京都18私大 オープンキャンパス2010

2010年7月30日 金曜日

さて、いよいよ夏休みに入り、大学受験生にとっては「成績上昇の夏」であるのと同時に、自分の将来についてじっくり考えて、それに最もふさわしい進学先を見つける「進路発見の夏」がやってきました。

自分にふさわしい進学先を見つけるためには、実際に候補となる学校へ足を運んで、学校の様子を見たり、その学校の先生方や在籍生たちから話を聞いたりすることが一番簡単でわかりやすい方法です。

大学入試を迎える受験生の皆さんにとっては、この夏は各大学が実施する「オープンキャンパス」へ積極的に出かけていって欲しいと思います。

今回のエントリーは、ちょっと変わった「大学のオープンキャンパス」をご紹介します。といっても、どこか特定の大学のオープンキャンパスではありません。

オープンキャンパスは、普通各大学が個々に好きな日時を決めて実施するものなのですが、京都にある私立大18校はあえて同じ日程でオープンキャンパスを実施するという、大変面白い取り組みをしています。

同じ日にオープンキャンパスを開催する一番のメリットは、やはり「1日で複数の学校のオープンキャンパスを回れる」という事でしょう。

近畿地区に住んでいる人ならばいつでも京都の大学を見学に行けますが、遠方に住んでいる受験生はそうはいきません。京都にある、たった1校のオープンキャンパスに参加するために、わざわざ遠くからやってきてまたその日の内に帰らないといけない・・・。これでは遠くの地域から受験生を集めるのは不可能です。

「だったら、みんなで同じ日にオープンキャンパスをやって、1日で何校もハシゴしてもらおう」

ということで、始まったイベントがこの「京都18私大 オープンキャンパス」なのです。

実施日や参加校、このイベントについてのHPについては次の通りです。

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京都18私大 オープンキャンパス2010

京都18私大 オープンキャンパス

※クリックすると拡大します

日程:2010年8月7日(土)・8日(日)
時間:大学によって異なる
場所:各大学
HP:http://www.kyoto18.com/
参加大学:
大谷大学・京都外国語大学・京都学園大学・京都光華女子大学・京都産業大学・京都女子大学
京都造形芸術大学・京都橘大学・京都ノートルダム女子大学・京都文教大学・京都薬科大学
種智院大学・同志社女子大学・花園大学・佛教大学・平安女学院大学・明治国際医療大学
龍谷大学

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上で紹介したHP、大変見応えがあります。18大学の紹介はもちろんのことですが、それ以外のコンテンツで非常に面白いものがたくさんあります。中身のうちいくつかをご紹介しますと・・・

・チェックポイントを紹介する「オープンキャンパスのススメ」
・京都を面白おかしく紹介する「たのしおすえ、京都」 ← オススメ
・18大学それぞれを代表する学生による「ブログ」
・アメリカザリガニと京都の学生による「爆笑ホンネトーク」

これら18大学のどこかに進学を希望する受験生は、このHPは「お気に入り」に入れておくべきでしょう。もちろん、オープンキャンパス当日はJR・阪急・京阪・近鉄・叡電・地下鉄・市バスを駆使して、1校でも多く回るようにルートを工夫してみましょう。

大学を一通り回ったあとの夕方は、ぜひ京都観光もしてくださいね。

関西外国語大 驚異的な海外提携校・留学生派遣数

2010年7月29日 木曜日

7月24日(土)に行われた関西外国語大のオープンキャンパスにお邪魔してきました。

関西外国語大①

関西外国語大②

正門をくぐるとこのような開放的な景色が広がります。広大な敷地であるように見えますが、さすがに近畿大や関西大まで広くはないので、キャンパス内の移動はそれほど苦ではないでしょう。

