2010年度大阪府公立高入試 教科ごとの小問別得点率④

2011年2月28日 月曜日

2010年度大阪府公立高入試 教科別平均点
2010年度大阪府公立高入試 教科ごとの小問別得点率①
2010年度大阪府公立高入試 教科ごとの小問別得点率②
2010年度大阪府公立高入試 教科ごとの小問別得点率③

に続くエントリーです。昨年の後期選抜における教科別の平均点、科目ごとの小問別得点率を順にご紹介してします。「~①」では昨年の後期選抜 国語について、「~②」では同じく社会について、「~③」では数学についてそれぞれご紹介しました。まだお読みでない方は先にこれらをお読みになることをオススメします。

このシリーズ4つ目となる今回のエントリーでは、理科についての情報をお届けします。下のグラフ・表で昨年の得点率や無答率を紹介しています(画像をクリックすると拡大します)。

大阪府後期選抜 小問別正答率(理科)

おととし(2009年度)の理科の入試問題についても過去のエントリー「大阪府公立高校 後期選抜 教科別平均点と小問別正答率⑤」でご紹介していますので、そちらも合わせて対策にお役立て下さい。

さて、昨年の理科の入試問題について大阪府教育委員会はどのように評価しているのでしょうか?以下、教育委員会の概評です。

・基礎的・基本的な事項に関する問題については、高い得点率であった。科学的な思考を要する問題や論理的に説明する問題については、低い得点率であった。
・観察・実験を通して技能や知識を習得するとともに、学習した内容と実生活でみられる事物・現象とのかかわりについて考えることにより、科学的な思考力・判断力や表現力を身に付けることが大切である。

全体を通して「身近な自然の事物や現象を題材として取り上げ、中学校で学習する基礎的・基本的な事項についての理解を問うとともに、観察・実験に基づく科学的な思考力・判断力や論理的に説明する力」が問われています。

大問5つで構成されていますが、特に得点率が低かったのが大問4「水溶液とイオン」です。「電池で起こる現象などについて、イオンの存在や生成が原子の成り立ちに関係することを理解し、イオンのモデルや式と関連付けてみる見方や考え方を身につけることが必要です」ということで教育委員会が発表しています。

理科の対策ポイントとして挙げられるのが、昨年ご紹介したエントリーでも述べたとおり「身の回りにある、あるいは身の回りで起こる出来事」を実際の生活の中でいかに注意して観察しているか、です。そして、単に観察をしているだけではなく、観察したものを科学的に考え、判断し、それを的確に表現する力が必要になります。普段の生活でも理科を意識して、特に教科書で触れられている事柄について身の周りを観察するように心がけましょう。

このシリーズの最後となる次回はいよいよ英語の分析となります。

2010年度大阪府公立高入試 教科ごとの小問別得点率③

2011年2月25日 金曜日

2010年度大阪府公立高入試 教科別平均点
2010年度大阪府公立高入試 教科ごとの小問別得点率①
2010年度大阪府公立高入試 教科ごとの小問別得点率②

に続くエントリーです。昨年の後期選抜における教科別の平均点、科目ごとの小問別得点率を順にご紹介してします。「~①」では昨年の後期選抜 国語について、「~②」では同じく社会についてご紹介しました。

このシリーズ3つ目となる今回のエントリーでは、数学についての情報をお届けします。下のグラフ・表で昨年の得点率や無答率を紹介しています(画像をクリックすると拡大します)。

大阪府後期選抜 小問別正答率(数学)

おととし(2009年度)の入試についても詳しくご紹介しています。こちらのエントリー「大阪府公立高校 後期選抜 教科別平均点と小問別正答率④」をご参照ください。

さて、昨年の入試問題について大阪府教育委員会からは以下のような分析が出されています。

・基礎的・基本的な内容に関する問題においては、基礎的な概念の理解や数学的に表現し処理する力について不十分な点がみられた。
・数学的な見方や考え方を必要とする問題や論理的思考力・表現力が要求される問題については、得点率が低く無答率が高かった。単に答えを出すだけでなく、 答えに到達するまでの過程を論理立てて確実に表現することを大切にするとともに、そこで用いた考え方についてさらに振り返ってみる学習が必要である。

