県全校の入試日程を検証いたします(画像をクリックすると拡大します)。

兵庫県私立中 入試日程①

兵庫県私立中 入試日程②

※作成には万全を期していますが、入試日程は各校入試要項等で必ずご確認下さい

大阪府下の男子校・女子校・共学校は14日(土)~16日(月)の3日間に入試日程が密集しており、各校とも早い入試日の設定とすることで受験生・入学生を早くに確保したいという思惑が見て取れましたが、兵庫県に関しては17日(火)以降にも入試日が大阪府よりも残っているという印象です。

なお、兵庫県下全校の中で14日(土)・15日(日)の2日間連続で入試日程を組んでいる学校は以下の通りとなります。

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14日(土)・15日(日) 連続入試実施校
(兵庫県男子・女子・共学校)

男子校(7校中0校 0%)
該当なし

女子校(15校中8校 53.3%)
小林聖心女子学院中・甲南女子中・神戸海星女子学院中・神戸国際中・神戸山手女子中
親和中・武庫川女子大学附属中・百合学院中

共学校(12校中6校 50.0%)
芦屋学園中・神戸龍谷中・須磨学園中・滝川第二中・仁川学院中・雲雀丘学園中

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女子校・共学校で約半分ちょうどの学校が、男子校では7校中該当ゼロということで、大阪府と比べて入試日程の位置取りにおいては「少々余裕が見られる」傾向にあります。特に女子校において大阪府の約70%が2日間連続で入試日を設定しているのに対し、兵庫県女子校は50%を少し越えたぐらいである、ということでかなり差が激しくなっています。

そんな中でも、入試日程を大きく前倒しして来ている学校があります。男子校の甲南中が例年統一解禁日から8日後の日曜日に実施をしていたⅢ期を、2012年度では水曜日にまで一気に前倒しされています。また、共学校では啓明学院中が前年度火曜日実施だった2回目の入試日を1日前倒しにされています。ご注意ください。

2012年度入試の大きな流れの1つである「午後入試の導入」についてはどうでしょうか。大阪府では男子校・女子校・共学校関係なく、全般的に午後入試導入の動きが活発であることを過去のエントリーでご紹介しています。兵庫県についても検証してみましょう。

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午後入試導入校
(兵庫県男子校・女子校・共学校)

男子校(7校中0校 0%)
該当なし

女子校(15校中0校 0%)
該当なし

共学校(12校中3校 25.0%)
芦屋学園中(B日程)・滝川第二(B日程)・仁川学院(2次前期)

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驚いたことに、午後入試導入校は男子校・女子校ではともにゼロ、共学校で25%、という形になっています。大阪府下では男子校・女子校・共学校ともに30%弱の学校で午後入試が導入されていたことを考えると、ここでも大阪府とは違って「のんびりとした」といいますか、これまで通りの中学入試のスタイルが貫き通されていることがわかります。

お隣同士の府県ではありますが、入試日程の位置取りにおいてはこんなにも傾向が違います。改めて良い発見となりました。

次回のエントリーでは京都府全校の入試日程について、これまでと同様の切り口で検証をしてみたいと思います。