大学教員の中の、女性の割合

2022年12月15日 木曜日

大学生の女子の割合について書きましたが、そもそも大学に女子が少なかったのは、女性の教員が少ないためでは?とのつっこみが入りましたので、そちらも調べてみました。

文部科学省の学校基本調査の中に、「男女別の本務教員数」というのがあるので、抜き出してみました。「本務教員」というのはその学校の専任教員の事で、非常勤講師や事務職は含まれていません。

女子率の目盛りは右側にあります。1945年の終戦から進められた学制改革によって、旧制高校や旧制師範学校が大学に昇格したのが1949年からです。まだ戦後の混乱期で全国の大学教員の数は7,437名。この人数で新制大学の初めての入試を行ったわけですから大変だったことでしょう。因みに旧制高校は男子校でしたので、このころの女性教員は旧師範学校の教員が多数を占めていたと考えられます。

それはさておき、女性の教員数比率は男女雇用機会均等法の数回にわたる改正が行われた1990年代後半までは1割以下と横ばい状態で、2000年代に入り、女子の大学進学率の上昇より遅いタイミングでようやく上昇に転じます。しかし、それでも2021年時点で女性率は26.4%と学生の女子の割合より少なくなっています。

国際比較をするためにOECDの統計資料(”Edcation at a glance 2022” p.416)を見ると、この資料に出ている37か国で3割を下回っているのは日本だけ、つまり最下位となっています。

因みにお隣の韓国は35.8%、フランスは45.3%、リトアニア・ラトビア、フィンランド・ニュージーランド・ベルギー・アメリカ合衆国では女性が半数を超えています。日本の優秀な女性教員や研究者も多数知っていますが、この割合を見ると、日本の大学は世界から取り残されているわけです。そう思って、東京工業大学が設置する女子枠についてのニュースを見ると、なるほど、そういう思い切った施策も必要だなと思ってしまうのでした。

大学生の中の、女子の割合

2022年12月14日 水曜日

女子の大学進学率は年々上昇しています。戦後から女子は短期大学への進学者数の方が多かったのですが、1995年から4・6年制大学への女子の進学率と短期大学への進学者が逆転し、それ以降も伸び続けています。

文部科学省の「学校基本調査」に男女別の学生数に関する統計を見つけたので、グラフ化してみました。(女子率は右軸の目盛りをご覧ください)

すると、1949年にはわずか6.4%だった女子率は、1952年に10%、1974年には20%を超え、1993年には30%、2008年以降は40%を超えるようになりました。2021年度では44.5%とほぼ女子の割合が男子と変わらなくなってきました。

一時期女子に不利な入試を行っていた大学があったことで社会問題にもなった医学部でも、女子の割合が増えてきています。欧米と比べると、組織のリーダーや政治の世界ではまだまだ男性が優位な日本ですが、今後はさらに女性も活躍できる社会に変わっていくことでしょう。

【大学入試一般選抜】帝塚山学院大学 出願開始【そろそろ出願ですよ】

2022年12月13日 火曜日

堺市の閑静な高級住宅街にある帝塚山学院大学から、一般選抜に関するご案内をいただきました。学校推薦型選抜(公募)を受験してホッとしているそこのあなた!次は一般入試ですよ。

一般選抜のA日程、共通テスト利用の前期は12月23日から出願開始です。 ところで、帝塚山学院大学のチラシやパンフレットにはほぼ女子学生の写真が使われていますが、15年前から共学化されていますので、男子の皆さんもどうぞ。因みに男子学生は2割ほどですので大歓迎されると思います。入試の得点が良かったら、授業料半額免除という制度もありますよ。詳しくは大学HPをご覧ください。

【神戸山手女子中学校・高等学校】きてみてヤマテのクリスマス【オープンスクール】

2022年12月12日 月曜日

今から98年前の1924年に創設された「山手学習院」という学校をルーツに持つ伝統校神戸山手女子中学校・高等学校から入試関連イベントのお知らせが届きました。

選抜高等学校野球大会(春の甲子園)の開会式での大会歌の合唱でも知られており、兵庫県の私立高校では唯一音楽科が設置されていたのですが、コースの再編に伴って次年度以降は音楽科としての募集が無くなるようです。代わりに大学進学に特化したコースが設けられ、英語力の獲得や大学受験に特化した学校へと生まれ変わるようです。

さて、17日(土)の午前中には「きてみてヤマテのクリスマス」というオープンスクールが開催されます。入試に向けた講座や各種体験イベントが用意されているようです。加えて個別の相談会も設置されているようです。興味のある小6、中3女子は事前申し込みの上、参加してみましょう。

【最速で】藍野高等学校 12月10日(土)入試対策講座【看護師になろう】

2022年12月9日 金曜日

昨年もここで紹介させてもらった大阪府茨木市の藍野高校【看護職への最短距離】藍野高等学校 オープンスクール【大阪唯一】 « 学校選びの道しるべ|開成教育グループ 入試情報室 学校・入試情報ブログ (kaisei-group.co.jp)についてのお話です。

この学校は普通科ではなく衛生看護科ですので、3年間で准看護師の資格取得も可能なのですが、系列の短期大学に進学すれば合計5年間で看護師資格が取れます。普通の高校を出てから専門学校(原則3年)に行くよりも早く看護師になれるというわけです。

今年も最後のオープンスクールが開催されます。ここでは学校の説明が行われるだけでなく、大学生による個別相談コーナーや過去問題質問コーナーも用意されているようです。まだどのように受験勉強をしたらよいのか不安な受験生は是非参加しましょう。