数学のA・B問題については各高校がそれぞれ選択します。どの高校がどの問題を選択するのかは、後期の入試当日にならないとわかりません。

選択問題Aの中で特に得点率が低いものとしては、大問1?・?・?、大問2?②といった問題が挙がります。選択問題Bでは大問2?①②の得点率が極めて低くなっています。特に記述させる問題の得点率が非常に低い点が特徴です。選択問題A・B共に大問1は基礎・基本からの出題となっており、「基礎的な概念の理解や数学的に表現し処理する力」を見られています。問題文をしっかりと読んで「何に答えるか」を正確に把握して、確実に正解を取りたいところです。

共通問題に目を移してみますと、評定が4~1の受験生は始めの大問3?①以外では壊滅的な得点率となっています。得点率ゼロの問題が2問もある状況です。確かに難しい問題が並んでいるとは思いますが、ここで1問でも正解しておくと他の受験生に差をつけることが出来るでしょう。数学が苦手な方でも、ちょっとねばって頑張ってみて欲しいと思います。ここでの1問が大きな差をつけることになるでしょう。

大問4は「折った紙のようすを題材として平面図形における線分の長さや面積等」について考察する問題で、難易度の高い問題が一部含まれています。大阪府教育委員会は「仮定と結論を明確にして論理的に説明する力が必要です」と指摘しています。

残すところあと2科目となったこのシリーズ、次回は理科についてご紹介します。

関西大 後期入試に向けて

2011年2月24日 木曜日

関西大 後期入試対策講座に参加してきました。最後まで頑張る塾生たちに少しでも有益な情報を持って帰ろうということで、開成教育グループ 入試対策課はここ数年続けてこのイベントに参加しています。昨年のこのイベントの様子は「関西大学 後期入試に向けて」のエントリーでご紹介しています。

関西大 正門前

構内のあちこちに「○○○○番~○○○○番 試験会場」といった立て看板があり、入試期間真っ只中であることを否応なしに感じます。

説明会 会場

説明会会場はご覧の通り、超満員でした。この日は別会場で願書の持参受付が行われましたが、この会場にいる6~7割の受験生が出願したようです。

さて、今回の後期入試説明会では英語・現代文・古文・数学の対策講座と同時に、最新の出願状況や出願のポイントについてご紹介いただきました。

関西大と言いますと、ここ数年非常に人気がある大学として広く認知されています。そこで、今年の一般入試前期の入試動向を一度整理し、一般入試後期に向けての予想をしておきたいと思います。

下の表は、昨年と今年の一般前期日程の志願・合格者の状況と、それぞれの昨年と比較した際の比率を示しています(画像をクリックすると拡大します)。

関西大 一般前期受験・合格状況
赤く示されている政策創造学部と人間健康学部は、ご覧の通り志願者が増えているにもかかわらず合格者数が昨年よりも減っています。これらの学部は「合格者を絞っている=レベルが上がっている」と考えることが出来ます。

反対に、青く示されている文学部と社会学部については、志願者数が減っているにも関わらず合格者数が昨年よりも増やされていますから、今年は「入りやすくなっている」のではないでしょうか。

一般入試前期はこのような傾向になっていますので、この傾向が後期入試でも似た形で出てくるのではないでしょうか。現に、このイベントが行われた時点の後期入試出願状況では法学部と社会学部、それに加えて商学部の出願の出足が悪くなっているようです。特に社会学部が狙い目になっている気がします。

さて、出願された方はすでにご存じかと思いますが、この一般入試後期は3月3日(水)についてのみ文系学部と総合情報学部・社会安全学部のうちで、1回の試験で異なる2つの学部に出願可能な「2学部併願方式」というものを採用しています。よって、第一志望学部で合格最低点に届いていなくても、第二志望学部の合格最低点を超えていればそこで合格が出る、ということで合格の可能性がぐっと高くなります。

一般入試後期の昨年の合格最低点を一覧にしてみました(画像をクリックすると拡大します)。

関西大 一般後期 合格最低点

文系学部・理系学部でそれぞれ合格最低点が最も高かったところを赤く、逆に最も低かったところを青くしています。文系学部では実に65点もの差がついています。このデータのとおり、昨年は非常に広い範囲内で合格最低点が散らばっていましたから、1回の試験で2出願出来る一般後期では、2つのうちどちらか一方で合格が出る可能性が高くなりますから、チャンスです。