当ブログでは、開成グループの大学受験生たちから特に人気がある大学の1つということもあり、関西外国語大についてこれまで何度かご紹介してきています。

昨年末に行われたオープンキャンパスに参加した後「関西外国語大 航空業界就職に強い」というエントリーで関西外国語大の就職を、特に航空業界に特化してお伝えしました。

また、2011年4月に新設される「英語キャリア学部」について、同じく2011年4月に出来る予定とされている同志社大のグローバル・コミュニケーション学部と共にご紹介した「同志社大学・関西外国語大学 新設学部と共通点」というエントリーでも関西外国語大をご紹介しました。

関西外国語大 体育館

今回のオープンキャンパスもたくさんのプログラムがあり、どれも紹介すべきものばかりで正直困っていますが、今回は、入学ガイドなどにも掲載されている関西外国語大の魅力を「数字で」検証してみることにしたいと思います。

数字で見る関西外国語大

上記のデータは「2011年度版大学ランキング(朝日新聞出版)」の調査によるもので、たくさんある項目の中から特に関西外国語大が高い評価を受けているものを選び出したものです。

やはり目立つのが「海外提携校数」と「留学生派遣」の項目です。

「海外提携校数」については、2位の九州大が199校ですから、実に九州大の1.6倍の提携校数があるということになります。

また、「留学生派遣」では、2位の亜細亜大は379人、亜細亜大の2倍以上の数を派遣しているという、驚異的な数となっています。

「外国人教員」の数は全国2位となっていますが、全国の大学で外国人教員が100名以上在籍している大学は関西外国語大と1位の大学の2つしかない、という状況です。「海外提携校数」「留学生派遣」については先ほどご紹介したとおりまさに桁違いの実績がありますが、これだけ外国人教員がおられますので、留学という選択をしない場合であっても語学学習の点においては心配ないでしょう。

これらの他にも・・・

留学可能な国・地域 50カ国・地域
留学プログラム 30プログラム
インターンシップ派遣数 296人
就職率 98.1%

といったものも高い評価を得ています。

さて、残念ながらこの夏のオープンキャンパスを見逃してしまった方々へのお知らせです。次回は9月19日(日)に実施されます。また、公募制推薦入試直前ということもありますので、それに向けた対策法などの話も聞けることでしょう。公募制推薦入試で合格を勝ち取りたい方は、必ず行きましょう!お見逃しなく!

初芝立命館中 2011年度入試情報

2010年7月28日 水曜日

初芝立命館中高の塾対象説明会に参加してきました。

初芝立命館中 外観

現在、初芝立命館中高は中学と高校でキャンパスが異なります。今回の説明会は中学校のキャンパスで実施されました。元々、桃山学院大がキャンパスとして使用していたということもあり、非常に広大な敷地が印象的です。

その広大な敷地には今多くの重機が持ち込まれ、大規模な工事が行われています。といいますのも、高校が現校地から中学校のある北野田へ校地を移すことが決定しており、来春より中高が同一キャンパスに存在することになるからです。

校地移転及び高校入試についての情報は、こちらのエントリー「初芝立命館高 校地移転とコース制変更」で詳しくご紹介しています。ぜひこちらもご一読ください。

説明会 会場

今回は、中学校及び中学入試についての情報をご紹介いたします。高校及び高校入試の情報については、上記リンクからご確認ください。

まず、中学校の学校生活についてご紹介いただきました。中学にも硬式野球部を設置する構想があると発表されていましたが、この度めでたく創部された様子です。しかも関西初、だそうです。

2010年度の入試結果について簡単にまとめておきます。

今春は118名が入学、昨年は入学者数が131名だったことを考えると少しダウンしてしまっています。ただ、志願者数自体は昨年277名⇒今年289名と増えてはいるので、「他校の併願先として押さえられた」ということになるのでしょう。

入学者の出身地域についてもご紹介がありました。大阪府の北摂地域+京都府+兵庫県からの入学者が40%程度を占めており、「立命館」の名がついて以降知名度が確実に広がってきていることを示しています。また、奈良県からも毎年4~5名入学者を迎えている様子です。

