大阪青凌中高 着実に進学校へステップアップ

2010年5月31日 月曜日

大阪青凌中高の塾対象説明会に参加してきました。

大阪青凌中高 外観

いつもは学校以外の施設を使われて説明会をされる同校ですが、今回は学校でご実施いただきました。

大阪青凌中高 エクセルホール

説明会が行われたホールの様子です。

今回の説明会は2つに絞ってご説明いただきました。1つはコース別募集を開始し今春で2回の入試を経た「ジュニアSコース」の1期生の様子や取り組みについて重点が置かれたもの、もう1つは「国公立大現役合格」を目標とする特進Sコースの1期生が今春卒業を迎えたのを受けて、大学合格実績とそれまでの過程・取り組みについて、です。

まずは、中学校のジュニアSコースの様子です。

このコースでは、家庭・学校・生徒本人の3者をつなぐものとして「シャトルノート」というものがあり、情報交換の機能だけでなく、情緒不安定な時期の中学生の精神的なフォロー、保護者の悩み相談の場として大きな役割を果たしているようです。

授業についてご紹介しますと、英語においては1週間で6枚程度のプリント課題を与え、△や×がついた問題については○がつくまでやり直しを何度も行う「ハッピーホームワーク」という名の取り組みが行われています。これを続けることで、英文法は中3の2学期で終了させることが目標とされています。

また、英語の読解力養成には「ペンギンブックス」を活用、興味のあるものや知っているものを内容とした長文を使用することで、長文へのアレルギーをなくすことを狙っています。

数学は、といいますと、中3⇒高1持ち上がり時に難易度の大きなギャップが発生する点を埋めるために中3後半で高1内容(数ⅠA)に着手されています。そのために、中1・2時点で計算の徹底演習を行うことになっているようです。

さて、そんなジュニアS 1期生の五ツ木模試偏差値が公表されました。5教科の偏差値が60以上になっている生徒は実に全体の1/3を占めており、今後の更なる伸びが期待されます。

続いて高校の内容をご紹介します。

今年は特進Sと特進両コースから合計8名の国公立大合格者を輩出したのですが、昨年実績の「4名」から実に倍増しています。国公立大受験者数も昨年は10名でしたが、今年は20名居た、とのことです。また、国公立大合格者8名中4名が私大を受験しないという、いわゆる「国公立一本」だったようで、これまでの大阪青凌には無かった傾向だったようです。

そんな受験生に対して、これまでは2次試験対策寄りだった授業内容を特進S 1期生についてはセンター対策の比重を高めた「基礎力の強化」に充てて入試に臨ませたそうです。

授業内容としては、例えば東大の英語の過去問を渡して要約作業をさせ、理想の答えに近付くまで何度もやり直しを徹底してさせた、ということをご紹介いただきました。また、生徒が作成した答えをいくつか並べたプリントを配布するなどして答案の「違い」を見せるなど、工夫した授業を行ったそうです。

現在の在籍生についてもいくつかお話くださいました。

現高3生は実に49名が国公立大を志望しており、併設中学からの持ち上がり組の中で京大志望が2名いる上、成績的にも充分狙える位置にいるそうです。来年の大学入試結果も楽しみです。

大阪青凌中高 校舎から校庭を望む

上の写真は校舎から校庭を望んだ風景です。都会の騒がしさから解放された、のんびりと時間が流れているように思えるこの場所。街中の学校と違って周辺環境は良いのですが、ことアクセスの良し悪しで言えば「厳しい条件下にある」と言わざるを得ない大阪青凌中高。しかし、ここまで足を運べば非常に面倒見の良い先生方や教育内容が待っています。

今後も面白い学校になっていくだろうな、そう予感させられた説明会でした。

進路・職業選びに必要な能力とは?①

2010年5月28日 金曜日

人間は生きている間に、自分の将来を大きく左右すると思われる選択を行わないといけない場面にいくつも出会います。「住む場所を選ぶ」こともそうでしょうし、何よりも「誰(どんな人)と結婚するか」ということは非常に大きな転機になるでしょう(私はそうでした)。