ちなみに、この一般後期「2学部出願方式」で人気のある併願パターンベスト3は以下の通りです。

経済―商
文―社会
法―政策創造

さて、ここまで一般入試後期の話をしてきましたが、残念ながら一般入試後期の出願は20日(日)で終了しています。しかしながら、センター利用型の入試については明日25日(金)まで出願受付がされています。後期センター利用型は、法学部・文学部・人間健康学部の3学部で「最も高得点科目の配点が満点の半分を占める」という「ベスト3科目傾斜配点方式」というものが用意されていたり、と大変バラエティに富んでいます。計算方法によっては合格ラインに浮上することも考えられますので、関西大HP や募集要項などで一度チェックしてみることをオススメします。

開成教育グループは最後まで頑張る大学受験生を応援しています!春はもうすぐそこ、頑張れ!

2010年度大阪府公立高入試 教科ごとの小問別得点率②

2011年2月23日 水曜日

2010年度大阪府公立高入試 教科別平均点
2010年度大阪府公立高入試 教科ごとの小問別得点率①

に続くエントリーです。昨年の後期選抜における教科別の平均点、科目ごとの小問別得点率を順にご紹介してします。前回の「~①」では昨年の後期選抜 国語についてご紹介しました。

このシリーズ2つ目となる今回は社会についての情報です。下のグラフ・表で昨年の得点率や無答率を紹介しています(画像をクリックすると拡大します)。

大阪府後期選抜 小問別正答率(社会)

なお、おととし(2009年度入試)の分についてはこちらのエントリー「大阪府公立高校 後期選抜 教科別平均点と小問別正答率③」でご紹介しています。2009年度の入試問題を解いた時はこちらを参考にして下さい。

大阪府教育委員会からは以下のような見解が発表されています。

・基礎的・基本的な事項に関する問題については、高い得点率であった。
・用語などを記述する問題においては、得点率の低いものや無答率の高いものがあった。教科書に記載されている用語の意味や内容を正しく理解しておくことが大切である。
・日本や世界の地域の諸事象を位置や空間的な広がりとのかかわりでとらえ、学習内容の定着を図る上からも、都道府県や主な国の位置や名称については、白地図を活用するなどして繰り返し学習する機会をもつことが大切である。
・問われている事項を的確に把握して、要点をおさえて分かりやすく表現する力が必要である。

大問は3問で構成されており、それぞれ「海外から見た日本」「国勢調査」「計量単位及び時間の国際的な基準」といったテーマが設けられ、地理的・歴史的・公民的各分野から出題することで3分野の融合が図られています。

大阪府教育委員会の見解にもありますとおり、用語を記述する問題での得点率が全体的に低くなっています。教科書に載っている、それほど難しくない用語が出題されているので、少し時間をかけて覚えればすぐに点に結び付く部分です。ここはぜひ押さえておきたいところです。

大問1?②や大問2?のように表やグラフから正確にデータを読み取り、問題文で聞かれていることに対して的確に答える、という問題が出ています。こういった問題は社会ではしょっちゅう出される問題です。普段からこういった表・グラフを読み取る問題に慣れておきましょう。

社会における今後の学習のポイントは

「地球儀や世界地図、白地図を使って日本や世界の地域の位置や空間的広がりをおさえる」
「表やグラフから正確な情報を読み取る練習をする」
「地理・歴史・公民が融合された問題に慣れておく」

といった点でしょうか。

次回のエントリーでは、数学についてご紹介します。

2011年度大阪府公立高 前期 最終出願状況

2011年2月22日 火曜日

2月17日に出願が締め切られた大阪府公立高 前期選抜、その翌日には早速出願状況が新聞各紙にて紹介されておりました。前期選抜を明日に控え、改めて主要な高校の最終倍率を、昨年・一昨年の倍率と出願前の「第二回 進路希望調査結果」と合わせてご紹介します。

なお、昨年(2010年度入試)同時期の記事はこちらのエントリー「大阪府公立高校 前期 最終出願状況」でご確認いただけます。

まずは、主な学科/コース合計の倍率をご紹介します(画像をクリックすると拡大します)。

2011大阪府公立高前期 学科別倍率

注目されています文理学科は3倍を超え、高倍率となっています。ただ、この3倍という数字は大方の予想の範囲内で収まった形ではあるものの、10校それぞれでかなりの格差が出ています。その辺りについては後ほど学校別の倍率で考察することにします。

文理学科が新設されることで、これまで前期選抜を実施してきた学校・学科/コース、特に総合科学や国際文化を持つ各校にとっては手痛い倍率低下が予想されていましたが、意外にも倍率が上昇しています。