来年度入試に向けて、大きな変更点があります。

昨年、立命館コースの入試科目・判定方式に大きな変更を加えて、理科や社会の配点の大小はあれど「基本的に4科で判定」というスタイルにされたのですが、来春少し変更されます。

「全員4科で受験」をするという点についてはこれまで通りですが、「4科総合型(4科)」「理科重視型(国算理)」「算数重視型(国算)」の3タイプから最も点が高いもので自動的に合否判定する形へと一新されます。

初芝立命館中 入試要項

4科総合型以外の2パターンは特定科目の配点が大きくなっている点がポイントです。

グローバルコースについては算国2教科で受験可能ですし、立命館コース受験者がグローバルへの回し合格判定をする場合、算国計200点で判定します。

両コースとも、A日程のみ「本人のみ・個人」の面接が課されている点も特徴です。

来年度の入試日程ですが、表にもありますとおり1/15(土)専願、1/16(日)併願、1/18(火)専願、となっており、2010年度入試での「3日間連続実施」から改められています。

さて、こちらのエントリー「初芝立命館高 校地移転とコース制変更」ですでにご紹介していますが、高校のグローバルコースがSとAに二分割されることになります。グローバルコースの生徒は高校進級時にどちらかを選ぶ必要があります。SとAの違いについて、詳しくはそちらのエントリーに書いています。

同志社大 現状と今後の動き

2010年7月27日 火曜日

同志社大が高校・予備校・塾対象に説明会を開催くださいました。説明会では同志社大の「現在」と「未来」を非常に分かりやすい形でご説明いただきました。

現在同志社大では、今出川Cは文系学部を集めて1~4年次通してここ一ヵ所で学べるよう、また京田辺Cは理系と文理融合系学部をまとめるなど、キャンパスを整備している真っ最中です。

最近、積極的に新しい学部を作っていることは今の同志社大を語る上で欠かせない話題でしょう。近年は、生命医科学部やスポーツ健康科学部といった医学分野に一歩足を踏み入れた学部を設置しておられます。今後は、といいますと、今年~2013年にかけて、こちらのエントリー「同志社大学・関西外国語大学 新設学部と共通点」でご紹介した「グローバル・コミュニケーション学部」の設置や、国際的な地域理解能力を持つ人物の育成を目指す学部の新設、同志社国際学院(初等部と国際部)といった国際系の分野に注力されていくことになっています。

さて、この同志社大なのですが、大学の理念はもちろんのこと、本当に様々な所に校祖「新島襄」の名前や考え方が登場します。その最たる例が、全学部共通の教養教育科目の中に「同志社の理念・新島の考え」について扱う「同志社科目群」というものがある、という点です。これらの授業は神学部の先生方が授業をご担当されているそうですが、内容としては「大学の成り立ち」や教育理念のひとつである「キリスト教」についてが中心となるそうです。

ご存じのとおり、同志社大は近畿地区だけでなく、日本を代表する私立大の1つです。同志社大を含む日本を代表する私立大の多くがR&Iによる格付けを得ています。それによりますと、同志社大は7年連続で「AA+」という、21段階で上から2番目という大変高い評価をキープしています。その理由として「歴史の長さ」「関西の私大で入試難易度が一番高い」「財政運営の堅実さ」「09年度にグローバル30に採択された」ことが挙げられています。

2011年度に新しく設置される「グローバル・コミュニケーション学部」についても少しふれておきましょう。6月末、無事設置届出が受理されたことを受けて正式な設置が確定しています。こちらのエントリー「同志社大学・関西外国語大学 新設学部と共通点」でもご紹介したとおり、この学部には英・中・日の3コースが設置され、4年間を京田辺Cで学びます。