その他にはやはり「進学先・就職先の決定」ということも挙がると思います。

これらはその先の人生を大きく変えるだけではなく、例えば「A大学に進学したけど、仮にB大学に進学していたらどうだっただろう?」とか「就職はC社じゃなくてD社だったら今頃どうなってるかな?」というやり直しがききません。

進学先・就職先の決定というやり直しがきかない重要な選択。それが必要となる場面に出会うまでの間、一体どんな能力を身につけておくべきなのでしょうか?今回のエントリーは「進路・職業選びで必要となる能力」についてご紹介します。

下の表は、国立教育政策研究所生徒指導研究センターが作成した「児童生徒の職業観・勤労観を育む教育の推進に関する調査研究」という報告書内にある、進路・職業選択に必要となる能力をまとめたものです。一部中高生には難解な表現がされている部分がありますので、そこは違うわかりやすい表現に置き換えています(表をクリックすると拡大します)。

進路・職業選択に必要となる能力

左端には大きく4つ抽象的に能力領域が示されており、それぞれの領域についての簡単な説明がその右に記載されています。注目いただきたいのは、右端に記載した各領域にカテゴライズされている合計8つの能力についてです。それぞれについて下に説明を記載します(以下、同報告書より引用)。

【自分・他人を理解する能力】
自己理解を深め、他者の多様な個性を理解し、互いに認め合うことを大切にして行動していく能力

【コミュニケーション能力】
多様な集団・組織の中で、コミュニケーションや豊かな人間関係を築きながら、自己の成長を果たしていく能力

【情報収集・探索能力】
進路や職業等に関する様々な情報を収集・探索するとともに、必要な情報を選択・活用し、自己の進路や生き方を考えていく能力

【職業理解能力】
様々な体験等を通して、学校で学ぶことと社会・職業生活との関連や、今しなければならないことなどを理解していく能力

【役割把握・認識能力】
生活・仕事上の多様な役割や意義及びその関連等を理解し、自己の果たすべき役割等についての認識を深めていく能力

【計画を実行する能力】
目標とすべき将来の生き方や進路を考え、それを実現するための進路計画を立て、実際の選択行動等で実行していく能力

【選択能力】
様々な選択肢について比較検討したり、葛藤を克服したりして、主体的に判断し、自らにふさわしい選択・決定を行っていく能力

【課題解決能力】
意思決定に伴う責任を受け入れ、選択結果に適応するとともに、希望する進路の実現に向け、自ら課題を設定してその解決に取り組む能力

・・・難しい言葉が並んでいて、一体何をどうすればいいのか?が今一つわかりにくい文章です。

ただ、一番大切になってくるのは「自分を知る」ことです。職業・仕事の名前や中身をよく知っている、いろいろな資格を持っている、ということも重要ではありますが、自分自身の個性・能力・適性を知ることと、それを受け入れて伸ばそうとする姿勢が最重要事項だと考えます。

今回は諸能力をざっとご紹介しましたが、今後のエントリーでは、これら8つの能力を身につけるためにどういう点に注意して生活すればいいのか、小・中・高それぞれの段階にわけて丁寧にご紹介してまいります。

清教学園中 「清教中学模試」日程

2010年5月28日 金曜日

先日のエントリー「大阪府南部3私立中 小5生向け入試イベント」では帝塚山学院泉ヶ丘中・清教学園中・初芝富田林中3校の学校説明会イベントについてお知らせしました。小5生に向けたイベントを実施することで早めに志望校として意識してもらおう、という狙いが各校にはあるものと思われます。

そんな3校の中で、小6生向けに清教学園中がユニークな取り組みをされていますので、ご紹介いたします。

「清教中学模試」というもの年2回実施しており、受験生が実際に清教学園中で、清教学園中の先生方が作られた試験問題を受験する、というイベントです。受験生が模試を受験している間には保護者対象で模試の解説が行われるなど、来年度入試に向けていち早く清教学園中の入試傾向をつかむことができるという、同校を志望している受験生・保護者にとっては見逃せないイベントです。