理数科については昨年から大手前高と天王寺高が外れ、東高と大阪市立高の2校のみとなっています。こちらのエントリー「大阪府高校入試 2011年度第2回進路希望調査結果③」でもご紹介しましたとおり、大手前高と天王寺高の例年の高倍率が大きく影響していたこともあって理数科全体の倍率が大きく下がっています。

続いては文理学科10校それぞれの倍率です。進路希望調査結果と合わせてご確認下さい(画像をクリックすると拡大します)。

文理学科 倍率

倍率が一番高いのが四條畷高の3.87倍、逆に一番低いのが大手前高の2.16倍、実に1.71倍の差が出ました。

これまで理数科を持っていたという点から大手前高・天王寺高が人気を集めるものと思われてきましたが、両校とも低い倍率となっています。また、第一学区及び第四学区では「トップ校」として認知されている北野高・三国丘高も10校の中では低い倍率となりました。

これには受験生の「安全志向」があるものと考えられます。

北野高・大手前高・天王寺高・三国丘高の4校は各学区でのトップ校ですから、それらの学校の文理学科であれば誰がどう考えても「レベルは高くなる」「人気は高いだろう」と予想します。同じ文理学科を狙うのであれば、開設初年度の入試ということでこれまでのデータが無いこともあり、レベルや倍率的に手ごろになりそうな所を狙おう、と受験生が考えた結果が今回のこの倍率に表れています。

皮肉にも各学区トップ校文理学科の倍率は、10校の7~10位、つまり下位すべてを独占する結果となりました。

次は、理数・総合科学・国際文化です(画像をクリックすると拡大します)。

理数・総合科学・国際文化

冒頭でも触れましたが、文理学科新設によって割を食うだろうと予想されていた最右翼は、近くに茨木高・北野高があり、豊中高の文理学科とレベル的に似つかわしい位置にいる千里高でした。しかし、意外にも総合科学・国際文化の両方で倍率を上げて来ています。文理学科10校と並べても遜色ない大学進学実績などが評価されていることと、こちらもやはり「文理学科初年度はどんな倍率・レベルになるかわからないから、避けよう」といった安全志向の受験生が多数千里高に集まった、と予想できます。

続いては国際教養・単位制です(画像をクリックすると拡大します)。

国際教養・単位制

国際教養は全校で倍率アップしていますが、単位制は鳳高を除く3校が倍率を下げています。特に槻の木高は例年の2倍台という高すぎる倍率が嫌われたのでしょうか、0.23倍下げて1.8倍台に落ち着いています。

最後は総合学科です(画像をクリックすると拡大します)。

総合学科

総合学科は大きく下げているところがあったり、逆に大幅に倍率を上げているところがあったり、増減が激しくなっています。昨年の倍率が低かったところは今年は倍率アップ、逆に昨年高倍率だったところは今年敬遠されている、そんな傾向が見てとれます。

さて、明日に迫った大阪府公立高 前期選抜。倍率は以上のようになっていますが、今となってはこればかりは受験生がどう頑張っても変えようがありません。

(こんな記事を書いておいてこう言うのも何ですが)倍率の高い・低いにとらわれることなく、今まで学習してきたことを再度おさらいし、あいまいに把握しているという分野が無いようにして試験に臨みましょう。

受験生の皆さんのご健闘をお祈りしています。

気をつけて! 受験当日 5人に1人が体調不良!

2011年2月21日 月曜日

2月末からは近畿地区各府県で公立高校入試の前期選抜や特色・推薦選抜が順次行われています。また、同じ2月末は国公立大の2次試験も行われるなど、まさに受験一色の時期となっています。

受験に役立つ情報を提供しているインターネットのサイトは数多くありますが、そのうちの一つ、ベネッセのサイトに非常に興味深い記事がありましたので、その内の一部をご紹介したいと思います。

昨年末に小・中・高・大それぞれの入試を経験したことがある子どもを持つ保護者の方を対象とした、「受験当日のトラブル」についてのアンケートが実施されたようで、その結果というものが「これから受験を迎える方たちには必ず知っておいて欲しい」内容です。

「受験当日にどんなハプニングがあったのか?」についての回答結果を、以下にグラフの形で示しました。

まずは高校入試経験者の集計結果を見てみましょう。

受験当日のハプニング(高校入試)