この学部のキャッチコピーは「世界に通じる対話力」。「通じる」は「言葉が通じる」の他に「世界へつながる」といった意味も含んでいるそうです。

2011年度入試における変更点を以下にまとめています。

①文化情報学部でセンター利用B方式を新たに導入
②文学部・心理学部でAO入試を廃止
③文学部英文学科で公募制推薦を、心理学部で自己推薦を導入

③についてはこちらのエントリー「同志社大 文学部英文学科で公募制推薦入試開始」で詳しくご紹介していますので、合わせてお読みください。

最後に、現在高校2年生の皆さんが大学入試を迎える2012年度入試から変更される点についてご紹介しておきます。

2012年度入試より、全学部日程(文系)で現代社会が廃止されることが決まっています。なお、今年の入試である2010年度入試において現代社会を選択したのは受験生全体の3%、ということでかなり低い選択率だったようです。それほど影響は大きくないと思いますが、高校2年生の方は知っておきましょう。

関西大 2010年度入試結果と来年度入試の予想

2010年7月26日 月曜日

関西大の高校・予備校・塾対象説明会に参加してきました。

関西大 説明会

18歳人口が横ばいの中、関西大は2007年度入試の101,451人をピークに、2008年度93,701人、2009年度90,066人ときて今年とうとう9万人台を割り込む88,399人と、志願者数が3年連続して減少しつづけています。

ただ、志願者数の多さは全国の私大で5位にランクインするということで、規模の大きさは相変わらずのようです。関西大より上位の4大学はすべて東京の大学であることを考えると、志願者数が減少しているとはいえ善戦していることがよくわかります。

全体では志願者が減少していますが、学部単位で見てみますと総合情報学部以外のすべての学部で倍率がダウンしています。昨年、一般前期で13.7倍という非常に高い倍率をマークした外国語学部も今年は一般前期で5.6倍ということで、落ち着いた入試となりました。

入試方式ごとに志願動向を見てみますと、一般入試の志願者は前年比95.7%、それに対して合格者数は107.9%と増加しています。昨年は翌年春(2010年4月)に控えた新学部「人間健康学部」「社会安全学部」の設置認可申請の関係で、入学者数を抑える必要がありました。今年は来年以降に学部新設を予定していないことから、これまでよりも合格者を出せるようになった、という事情があります。

センター利用型入試は、といいますと、志願者数が前年比107.0%、合格者数は同109.2%と、今春入試の全国的な傾向である「一般入試は志願者減、センター利用は志願者増」の典型的なパターンとなっています。センター利用型入試で志願者が増えた理由としては、「外国語学部でのセンター利用入試開始」「理工系学部のセンター後期拡充」が要因として挙げられます。

なお、来年度の入試は人間健康学部と社会安全学部でセンター利用型入試が導入されますので、更にセンター試験利用入試での志願者数が伸びると思われます。ただ、問題は関西大がどの程度センター利用に合格を出すのか?という点です。今年の入試は前年よりも約1割多く合格を出していますが、来年度もそうなるかどうかはわかりません。ご注意ください。

さて、来年度である2011年度入試についても少し触れておきましょう。

一般入試では「学部個別日程」に募集人員の大半が割り振られていますので、受験生はここから積極的に受験していきましょう。

また、先ほどご紹介したとおり、人間健康学部と社会安全学部でセンター利用型入試が導入されることになります。そちらがどの程度の志願者を集めるのかも見ものです。センター利用での出願予定者は、模擬試験での志望動向に注目しておきましょう。

関西大では、来年度以降に新しい学部を作る予定は今のところ無いそうです。よって、先にご紹介した2009年度入試の時のように「学部設置申請の準備のために合格者数を絞る」ということはなさそうです。その点は安心できると思います。

豊中高 進学指導特色校としての取り組み

2010年7月23日 金曜日

豊中高が塾の先生対象に説明会をご実施くださり、進学指導特色校としての取り組み予定をご説明くださいました。

豊中高 説明会

進学指導特色校の指定及び文理学科の設置に伴って、こういった塾の先生対象の説明会を今回初めて実施された、ということでした。

説明会の冒頭、校長先生から豊中高への交通アクセスについてご説明いただきました。茨木市方面と大阪市方面からの利便性の高さを一生懸命説明されており、「大阪府全域から受験可能」となっている文理学科を意識されている様子がよくわかりました。