清教中学模試 日程

昨年同時期に行われた清教中学模試は743名が参加。一昨年は860名、3年前は851名の参加者数でしたから、昨年は例年に比べて模試参加者数がかなり減った年でした。

また、それと比例するかのように、今春2010年度の清教学園中の受験者数(前期・後期合計)は前年度の入試より約100名減っています。

年間を通して説明会の参加者数が例年よりも多い学校は入試でも多くの受験者を集める、という具合に、こういった入試関連イベントの動員状況と入試本番の受験動向は大筋で似たような状況になる、という傾向が強くあります。

「まだまだ7月のイベントだし、時期尚早」と思われる向きもあるかもしれませんが、同校を真剣に考えている受験生はかなりの確率で参加しているイベントです。「これから先ライバルになるかもしれない」受験生たちと共に実力試しが出来る、という点と、この模試の結果を見て「清教学園中合格に向けて夏休みにやるべき所」がはっきりする、という点がメリットです。

また、先の話ですが、11月の模試は4教科での実施、かつ後日「成績懇談会」ということで模試結果を基にしたアドバイスをしていただけるようです。清教学園中第一志望の受験生は、こちらもお忘れなく!

帝塚山学院中 入試科目変更!

2010年5月27日 木曜日

帝塚山学院中高の塾対象説明会に参加してきました。中学入試における大きな変更点が発表されましたので、ご報告したいと思います。

帝塚山学院中高 外観

同校の外観です。写真右下に芝生が少し見えますが、現在校庭の芝生化を進められているそうです。この日は、同校の小学生が先生に促され何やら芝生をいじっていました。

説明会は同校在籍生の合唱で説明会の幕が開きました。

また、会の最後には、今春同校から大阪大学 外国語学部に合格した卒業生が学院生活を振り返ってみて思うこと、などを発表してくださいました。

さて、この帝塚山学院中高ですが、4年前の「関学コース」の設置以来人気が上昇しています。今年の入試においても、大阪府下私立女子中17校のうち2/3が受験者数を前年比で減少させている中、昨年比163%の受験者数を集めるなど、「共学校人気」「不況による私立中学受験の敬遠」とは無縁の人気ぶりを示しました。

受験者数を増やした要因としては、関学コースの人気というのは当然でしょうが、医歯薬と総合進学をヴェルジェコースへ改編したことも一因として挙げられるでしょう。しかし、受験者増の一番の要因は昨年まで1次と2次の2回のみだった受験機会を、統一解禁日翌日に「1次B」を新設することによって受験チャンスが増えた、ということが最も大きなものでしょう。

この1次Bでは受験者数が多く集まり、学校の先生方をも驚かせたようです。同校1次B受験者の初日(16日)の受験先として啓明学院中、同志社国際中、同志社香里中といった大学附属校や、甲南女子中、武庫川女子大学附属中、小林聖心女子学院中といった神戸方面の名門女子校というこれまでに無い併願先名が並んだということからも、帝塚山学院中のネームバリューとレベルが一時期とは比較にならないぐらい上昇していることがわかります。

そんな帝塚山学院中は打つ次の一手としては、「入試科目の変更」です。変更後の入試科目及び合否判定方法は以下の通りとなっています(クリックすると拡大します)。

帝塚山学院中 入試科目変更

昨今の「4科受験校が3科4科選択型に変更する」という動きに同調された形にも見えますが、実は関学附属校の本家である関西学院中が2012年から共学化されることに伴い、入試が1回(算国理3教科)になるという動きに合わせたもののようです。本家が3教科で受験可能なのに提携コース校が4教科必須なのは・・・、ということなのでしょう。

関学コースは3科4科選択型、ヴェルジェコースは2科3科4科選択型となります。両コースとも4科で受験した場合は3科、ヴェルジェに関しては2科まで含めて判定をしてくれます。