「天候不良」が約20%となっていますが、こちらは自分一人だけに降りかかるものではなく、受験生の大多数に影響を及ぼすものです。受験は1月・2月に集中しているため、雪が降ったりする確率が高くなるのは仕方ありません。また、人間一人の力でどうこう出来るようなものではなく、何ともし難いところではあります。

それよりも、「体調不良」が約20%、5人に1人が経験しているという点に注目すべきでしょう。普段から体調管理を徹底していれば避けることが出来るトラブルです。受験勉強だけではなく、万全のコンディションで入試日を迎えることが出来るような生活を送ることを心がけておきましょう。

続いて、大学入試経験者のアンケート集計結果です。

受験当日のハプニング(大学入試)

「体調不良」がここでも約20%、5人に1人の割合となっています。大学受験生は1月中旬のセンター試験、2月から始まる私立大入試、2月下旬以降の国公立大入試・・・、と年明け以降は立て続けに入試が行われることになりますから、その過程のどこかで体調を崩すことも出てくるでしょう。その点を考慮すれば高校受験生よりも高い確率で「体調不良」に陥ることになるのでしょうけども、こちらも日々の心がけ次第でこの確率を低下することは出来ると思います。

また、大学受験生が遭遇したトラブルの中で、高校受験生よりも高い値になっているのが「迷い・乗り間違い」の部分です。高校受験生が約6%であるところ、大学受験生は約2倍の12%になっています。

高校受験生は受験校数が少ないのと、公立高は当然ですが、私立高はどの府県を選んでいいのにも関わらず、自分が住んでいる府県内の学校を選ぶ傾向にあります。移動の機会や距離が少なく済みます。

一方で、大学受験生は府県をまたいだ受験先となるのは当たり前、場合によっては前の日から受験先近くのホテルに泊まり込んでスタンバイする、ということもあります。慣れない土地に足を運ぶ機会が格段に多くなりますから、乗り間違いや途中で迷ってしまう可能性も高くなります。大学受験生は、受験校への行き方については入念に準備をしておきましょう。

入試当日は目の前にある答案用紙に全身全霊をぶつけることが出来るよう、体調管理や受験校へのルートといった心配ごとは1つでも多く無くすように心がけましょう。

2010年度大阪府公立高入試 教科ごとの小問別得点率①

2011年2月18日 金曜日

2010年度大阪府公立高入試 教科別平均点」に続くエントリーです。前回は大阪府公立高 後期選抜の教科別平均点を過去4年分ご紹介しました。この後の5回のエントリーでは昨年の後期選抜における科目ごとの小問別得点率をご紹介していきます。

今回以降でご紹介していく表の中には、小問題ごとに次のデータが載せられています。

①全体の得点率・・・調査対象者全員のうち何%がその問題を正解したか
②評定平均値別の得点率・・・調査対象者を評定10~8・7~5・4~1の3段階に分けたそれぞれがその問題を正解した率
③無答率・・・調査対象者全員のうち何%がその問題を白紙にしたか

特に参考にしてほしいのが②のデータで、自分の評定平均や自分が受験する予定の高校で大体これぐらいの評定は必要だ、というようなものを考えて「3つのゾーンの中で自分はこのゾーンのデータを見ればいいのか」ということを決めてから見てほしいと思います。

③についても少し補足を。これは「白紙にして出した率」ですから、「答えを書いたけど間違えた」というものは省かれています(②で計算されています)。そこを間違えないようにしてください。

まずは、今回のエントリーでは国語についてご紹介します(画像をクリックすると拡大します)。

大阪府後期選抜 小問別正答率(国語)

ちなみに、2009年度入試(おととし)の小問別得点率や解説についてはこちらのエントリー「大阪府公立高校 後期選抜 教科別平均点と小問別正答率②」でご紹介していますので、そちらも合わせて参考にして下さい。

大阪府教育委員会からはこの国語の入試問題について以下のような見解が出されています。

・文章を記述する設問においては、設問の意図を正しく読み取る力と、求められている内容を適切に表現する力が必要である。本文から必要な情報を取り出し、その内容を理解した上で与えられた条件にしたがって的確に表現する力を身に付けることが大切である。
・古文分野において、内容把握に関する記号選択問題は低い得点率であった。前後の文脈を丁寧に読み、場面を把握し、書かれている内容を正しく理解することが大切である。
・国語力は日常生活の中でも培われていくものである。普段からさまざまな文章に親しむとともに、構成を考えて文章を書く機会をもつことが大切である。