豊中高はこの春スーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定されました。現在、進学指導特色校に指定された公立高のうち、北摂地域にある北野高・茨木高・豊中高の3校の中では唯一SSHに指定されているのが豊中高であることを強調され、「『北摂の理数科』として豊中高を推して欲しい」とお願いをされていました。

さて、そのSSHの取り組みなのですが、主に文理学科・理科の生徒がこのSSHの活動を行う予定にされているようですが、普通科の生徒にも出来る限り広げたいということです。

週の授業時間数ですが、普通科も文理学科も基本的には週35コマということで統一されています。授業時間は現在45分7限となっていますが、50分7限授業へと改めるようです。国数英の時間を多めに確保するということですから、大学入試(特に国公立大)に備えた形へと変えることになります。

進学目標も発表されていました。「東大10名、京大30名、阪大60名、神大60名」を挙げておられましたが、特に「阪大60名」にこだわりたい様子が伺えました。豊中高は36年前の1974年(大阪府が5学区制だったころ)京大31名という合格者数が出ていました。それが当面の目標、ということでお考えになられているようです。

各予備校が実施している模擬試験ですが、今年から「全員参加」としはじめたそうです。高1・2は年2回、高3は年4回実施予定としており、そのデータを蓄積・活用するため、今年から「情報部」という部署を立ち上げておられます。

さて、正規の授業とは別の「補習」や「講習」についての情報です。

演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲという授業を設置し、普通科・文理学科両コース混合の「希望者対象の選択授業」を実施されます。東大・京大・国公立医学部を狙う「スーパーレベル」と阪大・神大などを狙う「ハイレベルコース」にクラス分けを行う予定とされています。生徒が自身の目標や立ち位置にあった難易度の授業を受けることが出来るように配慮されています。

土曜日午前には「豊高講座 風とひかり」を実施、国数英を中心に年間21日実施(行事・長期休暇中除く)されます。「ハイレベル講座」「基礎を固める講座」「興味関心を増すセミナー」などが予定内容とされています。

文系・理系については2年次に分けることになります。特に数学については、文系は更にクラスを2つに割って授業を展開するなど、きめ細かくサポートすることが予定されています。

説明会の最後、「北野高・茨木高など進学校での勤務経験があり、高い学歴を持った先生が多数います」と締めくくられていました。

豊中高は2011年に90周年という節目を迎えられます。その記念すべき年に、進学指導特色校・文理学科の設置という、これもまた大きな節目を迎えられます。進学指導特色校として豊中高が広く認知される過程を、これからしっかりと見届けたいと思います。

大学附属校合同説明会 続々開催!

2010年7月22日 木曜日

近年、近畿地区の中高では「学校名の頭に大学の冠がつく」「大学名がコース名称につけられる」「大学への特別推薦枠を含む高大連携が開始される」といった「大学との連携」についてのニュースが大変多いことは、このブログをご覧の方々におかれましてはもうすでにご承知おきいただいていることと思います。

「大学との連携」についてはいろいろな形がありますが、何といっても高大の連携が最も強固なのは「大学と、同じ学校法人が設置する附属校」の関係であるのは明らかです。

近畿地区において、大学と同法人の附属中高を多く擁する所、といいますと

同志社大学 4校(同志社・同志社女子・同志社国際・同志社香里)
立命館大学 3校(立命館・立命館宇治・立命館守山)
関西大学 3校(関西大学第一・関西大学北陽・関西大学)

といったところが思い浮かびます。

こういった所は、他大学の附属校とは言うまでもなく、同じ法人が設置する学校同士でさえも受験生の熾烈な奪い合いが行われるという、まさしく「仁義なき戦い」といった様相となっています。