なお、この制度変更にともなって、これまで関学コースでも2次は2科で受験可能だったところが、来年からは2科では受験出来なくなってしまいます。ご注意ください。

最後に、オープンスクールのご案内です。6月5日(土)に小4~中3生対象に実施されます。体験授業・学校説明会が行われるだけでなく、当日は帝塚山学院中の卒業生である堀ちえみさんによる講演も行われます。

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帝塚山学院中高 オープンスクール

帝塚山学院中高 オープンスクール

日時:2010年6月5日(土)9:30~12:30
場所:帝塚山学院中高
申込:FAX・郵送・インターネット いずれかで(6月4日(金)締切)

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金光八尾高 新コース「S特進」誕生へ

2010年5月26日 水曜日

2010年度大学入試において、特に大阪大の合格者数については前年の3名の2倍以上となる7名の合格者数を出すなど、国公立大合格者数において大きく伸びているのが金光八尾高です。下は金光八尾高が発行している大学合格実績に関する文書です(クリックすると拡大します)。

金光八尾高 大学合格実績

国公立大については前述の通りですが、関関同立の合格者数についても躍進しています。関西大で34位、同志社大71位、関西学院大77位という全国順位となっています。

このように、大学進学面において飛躍的な伸びを示す金光八尾高が、次なる一手として「S特進コース」を設置することが明らかになりました。

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金光八尾高 新コース「S特進」

金光八尾高 新コース

コース名:S特進
募集定員:40名(男女)
コース内容:
京阪神市府大等、難関国公立大学の現役合格を目指します。2年生以降は、国公立文系・国公立理系に分かれて、密度の濃い授業を展開します。3年生では、大学入試センター試験・志望大学に向けた難易度の高い入試問題に対応できる応用力・実戦力を養います。1年生から、7限後の講習は全て必修講習になります(同校発行文書より)

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これと合わせ、従来「普通コース」としていたところを「総合進学コース(定員120名)」と改称することも明らかになっています。

さて、このS特進コースの入学レベルが気になりますが、開成グループ入試対策課の予想ですと、こういった「難関国公立大への進学」を見据えたコースということですから、それなりの「素養を持った生徒」を集めることを念頭に置いておられるはずなので、S特進の併願であれば偏差値で言うと60に近いぐらいの力が必要になるのではないか、と考えます。

金光八尾高から難関国公立大に合格した生徒たちの「喜びの声」が綴られた文書を読んでますと、「指導が厳しい」「熱心な先生がいる」「課題が多い」「予習や復習の多さに圧倒される」と、壮絶な高校生活を想像せざるを得ない表現が飛び交っています。しかし、こういった苦しみに耐えている間に自分自身の能力が開花し、結果として難関大へと巣立っていった生徒が多いようです。

「頑張った分だけ大きな感動を得る事が出来る」、金光八尾高はそんな高校のようです。

32th私立大学展「進路応援PROJECT」相談コーナーで出ます

2010年5月25日 火曜日

近畿地区の私立大学67校が集まって一堂に会する、京阪神エリアで最大規模の大学進学説明会イベントである「進路応援PROJECT」が今年も開催されることになりました。

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32th私立大学展「進路応援PROJECT」

5月29日(土)京都会場(きらっ都プラザ 京都産業会館3F)
6月6日(日)大阪会場(梅田アウラホール 梅田スカイビルタワーウエスト10F)
6月20日(日)神戸会場(神戸サンボーホール 1F大展示場)

時間はいずれも12~16時

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各大学がブースを出して受験生からの質問に答えたり、大学の先生たちからいろいろな説明をしてもらったりというオーソドックスな形式のイベントではありますが、他のイベントと違うところとしては、受験勉強や学校選び、ひとり暮らしや教育ローンなどについての相談コーナーが設けられており、それぞれについて詳しい方が大学と同じようにブースを出して質問受付をしている、という点です。

つまり、大学の情報だけでなく、その他の心配ごとも解決できるという、とても画期的な試みを行われているのです。

さて、そのイベントでの「進学・受験勉強相談ブース」の担当という大役ですが、開成グループがご指名を受けました!昨年も相談ブースで受験生の皆さんからのご相談を本当にたくさんお受けしましたが、今年も皆さんとお会いできることになり、今から楽しみです。