大問ごとに見ていきましょう。

大問一は「オノマトペ」のはたらきに関する文章を読み取る問題でした。特に得点率が低かったのが5番の内容把握・表現問題で、無答率(答えを書かなかった受験生の割合)も8.6%と、この大問の中で最も高くなっています。こういった問題が正解出来るようになると、他の受験生との大きな差が生まれてくるでしょう。

大問二は漢字の書き取り問題。同音異義語を文中で正しく使える力を見る問題が6問まとめて出題されています。どれも得点率は高くなっています。これらの問題は「出来て当たり前」と思うべきでしょう。

大問三は古文の問題です。どの問題も文章全体の構成や文脈を読み取って答えるものになっています。4問中3問で全体の得点率が低く、無答率も高くなっています。古典に触れている量が多いのとそうではないのとで得点率に差がつくでしょうから、日ごろから古典に親しんでおいて欲しいと思います。

大問四は心と脳に関する文章を読む問題で、唯一の記述問題での得点率の低さと無答率の高さ(国語の問題で一番高い)が目につきます。大阪府教育委員会は「限られた字数内でまとめきれていない解答が多い」と指摘しています。筆者の意見・考えを正確に読み取った上で、与えられた条件にしたがって表現する力を身につけるようにしましょう。

最後の大問五は作文です。今年は「最も好きな季節を1つ選び、その理由を自らの経験に照らして述べる力を見る」という問題でした。さすがに何か書かないと点がもらえない問題なので、無答率は低くなってはいます。ただ、誤字・脱字だけでなく、原稿用紙の使い方の誤りが見受けられたようです。まだまだあと1ヶ月で練習する時間はたくさんとれます。正しい原稿用紙の使い方を学び、間違いの無い字で無理なく文章を書けるように練習を重ねましょう。

次回のエントリーは社会についてご紹介します。

2010年度大阪府公立高入試 教科別平均点

2011年2月17日 木曜日

京阪神の私立高校入試が終わりました。出願時と同じコースで合格した、回し合格になった、不合格になってしまったが1.5次で他の私立高校に合格した、などおのおので状況が異なると思いますが、今回私立高を併願で受験した受験生は次の目標である「公立高校入試」に向けて気持ちを切り替えていく時期になりました。

大阪府の公立高校入試は前期選抜が2月23日(水)、後期選抜は3月16日(水)に実施されます。前期選抜まではあまり時間がありませんが、後期選抜まではあと1ヶ月ほどあります。

気持ちを切り替えて後期選抜までの残り約1ヶ月を前向きに、効率の良い学習を進めてほしいと思います。

今回を含む6回のエントリーで、昨年の後期選抜での教科別平均点や問題ごとの正答率をご紹介し、「取るべき問題」と「間違えても影響が無い問題」について考えてみたいと思います。

このシリーズ第1回目となる今回は「教科別の平均点(80点満点を100点満点に換算した点)」についてご紹介します。下のグラフは過去4年間の教科別平均点をまとめたものです(クリックすると拡大します)。

大阪府公立高後期 合格者 教科別平均得点率

このデータを見るときには1つ注意点があります。「合格者の無作為抽出標本調査」という方法が採られているという点です。・・・簡単に言うと「後期選抜を受験した受験生の全員のデータではない」ということです。「合格者だけ」、それも「全員ではない」という点がポイントです。

今回の「教科別の平均点」についてですが、各教科の過去4年分の平均点がグラフで示されています。ご存じのとおり、大阪府公立高校 後期選抜はどの教科も80点満点となっています。上の表に出ている数字はそれを100点満点に換算して計算したものになっていますので、ご注意ください。

国語を例にとって見てみると、2010年度(昨年)は「63.3」とありますので、それを80点満点に換算すると

80×0.633=50.64

となります。ですから、去年の国語は80点満点中大体51点が合格者の平均点だった、ということになります。それを踏まえた上でグラフを見てください。

グラフの中に数学・英語それぞれに「A」と「B」がありますが、数学と英語はそれぞれA問題とB問題のうちから各高校が自由に選択することになっています。次の後期選抜ではどの学校がどちらの問題を選ぶのか、については当日にならないとわかりません。