ただ、少子化に加えて、大学入試の世界では深刻な経済不況によって国公立大の人気が高くなっているという現状があり(詳しくはこちら)、こういった関関同立のようなメジャーな大学であっても受験者数が減ってしまう(詳しくはこちら)という事態に陥ってしまいます。

大学自体が盛り下がってしまうと、少なからず附属中高の人気にも影響が出てきます。そうすると、数年後附属高から大学への内部進学を迎える年にまた大学の募集状況に悪い影響を与えてしまうことになるなど、悪循環が起こってしまいます。

「学校法人全体の教育理念」「附属校~大学の一貫教育過程」について、個々の附属校の垣根をとっぱらった形で説明をする、という取り組みを行うことによって、附属校のどれをチョイスするか以前にまずは○○大学に興味を持ってもらおう、という動きが起こっています。

関関同立のうち同志社大学・立命館大学・関西大学の各学校法人が実施する、大学附属校が一堂に会する説明会について順番にご紹介してまいります。

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①同志社 合同学校説明会

同志社 合同学校説明会

※クリックすると拡大します

日時:8月1日(日)9:30~16:00
場所:同志社大学 室町キャンパス寒梅館B1F
詳細:こちら(PDFファイル)

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②関西大学併設中学校・高等学校 合同説明会

関西大学併設中高 合同説明会

日時:2010年7月25日(日)10~12時
場所:関西大学 千里山キャンパス第2学舎BIGホール100
詳細:こちら(PDFファイル)

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③立命館フェアー

日時:2010年9月26日(日)時間未定
場所:みやこめっせ
詳細:未定

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この記事を書いている段階では立命館の詳細が判明していませんが、まだ実施まで時間があります。判明しましたら改めてお知らせしようと思います。

同志社大と関西大それぞれのイベントは、「将来通うことになるであろう」併設大学の施設を使っての説明会である、と言う点です。中学・高校入試を迎える前から大学を見ておくことは非常に意味があることだと思います。

大学とその附属校のすべてが一堂に会して学園の魅力を語る画期的なイベント。個々の中高を見て回ることで各校の細かい教育内容を確認する前に、「学園全体の考え」というマクロ的視野で各学園の教育理念・歴史・取り組み・将来性・魅力を確認できる、大変貴重な機会です。お見逃しなく!

立命館大 2011年度入試情報

2010年7月21日 水曜日

先日行われた高校・予備校・塾対象の説明会参加レポートです。過日のエントリー「立命館大 2010年度入試を振り返って」につづくエントリーとなります。今回は、来る2011年度入試に向けての変更点をご紹介いたします。

まず、最も注目すべき変更点としては、国際関係学部で新展開があるという点です。国際関係学部は「グローバル・スタディーズ専攻」と「国際関係学専攻」の2つに専攻分離し、同志社大の新設学部「グローバル・コミュニケーション学部」に対抗する形となります。以下の3つが主な改革点として発表されています。

・「語学×理論×地域研究=国際関係学」の学びを強化
・「国際関係プロフェッショナル・サブプログラム」国際社会で活躍するスペシャリストを育てるプログラムを設置
・グローバル30プログラムのスタート

「グローバル・スタディーズ専攻」は要卒単位をすべて英語で受講することになるそうです。また、従来国際関係学科で行われていた取り組みは「国際関係学専攻」に引き継がれつつ、更に強化されることになっています。

大阪外国語大の大阪大への統合、関西大の外国語学部設置、関西学院大の国際学部設置が行われています。これらに続く今後の展開として、同志社大が来年春グローバル・コミュニケーション学部を設置した上で、2013年には地域研究に関する学部を新設することが明らかになっています。このように近畿地区では国際系学部の動きが非常に活発です。

立命館大の国際関係学部は1988年に設置されて以来、日本の大学の国際化の先頭に立ってきました。昨今の国際系学部の新設を見て、刺激されたところが大きかったものと想像します。