当日はたくさんの資料を準備して皆さんのご来訪をお待ちしています。どんな質問をしていただいても結構です、我々開成グループの先生がしっかりお答えします。お任せください。ブースに来ていただいた方に「開成グループ オリジナルグッズ」をプレゼントする予定にしていますので、こちらも合わせて楽しみにしておいてください。

皆さんと相談ブースでお目にかかるのを楽しみにしています。

大阪府立大 学部改組予定は2012年度へ延期

2010年5月24日 月曜日

2008年2月の知事就任以来、様々な言動が毎日のようにメディアに取り上げられる橋下徹大阪府知事ですが、大きな話題となったものの一つとして「大阪府立大の存在意義について」がありました。

具体的には、大阪府立大の存在意義を見直し、場合によっては廃止する、あるいは大阪市立大と統合する、ということも含めて検討する、ということでした。

それを受けてしばらく経ち「2011年4月より大阪府立大の学部・学科を再編する」という計画がある、と発表されましたが、つい先ごろ正式に「再編は2012年度から」と修正されました。当初2011年度から実施開始予定だったものを1年遅らせた理由としては「カリキュラムが十分に固まっていないため」ということのようです。

11年度入学生を対象にした入試は、従来通りの学部・方式で行われます。

さて、大阪府立大はこの3月に「大阪府立大学の改革方針~変革と挑戦~」と題した文書をHP上に公開し、大学改革についての今後の展望について解説しています。それによりますと、

7学部(工、生命環境科学、理、経済、人間社会、看護、総合リハビリテーション)25学科3専攻

4学域(現代システム科学、工、生命環境科学、地域保健)13学群

ということで、学部・学科を解体して4つの学域に再編する予定になっています。

同大HPにあがっている文書によりますと、「工学域」「生命環境科学域」「地域保健学域」については、「現学部の教育研究の継承を基本として、より幅を持たせるものとする」としており、 「現代システム科学域」については「専門性と実践力はもとよりマネジメントや国際性を兼ね備えた新しい科学技術系学生の育成が必要になるとの観点から、理系をベースに文系を融合させ新たな領域として構成する」と記載されています。

現学部については2011年度まで学生の募集を行い、新たに学域として募集を開始する2012 年度からは募集停止となります。一方で現学部に所属する在校生の教育・研究については、卒業までの間万全を期して保障します、ということです。

また、気になる定員についての情報もご紹介しておきましょう。

現在は「7学部 5613名」の定員となっていますが、それを「4学域 約5400名」と改める予定になっています。新たに「現代システム科学域」を創設するとはいえ、これまであったいくつかの学問分野が廃止されることもあり、大学全体の定員としては減少してしまうことになっています。

学域ごとの定員計画について整理してみますと、「工学域」「生命環境科学域」は定員増、「地域保健学域」については看護・総合リハビリテーションで現在の定員を維持しつつ新たに教育福祉分野の定員を確保する、という予定のようです。

入試形態についてもいくつか情報があります。同大HP内の文書によりますと、改組後は「新しい学域・学類・課程など教育内容に応じ、様々な枠組みでの入試の内容を検討する」と発表されている点と、「多様な学生を受け入れるため、引き続きAO入試を実施するとともに、府立高校からの入学生枠の検討や留学生などを対象とする秋入学の充実について検討する」ということも明らかになっています。大阪府立大への入学ルートが多様化しますので、こちらも要注目です。

ただ、これらの改組案は文部科学省への届出・認可が必要ですから、今後認可申請等を行う過程で変更が生じる可能性があります。よって、現時点ではこれらの学域の名称などは仮称となりますし、この改組計画自体がひょっとするともっと後の実施になることもありえます。今後の動向に注意しておきましょう。

開成グループの大学受験指導部門で学び、大阪府立大の合格通知を手にする受験生は毎年たくさん出ています。こちらでご紹介しているとおり、今年の春も多くの受験生が大阪府立大へ進学していきました。

大阪府立大を第一志望校にしている方は、ぜひ一度お近くの開成グループの教室をのぞいてみてください。個別指導学院フリーステップでは「無料体験授業」も行っています。

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将来を真剣に考えて進路選びを~七五三問題~

2010年5月21日 金曜日

今回のエントリーは、これから進路を探す、あるいは今進路を探している途中の方すべてにお読みいただきたいものです。

「七五三問題」という言葉をご存じでしょうか?