ところで、男子の皆さん、この学校は確かに女子の方が多いですが共学校ですので、看護師になりたい男子も大歓迎されると思います。お申し込みは学校HPからどうぞ。

日本の大学の数 その3

2022年12月8日 木曜日

一つひとつの大学を見ると、規模は様々です。特に私立大学は6万6千人以上が在籍する日本大学、3万8千人の早稲田大学、3万3千人の近畿大学などのマンモス大学から、今年の在籍学生数が38名の東京神学大学まで様々です。というわけで、平均値はどんなものなのか、学生数を学校数で割ってみました。

このようにみると、1950年の国立・私立では平均で1,200名ほど、実際には6年制の学部もありますが、ざっくり4で割ってみると1学年300名。さらに学部数で割ると、ほぼ全員顔見知りになる規模です。なるほど、大昔の大学生が同窓会をよくやるのはこういうわけだったのか。

それはさておき私立大学の学校数や学生数は1980年代から大きく伸びていましたが、平均学生数は横ばいとなっています。しかも2000年から2020年の間に約17%も減少しています。国立は大学の統合により学生数が増えた時期もありましたが、2010年から減少に転じています。

大学数が増えることは、受験生にとって選択の幅が広がるという利点がありますが、1つの大学の学生数が減ることで、それぞれの大学の活力が失われるような気もします。現在の人口動態から考えると長期的には大学進学者数の減少が見込まれますので、今後も大学の統合が進んでいくのかもしれません。

日本の大学の数 その2

2022年12月7日 水曜日

一方、学生数はどのように変化したのでしょうか。これも同じ統計資料から取ってみました。

すると、1950年には「大学生」はわずか23万人。同世代の1割以下です。特に女子は全国で17,324名、2020年度の大学生女子は129万人ですので、なんと当時は今の74分の1、つまり4年制大学に行く女子というのはかなりレアな存在だったことになります。

学校数では国立よりも多い公立大学ですが、看護系の単科大学など小規模な大学もありますので学生数としては全国でも16万人ほどと少数派となっています。18歳人口は減少が続いていますが、大学進学率の向上に伴い、大学生の人数は増加しています。(続く)

日本の大学の数 その1

2022年12月6日 火曜日

文部科学省の「学校基本調査」という細かい統計資料がネット上に公開されていますが、その数値を見ていて、いやぁ大学って増える一方だなと思っていたのですが、一人で楽しんでいても寂しいので設置者別に分けて10年毎に区切ったグラフを作ってみました。(文部科学省の統計資料ですので、既に募集が無い大学も含まれており、逆に省庁大学校は含まれていません。)学校基本調査 年次統計 総括表(学校種ごと) 10 大学の学校数、在籍者数、教職員数(昭和23年~) | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口 (e-stat.go.jp)

第2次ベビーブームによる18歳人口が最高だった1992年は、大学の増設が追い付かず、男子の大学進学率は1975年の約4割から、3割5分ほどまで急落したのですが、そこから大学は急増期に入ります。特に公立大学は1990年からの10年間で1.82倍になっています。2000年からの10年間に国立大学は減少しますが、山梨大学への山梨医科大学の統合など、同じ地域の医科大学が国立大学に吸収されるケースや、筑波大学への図書館情報大学の統合、東京商船大学+東京水産大学=東京海洋大学、神戸大学への神戸商船大学の統合、九州大学への九州芸術工科大学の統合、大阪大学への大阪外国語大学の統合などが行われたためです。

一方1950年(昭和25年)には105校しかなかった私立大学は今では600校以上と大きく伸びています。戦後の学制改革後から女子は短期大学への進学率が大学進学率よりも高かったのですが、1986年から施行された男女雇用機会均等法により労働市場が変化し、ちょうどOA化が大きく進むきっかけとなったWindows95が発表された1995年には逆転します。そこで短期大学から4年制大学への昇格や共学化も進み、私立大学が1990年からの20年間で急増することになりました。(続く)

京都廣学館高等学校 入試説明会

2022年12月5日 月曜日

京都の南部、相楽郡精華町の京都廣学館高等学校からも入試説明会のご案内が届きました。

42年前の1980年に商業高等専修学校としてスタートし、高校となったのはその4年後という比較的新しい学校です。2013年には現校名となり共学化されました。

南京都高校の時代を知っている人にとってはボクシング部が有名な実業校としてのイメージを持つ人もいると思いますが、実はこの法人は、専修学校になる前に予備校を運営していたこともあり、今でも部活は盛んではありますが、習熟度別授業を取り入れた大学進学に向けたきめ細かな指導も行われています。というわけで、今はどのような学校になっているのか来週の説明会やその次の週のオープンキャンパスで確認してみてはいかがでしょうか。お申し込みは学校HPからどうぞ。

城南学園高等学校 説明会&入試対策セミナー

2022年12月2日 金曜日

城南学園は1935年に、今日の近畿日本鉄道(近鉄)の道明寺線、南大阪線、長野線を運営していた株式会社大阪鉄道(1943年に合併)、とその大阪鉄道が運営していた大鉄百貨店(今のあべのハルカス近鉄本店)の女子従業員向けの教育機関としてつくられた商業専修学校がルーツですが、今では保育園、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、短期大学、4年制大学(大阪総合保育大学)、大学院を擁する総合学園となっています。したがって高校でも学園全体の保育に強いイメージ通り幼児教育コースは人気ですが、基本は普通科ですから進学をめざすコースの人数が多くなっています。それに加えて特進看護コースも人気です。このように将来の進路までイメージできる学校となっていますので、一度見に行ってみてはいかがでしょうか。因みに、参加者にはもれなくケーキのプレゼントがあるそうです。

因みに大阪で百貨店系の学校といえば、早稲田摂陵(の吹奏楽コース)は阪急百貨店の、夕陽丘学園が大丸百貨店の従業員向けの学校がルーツですから、昔の百貨店というのは教育機関でもあったのですね。