入試制度に目を向けますと、変更点が非常に多く出ています。一言で言えば「入試のスリム化」といったところでしょうか。以下、メジャーな変更点についてまとめています。

①公募制推薦(昨年度は11学部計197人募集)を廃止。
②AO入試で「自己推薦方式」(昨年度9学部計40人募集)を廃止、従来の 「学部独自方式」と新方式「国際方式」に再編成。学部独自方式では、経済・スポーツ健康科学の2学部が加わり12学部で実施、理工では実施学科を 2→9学科に増やすなど、募集枠を計234人に設定。
③一般入試E方式(国語・英語・リスニング)を廃止。
④センター試験利用型入試では2月実施の4教科型などを廃止、基本的に2月実施を「7科目型」「5教科型」「3教科型」の3パターンに、3月実施の後期型を4教科型に統一。

・・・たくさんあります。

その他には「スポーツ健康科学でW方式を廃止」「文学部(文系スタンダード3教科型、特定科目重視3教科方式)の国語で漢文必須から漢文選択に変更」「スポーツ健康科学で新たにセンター試験利用型入試導入」といったマイナーチェンジもあります。

立命館大を受験予定の方はオープンキャンパスや説明会に参加して、自分が受験する予定の学部・学科・入試方式についての詳しい情報を得るようにしてください。

金蘭千里中 2011年度入試は3科型入試一本で

2010年7月20日 火曜日

金蘭千里中より、2011年度入試要項について連絡をいただきました。

驚いたことに、前期・後期とも国算理3科入試一本とされています。詳細は以下のとおりです(クリックすると拡大します)。

金蘭千里中 2011年度入試要項

※万全を期すため詳細は学校HP等で必ずご確認ください

今年2月には当ブログで「金蘭千里中 早くも学校見学会を実施」というエントリーで2010年度入試での金蘭千里中の入試科目に対するポリシーについてご紹介しました。その一部を以下に引用いたします。

「さて金蘭千里中ですが、今年の入試で多くの中学が導入した「3科4科選択制」の波に乗らず、従来通りの4科型入試一本で2010年度入試を迎えるという、 同校が持つ「ポリシー」を貫かれた形です。他校の入試結果も出揃ってきた今、おそらくはこの「3科4科選択制」について2011年度入試ではどうするの か?ということが改めて検討されていくことと思われます。」

・・・ご覧頂きましたとおり、今年度4科型入試一本だった形から、来年度は3科型入試一本へと大きく舵を切られることになります。

さて、この結論に至った経緯が大変気になりますが、それについてはまた後日、改めてご紹介したいと思います。

【続報】上宮中高 2011年度より共学化

2010年7月16日 金曜日

随分前のエントリーですが、こちら「上宮中高 2011年度より共学化」で上宮中高の共学化についてお伝えしました。それ以降、新しい情報は入ってきてなかったのですが、この度実施された塾対象説明会でまとまった情報を得ましたので、ご紹介いたします。

上宮中高 説明会会場

事前にご準備されていた会場(それでも300人以上は入るでしょう)では収まりきれず、急きょ別室にテレビモニターを設置して、会場に入りきらなかった方々にはそちらの部屋で説明会会場の様子を見てもらう、というご対応をされていました。それだけ、上宮中高の共学化についてのお考えや具体的な取り組み内容、気になる入試に関する情報といったことを聞きたい!という塾の先生がたくさんいることの現れです。

さて、一番始めにお話された学校長のご挨拶の中で、共学化に至った経緯をご説明くださいました。

いくつか理由やお考えをお話下さいましたが、特に「ポジティブ」な理由としては、「高校のパワーコース1期生が今春卒業し、一定の進学実績を出した。その勢いを共学化でもって更に活性化させたい」というものがあるようです。

一方で共学化に至った「ネガティブな」経緯として、「少子化・共学化志向の昨今ではこのままだとレベルダウンは必至、一定の水準を維持している間に共学化に踏み切って対処しておくべき」ということだそうです。

今年創立120周年という大きな節目を迎え、121年目を迎えるにあたり何らかの「新しい挑戦」をすべきだ、ということはずっと念頭におありだったと思います。それに対する答えが「共学化」ということだったのかな、と私は思っています。