簡単に言うと、就職してから3年以内に最初に勤めた会社を辞めてしまう割合が中卒で7割・高卒で5割・大卒で3割である、という問題です。国の調査結果を示した下のグラフにもありますように、中卒・高卒・大卒がそれぞれおよそ7割・5割・3割の割合であることが示されています。大卒に至っては、30%台半ばにまで達している年があることもわかります。

中卒・高卒・大卒別 3年以内離職率

離職する理由としては「自分に合わないから」ということが最も多く挙げられると思います。

就職活動段階での「仕事選び」で失敗した、ということが直接の原因になるのでしょうが、もっと前の段階の「大学での学問(学部・学科)選び」やもう少し手前の段階である「高校時代での文系・理系の選択」という時点でも問題が起こっていることも充分考えられます。

他の原因としては「職業人として社会で活躍するために必要な基礎的・基本的な資質や能力が備わっていない」というスキル面の問題もあると思われます。

しかし、問題はもっと深いところにあるのではないか?と思うのです。

最近、一昔前よく聞いた「キレる若者」という表現をあまり聞かなくなった気がします。その代わりに「最近の若者は無気力」ということをよく耳にします。

「キレる」と「無気力」。言葉の意味としては真逆とも言える2つの言葉ですが、両者に共通しているのは「理想と現実のギャップを目の前にしてとる行動」と考えられます。

「現実を充分理解できていない」ままで社会に出てしまい、対処スキルや相談する相手を持たないまま問題に直面し、結果として「現実から逃避する」形で退職する、という方が多いのではないでしょうか。

また、「しっかりとした勤労観・職業観を持てていない」という、仕事を選択する以前に身につけておくべき事柄が欠落しているため、職業の選択ミスやせっかく就職した後でも仕事が長続きしない、といった問題を引き起こしているのではないでしょうか。

これまでの進路指導では、中学・高校・大学入試においては「入れる学校を探す」こと、就職時には「入社できる企業を探す」という、一口で言うと「出口指導」が主流でした。

しかし、この数年で社会は激変しました。少子高齢化は言うまでもなく、グローバル化やIT化に代表される産業・経済構造の変化、雇用の多様化・流動化等・・・。社会が大きく変化してい る以上、進路指導もそれに対応した形になるよう見直す必要があると考えます。

進学する学校を選んだり、就職する企業を決める前に「自分自身がこれから先どう生きていくのか」を知り、そのために必要な知識やスキルを前もって得ておくべき時代になっているのです。

これから先、このブログでは定期的に進路・職業選びに役立つ情報をお届けしていこうと思います。具体的には、進路・職業を選ぶ際に重要視すべき事柄を整理したり、将来社会に出てから困らないよう小・中・高それぞれの段階で身につけておくべき能力をまとめたり、「働くってなに?」「どうやって将来設計をするの?」という問いの答えを引き出すヒントになるようなものを綴ったり、ということを考えています。

相愛中高 授業・クラブ体験

2010年5月21日 金曜日

相愛中高が授業とクラブを体験できるイベントを実施されます(画像をクリックすると拡大します)。

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相愛中高 授業体験・クラブ体験

相愛中高 授業体験・クラブ体験


日時:2010年6月12日(土) 授業体験13時半~、クラブ体験14時半~
場所:相愛中高
締切:6月11日(金)

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授業、クラブともに様々なプログラムが用意されており、体が二つ欲しい!と思ってしまうくらい目移りしてしまいます。