さて、毎年作られる入試問題は出来るだけ問題の難しさを一定に保つように工夫はされていますが、どうしてもその年その年で難しさが少しずつ異なります。ですから、問題が難しかった年、逆に簡単だったという年、が起こってしまいます。

上のグラフを見てみると、特に理科は最近4年間の中で去年が一番平均点が低かった年になっています。理科は年々平均点が落ちてきているのが特徴で、国語や社会などの平均点と比べた時の差も非常に大きくなっています。

「国語や社会では点が取れるのに、理科は点が取れない」と嘆いていた受験生の皆さん、元々の平均点が低いので、理科に関しては自分の点数が低いのも「ある程度までならば」仕方がないと判断していいと思います。

去年の過去問を解いて落ち込んでいた受験生の皆さん、どうでしょうか。少しは気が楽になりませんか?

これから先に過去問演習をしていく時には、これと同じように過去4年間の平均点(100点満点に換算されたもの)と自分の各教科の出来とを比較して、冷静な判断をするようにしてください。

次回以降では、去年の5教科それぞれについて小問題ごとの正解率や簡単なコメントなどを順番にご紹介していきます。お楽しみに!

私立大 後期入試に向けての説明会

2011年2月16日 水曜日

2月に入り、私立大入試が本格的に実施されており、中旬以降はその合格発表が続々と行われています。このブログをお読みの大学受験生の皆さんはどのような結果になりましたでしょうか?

私立大入試ですが、2月の一般入試前期が最も規模が大きい入試となっています。一部の大学は2月の一般入試ですべての入試を終えてしまうのですが、大多数の私立大では3月に行われる「一般入試後期」と呼ばれる入試にも、少数ではありますが、定員を割いて受験チャンスを設けています。

そして、その一般入試後期で合格を勝ち取ってもらうために、各大学は受験生を対象として「後期入試出願のポイント説明」や「予備校講師による教科別対策講座」をメインとする説明会を開催されています。

今回のエントリーでは、近畿地区の主要私立大で3月に入試を行う大学が主催する、一般入試後期に向けた説明会日程・内容をご紹介したいと思います(クリックすると拡大します)。

主要私立大 後期入試向け説明会1※万全を期すため日時・詳細は大学HP等で必ずご確認ください

各大学のキャンパスで実施される説明会については字を黄色くしています。「今までオープンキャンパス、説明会、入試を通して全く大学に行ったことが無いけど、後期入試は受験する」という方は、これらの回に必ず参加して大学キャンパスを隅々見るようにしましょう。

さて、こういった説明会に参加することの利点のうちで最も大きなものとして、各学部の「一般入試前期終了時点の人気動向、合格・手続き状況」を聞かせてもらえる、というものがあります。

この情報があれば、後期試験における「狙い目学部」や「要注意学部」を探り当てることが可能です。こういった情報は説明会に参加しないと得られないものです。見逃せません。

また、これらの説明会のうちの一部では一般入試後期の願書を受け付けてくれるところもあるようです。出願まで時間がないこの時期の入試なので、大変ありがたいご配慮です。

金蘭千里中 早くも学校見学会「みてきいて2011」を開催

2011年2月15日 火曜日

2011年度中学入試が終了したばかりですが、早くも2012年度入試に向けて金蘭千里中が学校見学会を昨年に引き続き、2月末に実施されます。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

金蘭千里中 みてきいて2011

金蘭千里中 説明会

日程:2011年2月26日(土)
時間:
10:30~12:15 授業見学、校舎見学(随時見学可)
13:00~14:00 学校紹介、音楽部合唱、在校生スピーチ
(10:30~12:30 食堂利用可、ただし食数に限りあり)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

昨年から実施開始となった新たな取り組みです。昨年は非常に多くの受験生・保護者が来校されたようです。

実施時期が非常に早いということもありますので、次年度(2012年度)入試に向けた新しい情報をお伝えする、というよりは、授業・校舎見学や学校紹介といった「学校を知ってもらう」ということにスポットを当てた内容になっているのが特徴です。

2009年度入試で多くの中学が導入した「3科4科選択制」の波に乗らず、従来通りの4科型入試一本で2010年度入試を迎えたものの、今年度(2011年度)入試では「3科入試一本」の形に大きく舵を切りました。この辺りの変更の経緯や今年の結果といった部分は、この見学会でお聞きできるのではないでしょうか?

ぜひご参加下さい。