さて、共学化ということで、女子の定員数・女子を受け入れるコース・クラス分けのことなど、本当にたくさん心配な点があります。

まず、中学入試・高校入試共に「男女比は設けない」ことになっています。

女子を受け入れるコースは、中学・高校ともに「すべてのコース」です。

ただ、注意点があります。中学では特進コース、高校ではパワーと英数の両コースは女子生徒がどんなに少なくても(ゼロでは無い限り)男女混合クラスにする方針だそうですが、中学の標準コースと高校のプレップコースについては女子生徒が1クラスにまばらにしかいない、という状況は避けるため、女子を一定数固める「共学クラス」と女子が全くいない「男子クラス」に分けられる可能性がある、ということが発表されました。

・・・どれほどの女子が集まるのか全く予想できませんので、男子クラスが出来るという可能性が全く無いとは言い切れない、というのが今の段階で言えることではないでしょうか。

さて、設備面などでも共学に向けて着々と準備が進められています。現在では以下の点に取り組まれているようです。

・教室の改修工事
・号館ごとのトイレの設置
・体育・クラブのための更衣室設置
・保健室のベッド増設
・クラブの充実(文化系クラブはすべてで女子受け入れ予定)
・女子教員の増員
・共学に向けての研修会
・カウンセリングの充実

学校長のご挨拶の中で、「『しつけの行き届いた進学校』『より厳しくそしてより温かく』という基本理念は変わることはありません。」と言われていました。女子生徒についても、社会に貢献したいという思いを持った生徒に来てほしい、ということが基本方針としておありです。だから「自由にさせてくれて毎日が楽しければ良い、と思う生徒は希望しません」とはっきり言われていました。この点、受験生の皆さんはよく知っておくべきでしょう。

気になる入試についてもご紹介せねばなりません。

中学入試は、募集定員160名で今春から変更はありません。前述のとおり、男女比は設けられていません。

入試日程に大きく手が入っています。例年、初日・3日目・5日目という位置取りで3回の入試を行ってこられましたが、来春は1/15(土)1次・1/17(月)2次Aは例年通りの位置取りですが、2次Bが1日半前倒しになり1/17(月)の午後(15時)実施となります。よって、1/17(月)は午前・午後の連続実施、となります。

高校入試では募集定員は360名となり、今春より80名増えています。今春は英数コースの募集人員を80名→40名に減少させ、総募集人数を280名と変更しましたが、再度増やす形になります。こちらも男女比は設けられていません。

中高とも男女比を設けていないことから、合格に必要となるレベルについては「男女で同じ」と判断してよいでしょう。また、募集人数の減少もありませんので、「例年通りのレベル」で充分合格出来ると思われます。

最後に女子の制服ですが、(説明会会場では実物もありましたが)下のようなパンフレットで公表されています。

上宮中高 制服

女子はブレザータイプ、中学はブルーか白のブラウス・高校はピンクか白のブラウス、リボンは中学がブルー・高校はピンク、スカートも中高で若干異なり、中学はブルーのラインが入ったもの・高校はピンクのラインが入ったもの、だそうです。中学はブルー、高校はピンクが基調となるようです。

男子の制服はこれまでどおり詰襟です。ただ、高校男子の制服に変更点があります。高校男子の制服も、これまで中学校で採用されてきた灰色の詰襟に変更になるそうです。

今回、たくさんの情報をお伝えしましたが、例えば女子の夏服のことがまだ決まっていなかったり、これまでの男子校時代であれば進学先としてあまり選ばれることがなかったでしょうが、女子には人気のある「看護」「栄養」「被服」といった分野の進路先確保、もっと具体的に言えば「指定校推薦枠などでの女子大への進学はどうなるのか」といったところなど、まだこれから具体化されていくようなところも多々あるようです。

まだまだ上宮中高の動きから目が離せそうにありません。