そんな中、クラブ体験では国体で優勝したこともある新体操部、様々なイベントで演奏を行っている吹奏楽部の体験ができる点が注目点ではないでしょうか。

吹奏楽部は今年の1月31日(日)に雨の中行われた大阪国際女子マラソン・大阪ハーフマラソンで、参加選手たちを演奏で応援されたようです。その他にもいろいろな所に出かけて行って演奏をされるなど、活発な活動をされているようです。

また、音楽の分野で言うと、授業体験にも音楽のプログラムが用意されているので、この学校の音楽科を目指す生徒たちはぜひ参加してほしいと思います。

申込は6月11日までに、ということが書かれていますが、人気のプログラムは締切前に定員に達することも考えられます。そのことを想定されてか、「授業体験は必ず第二希望まで記入をお願いします」という注意書きもあります。お早目の申込を心がけてください。

同じ日には「個別相談ブース」「入試英文法対策e-ラーニング講座」「相愛の制服を着て写真を撮ろう」という企画もあります。これらは事前の申し込みは不要のようですので、当日の気分次第で気軽に参加できます。こちらも積極的に参加してみてはどうでしょうか?

国公立大と私立大 学費ってどれぐらい違うの?

2010年5月20日 木曜日

大学受験生にとっては志望校の選択を本格的に始めるべき季節となりました。選び出す前にしっかりとした行動計画を立てること、必要となる情報を充分集めてから大学の取捨選択をすること、これがポイントになります。いろいろな大学の資料を集め、見て回り、可能ならば先輩や周りの大人たちから大学の話を聞く、もちろん自分の学力についても深く考える・行動する(つまり勉強する)必要がありますが、そういったことをしてから志望校を決定していきましょう。

国公立大と私立大との違いとして真っ先に思い浮かぶものの一つとして「学費の違い」があります。国公立大と私立大とでどれくらいの違いがあるのか、過去約30年分の学費データとも合わせて検証してみましょう。

国立大学と私立大学 学費の推移

上記のグラフは「入学当初の学生納付金」の推移を表すもので、国立大・私立大それぞれの入学金と初年度学費の合計金額の平均を示しています。

日本では、大学の入学金や授業料などの「入学当初の学生納付金」は戦後上昇し続けています。一時期は3倍近くあった国・私立大学間の格差も、今やかなり縮 まりつつあります。現在では、私立大学では平均130万円である一方で、国立大学は82万円に達している状態で、その差は1.7倍にまで縮まっています。

30年前と比べてみますと、私立大の学費が2倍とちょっとの増加率であるのに対し、国立大の学費はちょうど4倍にも膨れ上がっています。

いかがでしょうか?「国立大は学費が安い」というイメージがありますが、私立大と比べれば安いのは確かではあるものの、「思ったほど安くないな」という感想を持った方も結構いるのではないでしょうか?

なお、私立大学では専門分野ごとに学費の総額が大きく異なります。下の表に専門分野別の平均学費をまとめました(クリックすると拡大します)。

私立大 初年度学生納付金

上の表を見られてもすぐお分かりのとおり、医歯系が群を抜いて高く、次に理科系(薬学は特に高い)、家政・芸術・体育系が続き、予想通りこの中では文科系が一番低い額となっています。

余談ですが、私立大では医学系に次いで高い学費となっているのが「パイロット養成」に関する専攻です。先日、日本で初めてパイロット養成に関する専攻課程を設置した東海大学工学部(航空宇宙学科 航空宇宙学専攻)の1期生が卒業し、専攻した40人のうち33人がライセンスを取得、航空会社に就職が決まったのが23人(全日空に7人、スカイマーク、スカイネットアジア、日航グループ会社 に各4人、など)というニュースが報道されていましたが、この専攻では4年間の学費は約1800万円必要である、とのことです。

また、立命館大に設置されている映像学部は初年度は約200万必要である、など、私立大は学部によって学費が極端に高いところもありますから、受験前にじっくりと下調べすることが必要でしょう。

このブログでは、今後も大学選びに役立つデータをいろいろご紹介していこうと思っていますので、時々チェックしてください。